分割版 2/5

Ⅲ.平成27年度制度改定について
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概要
特別養護老人ホームの機能重点化について
平成27年4月1日以降、指定介護老人福祉施設及び指定地域密着型介護老人
福祉施設については、居宅での生活が困難な中重度の要介護高齢者を支える施設
としての機能に重点化を図るため、新規入所者を原則、要介護3以上に限定され
ます。
(1)入所要件等
○新規入所者は要介護3から要介護5の者に限定されます。
○既入所者で要介護1又は2の者は引き続き入所することが可能です。
○要介護1又は2の要介護者であっても、やむを得ない事情により特別養護老人
ホーム以外での生活が著しく困難であると認める場合には、市町村の関与のも
と、特例的に入所を認めます。
○制度改正後、要介護 3 以上で新規に入所した者が、入所後に要介護1又は2の
状態に改善した場合については、やむを得ない事情により特別養護老人ホーム
以外での生活が著しく困難であると認める場合には、引き続き特例的に継続し
て入所することを認めます。
※要介護1又は2の者で、やむを得ない事由により居宅において日常生活を営む
ことが困難であるとして特例入所が必要となるのは次の要件に該当するもので
す。
ア
認知症である者であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思
疎通の困難さが頻繁に見られるもの
イ
知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や
意思疎通の困難さ等が頻繁に見られるもの
ウ
家族等による深刻な虐待が疑われること等により、心身の安全・安心の確
保が困難であるもの
エ
単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により家族等による支
援が期待できず、かつ、地域での介護サービス又は生活支援の供給が不十
分であるもの
「岡山県介護老人福祉施設等入所指針(改正後)を引用」
(2)特例入所に係る申込等について
要介護1又は2の者の特例入所に係る申込等については、次のとおりです。
①特例入所に係る申込者は、特例入所が必要である状況等を申込書に記載します。
②施設は、その状況を申込者に確認するとともに、市町村へ報告し、必要に応じ、
当該市町村に対し、特例入所の対象者に該当するかどうかの判断に当たっての
意見を求めることができます。
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③市町村は、施設から意見を求められた場合又は必要と認める場合、地域の居宅
サービス、生活支援等の提供体制に係る状況及び担当の介護支援専門員からの
居宅等における生活の困難度について聴取した結果も踏まえ、施設に対して意
見を表明します。
④施設は、入所検討委員会を開催し、特例入所の対象となる者について要件該当
の有無の検討を行った上で、要介護 3 以上の者と合わせて、要介護度、介護者
の状況、介護サービスの利用状況等を勘案し、入所順位の決定を行います。
なお、平成 27 年 3 月 31 日以前に入所順位を決定した要介護1又は2の者
については、入所を決定する際に、入所検討委員会で要件該当の有無を確認し
ます。
「岡山県介護老人福祉施設等入所指針の一部改正についてを引用(平成 27 年 2
月 2 日長寿第1636号)」
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小規模通所介護の移行(地域密着型通所介護の創設)について
小規模な通所介護については、地域密着型通所介護、大規模若しくは通常規模型
通所介護のサテライト事業所、又は小規模多機能型居宅介護のサテライト事業所へ
と移行されます。その中でも、地域密着型通所介護については、少人数で生活圏域
に密着したサービスであることを踏まえ、地域との連携や運営の透明性の確保、又、
市町村が地域包括ケアシステムの構築を図る観点から整合性のあるサービス基盤の
整備を行う必要があるため、地域密着型サービスに位置付けられます。
(1)小規模な通所介護の対象事業所
利用定員 18 人以下の通所介護事業所
※現在届出がなされている利用定員で判断することとしていますが、引き続き居
宅サービスの通所介護として事業を行う場合は、施行日の前日(平成 28 年 3
月 31 日)までに利用定員を変更し、その旨を県に届け出る必要があります。
また、定員 18 人以下の通所介護事業者が地域密着型通所介護移行後に、定
員を 19 人以上に変更する場合は、地域密着型通所介護の廃止手続きと、通所
介護の指定手続きが必要となります。
(2)地域密着型通所介護の創設(移行)時期
平成 28 年 4 月 1 日から
(3)指定等について
平成 28 年 4 月 1 日からの地域密着型通所介護の指定については、事業者の事務
負担の軽減を図ることが必要であるため、みなし指定の枠組みを設ける。地域密着
型通所介護に係るみなし指定の有効期間については、施行日から効力が生じるが、
その有効期間の満了日は改正前の通所介護の指定を受けた日から 6 年経過した日ま
でとする予定です。
(4)みなし指定の効力の範囲
地域密着型通所介護に係るみなし指定は、①当該事業を行う事業所の所在地の市
町村及び②施行日の前日(平成 28 年 3 月 31 日)において他の市町村の被保険者
が通所介護を利用していた場合には当該他の市町村に効力が及びます。
【例】
津山市に所在する小規模通所介護事業所「デイサービスA」の利用者は津山市の
被保険者とB町の被保険者である。その場合、平成 28 年 4 月 1 日からは津山市
とB町の地域密着型通所介護の指定を受けたとみなす。
(5)地域密着型通所介護に係るみなし指定を希望しない場合
地域密着型通所介護に係るみなし指定を希望しない事業者は、県、事業所所在市
町村及び利用者の保険者市町村(事業所所在市町村以外の市町村)に対し、みなし
指定を希望しない申出を提出します。なお、当該申出は、地域密着型通所介護に係
る規定の施行日(平成 28 年 3 月 31 日)までに行う必要があります。
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また、みなし指定を希望しない申出を行う際は、従前の利用者が当該事業所を利
用できなくなることがあるため、必要に応じて、利用者が継続的にサービスを受け
ることができるよう、事前に利用者や居宅介護支援事業所に周知するなどの必要な
措置を講じなければなりません。
「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(平成 27 年 3 月 2 日・3 日開催)資料から抜粋」
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(6)通所介護の設備を利用して介護保険制度外の宿泊サービスを提供している事業
所(いわゆる「お泊りデイサービス」)への今後の対応について
通所介護の設備を利用して介護保険制度外の宿泊サービスを提供している事業所
(いわゆる「お泊りデイサービス」)については、宿泊環境が十分でない等の問題点
が指摘されているものもあるため、利用者保護の観点から、届出制の導入、事故報
告の仕組みを構築し、情報公表を推進するとしています。これらにより、サービス
実態の把握や、利用者及び介護支援専門員に情報が提供される仕組みとします。
また、最低限の質を確保する観点から、宿泊サービス提供にあたっての人員、設
備、運営等の要件をガイドラインとして示される予定です。
※ガイドライン案については、平成 27 年 3 月 2 日・3 日開催の全国介護保険・高
齢者保健福祉担当課長会議資料を参照してください。
「届出書の様式案」
「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(平成 27 年 3 月 2 日・3 日開催)資料から抜粋」
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一定以上所得者の負担割合の見直しについて
地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に
関する法律による介護保険法の改正により、平成 27 年 8 月 1 日から、一定以上の
所得のある第一号被保険者の自己負担を現行の 1 割から2割に引き上げられます。
この所得の判定基準は、今後政令で定めることとされていますが、現在示されてい
る検討段階の基準は次の資料の通りです。
なお、第一号被保険者のうち、要支援又は要介護の認定を受けた者は、利用者負
担の割合が記載された、介護保険負担割合証が発行されます。
※各事業所においては、介護保険被保険者証同様、利用者の負担割合証の写しを保
管する必要があります。
「平成 26 年 11 月 10 日開催の全国介護保険担当課長会議資料(厚生労働省老健局発行)から抜粋」
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特定入所者介護サービス費(補足給付)の見直しについて
食費・居住費を給付対象外にしている介護保険において、補足給付は、平成 17
年の改正前にこれらを給付に含めていた介護保険三施設への入所及びショートステ
イに限り、かつ住民税非課税世帯の者を対象として行っている給付です。
現行制度は、基本的に本人の属する世帯の課税状況や本人の年金収入及び所得を
勘案するのみであり、貯蓄等の資産があり実際には本人に負担能力がある場合や、
施設入所により世帯は分かれたが配偶者には負担能力があると考えられる場合にも、
給付がなされる仕組みとなっています。
また、負担軽減の第 2 段階と第 3 段階は年金収入等により区分していますが、そ
の判定に当たり現在非課税とされる遺族年金・障害年金は勘案されません。
これを踏まえ、平成 27 年 8 月からは次のように見直しが行われます。
(1)配偶者の所得の勘案
配偶者については、民法上他の親族より強い生活保持義務があると解されている
ことから、世帯分離されていたとしてもその所得を勘案することとし、配偶者が住
民税課税者である場合には特定入所者介護(予防)サービス費の対象外となります。
※配偶者の範囲について
○配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)に基づ
く通報があった場合、行方不明の場合などは配偶者の所得を勘案するこは不適
当であるため、勘案の対象外とする予定です。よって、配偶者の範囲外とする
場合は、
・DV防止法に定める暴力があった場合
・行方不明の場合
・その他これに準ずる場合
が想定されています。
(2)預貯金等の勘案
一定額を超える預貯金(単身で 1,000 万円超、夫婦世帯では 2,000 万円超)が
ある場合にも特定入所者介護サービス費(予防)の対象外となります。
(3)非課税年金の勘案(※平成 28 年 8 月施行)
現在、補足給付受給者の段階区分のうち、第 2 段階と第 3 段階は、年金収入及び
合計所得金額の合計額で判定していますが、遺族年金及び障害年金といった非課税
年金の額もこの額に含めて判定することとなります。
勘案する年金としては、
・国民年金法による遺族基礎年金、障害基礎年金
・厚生年金保険法による遺族厚生年金、障害厚生年金
・共済各法による遺族共済年金、障害共済年金
等が想定されています。
(4)不正受給に係る加算金の適用
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特定入所者介護サービス費(補足給付)は、自己申告により申請が行われます。
その際に、申告内容を偽り当該費用を不正行為により受給した場合、給付した額の
返還に加えて最大給付額の 2 倍の加算金を課されることとなります。
(5)多床室における居住費負担
介護老人福祉施設の多床室の入所者のうち、一定の所得を有する入所者について
は、現行の光熱水費相当分に加え、室料相当分の負担を居住費として求められます。
ただし、
「低所得者を支える多床室」との指摘があることを踏まえ、低所得者に配慮
する観点から、利用者負担第 1 段階から第 3 段階までの者については、補足給付を
支給することにより、利用者負担を増加させないこととされます(短期入所生活介
護についても同様の見直しが行われます)。
「平成 26 年 11 月 10 日開催の全国介護保険担当課長会議資料(厚生労働省老健局発行)から抜粋」
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「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(平成 27 年 3 月 2 日・3 日開催)資料から抜粋」
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高額介護サービス費の見直しについて
同月中に利用した介護サービスの 1 割の利用者負担の合計が高額になり、ある一
定額を超えた時は、超過分が高額介護サービス費として後から給付されるが、その
上限月額を 37,200 円から 44,400 円に引き上げる。その該当となる所得基準と
しては次の通り。
①
世帯内に課税所得 145 万円以上の第一号被保険者がいる場合には、当該世帯の
月額上限を 44,400 円に引き上げる。
②
①に該当しても、同一世帯内にいる第一号被保険者の収入の合計が 520 万円
(世帯内の第一号被保険者が本人 1 人のみの場合は 383 万円)に満たない場
合には月額上限 37,200 円に戻すこととする。
「平成 26 年 11 月 10 日開催の全国介護保険担当課長会議資料(厚生労働省老健局発行)から抜粋」
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低所得者の保険料軽減について
○標準段階の見直し
第 6 期介護保険料については、所得水準に応じてきめ細やかな保険料設定を行
う観点から、国の標準段階がこれまでの6段階から標準9段階に見直されます。
見直しのイメージは以下のとおりですが、新第7段階以上の所得の基準について
は、新第1段階から新第4段階までの軽減分と、新第6段階から新第9段階まで
の増加分が、全国ベースで均衡するように設定することとしています。
「介護保険最新情報 vol.415 から抜粋」
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住所地特例について
(1)サービス付き高齢者向け住宅への住所地特例の適用
現行制度では、サービス付き高齢者向け住宅は有料老人ホームに該当しても住所
地特例の対象外ですが、その他の有料老人ホームとの均衡を踏まえ、有料老人ホー
ムに該当するサービス付き高齢者向け住宅についても、住所地特例の対象となりま
す。なお、対象となるのは平成 27 年 4 月 1 日以降に該当する施設に入居した者の
みです。
例
①A市から平成 27 年 4 月 1 日以降に、津山市のサービス付き高齢者向け住
宅に入所(転入)した場合
⇒保険者はA市となり、給付費もA市が支払う。又、津山市の地域密着型サ
ービス及び地域支援事業の利用が可能。
②A市から平成 27 年 3 月 31 日以前に、津山市のサービス付き高齢者向け住
宅に入所(転入)した場合
⇒保険者は津山市となり、給付費も津山市が支払う。又、津山市の地域密着
型サービス及び地域支援事業の利用は可能。
③A市から平成 27 年 3 月 31 日以前に、津山市のサービス付き高齢者向け住
宅に入所(住民票はA市のまま)した場合
⇒保険者はA市となり、給付費もA市が支払う。又、津山市の地域密着型サ
ービス及び地域支援事業の利用は(指定を受けない限り)不可能。
(2)住所地特例対象者の地域密着型サービス及び地域支援事業の利用
従来の住所地特例では、対象者が住所地の市町村の指定した地域密着型サービス
及び地域支援事業を使えないという課題がありますが、住所地特例対象者に限り、
住所地市町村の指定を受けた地域密着型サービスを使えるようにし、住所地市町村
の地域支援事業を利用できるようになります。
(3)指定について
住所地特例対象者に対する地域支援事業(介護予防)サービスの指定については、
原則として、当該者が居住する施設が所在する市町村(以下「施設所在市町村」と
いう。)が行うものとしていますが、当該指定がない場合には転居前の市町村(以
下「保険者市町村」という。)の指定によりサービスを提供することも可能となり
ます(介護保険法第 42 条の 2 及び第 54 条の 2)。
※保険者市町村が行う指定において、その方法は国から発出される Q&A 等で確認
が必要です。
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新しい地域支援事業(総合事業等)について
介護保険制度の構成は、要介護認定で要介護又は要支援の認定を受けた者が介護
サービスを利用した際の「介護給付及び介護予防給付」と介護サービスを利用する
までには至らない、要介護状態となる前の予防を行う者を対象とする(※地域支援
事業の中には、要介護状態の者が利用できる事業もあります。)「地域支援事業」
から成ります。その中でも地域支援事業とは「介護予防事業(介護予防・日常生活
支援総合事業(いわゆる「総合事業」))」、「包括的支援事業」、そして「任意
事業」の3つで構成されます。この度の介護保険制度改正において、大きく変更と
なるのは
○
介護予防給付のうち訪問介護及び通所介護のサービスが新総合事業に移行
○
包括的支援事業の充実
です。
「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(平成 27 年 3 月 2 日・3 日開催)資料から抜粋」
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(1)介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)について
①介護予防給付の訪問介護及び通所介護の新総合事業への移行について
介護予防の訪問介護及び通所介護は、市町村が地域地域の実情に応じた取組み
ができることから、給付ではなく事業として、新総合事業の介護予防・生活支援
サービス事業の 1 つに移行します。その時期については、平成 29 年 4 月 1 日か
ら移行することになりますが、早期から新総合事業に取り組みむことで、それ以
前(平成 27 年度又は平成 28 年度)に移行することも可能です。
なお、津山市の場合は平成 29 年 4 月 1 日から移行する予定となっています。
「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(平成 27 年 3 月 2 日・3 日開催)資料から抜粋」
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②介護予防・生活支援サービスの充実について
予防給付のうち訪問介護及び通所介護については、市町村が地域の実情に応じ
た取組が可能な地域支援事業へ移行されます。移行後のサービスについては、利
用者のニーズや地域の実情により多様な担い手による多様なサービス形態を目指
します。それには、既存のサービス事業所に加え、NPO,民間企業、ボランテ
ィア等地域の多様な主体を活用し充実させることが必要です。最終的には、利用
者の目的に応じたサービス提供先を多様なサービス主体から選択し利用すること
で、利用者の日常的な課題を解消し、できる限り在宅で生活できるよう支援する
体制を整えることとしています。
「平成 26 年 11 月 10 日開催の全国介護保険担当課長会議資料(厚生労働省老健局発行)から抜粋」
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③一般介護予防事業について
現行の介護予防事業である一次予防及び二次予防事業は、機能回復訓練などの高
齢者本人へのアプローチではなく、地域づくりなどの高齢者本人を取り巻く環境へ
のアプローチも含めたバランスのとれたものへ、又、年齢や心身の状況等によって
分け隔てることなく、住民運営の場を充実させ、人と人とのつながりを通じて、参
加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりの推進のため、一般介護
予防事業に変更されます。当該事業は次の5つの事業を軸に推進されます。
○介護予防把握事業
地域の実情に応じて収集した情報等の活用により、閉じこもり等の何らかの支援
を要する者を把握し、介護予防活動へつなげます。
○介護予防普及啓発事業
介護予防活動の普及・啓発を行います。
○地域介護予防活動支援事業
地域における住民主体の介護予防活動の育成・支援を行います。
○一般介護予防事業評価事業
介護保険事業計画に定める目標値の達成状況等の検証を行い、一般介護予防事業
の事業評価を行います。
○地域リハビリテーション活動支援事業(新規追加事業)
地域における介護予防の取組を機能強化するために、通所、訪問、地域ケア会議、
サービス担当者会議、住民運営の集いの場等へのリハビリテーション専門職等の
関与を促進します。
「平成 26 年 11 月 10 日開催の全国介護保険担当課長会議資料(厚生労働省老健局発行)から抜粋」
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④介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)の各事業の内容及び対象者について
当該事業の対象者は、制度改正前の要支援に相当する者です。
○要支援認定を受けた者
○基本チェックリスト該当者
「平成 26 年 11 月 10 日開催の全国介護保険担当課長会議資料(厚生労働省老健局発行)から抜粋」
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「地域支援事業実施要綱平成 22 年 8 月 6 日厚生労働省老健局長通知から抜粋」
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「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(平成 27 年 3 月 2 日・3 日開催)資料から抜粋」
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(2)包括的支援事業
現在、地域支援事業における包括的支援事業は、高齢者の在宅介護や福祉サービ
スなどの各種相談を受ける「総合相談支援業務」、成年後見制度の利用支援や高齢
者の虐待防止・早期発見に関する相談支援を行う「権利擁護業務」、予防給付や介
護予防事業のサービス利用支援などの一体的マネジメントを行う「介護予防ケアマ
ネジメント業務」、そして支援困難事例等への指導及び助言や地域のケアマネジャ
ーとのネットワーク作りを行う「ケアマネジメント業務」の四つを中心に行ってい
ます。それらの業務を行う中枢機関が地域包括支援センターです。この度の制度改
正により、現行業務に加えて、適切な支援の検討等を行うために、介護支援専門員、
保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者その他の関係者等により構成され
る、地域ケア会議の推進を行います。さらに地域包括ケアシステムの構築に向け、
次の3つ施策や業務の推進も求められます。
○在宅医療・介護連携の推進
医療や介護が必要となっても自宅等の住み慣れた地域で、自分らしい生活を続け
ていくことができるようなシステムを構築するためには在宅医療と介護が一体的に
提供できる体制が重要となります。そのため、ニーズに応じた病院・病床機能の分
担化や医療介護間の連携強化、さらには医療及び介護人材の確保も含めた包括的な
連携の推進を行います。
「第 2 回都道府県在宅医療・介護連携担当者・アドバイザー合同会議(厚労省発行)から抜粋」
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○認知症施策の推進
上記と同様に、認知症となっても住み慣れた地域で自分らしい生活を続けるこ
とができるよう認知症施策を推進します。具体的には、状態に応じた適切なサー
ビス提供のながれを示した「認知症ケアパスの作成」や、早期診断等を担う医療
機関整備又はかかりつけ医認知症対応力向上等を含めた「早期診断・早期対応」、
そして認知症サポーター増加などの「地域での日常生活・家族の支援の強化」等
を、認知症施策推進総合戦略である「新オレンジプラン」に沿って推進を行いま
す。
○生活支援・介護予防の推進(生活支援サービス体制整備)
地域の高齢者の個別の生活ニーズに応える仕組みを安定的・継続的に構築する
ため、新たな住民参加サービス等の担い手として生活・介護支援サポーターを養
成を行います。又、介護予防及び生活支援の充実のため、地域の高齢者の多様な
通いの場である認知症カフェやサロンの充実、そして広い関係機関の連携による
見守りや地域住民等を主体としたゴミ出し等の生活支援の推進を行います。
「平成 26 年 11 月 10 日開催の全国介護保険担当課長会議資料(厚生労働省老健局発行)から抜粋」
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