Hitachi Virtual Storage Platform Universal Replicator;pdf

Hitachi Virtual Storage Platform
Universal Replicator softwareと
拡張コンシステンシーグループを活用した
HiRDBとHitachi Disk Array Driverによる
ディザスタリカバリ ホワイトペーパー
株式会社日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部
Mar
2015
(rev. 01-04)
© Hitachi, Ltd. 2015. All rights reserved.
目次
1.
はじめに .................................................................................................................................... 3
2.
概要 ........................................................................................................................................... 4
2.1.
課題 ..................................................................................................................................... 4
2.2.
アプローチ .......................................................................................................................... 4
3.
運用シナリオ ............................................................................................................................. 9
4.
検証 ......................................................................................................................................... 12
4.1.
検証結果............................................................................................................................ 12
4.2.
検証環境............................................................................................................................ 13
4.3.
検証手順............................................................................................................................ 13
4.3.1.
検証#1:正常切り替え ............................................................................................... 14
4.3.2.
検証#2:メインサイト被災 ........................................................................................ 15
4.3.3.
検証#3:ストレージ障害(片系) .................................................................................. 16
4.3.4.
検証#4:ネットワーク障害 ........................................................................................ 17
4.3.5.
検証#5:計画切り替え ............................................................................................... 18
5.
付録 ......................................................................................................................................... 19
6.
留意事項 .................................................................................................................................. 19
6.1.
本資料について ................................................................................................................. 19
6.2.
関連サービス..................................................................................................................... 19
6.3.
記載しているバージョンについて ..................................................................................... 19
2
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1. はじめに
ITシステムでは、不意の災害やシステム障害など不測の事態によるデータ損失に備えて、定期的なバ
ックアップ(例えば1日1回)を行っています。しかし、24時間365日連続したサービスを提供することが重
要となっている現在では、万が一ITシステムがダウンした場合、バックアップ取得以降のデータを失う
ことになります(1日1回のバックアップの場合は1日分のデータ損失)。もし災対システムを準備していた
としても、バックアップデータの運搬に時間がかかり、すぐにシステムを復旧することができません。
また、万が一地震や津波といった災害にあった場合、被災したシステムを元の状態に復旧するまでに多
くの時間を要します。その結果、災対システムである程度の期間、運用しなければなりません。そこで、
被災時の迅速なシステム復旧の実現と、安心して災対システムを運用できる信頼性・可用性が高い災対
システムが求められています。そのために、通常システムおよび災対システムそれぞれにおいて、2つの
ストレージ筐体を用いたデータのミラー化を行い、被災時に災対システムに切り替わった後も、即デー
タを冗長化した状態で運用を行えるようにします。
本書では、HiRDB Version 9 09-04 Single Server(HiRDB)と Hitachi Disk Array Driver Mirroring
Edition for Linux 01-12 の組み合わせを対象とし、ミラー化した 2 つのストレージ筐体それぞれに
Universal Replicator(UR)を適用した、ディザスタリカバリシステムの実証およびその結果を紹介します。
本実証では、ストレージ筐体及びサーバマシンを実際に使用して検証(実機検証)しました。
3
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2. 概要
課題
2.1.
万が一被災した場合、被災したシステムの復旧には時間を要します。そのため、災対システムである
程度の期間、運用を行うことが想定されます。運用するにあたり、ストレージ障害などによりサービス
停止させないためにも、
「災対切り替え先におけるデータ冗長化による信頼性の確保」が重要となります。
この「災対切り換え先のデータ冗長化による信頼性の確保」における課題は以下です。
」

災対切り替え時間の短縮

一年程度の連続運転に対応した災対システムのサービスレベル提供

災対運用自動化による迅速・確実な災対切り替えの遂行

切り戻し手段の実現(方式と運用の確立)
2.2.
アプローチ
上記の課題をストレージ機能とミドルウェアを組み合わせた災対ソリューションで解決します。
具体的なアプローチは以下の 2 つです。
(1) ストレージによる時間断面での整合性確保
(2) ストレージ+ミドルウェアによるデータ整合性確保
【課題】
【アプローチ】
災対切り替え先における
データ冗長化による信頼性の確保
ストレージ機能とミドルウェアを合わせた
より高度な災対ソリューションを提供
1.被災時の災対切り替え時間の短縮
【ストレージによる時間断面での整合性確保】
 災対筺体間データ差分“0”な
非同期リモート転送機能の実現
2.一年程度の連続運用に対応した
災対システムのサービスレベル提供
【ストレージ + ミドルウェアによる
データ整合性確保】
 ストレージ機能と日立ミドルウェアを合わ
せたトータルな災対対応により、より迅速
な業務再開を実現
3.災対運用自動化(ジョブ化)による
迅速・確実な災対切り替えの遂行
4.切り戻し手段の実現
(方式と運用の確立)
図 2-1:課題とアプローチ
4
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※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 2-2:構成図
5
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(1) ストレージによる時間断面での整合性確保
被災時にリモートサイトでサービス早期立ち上げるためには、リモートサイトの正系と副系間のデー
タの差分を極力小さくすることが重要となります。この差分を極力小さくする機能が拡張
CTG(Consistency Group)です。
拡張 CTG は、Q マーカの制御によってストレージ間の差分を極力小さくしています。Q マーカとは、
メインサイト側で Raid Manager が正系および副系のストレージに対して、更新データと更新データの
間に記録する「合いの手」です。Raid Manager は、Q マーカを定期的に正系および副系のストレージに
対し、同時に発行します。ストレージは、更新データと更新データの間に発行された Q マーカを記録し
ます。転送先であるリモートサイトでは、Q マーカが揃ったところまでデータをストレージに反映する
ことで、時間断面での整合性を確保しています。
揃ったQマーカまでデータをストレージに反映
メインサイト
リモートサイト
VSP#1
DBサーバ
Raid
Manager
データ
副系
UR転送
Qマーカ
UR転送
データ
正系
ミラー化層
HiRDB
ミラー化層
業務
データ
正系
VSP#3
業務
HiRDB
DBサーバ
データ
副系
Qマーカ
VSP#2
VSP#4
RaidManagerが定期的にQマーカを発行
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 2-3:ストレージによる時間断面での整合性確保
6
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(2) ストレージ+ミドルウェアによるデータ整合性の確保
被災のタイミングなどによって、きわめて稀でありますが、リモートサイトの正系と副系の間に
差分が発生することがあります。差分が発生した場合でも、
「ストレージ+ミドルウェアによるデー
タ整合性の確保」によって差分を解消します。
差分の解消は、リモートサイトの HiRDB 開始時に HiRDB が自動的に行います。具体的な処理は
以下の通りです。
① DB 回復開始ポイントの決定
② DB 回復の実施:正系と副系との差分を解消する
DB 回復の際に、HiRDB が回復対象のデータをストレージに必ず書き戻すことにより、結果的に
Hitachi Disk Array Driver(ミラー化層)が正系と副系の差分を解消します。
メインサイト
リモートサイト
VSP#1
HiRDB
DBサーバ
Raid
Manager
データ
副系
UR転送
Qマーカ
データ
正系
ミラー化層
ミラー化層
業務
データ
正系
VSP#3
業務
HiRDB
DBサーバ
UR転送
データ
副系
Qマーカ
VSP#2
HiRDBとミラー化層で、
HiRDB開始時に正系・副系
データ整合性の高速確保
VSP#4
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 2-4:差分の解消方法
図 2-5 及び図 2-6 に差分を解消する流れを示します。
メインサイト
リモートサイト
VSP#1
DBサーバ
Raid
Manager
データ
副系
UR転送
Qマーカ
データ
正系
ミラー化層
HiRDB
データ
正系
メインサイト
被災
ミラー化層
業務
VSP#3
業務
HiRDB
DBサーバ
UR転送
データ
副系
①DB回復開始
ポイントの決定
Qマーカ
VSP#2
VSP#4
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 2-5:①DB 回復開始ポイントの決定
7
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メインサイト
リモートサイト
VSP#1
データ
正系
メインサイト
被災
DBサーバ
Raid
Manager
データ
副系
UR転送
Qマーカ
データ
正系
ミラー化層
HiRDB
ミラー化層
業務
VSP#3
業務
HiRDB
DBサーバ
UR転送
データ
副系
Qマーカ
VSP#2
VSP#4
②HiRDBが書き戻した回復データを
ミラー化層で正系と副系両方に
ミラーを実施
⇒正系副系データ一致
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 2-6:②DB 回復の実施:正系と副系との差分を解消する
8
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3. 運用シナリオ
以下の観点に基づいた運用シナリオを、表 3-1 及び表 3-2 に示します。
観点


障害

サイト被災:メインサイト/リモートサイトに対する被災

メインサイト/リモートサイトにおけるハードウェア障害
・ストレージ筐体
:ストレージ筐体に対する片系/両系障害
・ストレージ間ネットワーク
:メインサイトとリモートサイト間のネットワークに対する一瞬/一時的/長時間 障害
・サーバマシン
:サーバマシン障害
システム保守運用

計画サイト切り替え
運用シナリオに対する対処手順を以下に示します。
更に、各運用シナリオに対して、実機検証有無及び実機検証での障害発生手段を示します。
9
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表 3-1:運用シナリオとその対処手順(1/2)
#
1
2
切
り
替
え
運用シナリオ
障害項目
障害部位
災対切り替え
《なし》
(正常系)
災対切り替え
(異常系)
メイン
3
メイン
ストレージ筐体
(片系)
4
ストレージ間
ネットワーク
(長時間)
5
《なし》
計画切り替え
(凡例) ○:実機検証対象
対処手順
メインとリモートのストレージ間に差分がない状態でリモートへ切り替え実施
① [リモート:ストレージ] テイクオーバ実施(切り替え)
② [リモート:ミドル] HiRDB 正常開始
メインが被災した場合にリモートへ切り替え実施
① [リモート:ストレージ] テイクオーバ実施(切り替え)
② [リモート:ミドル] HiRDB 正常開始
メインの正系又は副系ストレージのどちらかに障害が発生した状態でリモートへ
切り替え実施
① [リモート:ストレージ] テイクオーバ実施(切り替え)
② [リモート:ミドル] HiRDB 正常開始
メイン-リモートのストレージ間ネットワークに長時間障害が発生した状態でリ
モートへ切り替え実施
① [リモート:ストレージ] テイクオーバ実施(切り替え)
② [リモート:ミドル] HiRDB 正常開始
※一瞬及び一時的なネットワーク障害が発生した場合は、サイト切り替えを実施せ
ず、ストレージジャーナルが満杯にならない間は UR の同期再開を待つ
HiRDB を停止した状態でリモート切り替え実施
計画運用実施後にメイン切り戻しを実施
① [メイン:ミドル] HiRDB 正常停止
② [リモート:ストレージ] テイクオーバ実施(切り替え)
③ [リモート:ミドル] HiRDB 正常開始
④ ~計画運用実施~
⑤ [リモート:ミドル] HiRDB 正常停止
⑥ [メイン:ストレージ] テイクオーバ実施(切り戻し)
⑦ [メイン:ミドル] HiRDB 正常開始
実機
検証
○
○
○
実機検証での
障害発生手段
障害なし
[検証#1]
正副両系 FC ポート閉塞でメ
インサイト被災を擬似発生
[検証#2]
正副のうち片系 FC ポート閉
塞で擬似発生
[検証#3]
○
正副のうち片系 FC ポート閉
塞で擬似発生
[検証#4]
○
[検証#5]
-:実機検証対象外
メイン:メインサイト
リモート:リモートサイト
ミドル:ミドルウェア
・ 「対処手順」における、対処手順を実行する対象サイトと操作対象とを [対象サイト:操作対象] と表記。
・ 「実機検証での議事障害発生手順」における「[検証#n]」は「4.3 検証手順」の項番と対応。
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表 3-2:運用シナリオとその対処手順(2/2)
#
6
7
復
旧
運用シナリオ
障害項目
障害部位
災対切り替え検証 《なし》
(正常系)
災対切り替え検証
(異常系)
メイン
8
メイン
ストレージ筐体
(片系)
9
ストレージ間
ネットワーク
(長時間)
(凡例) ○:実機検証対象
対処手順
メインとリモートのストレージ間に差分がない状態でメインへ切り戻し実施
① [メイン:ストレージ] テイクオーバ(切り戻し)
② [メイン:ミドル] HiRDB 正常開始
メインサイト復旧後にメインへ切り戻し実施
① メインサイト復旧
② [リモート:ストレージ] リモート⇒メインに逆同期
③ [メイン:ストレージ] テイクオーバ(切り戻し)
④ [メイン:ミドル] HiRDB 正常開始
メインストレージ筐体障害回復後にメインへ切り戻し実施
① メインサイトストレージ復旧
② [リモート:ストレージ] リモート⇒メインに逆同期
③ [メイン:ストレージ] テイクオーバ(切り戻し)
④ [メイン:ミドル] HiRDB 正常開始
※手順②~④は災対切り替え検証(異常系)#7 と共通
ネットワーク障害回復後にメインへ切り戻し実施
① ネットワーク障害回復
② [リモート:ストレージ] リモート⇒メインに逆同期
③ [メイン:ストレージ] テイクオーバ(切り戻し)
④ [メイン:ミドル] HiRDB 正常開始
※手順②~④は災対切り替え検証(異常系)#7 と共通
実機
検証
-
実機検証での
障害発生手段
障害なし
-
障害なし
-
障害なし
-
障害なし
-:実機検証対象外
メイン:メインサイト
リモート:リモートサイト
ミドル:ミドルウェア
・ 「対処手順」における、対処手順を実行する対象サイトと操作対象とを [対象サイト:操作対象] と表記。
・ 「実機検証での議事障害発生手順」における「[検証#n]」は「4.3 検証手順」の項番と対応。
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4. 検証
3 章で示した運用シナリオ(表 3-1 及び表 3-2)に対して、実機検証を行いました。
実機検証の検証結果、検証環境、及び検証手順について述べます。
検証結果
4.1.
全ての運用シナリオにおいて、リモートサイトへの切り替え、及び障害回復後のメインサイトへの
切り戻しを 実機にて検証できました。
各運用シナリオの検証結果を表 4-1 に示します。
表 4-1:検証結果
#
運用シナリオ
障害項目
1
2
切
り
替
え
災対切り替え
実機検証
手順
障害部位
《なし》
検証#1
(正常系)
災対切り替え
メイン
検証#2
リモートへの切り替えを
実機にて確認
メインストレージ
検証#3
筐体(片系)
4
リモートへの切り替えを
実機にて確認
(異常系)
3
検証結果
ストレージ間
リモートへの切り替えを
実機にて確認
検証#4
ネットワーク
リモートへの切り替えを
実機にて確認
(長時間)
5
計画切り替え
《なし》
検証#5
リモートへの切り替え、及びメインへの切り戻しを
実機にて確認
6
復
旧
7
災対切り替え
《なし》
-
メインへの切り戻しを確認
メイン
-
メインサイト復旧及びペアの再同期後に、
(正常系)
災対切り替え
(異常系)
8
メインへの切り戻しを確認
メインストレージ
-
メインサイト復旧及びペアの再同期後に、
筐体(片系)
9
ストレージ間
メインへの切り戻しを確認
-
ネットワーク障害復旧及びペアの再同期後に、
ネットワーク
メインへの切り戻しを確認
(長時間)
(凡例)
-:実機検証なし(机上検証済)
メイン:メインサイト
リモート:リモートサイト
ミドル:ミドルウェア
・ 「実機検証手順概要」の「検証#n」は「4.3 検証手順」の項番と対応。
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4.2.
検証環境
メインサイト
リモートサイト
VSP#1
ミラー化層
データ
副系
データ
正系
FC-SW
DBサーバ
Raid
Manager
UR転送
データ
正系
FC-SW
HiRDB
ミラー化層
業務
VSP#3
業務
HiRDB
DBサーバ
UR転送
データ
副系
VSP#2
VSP#4
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 4-1:実機検証環境
4.3.
検証手順
表 3-1 記載の運用シナリオ#1~5 に対する検証手順をそれぞれ示します (検証#n は表 4-1 に対応)。
詳細な検証手順は「別冊 1:構築手順及び実機検証手順詳細」を参照してください。
なお、検証手順は以下の通り記載しています。
・ 「手順」では、
「擬似発生させた障害」を斜体で表記しています。
・ 「詳細」では、対象サイトと操作対象を [対象サイト:操作対象] で表記しています。
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4.3.1. 検証#1:正常切り替え
正常切り替え検証として、メインサイトのストレージ筐体とリモートサイトのストレージ筐体間に差
分がない状態で、リモートサイトへの切り替えを確認しました。
メインサイト
リモートサイト
VSP#1
VSP#3
一致
FC-SW
一致
DBサーバ
Raid
Manager
ミラー化層
データ
正系
FC-SW
HiRDB
ミラー化層
業務
データ
正系
業務
HiRDB
DBサーバ
データ
副系
データ
副系
VSP#2
VSP#4
リモートサイトへ切り替え
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 4-2:正常切り替え
表 4-2:検証手順(検証#1 正常切り替え)
#
1
手順
ストレージ間差分確認
詳細
[リモート:ストレージ]
メイン-リモートのストレージ間に差分が無いことを確認
2
テイクオーバ実施
[リモート:ストレージ]
ストレージ間に差分がない状態でテイクオーバ(切り替え)実施
3
4
リモート正副ストレージ差分
[リモート:ストレージ]
確認
メイン-リモートのストレージ間に差分が無いことを確認
リモート HiRDB 起動確認
[リモート:ミドル]
リモートの HiRDB を正常開始
起動時にエラーが発生しないこと、及び DB のデータを正しく読
み出せることを確認
14
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4.3.2. 検証#2:メインサイト被災
メインサイト被災検証として、メインサイトが被災し、メインサイトのストレージ筐体とリモートサ
イトのストレージ筐体間に差分がある状態で、リモートへ切り替えを確認しました。
メインサイト
リモートサイト
VSP#1
VSP#3
不一致(差分あり)
FC-SW
FC-SW
ミラー化層
メインサイト
被災
HiRDB
業務
データ
正系
不一致(差分あり)
DBサーバ
Raid
Manager
ミラー化層
データ
正系
業務
HiRDB
DBサーバ
データ
副系
データ
副系
VSP#2
VSP#4
リモートサイトへ切り替え
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 4-3:メインサイト被災
表 4-3:検証手順(検証#2 メインサイト被災)
#
手順
詳細
1
メイン被災
正副両系の FC ポートを閉塞させてメイン被災を擬似発生
2
ストレージ間差分確認
[リモート:ストレージ]
メイン-リモートのストレージ間に差分があることを確認
3
テイクオーバ実施
[リモート:ストレージ]
メイン-リモートのストレージ間に差分がある状態でテイクオー
バ(切り替え)実施
4
5
リモート正副ストレージ差分
[リモート:ストレージ]
確認
リモートの正副ストレージ間に差分がないことを確認
リモート HiRDB 起動確認
[リモート:ミドル]
リモートの HiRDB を正常開始
起動時にエラーが発生しないこと、及び DB のデータを正しく読
み出せることを確認
15
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4.3.3. 検証#3:ストレージ障害(片系)
ストレージ障害(片系)検証として、メインサイトの片系ストレージに障害により、メインサイトのスト
レージ筐体とリモートサイトのストレージ筐体間に差分がある状態で、リモートへ切り替えを確認しま
した。
副系のデータが届かないため
Qマーカが揃ったデータのみ反映
そのため不一致(差分)が発生
メインサイト
リモートサイト
VSP#1
VSP#3
不一致(差分あり)
不一致(差分あり)
ミラー化層
ストレージ
データ
片系障害
副系
FC-SW
DBサーバ
Raid
Manager
データ
正系
FC-SW
HiRDB
ミラー化層
業務
データ
正系
業務
HiRDB
DBサーバ
データ
副系
VSP#2
VSP#4
リモートサイトへ切り替え
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 4-4 ストレージ障害(片系)
表 4-4:検証手順(検証#3 ストレージ障害(片系))
#
手順
詳細
1
ストレージ障害発生
片系 FC ポートを閉塞させてストレージ障害を擬似発生
2
ストレージ間差分確認
[リモート:ストレージ]
メイン-リモートのストレージ間に差分があることを確認
3
テイクオーバ実施
[リモート:ストレージ]
ストレージ間に差分がある状態でテイクオーバ(切り替え)を実施
4
5
リモート正副ストレージ差分
[リモート:ストレージ]
確認
リモートの正副ストレージ間に差分がないことを確認
リモート HiRDB 起動確認
[リモート:ミドル]
リモートの HiRDB を正常開始
起動時にエラーが発生しないこと、及び DB のデータを正しく読
み出せることを確認
16
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4.3.4. 検証#4:ネットワーク障害
ネットワーク障害検証として、サイト間ネットワークに障害により、メインサイトのストレージ筐体
とリモートサイトのストレージ筐体間に差分がある状態で、リモートへ切り替えを確認しました。検証
手順は「4.3.3 検証#3:ストレージ障害(片系)」と同じです。
副系のデータが届かないため
Qマーカが揃ったデータのみ反映
そのため不一致(差分)が発生
メインサイト
リモートサイト
VSP#1
VSP#3
不一致(差分あり)
不一致(差分あり)
データ
副系
ミラー化層
データ
正系
FC-SW
DBサーバ
Raid
Manager
FC-SW
HiRDB
ミラー化層
業務
UR転送
データ
正系
業務
HiRDB
DBサーバ
UR転送
ネットワーク
障害
データ
副系
VSP#2
VSP#4
リモートサイトへ切り替え
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 4-5:ネットワーク障害
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4.3.5. 検証#5:計画切り替え
計画切り替え検証として、メインサイトのストレージ筐体とリモートサイトのストレージ筐体間に差
分がない状態で、リモートサイトへの切り替え及びメインサイトへの切り戻しを確認しました。
②メインサイトへ切り戻し
メインサイト
リモートサイト
VSP#1
切り替え、切り戻し時は
業務及びHiRDBを停止
VSP#3
一致
ミラー化層
FC-SW
DBサーバ
Raid
Manager
データ
正系
FC-SW
HiRDB
ミラー化層
業務
データ
正系
一致
業務
HiRDB
DBサーバ
データ
副系
データ
副系
VSP#2
VSP#4
切り替え、切り戻し時は
業務及びHiRDBを停止
①リモートサイトへ切り替え
※VSP =Hitachi Virtual Storage Platform
図 4-6:計画切り替え
表 4-5:検証手順(検証#5 計画切り替え)
#
1
手順
メイン HiRDB 停止
2
ストレージ間差分確認
3
テイクオーバ(切り替え)実施
4
リモート HiRDB 起動
5
リモート HiRDB 停止
6
ストレージ間差分確認
7
テイクオーバ(切り戻し)実施
8
メイン HiRDB 起動
詳細
[メイン:ミドル]
メインの HiRDB を正常停止
[リモート:ストレージ]
メイン-リモートのストレージ間に差分がないことを確認
[リモート:ストレージ]
メイン-リモートのストレージ間に差分がない状態でテイクオー
バ(切り替え)実施
[リモート:ミドル]
リモートの HiRDB を正常開始
起動時にエラーが発生しないこと、及び DB のデータを正しく読
み出せることを確認
[メイン:ミドル]
メインの HiRDB を正常停止
[メイン:ストレージ]
メイン-リモートのストレージ間で差分がないことを確認
[メイン:ストレージ]
メイン-リモートのストレージ間に差分がない状態でテイクオー
バ(切り戻し)実施
[メイン:ミドル]
メインの HiRDB を正常開始
起動時にエラーが発生しないこと、及び DB のデータを正しく読
み出せることを確認
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5. 付録
・ 別冊 1:構築手順及び実機検証手順詳細
6. 留意事項
6.1.
本資料について
・ 本資料は、株式会社 日立製作所 IT プラットフォーム事業本部で実施した検証作業に基づきまとめ
たものです。
・ 本資料に記載される情報は、今後、予告なく変更されることがあります。
・ 本資料に記載されている内容は、2014 年 10 月時点の情報です。
・ 本資料に関するお問い合わせは、HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター)までお
願い致します。
6.2.
関連サービス
本書に関連するサービスについては、日立製作所 情報・通信システム社 IT プラットフォーム事業本部
により提供されます。詳しくは、HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター)までお問い
合わせください。
6.3.
記載しているバージョンについて
本書に記載している製品のバージョンは実機検証をもとに記載しています。実案件などで実際にシス
テムを構築する際は、HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター)までお問い合わせくだ
さい。
HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター)
HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター)
問い合わせ先の HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター)については、
HiRDB ホームページをご覧ください。
■HiRDB のホームページの URL
http://www.hitachi.co.jp/hirdb/
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