マクロ経済学

〔科目名〕
〔単位数〕
マクロ経済学
〔担当者〕
高尾 築
Takao Kizuku
〔科目の概要〕
4 単位
〔科目区分〕
専門科目
〔オフィス・アワー〕
時間:最初の授業でアナウンスします
場所:
〃
なぜ一部の国々は急速に所得が増大したのに対し、他の国々は貧困に陥ったままなのか。なぜある国の昔の失業率
は低かったのに対して、現在の失業率は高くなったのか。そして、貧困や景気後退といった状況に対して、政府はどのよ
うな政策をとるべきなのか。このような疑問に答えるため、「マクロ経済学」は一国全体の経済で何が起きているのかを明
らかにする研究分野です。
この講義では、マクロ経済学の基礎的な知識、考え方を標準的なテキストに沿って学習します。具体的な学習内容は以
下の通りです。
講義の前半では、
・GDP の測定方法といった、経済活動水準を測るための国民経済計算の考え方・使い方
・経済成長理論を中心として、長期の経済問題を考える上での、基本的な知識・考え方
・資金市場、貨幣、インフレーション等の言葉の意味
講義の中盤では、
・外国との取引がある場合の経済(開放経済)を考察し、経常収支や為替レートの決定等
講義の後半では、
・IS-LM 分析を中心として、景気変動やデフレスパイラルといった短期の経済問題を考える上での、基本的な知識・考え
方
・上記の理論モデルに沿った、財政政策や金融政策の政策効果
・失業や財政赤字といったマクロ経済の諸問題
について学習していきます。
〔「授業科目群」・他の科目との関連付け〕・〔なぜ、学ぶ必要があるか・学んだことが、何に結びつくか〕
・マクロ経済学を用いる応用分野(金融論、国際経済学、財政学など)を理解するための基礎が身に付く。
(具体的な科目名としては、経済変動論、公共政策論、国際経済学、国際金融論等)
〔科目の到達目標(最終目標・中間目標)〕
中間目標
・国全体の経済活動水準を表すマクロ経済変数(GDP、利子率、インフレ率など)をどのように測定するのかを理解する。
・基本的な分析ツールの考え方を理解する。
最終目標
・どのような因子がマクロ経済変数に影響を与えるのかを、基本的な分析ツールに基づき、そのメカニズムを踏まえて
説明できるようになる。
・新聞・テレビ等で報道される経済ニュースについて、その背後にあるメカニズムを経済学的な視点から考え、
自分なりにそれを議論できるようになる。
〔学生の「授業評価」に基づくコメント・改善・工夫〕
なし(担当初年度のため)
〔教科書〕
・二神孝一、「マクロ経済学入門(シリーズ・新エコノミクス)(第 2 版)」、日本評論社、2009 年
〔指定図書〕
・N. グレゴリー・マンキュー (著), 足立英之他 (翻訳), 「マンキュー マクロ経済学(第 3 版)1 入門篇」、東洋経済新報
社、2011 年
・N. グレゴリー・マンキュー (著), 足立英之他 (翻訳), 「マンキュー マクロ経済学(第 3 版)2 応用篇」、東洋経済新報
社、2011 年
〔参考書〕
・齊藤誠・岩本康志・太田聰一・柴田章久、「マクロ経済学 New Liberal Arts Selection」、有斐閣、2010年
〔前提科目〕
・経済学基礎論を履修済みであることが望ましい
〔学修の課題、評価の方法〕(テスト、レポート等)
・小テスト(40%)
・期末筆記試験(60%)
〔評価の基準及びスケール〕
評価
A
B
C
D
F
得点比率
80%〜100%
70%〜80%未満
60%〜70%未満
50%〜60%未満
50%未満
〔教員としてこの授業に取り組む姿勢と学生への要望〕
・講義形式としては、板書およびスライドを併用して行います。板書を書く際には、大きくて見やすい字を心掛けます。ス
ライドは、ホームページ等を通して、各自がダウンロードできるようにします。
・数式やグラフを使う場面が多いですが、計算問題のように解き方ばかりを追うのでは無く、経済学理論の裏にある直感
的な解釈や考え方を意識して、学生の知的好奇心を引き出すような魅了的な講義になるように心掛けます。
・分量が多い章は、複数回にわたって講義する予定です。ただし、以下の授業スケジュールはあくまで予定で、学習進
度に応じて変更する場合もあり得ます。
・学習量が多いので、(予習は特に前提とはしませんが)復習は必ず行ってください。
第1回
授業スケジュール
テーマ(何を学ぶか):マクロ経済学の役割
内 容:イントロダクション
第2回
教科書第 1 章
テーマ(何を学ぶか):経済の活動水準を測る
内 容:国民経済計算(1)
第3回
教科書第 2 章
テーマ(何を学ぶか):経済の活動水準を測る
内 容:国民経済計算(2)
第4回
教科書第 2 章
テーマ(何を学ぶか):経済の活動水準を測る
内 容:国民経済計算(3)
教科書第 2 章
第5回
テーマ(何を学ぶか):物価の測り方
内 容:GDP デフレータ、消費者物価指数、企業物価指数
第6回
教科書第 3 章
テーマ(何を学ぶか):物価の測り方
内 容:インフレーション、連鎖指数の適用、経済変数の実質化
第7回
教科書第 3 章
テーマ(何を学ぶか):経済の成長
内 容:経済成長モデル(1)
第8回
教科書第 4 章
テーマ(何を学ぶか):経済の成長
内 容:経済成長モデル(2)
第9回
教科書第 4 章
テーマ(何を学ぶか):経済の成長
内 容:経済成長モデル(3)
第 10 回
教科書第 4 章
テーマ(何を学ぶか):貯蓄と投資を結ぶもの
内 容:金融市場
第 11 回
教科書第 5 章
テーマ(何を学ぶか):貯蓄と投資を結ぶもの
内 容:資金市場
第 12 回
教科書第5章
テーマ(何を学ぶか):貨幣と日本銀行
内 容:貨幣の意味、日本銀行
第 13 回
教科書第 6 章
テーマ(何を学ぶか):インフレーション
内 容:貨幣とインフレーション(1)
第 14 回
教科書第 7 章
テーマ(何を学ぶか):インフレーション
内 容:貨幣とインフレーション(2)
第 15 回
教科書第 7 章
テーマ(何を学ぶか):インフレーション
内 容:貨幣とインフレーション(3)
第 16 回
教科書第 7 章
テーマ(何を学ぶか):復習
内 容:復習
第 17 回
教科書第 1-7 章
テーマ(何を学ぶか):確認の小テストと解説
内容:これまでの講義内容確認の小テストと解説
教科書第 1-7 章
第 18 回
テーマ(何を学ぶか):海外との取引の描写(開放マクロ経済)
内 容:財、所得、資本の取引
第 19 回
教科書第 8 章
テーマ(何を学ぶか):海外との取引の描写(開放マクロ経済)
内 容:名目為替レート、実質為替レート
第 20 回
教科書第 8 章
テーマ(何を学ぶか):海外との取引の描写(開放マクロ経済)
内 容:経常収支の決定(1)
第 21 回
教科書第 9 章
テーマ(何を学ぶか):海外との取引の描写(開放マクロ経済)
内 容:経常収支の決定(2)
第 22 回
教科書第 9 章
テーマ(何を学ぶか):短期の経済分析
内 容:総需要、総供給(1)
第 23 回
教科書第 10 章
テーマ(何を学ぶか):短期の経済分析
内 容:総需要、総供給(2)
第 24 回
教科書第 10 章
テーマ(何を学ぶか):短期の経済分析
内 容:総需要、総供給(3)
第 25 回
教科書第 10 章
テーマ(何を学ぶか):短期の経済分析
内 容:総需要、総供給(4)
第 26 回
教科書第 10 章
テーマ(何を学ぶか):短期の経済分析
内 容:経済変動(1)
第 27 回
教科書第 10 章
テーマ(何を学ぶか):短期の経済分析
内 容:経済変動(2)
第 28 回
教科書第 10 章
テーマ(何を学ぶか):失業
内 容:失業問題
第 29 回
教科書第 11 章
テーマ(何を学ぶか):財政赤字
内 容:日本の財政赤字
第 30 回
教科書第 12 章
テーマ(何を学ぶか):復習
内 容:復習
試 験
教科書第 8-12 章
期末筆記試験