原 著 ALDH2遺 伝 子 型 が 糖 尿 病 患者 の 末 梢 神 経 障 害 に及 ぼ す 影 響 につ いて 鈴木 吉 彦*1村 松 太 郎*2谷 山 細川 和 宏*1渥 美 義 仁*1朝 比 奈 崇 介*1 島田 朗*1村 田 千 里*1松 岡 要 約:Aldehydedehydrogenase(ALDH)2遺 検 討 し た.対 象 は143名 ALDH2を 有 す69名 の 結 果,臨 床 指 標 値 に 差 は な か っ た.活 (P〈0.05).非 ALDH2遺 健 平*1 伝 子型 が糖 尿 病性 末 梢神 経 障害 に及 ぼす 影響 につ き 糖 尿 病 男 性(17∼83歳).活 中47名 松 雄*3 性 型ALDH2を 有 す74名 が 飲 酒 者 だ っ た.飲 酒 者 の 臨 床 像 をALDH2活 性 型 群 で は,神 中72名,非 活性 型 性 型 別 に 比 較 した.そ 経 伝 導 速 度 と現 在 飲 酒 量 に正 相 関 を 認 め た 活 性型 群 で は 神 経 伝 導 速 度 と過 去 最 大 飲 酒 量 に 負 相 関 を認 め た(p〈0.01).こ れ より 伝 子 型 の 違 い に よ り,飲 酒 と神 経 障 害 との 相 関 が 異 な る傾 向 を もつ こ とが わ か っ た.非 活 性 型ALDH2群 で は 少 量 飲 酒 で も ア セ タ ル デ ヒ ドが 蓄 積 し末 梢 神 経 を 障 害 し や す い と推 察 し た. 活 性 型ALDH2群 で は神 経 機 能 を維 持 す る 例 に 現 在 飲 酒 量 が 多 い 傾 向 が あ り,飲 酒 は 神 経 機 能 を悪 化 させ に くい と推 察 した.ア セ タ ル デ ヒ ド非 蓄 積 性 や 神 経 内redox変 化 が 原 因 と推 察 し た.こ の知 見 は 糖 尿 病 性 神 経 障 害 機 序 の 病 因 に 対 し新 洞 察 を 与 え る. Keywords:① 糖 尿 病性 神経 障 害 ② 遺伝 ③Aldosereducatase ④Aldehydedehydrogenase2 〔 糖 尿 病41(2):119∼125,1998〕 は じめ に す)2遺 アル コールや高血糖 はおの おの神経 障害 を来す 因 子 だ が,両 因 子 が糖 尿 病 性 神 経 障 害 に ど う関 与 す る か 明 らか で は な い.McCullochら は,糖 尿 病 伝 子 に よ り規 定 され て い る こ とが 知 られ て い る.我 々 はALDH2遺 伝 子 型 を,糖 尿 病 男 性 で 調 査 し末 梢 神 経 障 害 度 との 関 係 に興 味 深 い相 関 を認 め た. 男 性 で 神 経 症 状 有 病 率 は 飲 酒 量 と相 関 す る と しi),Mitche1ら し約3倍 も飲 酒 癖 を有 す る例 は無 い例 に比 の 自覚 症 状 を有 す と した2β).日 本 に て 同 日本 人 の ア ル コ ー ル 耐 性 は ミ トコ ン ド リア 内 酵 *1東 下ALDHと 京 都 済 生 会 中 央 病 院 内 科(〒108-0073東 寧2国 立 療 養 所 久 里 浜 病 院 精 神 科(〒239―0841横 *3昭 和 大 学 医 学 部 第 三 内 科(〒142 象 外 来 通 院 患 者 の 中 か ら無 作 為 に 抽 出 した 男 性 イ ンス リ ン非 依 存 型 糖 尿 病 患 者 合 計143名 様 の 報 告 は 少 な い. 素:Aldehydedehydrogenase(以 対 -8666東 略 した.年 齢 は17歳 か ら83歳.こ を対 象 と れ ま で 報 告 され て い る飲 酒 と神 経 障 害 を論 じた 報 告 の 多 くが 男 性 京 都 港 区 三 田1-4―17) 須 賀 市 野 比2769) 京 都 品 川 区 旗 の 台1―5―8) 受 付 日:平 成9年1月14日 採 択 日:平 成9年9月27日 ― 119― 糖 尿 病41巻2号(1998) が 対 象 で あ る こ とや2β〉,女性 は 飲 酒 を し な い 場 合 が 多 い こ とか ら,女 性 は 除 外 した. 対 象 者 全 員 にALDH2遺 経 伝 導速 度(以 下NCVと 8(JB-481B,日 3'),dNTP各50μM,MgCI2μ1.5mM,Taqポ リ メ ラ ー ゼ(Promega)1単 伝 子 解 析 を行 っ た.神 位 にバ ッ フ ァー と蒸 留 水 を 加 え 全 量 を50μ1に 略 す)は ニ ュー ロ パ ック 本 光 電)で 右 後 脛 骨 運 動 神 経 を測 Elmer社 調 製 し た.こ のGeneAmpPCR9600を 秒,58.C1分,720C30秒 定 した.一 搬 に糖 尿 病 患 者 は教 育 を う け た 結 果, た.こ 節 酒 す る こ とが 多 い た め,Lifetimealcoholdose 溶 か し,Mboll10単 effectは 算 出 し に くい.そ の た め,過 去 に最 も飲 酒 量 を20%ポ れ をPerkin 用 い,940C30 で35サ イ クル で 増 幅 し の う ち40μ 」を エ タ ノ ー ル 沈 殿 後 蒸 留 水 に 位 で37.C8時 間 反 応 さ せ,全 リ ア ク リ ル ア ミ ドゲ ル に 電 気 泳 動 し を して い た 時 期 の飲 酒 量 を ア ル コ ー ル 暴 露 度 の 指 た.染 色 は エ チ ジ ウ ム ブ ロ マ イ ド を 用 い,UV下 標 と し,過 去 に一 度 で も飲 酒 をす る 習 慣 が あ っ た バ ン ド サ イ ズ を 判 定 し た4・51.135bpの 場 合(す な わ ち 過 去 の 最 大 飲 酒 量>0の ALDH22/ALDH22,135bpと126bpの 場 合)は 飲 ALDH21と ALDH2遣 伝子型の解析法 ALDH2遺 伝 子 は 染 色 体12番 目長 腕 に位 置 ミノ 酸 残 基 の グ ル タ ミ ン酸 が リジ ン に変 異 し て い る. 本 調 査 で は,末 梢 白 血 球DNAを CAAATTACAGGGTCAAGGGCT-3',ア 般 にALDH2i/ALDH2iは ALDH22/ALDH22は れ,活 性 型ALDH2を 非 活 性 型ALDH2と 持 つ 者 は ア ル コー ル 不 耐 性 が あ る と 考 え ら れ る6). 応液 は ン ス:5'- 統 ンチセ ン ス:5ノ ーCCACACTCACAGTTTTCTCTT一 計 活 性 型ALDH2群 と非 活 性 型ALDH2群 較 に て 連 続 変 数 はstudentT検 ALDH 2 was genotyped by the PCR-RFLP method using DNA obtained from peripheral leukocytes. Portions of exon 12 of ALDH 2 were amplified by PCR, digested with Mbo II, electrophoresed on 20% acrylamide gel, and viewed after ethidium bromide staining (a). The single 135 -bp band revealed by bromide staining indicates ALDH 22/ ALDH 22, two bands, 135-bp and 126bp, indicate ALDH 22/ALDH 2', and the single 126-bp band indicates ALDH 22/ALDH 22 (b). The ALDH 2 alleles encoding the active and inactive subunits are termed ALDH 2' and ALDH 22,respectively. The phenotype of ALDH 2 inactivity is compatible with possession of the ALDH 2'/ALDH 22 or ALDH 22/ ALDH 22 genotype. ―120― の比 定 を用 い 比 較 し b a Fig. 1 さ 持 つ者 はアル コール耐性 が あ り,非 活 性 型ALDH2を 用 いPCR に よ り検 出 を行 っ た(Fig.1).反 プ ラ イ マ ー 各10pmol(セ し た.一 み の 時ALDH21/ 活 性 型ALDH2と,ALDH21/ALDH22, し,非 活 性 型ALDH2はexon12,第487ア RFLP法 二本 の時 ALDH21/ALDH22,126bpの 酒 者 と し た. で み の 時 ALDH 2遺 伝 子 型 が 糖 尿 病 患 者 の 末梢 神 経 障 害 に及 ぼす 影 響 に つ い て た.多 変 量 解 析 に は重 回 帰 分 析 を,単 相 関 分 析 に ALDH はPearson's相 型ALDH 関 係 数 解 析 お よ びSpearman順 位 相 関 解 析 を用 い た.な おSpearman順 位相 関解 2群 で の 飲 酒 者 は72名(97.3%),非 2群 で は47名(68.1%)だ 率 は 活 性 型ALDH 活性 っ た.飲 酒者 2群 に 高 か っ た(x2=21.8, 析 を用 い る理 由 は,現 在 飲 酒 量 が ゼ ロで あ る症 例 p<0.001).各 群 の 解 析 対 象 者 の 臨 床 像 をTable が 複 数 例 い る こ とか ら,ノ に 示 す.各 指 標 の平 均 値 は2群 間 で 差 を認 め な か ンパ ラ メ ト リ ッ ク法 の ほ うが 適 す る と考 え た た め で あ る.い ず れ の 解 析 で も危 険 率5%未 っ た. 満 を有 意 と した 。 2. 神 経 伝 導 速 度 と臨 床 的 指 標 との 相 関 ALDH 2活 性 型 の 違 い に よ り,臨 床 因 子 が 結 果 NCVに 1. 臨床 像 の 比 較 床 変 量 因 子 との 相 関 を検 討 した.NCVを 活 性 型ALDH 非 活 性 型ALDH った.ア 2遺 伝 子 型 を有 す 男 性 は74名, 2遺 伝 子 型 を有 す 男 性 は69名 Table 1 の 結 果,活 Table 2 大 飲 酒 量,現 病 年 数,身 長,体 性 型ALDH 現 在 飲 酒 量 に正 相 関(標 or inactive mellitus. ALDH Multiple correlation coefficient analysis motor conduction velocity with clinical ― 121― 臨 独立 変 重,HbA1c,最 在 飲 酒 量 を従 属 変 数 と し多 変 量 解 析 を行 っ た 結 果,活 性型 Clinical parameters of active non-insulin dependent diabetes 対 し ど う関 与 す る か 知 る た め,NCVと 数 と し年 齢,罹 だ ル コ ー ル の 影 響 を知 るた め 以 下 は飲 酒 者 の み を 解 析 対 象 と し た.そ 1 2 genotype for association parameters. male 2群 で は,NCVと 準 回 帰 係 数0.288,p< patients of tibial nerve with 糖 尿 病41巻2号(1998) Fig. 2 Fig. 3 0.05)を 認 め た(Table2).非 で はNCVと 関 係 に つ き,さ ら に2種 意 性 を 検 討 し た.そ 認 め た.こ 相 関 を 認 め た(Fig.2).非 け るNCVと れ らの 相 関 性 型ALDH2群 係 数r=0.253,p〈0.05,Spearman順 で ρvalue=0.291,p〈0.02と ρvalue=-0.406,p<0.01と 察 ALDH2遺 伝 子型 が糖 尿 病 の 末梢 神 経 障 害 に に 対 す る影 響 を検 討 した 報 告 は未 だ な い.本 調 査 で は,非 活 性 型ALDH2群 位相 関検 定 活 性 型ALDH2群 考 関 い ず れ も有 為 な 正 現 在 飲 酒 量 は,Pearson相 r=0.546,p〈0.001,Spearman順 準 回帰 類 の 単 相 関 分 析 を行 い 有 過 去 最 大 飲 酒 量 は,Pearson相 with in the 相 関 を認 め た(Fig.3). 活 性 型ALDH2群 の 結 果,活 velocity with in the active Correlation of nerve conduction velocity maximal alcohol consumption in the past inactive ALDH 2 genotype groups. 過 去 最 大 飲 酒 量 に 負 相 関(標 係 数 一 〇.538,p〈0.001)を お け るNCVと Correlation of nerve conduction current alcohol consumption ALDH 2 genotype group. にお 関 係 数 位 相 関検 定 で は い ず れ も有 為 な 負 ―122― 多 い ほ どNCVが で は過 去 の 最 大 飲 酒 量 が 低 下 しや す い傾 向 を認 め た.こ の 結 果 は,ア ル コー ル 不 耐 性 を持 つ糖 尿 病 群 で は, 過 去 に多 くの ア ル コー ル量 を飲 酒 し て い る ほ ど神 経 障 害 を起 こ しや す い こ と を示 唆 す る. これ に対 し活 性 型ALDH2群 し て い る ほ うがNCVが で は現 在 飲 酒 を 低 下 して い な か っ た.こ ALDH2遺 伝 子 型 が糖 尿 病 患 者 の末 梢 神 経 障 害 に 及 ぼ す影 響… について れ はア ル コー ル 耐 性 を持 つ糖 尿 病 群 で は,神 経 障 な り,ポ リオ ー ル 代 謝 説 とredox説 害 を起 こ し に くい 患 者 の ほ うが 現 在 で も飲 酒 を続 糸 口 を提 供 す るか も しれ な い. 活 性 型ALDH2群1で け て い る傾 向 が あ る こ と を示 唆 した.ALDH2耐 を結 び つ け る 神 経 障害 が起 こ りに くい 性 の 遺 伝 的相 違 に よ り,糖 尿 病 性 神 経 障 害 と飲 酒 理 由 は,少 量 の 飲 酒 で は肝 臓 内 で ア セ タ ル デ ヒ ド 量 との 関 係 が,正 が 活 性 型ALDH2で と負 の 反 対 の相 関 関 係 に な る こ と は興 味 深 い。 処 理 さ れ,宋 梢 神 経 に対 し障 害 を及 ぼ す 影 響 が 少 な い こ とが 考 え られ る 。 少 量 上 記 現 象 の 背 景 を理 解 す る に は,い くつ か の 説 明 が 考 え られ る。例 え ば,非 活 性 型ALDH2群 で 飲 酒 は 末 梢 血 管 に対 す る ア ル コー ル の 血 管 拡 張 作 用 に よ り組 織 内 血 流 を 保 つ.こ の ため活性 型 は少 量 の 飲 酒 で も ア セ タ ル デ ヒ ド濃 度 は上 昇 しや ALDH2群 す い.こ の た め飲 酒 を す る とア セ タ ル デ ヒ ドの毒 性 よ り も血 管 拡 張 作 用 な どが 強 く作 用 し,虚 血 状 性 が 末 梢 神 経 障 害 に及 び や す く障 害 を うけ や す い 態 を改 善 し神 経 機 能 維 持 に 役 立 つ の か も し れ な の か も しれ な い 。 い 。 あ る い は,ALDH2活 我 々 は3243変 異 を 有 す る糖 尿 病 患 者 の 多 くに 非 活 性 型ALDH2遺 伝 子 型 を認 め,ミ トコ ン ド リ アDNA異 常 と非 活 性 型ALDH2と の 関連 を す で に報 告 した η。そ の 関 係 か ら推 察 す れ ば,飲 酒 に よ り蓄 積 した ア セ タ ル デ ヒ ドが ミ トコ ン ド リア DNAを 障 害 し,そ れ がATP産 生 低 下 を 導 き末 梢 は 「細 胞 質 内NADH/NAD比 増 性 が ア ル コー ル&ア ル デ ヒ ド関 連 酵 素 群 の 神 経 障 害 に 及 ぼ す 影 響 に対 し,ALDH2非 活 性 状 態 と は逆 の 影 響 を 及 ぼ し (例 え ばNADH/NAD比 が増 加 し に くい,な ど), 障 害 を 防 止 す る の か も しれ な い. 本 結 果 で は 飲 酒 者 は活 性 型ALDH2群 非 活 性 型ALDH2群 ALDH2i群 神 経 障 害 を起 こ しや す くす るの か も しれ な い8). Williamsonら で は,飲 酒 に よ る ア セ タ ル デ ヒ ドの 毒 に多 く, に 少 な か っ た.特 で 飲 酒 歴 の な い 例 は2例 に活性 型 の み だ った。 こ の た め非 飲 酒 例 に お け るALDH2の 影 響 を知 加 が 多 くの 酵 素 系 に影 響 し,糖 尿 病 に神 経 障 害 を る に は対 象 者 数 が 少 な く解 析 は困 難 だ っ た 。 しか 起 こ しや す くす る」とす るredoxpotentia説 し今 後 は対 象 者 数 を増 や し,ALDH2遺 を提 伝 子型 と 唱 した9).ア ル コ ー ル や ア セ タ ル デ ヒ ドはalcohol 糖 尿 病 性 神 経 障 害 との 相 関 に お け る,上 記 結 果 と dehydrogenaseやALDHで 類 似 の傾 向 が 女 性 や 非 飲 酒 者 に も認 め る か,な NAD比 代 謝 さ れNADH/ を増 加 させ る.Aldosereducataseやsor- bitoldehydrogenaseを の 検 討 も必 要 で あ り今 後 の 課 題 と考 えた 。 介 し た ポ リオ ー ル 代 謝 系 が 糖 尿 病 性 神 経 障 害 に重 要 な役 割 を もつ 事 は,多 結 く の 実 験 デ ー タ が 支 持 し て い るiO).Aldose 非 活 性 型ALDH2群 論 で は過 去 に飲 酒 量 が 多 い reductaseは,aldehydereductasesuperfamilyの 一 酵 素 で ,sorbitoldehydrogenaseはalcohol 患 者 は 末 梢 神 経 障 害 を 有 し や す く,活 dehydrogenaseと が 神 経 障 害 を有 しに くい,と ル&ア ALDH2群 共 通 部 分 を 有 す11>.ア ル コ ー ル デ ヒ ド関 連 酵 素 群 の相 乗 効 果 に よ り,神 経 細 胞 内NADH/NAD比 に よ るNADH/NAD比 は飲 酒 後 肝 臓 内ALDH2不 い う異 な る傾 向 が 示 唆 さ れ た.本 知 見 は糖 尿 病 性 神 経 障 害 がALDH2 遺 伝 子 型 に よ り影 響 を受 け る可 能 性 を示 した 最 初 増 加 を 促 進 し,神 経 障 害 の 報 告 で あ る.高 血 糖 を一 元 的 原 因 と考 え て き た 耐性 群 で 従 来 の糖 尿 病 性 神 経 障 害 の 原 因 説 に対 し新 た な 角 耐 性 に よる高 濃度 ア 度 か らの 洞 察 を与 え,ま た 糖 尿 病 の ア ル コー ル 指 セ タ ル デ ヒ ドが 末 梢 神 経 に及 び,ALDH2あ 外 のALDHisozymeが し神 経 組 織 内 代 謝 に 関 与 しredoxに るい 導 や 患 者 教 育 に も役 立 つ 知 見 と考 え た. 相互 作 用 影 響 を及 ぼ す 可 能 性 も否 定 で き な い.こ の よ う にALDH2が 糖 尿 病 性 神 経 障 害 に 関与 す る可 能 性 お よ び そ の事 実 は,Wilhamsonら 性型 で は現 在 飲 酒 を し て い る 患 者 の ほ う が 増 加 す れ ば,高 血 糖 を増 悪 させ る可 能 性 が あ る.ALDH2不 はALDH2以 ど の 仮 説 を 支 持 す る一 傍 証 と ―123― 文 献 1) McCulloch DK, Campbell 1W, Prescott RJ, Clarke BF (1980) Effect of alcohol intake on symptomatic peripheral neuropathy in diabetic men. 糖 尿病41巻2号(1998) 2) 3) 4) 5) 6) Diabetes Care 3: 245-247 Mitchell BD, Vinik Al (1987) Alcohol consumption : a risk factor for diabetic neuropathy (Abstrast)? Diabetes 36 (Suppl. 1) : 71 A Vinik AI, Luzzi FJ, Holland MT, Stansberry KB, Beau JML, Colen LB (1992) Diabetic neuropathies. Diabetes Care 15 : 1926-1975 Higuchi S, Matsushita S, Murayama M, Takagi S, Hayashida M (1995) Alcohol and aldehyde dehydrogenase polymorphisms and the risk for alcoholism. Am J Psychiatry 152 : 1219-1221 Suzuki Y, Muramatsu T, Taniyama M, Atsumi Y, Kawaguchi R, Higuchi S, Hosokawa K, Asahina T, Murata C, Matsuoka K (1996) Association of aldehyde dehydrogenase with inheritance of NIDDM. Diabetologia 39 : 1115-1118 Crabb DW, Edenberg HJ, Bosron WH, Li TK 8) 9) 10) (1989) Genotypes for aldehyde dehydrogenase deficiency and alcohol sensitivity : the inactive ALDH 22 allele is dominant. J Clin Invest 83 : 3147) 316 Suzuki Y, Muramatsu T, Taniyama M, Atsumi Y, Suematsu M, Kawaguchi R, Higuchi S, Asahina T, ―124― 11) Murata C, Handa M, Matsuoka K (1996) Mitochondrial Aldehyde Dehydrogenase in Diabetes Mellitus Associated With Mitochondrial tRNALeu(UUR)Mutation at Position 3243. Diabetes Care 19: 1423-1425 Rusanen H, Majamaa K, Tolonen U, Remes AM, Myllyla R, Yassinen IE (1995) Demyelinating polyneuropathy in a patient with the tRNA mutation at base pair 3243 of the mitochondrial DNA. Neurology 45 : 1188-1192 Williamson JR, Chang K, Frangos M, Hasan KS, Ido Y, Kawamura T, Nyengaard JR, vanden Enden M, Kilo C, Tilton RG (1993) Hyperglycemic pseudohypoxia and diabetic complications. Diabetes 42 : 801-813 Tilton RG, Chang K, Nyengaard JR, Vanden Enden M, Ido Y, Williamson JR (1995) Inhibition of sorbitol dehydrogenase. Effects neural dysfunction in streptozocin ic rats. Diabetes 44 : 234-242 Bohren KM, Bullock B, Wermuth (1989) The aldo keto reductase Biochem Chem 264 : 9547-9551 on vascular and induced diabetB, Gabbay KH superfamily. J ALDH2遺 伝 子 型 が 糖 尿 病 患 者 の 末梢 神 経 障 害 に及 ぼす 影 響 につ い て Abstract Influence Yoshihiko of ALDH2 Genotype Non-Insulin-Dependent Suzuki', Taro Muramatsu*2, Yoshihito Akira Shimada", Institute Chisato the effects of alcohol diabetic neuropathy, different ALDH 2 genotypes with clinical 119 drinkers parameters. ALDH 2 genotype. Murata' found in the inactive intake hyde toxicity correlation and Kempei Hosokawa', Matsuoka" Hospital , Tokyo and of the aldehyde among 143 male in the absence for a correlation correlation studied. Subjects velocity on with (NCV) alcohol consumption peripheral consumption facilitates neuropathy was seen in the of NCV with past alcohol consumption ALDH 2 genotype of ALDH 2 activity alcohol 2 (ALDH 2) genotype were of nerve conduction (p <0.01) . These findings suggest in the different may precipitate patients of NCV with current . A negative ALDH 2 group dehydrogenase NIDDM Japan showed that 72 had an active ALDH 2 and 47 had an inactive correlation (p <0.05) of current Kazuhiro Asahina", , Kurihama National Hospital, Kanagawa, of Internal Medicine , Showa University, Tokyo The results alcohol effect with neuropathy alcohol Central were examined A positive active ALDH 2 group Taniyama*3, Takayuki in of Alcoholism *3Third Departmeny To learn Matsuo Atsumi", "Saiseikai *2National on Peripheral Neuropathy Diabetes Mellitus a different association groups. We speculate acetaldehyde was of the that, because accumulation, in the inactive ALDH 2 group. with NCV in the active ALDH 2 group acetalde- The positive suggests that patients with less neuropathy in that group tend to drink more alcohol. We speculate that, in the artive ALDH 2 group, alcohol neither facilitates acetaldehyde accumulation nor injures nerves. Conversely, the vasodilative effect of alcohol may prevent progression this is the first indication of a role of the ALDH 2 genotype insight of diabetic into the etiology in diabetic of neuropathy. In conclusion, neuropathy. This gives new neuropathy. J. Japan Diab. Soc. 41 (2) : 119-125, ―125― 1998
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