平成26年の交通死亡事故の主な特徴;pdf

<人> 車道路
４月の安全運転のポイント
平成27年4月号
警察庁の発表によると、平成26年の交通事故による死者数は4,113人で、14年連続の減少となるとともに、
発生件数および負傷者数も10年連続で減少しました。そこで平成26年の交通死亡事故の主な特徴をまとめ
てみました。(
資料は、警察庁「平成2
6
年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締り状況について」
による)
＊
平成26年の交通事故発生状況発生件数 573,842件（前年比−55,179件 −8.8％）
＊
死者数 4,113人（前年比
−260人 −5.9％）
負傷者数 711,374人（前年比−70,120人 −9.0％）
＊発生件数とは、人身事故件数をいい、物損事故は含まれません。
＊死者数とは、交通事故発生から24時間以内に死亡した人数をいいます。
65歳以上高齢者の死者数の３分の２は
「歩行中」と「自転車乗用中」の事故
年齢層別に死者数をみると、65歳以上の高齢者が
2,193人で(図１)、全死者数に占める割合が53.3％
と過去最高になりました。
また、65歳以上の高齢者の死者数を状態別にみる
と、歩行中が1,063人(48.5％)、自動車乗車中が600
人(27.4％)、自転車乗用中が345人(15.7％)、二輪
車乗車中が179人(8.1％)となっており(図２)、歩行
中と自転車乗用中を合わせると３分の２近くを占め
ています。歩行中の高齢者はもとより、高齢者の乗
った自転車にも十分目を配り、高齢者を事故から守
りましょう。
「工作物衝突」が前年より増加し
「横断中」に次いで２番目に多い
(
人)
2,193
2
,
0
0
0
7
5
歳
以上
1
,
5
0
0
1,395
1
,
0
0
0
5
0
0
3
3
8
6
5
∼
7
4
歳
2
9
9
7
9
8
1
4
4
8
4
0
2
6
3
1
1
3
8
1 4
1
5
歳 1
6
∼ 2
5
∼ 3
0
∼
以下 2
4
歳 2
9
歳 3
9
歳
4
0
∼
4
9
歳
5
0
∼ 6
0
∼ 6
5
歳
5
9
歳 6
4
歳以上
図１年齢層別死者数(平成26
年)
その他
6人(0.3％)
二輪車乗車中
179人(8.1％)
自動車
乗車中
600人
(27.4％)
自転車
乗用中
345人
(15.7％)
歩行中
1,063人
(48.5％)
図２ 6
5歳以上の状態別死者数(平成26
年)
死亡事故件数を事故類型別にみると、車両相互が
1,575件(39.2％)、人対車両が1,444件(36.0％)、車
両単独が961
件(23
.9
％)となっています(図３)
。
最も多いのは、人対車両の「横断中」の1,026件
(25.6％)で、全体の４分の１を占めています。次い
で車両単独の「工作物衝突」621件(15.5％)、車両
相互の「出会い頭衝突」543件(13.5％)となってい
ます。
走行中は横断歩行者に十分注意をするとともに、
ハンドルやブレーキ操作を適切に行って、ガードレ
ールや電柱などの工作物に衝突することのないよう
慎重な運転を心がけましょう。
列車（3
3
件）
その他
(
3
4
0
件）
工作物衝突
(
6
2
1
件）車両単独
（961件）
その他
(
2
2
1
件）
右折時衝突
(200件)
横断中
(
1
,
0
2
6
件）
人対車両
（1,444件）
合計
(
4
,
0
1
3
件）
車両相互
（1
,
5
7
5
件）
出会い頭衝突
(
5
4
3
件）
その他
(
4
1
8
件）
正面衝突
3
8
4
件）
追突 (
(227件)
図３事故類型別死亡事故件数(
平成2
6年)
3
件）
橋（5
3
件）踏切（3
その他場所（6
9
件）
死亡事故は信号機有の交差点より
信号機無の交差点のほうが多い
トンネル
（3
4
件）
信号機有
(
6
5
7
件)
死亡事故件数を道路形状別にみると、交差点内が
1,432件（35.7％）、交差点付近が493件（12.3％）
を占め、交差点内と交差点付近を合わせると48.0％
となり、死亡事故の半数近くが交差点内とその付近
で発生しています(図４)。
交差点内について信号機の有無別でみると、信号
機無が信号機有よりも多くなっています。特に信号
機のない見通しの悪い交差点では、一時停止や徐行
をして安全確認をするといった基本を守った運転を
心がけましょう。
一般単路
（1
,
3
0
7
件）
交差点内
（1
,
4
3
2
件)
合計
（4,013件）
カーブ
・屈折
（5
9
2
件）
信号機無
(
7
7
5
件)
交差点
付近
（4
9
3
件）
図４道路形状別死亡事故件数(
平成26年)
違反不明（91件）
その他違反（165件）
信号無視（127件）
通行区分（148件）
その他（75件）
「漫然運転」や「脇見運転」による
死亡事故が多発している
原付以上運転者が第１当事者となった死亡事故件
数を法令違反別にみると、「漫然運転」が651件
(17.9％)で最も多く、次いで「脇見運転」510件
(14.0％)、「運転操作不適」411件(11.3％)となって
います(図５)
。
これらはいずれも「安全運転義務違反」といわれ
るものですが、漫然と運転したり脇見をすると、周
囲に対する注意力が薄れ、危険を見落としたり発見
が遅れてしまいます。ハンドルを握ったら運転に集
中し、走り慣れた道路であっても決して油断したり
気を緩めることなく、周囲の状況にしっかりと目を
配って走行しましょう。
昼間は自動車乗車中
夜間は歩行中の死者数が多い
最高速度（212件）
安全速度
（87件）
優先通行妨害
（94件）
交差点安全進行
義務違反
（219件）
安全不確認
（349件）
動静
不注視
（95件）
合計
安
全（3,639件）
運
反
転
義務違
脇見運転
（510件）
歩行者妨害等
（253件）
一時不停止
（122件）
運転操作不適
（411件）
漫然運転
（651件）
酒酔い運転
（30件）
図５原付以上運転者(第１当事者)の
法令違反別死亡事故件数(
平成26年)
死亡事故件数
死亡事故件数を昼夜別にみると、昼間が1,994件
（49.7％）、夜間は2,019件（50.3％）、死者数に
ついても昼間が2,051人（49.9％）、夜間が2,062人
（50.1％）と、いずれもやや夜間のほうが多くなっ
ています(図６)。
状態別に昼夜の死者数をみると、昼間は自動車
乗車中が多いのに対して、夜間は歩行中が多くなっ
ており、夜間の死者数の半数を占めています。夜間
は特に歩行者への注意が必要です。
死亡事故件数
夜間
2,019件
(50.3％)
自動車乗車中
527人(12.8％)
死者数
二輪車乗車中
293人(7.1％)
自転車乗用中
218人(5.3％)
自動車乗車中
843人(20.5％)
夜間
昼間
2,062人 2,051人
(50.1％) (49.9％)
歩行中
1,023人
(24.9％)
その他 1人(0.0％)
昼間
1,994件
(49.7％)
二輪車乗車中
404人(9.8％)
自転車乗用中
322人(7.8％)
歩行中
475人
(11.5％)
その他 7人(0.2％)
図６昼夜別の死亡事故件数と状態別死者数(平成2
6年)
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※イラストの二次利用はご遠慮願います
〔制作〕株式会社インターリスク総研交通リスクマネジメント部交通リスク第一グループ

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