暮しの法律クイズ

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Q1のヒント
賃貸住宅を退去する際、借主はその住宅をもとの状態に戻して、貸主に返さなく
てはなりません(原状回復義務:民法597条1項・598条・616条)。
また、借りてから返すまでの間、借主はその住宅を、自分の物を管理する時より
もより注意を払って管理しなければなりません(善管注意義務:民法400条)。
もとの状態に戻すといっても、借りた当時の状態に戻すという意味ではありませ
ん。この【原状回復義務】は、借主が故意(わざと)や過失(不注意)によって住
宅を傷つけた場合や、借主が善管注意義務に違反した場合などに、修繕を行う(修
繕費用を負担する)必要がある、ということです。
住宅として使用すれば、普通に生活していても傷みが発生することがありますし、
年月が経てば古くなります。そういった、借主の通常の使用による損耗(家具を置
いたことによる床のへこみ等)や、経年劣化(年月の経過による自然な品質・性能
の低下)の修繕費用は、そもそも家賃に含まれているため、その分までも借主が負
担する必要はない、というのが裁判所の考えです。
もっと詳しく知りたい方は、国土交通省より過去の裁判事例や取引実務を参考に
したガイドラインが公表されていますので、こちらをご覧ください。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について - 国土交通省
( http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_
000020.html)
Q2のヒント
民法の次の条文をご覧下さい。
(竹木の枝の切除及び根の切取り)
第233条
1
隣地の竹木の●が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その●を切除
させることができる。
2
隣地の竹木の●が境界線を越えるときは、その●を切り取ることができる。
●には、それぞれ「枝」か「根」のどちらかが入ります。
どちらかは竹木の持ち主に切ってもらうよう請求でき(つまり自分では勝手に切
ることができない)、どちらかは自分で切ることができると定めた条文です。
庭に植えた木が敷地からはみ出すといったように、土地の利用が隣り近所に何ら
かの影響を及ぼすことがあります。民法ではそういった土地の利用を調整するため
の規定が設けられています(民法
相隣関係
209条~238条)。
もっと条文を見てみたいという方は、こちらをご覧ください。
「法令データ提供システム」民法 - 総務省
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html