橋梁の地震時被災度判定システム はじめに 大規模な地震が発生した場合には、道路は災害時の救援や物資の輸送、復旧 活動に重要な役割を果たします。このため、道路を構成する重要な構造物の 1つである橋が、もし地震により壊れた場合にも、出来る限り早く損傷を見 つけ、速やかな応急対応により機能回復を図ることが重要です。 そこで、損傷程度の把握、使用性の判断を定量的かつ迅速にするために、地 震における橋の被災度判定センサを開発しました。 被災度判定システムの概要 照明柱 親機 車載端末 無線通信 中継機 無線 接続 国土交通省 橋桁 「実橋梁への設置が容易なこと」「局所的な損傷の把握よりも全体の被災 程度の把握ができる」ことから加速度センサを用いて被災度判定システム を構築しました。 損傷によって固有周期が大きくなるRC橋脚の特性を明らかにし、この特 性に基づき応答塑性率を推定し、地震による被害を判定する手法です。 被災度判定センサを構造物に設置し、橋梁の被害に関する情報を緊急点検 中のパトロールカーで収集できるため、被災の状況を迅速に把握すること ができます。 【技術の特徴】 ● ● ● ● 被災度判定システムの概要図 ▼ 加速度計測 メモリー上にバッファ ▼ 計測開始 トリガを検知 ▼ トリガを 設定・入力 ▼ 計測データを 保存(5波形分) ▼ 被災度判定 基準を設定・ 入力 被災度の判定 (被害なし、 被害小∼大) ▲ ▼ 被災度の出力 No 被害の程度 応答塑性率 小 3以下 中 3∼6程度 大 6程度以上 損傷の イメージ かぶりコンクリートの かぶりコンクリートの剥落 軸方向鉄筋の座屈 浮き・軽微な剥落 帯鉄筋のゆるみ 曲げひび割れの発生 被害なし 小 適用基準 被害の程度 大 ▲ H8以後 S55・H2 S55以前 0 2 4 6 応答塑性率 橋梁構造研究グループ Tel.029-879-6773 8 10 ▲ 被災度判定フロー RC橋脚の損傷と応答塑性率の関係 ▲ ▼ Yes 10秒前のデータから 180秒間のデータを収録 ▼ FFT解析による 固有周期の演算 ▼ 初期固有周期To と 被災後の固有周期Td の算出 ▼ 応答塑性率の推定 (Td/To)2 μ= ▼ 即時の地震被災度判定が可能。 センサの製作および設置が安価。 センサが小型で設置、取り扱いが容易。 停電に対して非常用のバッテリを備えている。 ▲ 橋脚 子機 被災度判定センサ
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