第 5 章 2025 年に向けて 125 第1節 2025 年の五條市の介護保険事業の見込み 介護予防を含めた介護サービスの給付費は年々増加し、団塊の世代がすべて後期高齢者となる平成 37 年(2025 年)には 40 億円を超え、平成 26 年度の約 1.3 倍となる見込みとなっています。 サービス別にみると、在宅サービスが約 1.4 倍、居住系サービスが約 1.4 倍、施設サービスが約 1.1 倍となっています。 住み慣れた地域で生活を継続できるようにするという地域包括ケアの観点から、給付費に占める在宅 サービスの割合が増加する見込みとなっています。 図表 2025 年(平成 37 年度)の介護サービス給付費の見込み 単位:千円 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成32年度 平成37年度 在宅サービス 1,239,251 居住系サービス 施設サービス 合計 1,287,252 1,313,703 1,414,754 1,420,757 1,460,757 1,522,297 1,659,013 1,754,157 2,011,887 2,098,289 163,208 159,254 184,377 242,532 260,076 268,173 276,794 296,313 331,658 364,896 372,454 1,235,317 1,270,045 1,282,792 1,296,753 1,336,018 1,426,182 1,512,988 1,510,066 1,510,066 1,564,353 1,581,318 2,637,776 2,716,551 2,780,872 2,954,039 3,016,851 3,155,112 3,312,079 3,465,392 3,595,881 3,941,136 4,052,061 (千円) 4,500,000 4,000,000 3,500,000 3,000,000 2,500,000 2,000,000 1,500,000 1,000,000 500,000 0 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 在宅サービス 平成25年度 平成26年度 居住系サービス 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成32年度 平成37年度 施設サービス 資料:介護保険事業計画ワークシート 126 第2節 2025 年に向けた取り組みの方向 五條市の高齢化率は平成 25 年に 30%を超えました。高齢化率の上昇は今後も続き、団塊の世代がす べて後期高齢者となる 2025 年には約 40%になることが予測されています。 五條市における高齢化率上昇の大きな要因は、65 歳未満、特に 40 歳未満の人口が大きく減少してい くことにあり、2025 年に向かって介護の担い手が今後一層不足することが懸念されます。 一方、地区別にみると、西吉野地区と大塔地区ではすでに高齢化率が 40%を超えており、高齢者を支 える担い手をどのように確保していくかは現時点から対応が必要な課題となっています。 また、第 5 期の介護保険事業で特に伸びを示したサービスは、訪問看護・通所リハビリテーション・ 小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護であったことから、在宅医療支援や医療ケアを必 要とするケースや、核家族化による高齢者世帯や独居等による介護力の低下、認知症高齢者の急増とい った課題が、五條市でも浮上していることがうかがえます。 これらの状況に対応していくために、在宅サービスの基盤整備等に加えて、社会環境の変化によって ますます多様化するニーズに合わせたサービスの充実と質の向上を図っていく必要があります。 上記のような現在及び将来の課題に対して、高齢者が住み慣れた自宅や地域で安心して暮らし続けら れるよう、介護保険事業計画の基本目標である介護や支援が必要になったときの「安心」を保障し、基 本方針である「質」と「量」を確保するとともに、適切にサービスを利用できる体制を、社会の変化に 対応しながら提供していくこと及び、健康寿命の延伸のため、壮年期からの健康づくり・健康管理への 取り組みが必要になります。また、支援を必要とする高齢者を地域一体となって支えていくための基盤 となる地域包括ケアシステムを中長期的な視点で構築していくことが、今後の取り組みを進めるうえで 重要となってきます。 五條市において第 6 期計画では主に、介護保険制度改正による取り組みを着実に進めるとともに、地 域包括ケアシステムの充実に向けて、元気な高齢者を含めた地域みんなによる高齢者への生活支援や見 守りの充実、在宅医療と介護の連携などの各種施策に取り組んでいきます。 また近年、大きな災害が発生している中、平成 23 年には五條市においても台風 12 号による豪雨によ り大塔町が甚大な被害を受けました。この災害を教訓の一つとし、避難行動要支援者への対応や、山間 部に住む高齢者の生活支援についても、地域づくりを含めて環境整備に取り組んでいきます。 127 128
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