ロッシーニの器楽・管弦楽曲 作品解説(13) 《ヴァイオリンのための変奏アリア(ニ長調)》 (1814 年頃[推測])1 水谷 彰良 ヴァイオリンのための変奏アリア(ニ長調) Aria variata per il Violino 作曲 1814 年頃[推測]、ベルガモ 初演 不明 編成 ヴァイオリン(独奏パートのみ) 演奏時間 約 3 分 自筆楽譜 不明(手写譜のみ) 初版楽譜 下記の批判校訂版 現行譜 現行譜 下記の批判校訂版 全集版 未成立。批判校訂版は WGR:Chamber Music without Piano.,2007.(BA 10511) 構成 ニ長調、2/4 拍子、速度指定なし 解説 1997 年に手写譜がニューヨークの古書店目録に掲載され、現在はヴィーン楽友協会の史料庫に所蔵されている。 自筆楽譜は未発見で、この手写譜が唯一の典拠となるが、タイトル頁の記載(Aria variata / per il Violino / Composta dal Sig.r Giovacchino / Rossini / A Bergamo L’anno 1814 / Scritta per uso dal Nobile Sig.r Conte Gaetano [?] in Ancona) 、主題が 当時人気を博していたフランツ・クサヴァー・ジュスマイヤー(Franz Xaver Süßmayr,1766-1803)作曲のバレエ《ベ 》 (1802 年ヴィーン初演)の舞曲[Contraddanza]に基づくなどの周辺 ネヴェントの胡桃の木(Il noce di Benevento) 状況の研究から、手写譜の基となる変奏曲をロッシーニが作曲した可能性が高いと推論されている(詳細は批判校訂 版の序文を参照されたい) 。曲は 16 小節の主題(ニ長調、2/4 拍子、速度指定なし)と技巧的な七つの変奏からなり、ヴ ァイオリン・パートの手写譜以外にロッシーニと関連づける資料は存在しない。 推薦ディスク:未録音 推薦ディスク 1 初出は『ロッシニアーナ』第 33 号所収「ロッシーニ全作品事典(25)ロッシーニの器楽曲①」。HP 用の改訂版、2015 年 1 月。 1
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