1.パートナーシップの促進 2. 行政経営の推進 2.行政経営の推進 現 状 区では、地方分権や少子高齢化の進展など区を取り巻く社会経済状況が変化する中で、複雑多 様化した行政課題に的確に対応するため、平成 17年 3月に「台東区行政経営推進プラン」※ 1 を策 定し、「行政評価による事務事業の改善・見直し」など、行政経営に関する取り組み全般を 着実に実施してきました。 学校跡地をはじめとする大規模用地については、平成 23 年 9月に「大規模用地の活用構想」※ 2 を策定し、旧田中小学校などで本格活用を実施、また、短期的に貸付を行うなど、有効活用 を図っています。 また、区有施設の多くが老朽化している現状を受けて、区有施設全体で計画的に維持・保 全を行っていくため、今後の区有施設整備に関する基本的な考え方を定め、平成 26 年 7 月に、 「台東区施設白書」として取りまとめを行いました。 一方で、組織力の向上に向けては、「台東区人材育成基本方針」を平成 24 年 3 月に改定し、 職員を活かし育てる人事制度、職員を伸ばす能力開発、職員が働きやすい職場づくりの 3 つ を柱とする人材育成の総合的な推進を図っています。 さらに、広報紙、区公式ホームページ、CATV、メールマガジン、SNSの活用など、 多様な手法による効果的な区政情報の発信や、学識経験者などによる外部評価の実施、行政 経営に関する取り組み状況の公開の推進などによる区政の透明性確保に努めています。 ︻第3章︼区民の活動と区政の推進 ■行政評価(事務事業評価)の実施状況 年度 拡大 改善 維持 縮小 廃止・終了 計 26 43 事業 (5.1%) 41 事業 (4.9%) 735 事業 (87.8%) 2 事業 (0.3%) 16 事業 (1.9%) 837 事業 25 18 事業 (2.3%) 45 事業 (6.0%) 673 事業 (89.1%) 5 事業 (0.7%) 13 事業 (1.9%) 754 事業 213 課 題 社会経済状況の著しい変化や国と地方を通じた行財政制度全般の変革を踏まえながら行政 経営を推進していく必要があります。 大規模用地については、施設整備により行政課題の解決を図ることはもとより、区民の意 見を踏まえながら地域の活性化に資する活用を図っていく必要があります。 区有施設については、今後、老朽化が一層進行していくため、ファシリティ・マネジメン ト※ 2 の考え方を取り入れながら、経営的視点を持って、計画的に維持・保全を行い、施設の 安全性確保の徹底化や長寿命化を図る必要があります。 また、簡素で効率的な組織・人員体制のもと、さまざまな行政課題に的確に対応していく ためには、職員一人ひとりが意欲・能力を十分に発揮していくことが必要です。 さらに、区民などとの協働による区政運営の推進に向けて、区政の透明性の向上や区政情 報の発信力強化を図っていく必要があります。 10 年後のめざす姿 ●区民に対してより効果的・効率的な行政サービスの提供が行われています。 ●大規模用地の有効活用が図られ、地域が活性化しています。 ●区民が、区有施設を安全で快適に、できる限り長く利用することができています。 ●職員個々の能力と組織力を最大限に高める職場環境が実現しています。 ●区政情報に関する区民などとの情報の共有化がより一層促進され、区政の透明性が確保さ れています。 主な取り組み ■効率的で質の高い事業執行の推進 行政評価を活用したマネジメントサイクルの推進を図るとともに、官民の適切な 役割分担のもと、さまざまな団体等との協働事業を促進するなど、民間活力の活用 を図ります。 また、 ICTの利活用などにより、 区民の多様なニーズに応えるとともに、 行政サー ビスのさらなる向上を図ります。 ■健全で持続可能な財政運営の推進 国の動向を踏まえながら、固定資産台帳を整備するなど、新たな地方公会計の整 備を促進し、財政運営や政策形成への活用を図ります。 また、新たな収入確保策の検討を進めるとともに、債権管理や収入未済対策のさ らなる強化、区有財産の有効活用など、着実な歳入確保に向けた取り組みを促進し ます。 さらに、国と地方自治体との関係、地方自治体同士の関係などの動向を把握し、 必要な連携・協力を行います。 214 2. 行政経営の推進 ■大規模用地の活用推進 大規模用地については、行政需要、事業の緊急性、敷地の立地条件など、さまざ まな観点を踏まえながら活用を推進します。 また、具体的な活用が図られるまでの間は、区有施設の大規模改修時における仮 施設としての活用や他の公共団体、民間事業者への貸付など、短期的な活用も検討 します。 ■区有施設の維持・保全・適正化 区有施設全体に係る保全計画を策定し、計画的に施設の維持・保全・適正化を図 ります。 施設の改修などにあたっては、環境負荷の低減やユニバーサルデザインの視点を 重視します。また、改築にあたっては、他施設の統合や新たな機能の付加による複 合化・多機能化を推進し、施設の再編を進めるとともに、新たな行政需要への対応 として、 新規施設を整備する際には、民間資源のより一層の積極的な活用を図ります。 さらに、道路や橋りょうなどのインフラ施設についても、適正な維持管理や計画 的な補修を推進するため、保全計画を策定します。 ︻第3章︼区民の活動と区政の推進 ■職員がいきいきと働くことができる職場づくりの推進 「台東区人材育成基本方針」を踏まえ、能力及び実績に基づく人事管理や女性職員 の活躍の推進、ワーク・ライフ・バランスの促進など、すべての職員が意欲を持っ ていきいきと働くことができる職場づくりを進めます。 ■区政の透明性向上と情報発信力の強化 時代の変化を踏まえながら、ICTの利活用促進などによる区政の透明性向上に 向けた取り組みを推進するとともに、多様な手法により、区政情報の発信力を強化 します。 215 施策の指標 指 標 計画策定時 (26 年度末) 目 標 (36 年度末) 86.7% (25 年度決算数値) 70%台∼ 80%台前半 名 経常収支比率 ■ 経常収支比率の推移 100% 90% 80% 87.6 87.6 87.5 22 23 24 86.7 83.3 79.4 79.4 平成16 17 70% 74.9 76.9 75.7 18 19 20 60% 21 25 (年度) <資料>台東区「台東区財政の現況」 より作成 ※ 1 台東区行政経営推進プラン 行政経営の推進に向けた区の基本的な考え方と具体的な取り組みを示したものです。 社会経済状況の変化などを踏まえながら改定等を重ね、区における行政経営に関する 取り組み全般の着実な推進を図ってきました。 ※ 2 大規模用地の活用構想 学校跡地を含む大規模用地の活用を推進するための方針などを示したものです。 平成 23 年度に策定した後、立地条件や事業の緊急性などを踏まえながら、長期的又 は短期的な活用を推進しています。 ※ 3 ファシリティ・マネジメント 「企業・団体等が保有又は使用する全施設資産及びそれらの利用環境を経営戦略的視 点から総合的かつ統括的に企画、管理、活動する経営活動」のことで、建物などを経営 にとって最適な状態で保有・使用するための総合的な経営管理活動とされています(日 本ファシリティマネジメント協会による定義) 。 216
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