2015 年 3 月 25 日 記者発表資料 ディーセントワーク条例骨子案について 平和で明るい神奈川県政をつくる会岡本はじめは 3 月 25 日、「ディーセントワーク条例 骨子案」を発表しました。お知らせします。内容は別紙の通り。 連絡先 平和で明るい神奈川県政をつくる会 事務局長 高橋輝雄 政策担当 杉田 厚 横浜市神奈川区二ッ谷町11−1 神商連会館3F ℡045-328-3550 1 fax045-328-3552 ディーセントワーク条例骨子案 目的 神奈川県は、すべての労働者がディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事) の実現を通じて、労働者の職業の安定と健康で文化的な生活の確保、経済的社会的地位の 向上とを図ることを目的とする。 定義 ディーセントワークとは、企業において次の権利が保障されていることを言う。 1.労働基本権(団結権、団体交渉権、団体行動権)が保障されていて、強制労働や児 童労働がない。男女差別や人種差別がないこと。 2.雇用の機会があり、家族と自分の暮らしを支える収入があること。家庭生活と職業 生活が両立できること。 3.8 時間労働制や最低賃金などの最低限の労働条件の確保と安全衛生(危険で有害な 仕事ではない)の保障、および社会保障(年金、医療保険、失業保障、労災保険など) の確保。 4.職場における意志決定の場への参加。職業能力を向上できること。 5.上記 4 つの事項のいずれにおいてもジェンダー平等が確保されること。 県の責務 神奈川県は次の施策を講ずることにより目的の達成をはかる。 ・公契約条例の制定と県内企業への働きかけにより最低賃金の底上げを図る。 ・セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど人権侵害の違法行為を許さない労働 環境を確立するよう企業への助言、指導を行う。 ・いわゆる「ブラック企業」「ブラックバイト」などの法令違反企業への指導を強化する。 ・長時間労働の是正とサービス残業の根絶、有給休暇の完全取得を実現するよう企業への 助言・指導を強化する。 ・県の助言、指導に従わない場合には、企業名公表、その他必要な措置を講じ違法行為を 行わせない雇用環境を確立する。 ・不安定雇用就業者の常用労働者への転換に対する支援を充実する。 ・労働者の職業の転換、地域間の移動、職場への適応等を援助するために必要な施策を充 実する。 ・事業主の再就職援助計画に基づく再就職の促進のため、再就職状況を求める。 ・妊娠、出産又は育児などを理由として休業又は退職した女性の雇用の継続又は円滑な再 就職の促進、母子家庭の母及び寡婦の雇用の促進その他の女性の就業を促進するために 必要な施策を充実する。 2 ・定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の円滑な実施の促進、再就職の促進、多様な就業 機会の確保その他の高年齢者がその年齢にかかわりなくその意欲及び能力に応じて就業 することができるようにするために必要な施策を充実する。 ・障害者の職業の安定を図るため、雇用の促進、職業リハビリテーションの推進その他の 障害者がその職業生活において自立することを促進するために必要な施策を充実する。 ・労働安全衛生法の遵守の徹底。定期健康診断の実施の啓発。 ・職業訓練制度の充実、職業指導及び職業紹介に関する施策を充実する。 ・県は、事業主に対し、サービス残業の一掃、有給休暇の完全所得、週間の所定労働時間 短縮、長時間労働の規制などで雇用創出を促進する。 ・県は、保育、福祉、教育、防災など公的分野で雇用創出に務める。 ・県は、住宅リフォーム、自然エネルギーなどの分野での新規雇用の創出などで中小企業 等を支援して雇用創出に努める。 ・本条例の目的を達成するために実態調査など必要な調査研究及び政策検討を恒常的に実 施する。 ・県は、第三者委員会を設置し、リストラの防止及びディーセントワークの推進に努める ものとする。 事業主の責務 事業主は次の事項を遵守し労働者がその有する能力を有効に発揮する就業につくことが できるよう努めなければならない。 ・事業主は、10 人以上のリストラに対し、事前に計画の全容、大量解雇・人員削減計画や 再就職援助計画を作成し、県の認定を受けなければならない。 ・事業主は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者について、当該労働者 が行う求職活動に対する援助その他の再就職の援助を行うことにより、その職業の安定 を図るように努めなければならない。 ・事業主は、青少年の募集及び採用の方法の改善その他の雇用管理の改善並びに実践的な 職業能力の開発及び向上を図るために必要な措置を講ずることにより、その雇用機会の 確保等が図られるように努めなければならない。 ・事業主は、労働者の労働時間を管理し働きすぎ、働かせすぎ防止に努めなければならな い。 ・事業主は、不安定雇用就業者の常用労働者への転換に務めなければならない。 ・事業主は、セクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど人権侵害の違法行為を許 さない労働環境をつくるよう務めなければならない。 ・事業主は、労働安全衛生法の遵守に務めなければならない。 3 第三者委員会 ・県は、上記事項を実効あるものとするため、リストラアセスメント委員会及びディーセ ントワーク委員会を設置する。 ・リストラアセスメント委員会は、公・労・私3者からなる委員会とし、大量解雇計画、再 就職援助計画の条例にもとづく事前審査を行い、不可避性、妥当性を検討し、特に再就職 援助計画の実効性、地元中小企業の犠牲の回避の視点で可否の認定を行う。 ・ディーセントワーク委員会は、公・労・私3者からなるディーセントワークに対する救済 機関とし、労働者の申立てに対する審査及び企業への勧告、命令を行う。 財政上の措置 県は、県内労働者のディーセントワーク確立に関する施策を推進するために必要な財政 上の措置を講ずる。 他の地方公共団体等との協力 知事は、この条例に定める施策を実施するに当たり必要に応じて、他の地方公共団体又 は国の機関に協力を求めるものとする。 国への措置要求 知事は、労働者の職業の安定と経済的社会的地位の向上を図るため、必要があると認め るときは、国に対し必要な措置をとるよう求めるものとする。 4
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