RGB-D センサを用いたユーザ・インターフェースに関する研究 摂南大学 113034 熊取谷 成治 理工学部 電気電子工学科 電子光機器研究室 A Study on User Interface using RGB-D Sensor Seiji Kumatoriya Electronic and Optical Systems Lab., Dept. of Electrical and Electronic Engineering, Setsunan Univ. また、図 2 に手の入力画像および出力画像を示す。 1.まえがき 近年、顔の認識や手のジェスチャー認識など、様々な場 (a) (b) 面で画像の認識・処理が行われている。また、3 次元デー タを用いた認識・処理が行われる場面も増えてきている。 本研究では、RGB-D センサ(注 1)として Kinect(Microsoft 社) を用いて、3 次元のデータを取得・処理し、直感的なユー ザ・インターフェースの実装を目指した。 具体的には、指先の座標や深度情報を利用し、仮想的なタ ッチスクリーンを実現する方法を研究した。 図 2 手の入力画像(a)と出力画像(b) 2.概要 本研究での開発環境を表 1 に示す。 表 1 使用機器一覧 RGB-D センサ Kinect for Windows 指先の判定では、図 2(b)のように手の輪郭情報を取得し、 それぞれの輪郭の点における角度を求めることで、どの点 が鋭角となっているかを判断している。 プログラム開発環境 Processing 2.2.1 パソコン CPU:Core i7-3770, 3.40GHz 電卓を用意した。空間をタッチすることで、仮想的な簡易 液晶モニタ 27V 型, 1920×1080 画素 電卓の使用が可能となっている。図 3 にデモンストレーシ 手を振るという動作を認識し、その動作を行ったものを タッチスクリーンのデモンストレーションとして、簡易 ョンの様子を示す。 手と認識している。手のひらの画像を切り出し、手の傾き の補正や画像のサイズの統一化を行って、指先を認識し易 くしている。また、指先は鋭角となっていることを利用し て、指先の判定を行っている(先行研究により Kinect を使 って指先の細かな動きを判定するのは難しいとされてい る)。その指先の座標と深度情報を用いて、タッチスクリ ーンのタッチ判定を行っている。プログラム全体の流れを 図 1 に示す。 RGB-D センサからの入力 図3 デモンストレーションの様子 3.むすび 手の抽出と座標の取得 本研究では、手の認識から画像の切り出しや補正を行い、 指先の判定および、それらからタッチの判定を行うことで 手の傾きとサイズの補正 仮想的なタッチスクリーンのプログラムを作ることが出来 た。今後の課題として、手が特定の傾きのときに輪郭の誤 検出が起こるので、これを取り除くようにプログラムを改 指先の判定 良を図りたい。発表会までに研究を重ね、最新の内容を発 表する。 タッチ判定 図1 プログラム全体の流れ 注 1) RGB-D センサ:RGB 画像と深度画像を取得すること ができるセンサ 文 献 (1)Gary Bradski 、 Adrian Kaebler 、 ( 訳 : 松 田 晃 一 ) : 詳 解 OpenCV(2010 年) (2)中村薫、新里裕教、鷲尾友人:OpenNI 3D センサープログ ラミング、秀和システム、(2013 年)
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