北海道知事選挙 公開質問「交通死傷被害ゼロのための政策について」回答結果(到着順) 平成27年3月26日 北海道交通事故被害者の会 質問項目 佐藤 のりゆき氏 高橋 はるみ氏 1 道民の生活を守ることは、知事としての最 私の公約の中では、交通死傷被害根絶につ 私は、道民の皆様の生命の安全を守ること、 政治姿 も基本的な政治姿勢であると思います。中でも いて特記はしていませんが、政治姿勢の3本柱 とりわけ悲惨な交通死亡事故を極力減らしていく 勢につ 基底となる命と健康を守ることは最重要課題で の一つが、「命を守る。暮らしを守る。そして ことが知事として何よりも大切な責務であると考 いて あると考えますが、交通死傷被害根絶の課題 えており、この度お示しさせていただいた公約に 未来につなげる」です。 は、公約の中でどのように位置づけられます 北海道は、広大な土地での分散居住や積雪 も「犯罪・交通事故から道民を守る」ことを掲 か。明確にして下さい。 寒冷の気候の中で、特に自動車への依存が強 げ、道民の皆様はもとより、北海道警察をはじ く、交通事故の発生件数とそれに伴う死傷被害 め関係機関と一体となって、交通死亡事故ゼロ が深刻であることは、強く認識しています。誰も に向けた総合的な対策を進めていきたいと考え が被害者に、そして加害者になる可能性をしっ ています。 かり心に刻み込んで対応していかなければなら ないと考えています。 交通安 全計画 の目標 につい て 2 北海道交通安全基本条例(平成11年1月 施行)には、「交通事故に対する不安のない安 全な生活の確保」(第1条目的)のために「交 通安全対策の総合的かつ計画的な推進を図る」 と定められています。昨今の道内での死傷被害 の減少幅が小さくなり下げ止まりの観がありま すが「安全な生活の確保」のために、これまで の施策見直しをさらに進め、道独自の抜本対策 によって、全国に先駆けた安全な地域づくりを 推進するべきと考えます。 北海道は平成23年に定めた「北海道交通安全 計画」によって、「平成27年までに24時間交 通事故死者数を175人以下とする」という数 値目標を掲げていますが、人命尊重を第一義的 課題とするなら、交通死傷被害根絶のための達 成目標は、抜本対策に直結するよう、少なくと も中期目標として、「死亡・重症被害ゼロ」を 掲げるべきと考えますが、この点についてのお 考えをお示し下さい。 交通安全基本条例の目標達成のため具体的 な対策の強化が必要と思います。目標について は、現実は一足飛びには行かず一歩ずつの着 実な歩みの積み重ねが大切だと思いますが、 目指す目標はしっかり掲げるべきでしょう。 ご指摘の趣旨をうけとめさせていただき、知 事に就任しましたら、中期目標の見直しも含め て検討を進めます。 現計画の目標は、平成27年度までに達成すべ き目標を24時間交通事故死者数175人以下として いますが、最優先の目標は死傷者数を確実に 減少させていくことです。 私としては、交通死傷被害ゼロの社会実現に 向け、痛ましい交通事故死をお一人でも多く減 らすことができるよう、常に交通安全対策に全力 で取り組んできたところであり、今後も一層の取 組を展開していく考えです。 具体的 とりく みにつ いて 3 交通死傷被害を根絶するためには、前出の 「交通死傷ゼロへの提言」(別紙)で示したよ うに、クルマのスピードと効率的通行を優先し た道路交通の在り方を抜本的に改めることを基 本に、以下の道独自の施策を盛り込んだ具体策 が必要不可欠と考えます。それぞれの項目につ いてのお考えを、目標と期限も含め具体的に示 してお答え下さい。 「交通死傷ゼロへの提言」の趣旨は理解で きます。また、提案の7つの具体的な取り組み は、いずれも交通事故をなくしていくための有 効な施策と思います。 優先順位も含めて目標と期限は、道政内部に いない現在の私の位置では即答しかねるのが 正直なところですが、知事に就任しましたら、 道の政策や財政など総体の中で十分に検討し、 3-1 昨年7月に小樽市銭函で起きた飲酒ひき ご意見をいただいた課題の解決に取り組んでい 小樽市において、将来ある尊い命が失われる 逃げ4人死傷事件をはじめ、続発した飲酒運転 きます。 痛ましい事故が発生するなど、悲惨な事故は後 による被害を根絶するために、福岡県などで独 を絶たない状況にあります。小樽の事案につい 自に取り組まれている飲酒運転撲滅条例の制定 ては、御遺族の方々から厳罰を求める要請がな が北海道でも必要と考えます。すでに学生団体 され、それに賛同する署名も集められており、 が条例制定を求める要請署名の活動を始めてい 私としても、飲酒運転根絶に向け、国に対し、 ますが、先進県にならい、道民に対し「飲酒運 法規制の一層の拡充など、その対策の充実を 転をしない、させない」を強く意識させる、総 求めるとともに、より重点的な交通安全対策を 合的施策を盛り込んだ「北海道飲酒運転撲滅条 オール北海道で取り組んでまいります。 例」(仮称)を早期に制定すること。 3-2 道路上の子どもや高齢者の安全を守りき ることは社会の責務です。生活道路における歩 行者優先と交通静穏化を徹底するために、ヨー ロッパなどで普及が進むボンネルフ(生活道路 において、車に通行の優先権を与えず、速度を 30~20キロ以下に一律規制するなどした安全 な生活空間)にならって、試行的実施が始まっ ている「ゾーン30」を、スクールゾーン内は もちろん、全国に先駆けて本格実施すること。 第9次交通安全計画においても、生活道路等 における人優先の安全安心な歩行空間の整備を 重点施策の一つとして位置づけており、関係機 関と連携し、歩車共存道路やコミュニティ道路 の整備検討など、安全で安心な歩行空間の確 保に向けて必要な取組を進めていきます。 3-3 交差点での安全、とりわけ歩行者の安全 を守るために、道内での普及率が依然1%台に 留まっている歩車分離信号(歩行者と車を分け て流し、お互いの交錯を無くす信号システム) への切り替えを、100%を視野に速やかに進 めること。また、通学の安全のためにスクール ゾーン内の信号を先行実施すること。 歩車分離信号は、交通事故の未然防止に寄 与するものであり、道警察とも連携しながら、今 後も積極的な設置を進めていきたいと考えてい ます。 3-4 高齢化社会を迎えるなか、横断歩道など に求められる高齢者の安全確保対策を万全にす ること。 高齢者の交通死亡事故が急増していることか ら、現在も高齢者被害の防止対策を重点的に進 めているところであり、今後とも一層の強化を 図っていきたいと考えています。 3-5 クルマに依存しない安全な交通体系をつ くるためにも、冬期の堆雪スペースの存在など 道路幅が他県に比べ広い北海道の条件を生か し、自転車が安全・快適に走行できる自転車専 用レーンの設置・普及を全面的に進めること。 第9次交通安全計画においても、自転車利用 環境の総合的整備を重点施策の一つとして位置 づけており、北海道開発局とも連携しながら自 転車専用道路の整備を進めていきたいと考えて います。 3-6 死傷被害に直結する速度違反など危険運 転を防止するために、そして積雪期における交 通事故捜査(実況見分)の難しさを補うために も、ドライブレコーダー(事故やそれに近い事 態が起きた際、急ブレーキなどに反応し事故前 後の映像等が記録され、分析によって速度や衝 撃の大きさなど詳細が再現できる)の装着普及 を、道独自に補助金を措置するなどして具体的 に進めること。 3-7 高齢化社会における生活と安全の確保や 地方の高校生の通学手段確保などのためにも、 公共交通機関網を利用しやすく、文字通り住民 の足となるよう抜本的に改善整備し、自家用車 依存の交通体系から脱却すること。6-6 高齢 化社会における生活と安全の確保や地方の高校 生の通学手段確保などのためにも、公共交通機 関網を利用しやすく、文字通り住民の足となる よう抜本的に改善整備し、自家用車依存の交通 体系から脱却すること。 今後、北海道運輸局とも連携し、自動車運送 事業者の安全対策としてドライブレコーダーの 普及を進めていきたいと考えています。 広域分散型の本道において、鉄道やバスと 言った地域交通は、通学、通院、買い物など、 住民の方々の日常生活や、農業活動を支えてい るところであり、人口減少や高齢化が急速に進 む中、こうした公共交通機関の果たす役割は一 層重要と考えています。 このため、公約においても、こうした視点を盛 り込み、山間地域や過疎地域に住む方々が 日々の生活を不安なく送ることができるよう、バ ス路線やコミュニティバスなど「生活の足」の 確保に努めることとしています。
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