地域団体商標 - いまり法律事務所

【田舎の法律問題】
◇地域団体商標◆
筆者の主観で,「田舎らしい」と感じた法律問題を取り上げます。実際には地域に限定
されない問題ですので,多かれ少なかれ,都会でも起きうる事柄でしょう。
さて,今回は,「地域団体商標」を取り上げます。
一般的に,商標権とは,事業者の営業上の信用を保護する制度といわれています。
商標権は,権利者自身が使用するか,または権利者が使用権を認めた使用権者が使用
することが前提となっています。
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定の事業者と結びつける,いわゆる識別力が必要となります。
しかし,世間的にブランドとして認知されている名称で,特定の事業者とは結びつけ
られないものもあります。代表的なものが,地域の特産品をブランド化した,いわゆる
地域ブランドです。
地域ブランドは,特定の事業者ではなく,特定の地域と結びついたものなので,一事
業者の独占権である通常の商標権には馴染みません。地名を含む商標がすべて登録を受
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章のみからなる商標は,商標登録を受けることができない,とされています(商標法3
条1項各号)。
そこで,地域ブランドを保護するために設けられた特別の制度が,「地域団体商標」で
す。
地域団体商標は,一定の団体がその構成員に使用させる,地域の名称および商品・役
務の名称などからなる商標です。
例えば,佐賀県内では,平成26年12月時点で,「佐賀産和牛」「佐賀のり」「唐津
焼」「小城羊羹」「うれしの茶」など,7件の地域団体商標が登録されています(特許庁
Webサイトより)。
地域団体商標も商標権の一種ですので,登録された地域団体商標を使用権がない者が
便乗使用した場合には,差止請求や損害賠償請求が可能です。
また,団体が地域団体商標を取得した場合,その構成員も,登録された地域団体商標
を使用することができます。
ところで,従前は,地域団体商標を取得できる「一定の団体」とは,特別法による組
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合(事業協同組合,農業協同組合,漁業協同組合など)に限られていました。
しかし,法改正により,平成26年8月から,地域団体商標を取得できる団体の範囲
が拡大され,商工会・商工会議所,NPO法人(特定非営利活動法人)なども,制度を
利用できるようになりました。
今後は,地域の特産品をブランド化し,管理していくために,より柔軟な方法が可能
になるといえます。
例えば,特別法上の根拠がない任意の組合で地域ブランド化を進めてきた場合,NP
O法人を設立して地域団体商標の取得・管理をすることが考えられます。
また,複数の組合が同一の地域ブランドを使用している場合などで,様々な事情で組
合を単位として地域団体商標登録の申請(共同申請)をすることが困難な場合などには,
商工会・商工会議所が主体となって地域団体商標の登録を受ける,ということも考えら
れるかも知れません。
なお,類似の制度として,「団体商標」というものもあります。地域団体商標よりも要
件や制限が緩いので,ブランド化したい特産品に地域の名称が含まれない場合には,こ
ちらの利用を検討してもよいかも知れません。
(注)本コラムは,個別の事案についての結論を保証するものではありませんので,具
体的な事案について疑問がある場合には必ず専門家にお尋ねください。
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弁護士法人いまり法律事務所 弁護士 圷悠樹(佐賀県弁護士会所属)【文責】
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