PDF版 - 三井住友アセットマネジメント

(No.2,099)〈マーケットレポートNo.4,084〉
2015年3月17日
最近の指標から見るインド経済(2015年3月)
政策効果による投資拡大や外需が景気をけん引
生産は緩やかに回復
貿易赤字は3カ月連続で減少
■2015年1月の鉱工業生産指数は、前年同月比
+2.6%とプラスを維持しました。自動車など耐久
消費財の増加を主な要因として生産は緩やかに
回復しています。生産の先行指標となる企業景
況感は、原油安などによる企業コストの低下や
政策効果による需要の拡大期待などを背景に改
善傾向にあります。
■2015年2月の貿易収支は、原油安による輸入額
の減少などにより赤字が3カ月連続で減少してお
り、経済の安定化要因の一つとなっています。
物価上昇率は低位
8
(%)
鉱工業生産指数と製造業PMI
(ポイント)
57
鉱工業生産指数(前年同月比、左軸)
製造業PMI(右軸)
54
4
51
0
48
▲4
13/1
45
13/7
14/1
14/7
15/1
(注)鉱工業生産指数は2013年1月~2015年1月。
(年/月)
製造業PMIは2013年1月~2015年2月。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
RBIは今年2度目の緊急利下げ
■2015年2月の消費者物価指数は、燃料や食品価
格の安定により、前年同月比+5.37%と比較的
安定しており、インド準備銀行(RBI)の2016年1
月の目標年+6%を下回って推移しています。
RBIは、原油価格が安定して推移することを前提
に物価上昇率が目標に向かうと見ています。
■RBIは、3月4日に今年2度目となる緊急利下げを
実施し、政策金利(レポレート)を0.25%引き下げ
7.50 % と し ま し た ( 年 初 か ら の 利 下 げ 幅 は 計
0.50%)。物価の落ち着きを受け、RBIは景気下
支えのため迅速な利下げが適切と判断したと見
られます。物価上昇率が今後安定的に推移する
と見られていることから、市場では追加利下げが
実施されるとの見方が強まってます。
12
(前年同月比、%)
消費者物価指数
10
8
16/1
6%
6
4
消費者物価指数(総合)
2
2016年度(16/4~17/3)の
物価目標(4%±2%)
物価目標
0
13/2
14/2
15/2
(年/月)
16/2
17/2
(注)データ期間は2013年2月~2015年2月。
2015年1月以降は新基準の消費者物価指数(基準年と品目変更)。
物価目標はインド準備銀行(RBI)による。
(出所)Bloomberg L.P.、RBIのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
金利低下や政策効果による投資拡大と外需が景気をけん引
■利下げによる金利低下や外資企業の誘致策な
どにより、投資の拡大が見込まれます。世界景
気の回復に伴う輸出の拡大とあわせて景気をけ
ん引すると見られます。
■今後の景気を見るポイントは、世界経済の回復
に伴い工業製品、IT関連分野などで輸出が拡大
するか、電力供給などインフラ整備が進み投資
を後押しするかなどの点にあると思われます。
2015年03月04日 インド準備銀行が今年2度目の緊急利下げ(インド)
2015年02月26日 最近の指標から見るインド経済(2015年2月)
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