【小学校4年生 社会】

【小学校4年生 社会】
全体的な傾向<3年生の内容別の正答率のグラフ>
目標値 64.8%
市平均正答率 70.4%
学校のまわりの様子
市の様子
買い物調べ
店で働く人
農家の仕事
昔のくらしの様子
工場の仕事
0
10
20
30
40
50
仙台市平均正答率
60
70
80
90
100
(%)
目標値
内容別の正答率では,ほとんどの内容で目標値を上回っている。また,観点別では,「社会的事象への関
心・意欲・態度」,「社会的な思考・判断・表現」,「観察・資料活用の技能」の三つの観点において目標値
を5ポイント以上上回っており,おおむね良好である。ただし,昨年度に引き続き,選択の単元である農家
の仕事においては,目標値を 2.7 ポイント下回っている。また,設問ごとにみると,地図記号に関する問題
が,目標値を 11.7 ポイント下回っており,最も目標値を下回る結果となった。
指導改善のポイント
<事例1>
1 問題と解答状況
設問番号
領域
出題のねらい
(2)イ
地域や市の様子
畑の地図記号を理解している。
1
問題 1(2)
次のア・イの地図記号は,それぞれ絵地図中の1~4のどこにあてはまりますか。1つずつえらんで,そ
の番号を書きましょう。
ア
イ
(地図省略)
〈選択肢〉
1-田
2-工場
イの正答(目標値 60.0% 正答率 48.3 %)
3
3-キャベツ畑
4-寺
誤答(誤答率 50.4 % 無解答率 1.3 %)
1…47.0
2…1.8
4…0.5
それ以外…1.1
最も多かった誤答は,1の「田」である。ほとんどの児童
が正答である3の「キャベツ畑」か,この1を選択している。
2 指導改善に向けて
この設問では,地図記号の理解に関する基礎的知識が問われている。誤答例では1の「田」を選ぶ児童が
半数近くおり,その要因として,田と畑の記号を正確に理解できていないことが挙げられる。また,今回の
選択肢では,単に「畑」ではなく,「キャベツ畑」との記載になっていたため,これを「畑」の記号で表し
てよいものかどうか,迷った児童もいたのではないかと推察される。
指導に当たっては,繰り返し地図記号を確認しながら理解の定着を図るとともに,実際に,自分で地図作
りを行い,その中で地図記号を描く活動を設定していく必要がある。
3 改善事例
「わたしたちのまち みんなのまち(学校のまわり)」
1 指導のねらい
地図記号が表す意味を正しく理解し,活用できるようにする。
2 具体例(活動や指導)
・フラッシュ教材等を活用し,地図記号
の形を視覚的に捉えさせながら,繰り
返し地図記号の意味を指導する。
・学校周辺にない建物や施設等もあるため,教師が
準備した簡単な絵地図をもとに,地図作りの作業
を行い,地図記号に触れる機会を設定する。
これは何の地図記
号でしょう?
先生の描いた地図もとに,
白
地図に地図記号を描き入れて
みましょう。
あっ,郵便局だ!
地図記号の意味が理解できるよう
になったら,地図記号が描けるかとい
うことも確認し,さらに定着を図る。
学校周辺の地図や航空写真などをもとに,およそ
の地図を作る活動をとおして,地図記号や方位など
に関する知識の習熟を図りたい。
本単元では,地図記号や方位等の利便性を学んだ上で,活用できるようにしていくことが学習の中心
となる。そのため,授業では,絵地図をもとに方位や地図記号を描き加えたり,描き換えたりしていく
ことになる。児童の実態に応じて,しっかりと段階を踏みながら,知識の定着を図っていくことが大切
である。
特に,地図作りを行わせる際には,まず,簡易的な絵地図から取り組ませ,次に,地図記号を活用し
た学校のまわりの地図へと段階を踏ませたい。さらに,様々な施設や土地利用がなされている地図へと,
ステップアップさせることにより,技能の向上や知識の定着が図られるものと考える。
<事例2>
1 問題と解答状況
設問番号
4
(3)
領域
生産や販売
出題のねらい
近所の肉屋で買い物をする利点について,スーパーマーケットの
肉売り場と比較して考察し,その内容を表現することができる。
問題 4(3)
次の絵は,あるスーパーマーケットの肉売り場と,みゆきさんの近所の肉屋の様子を表しています。2つ
の絵をよく見くらべて,近所の肉屋で買ったほうがべんりなことを考えて書きましょう。
あるスーパーマーケットの肉売り場
近所の肉屋
正答(目標値 35.0% 正答率 33.1 %)
誤答(誤答率 58.2 % 無解答率 8.7 %)
(例)自分がほしい量を指定して買うこ
準正答
とができる。
あいまいな内容を記述している場合(店の人と相談できるなど)。
上記以外の解答…55.3%
2 指導改善に向けて
この設問は,スーパーマーケットなどの大型店と個人経営の店における消費者側からの利点を問う問題で
ある。無解答は少なかったものの,個人経営の店の利点を正しく捉えられていない児童が多く見られた。
その要因として,児童の多くが,スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で買い物をしており,個人
経営の店で買い物をすることに対して,イメージできずにいることが挙げられる。
指導に当たっては,個人経営の店の良さについて,児童に捉えさせることが必要である。また,問題解決
的な学習を展開させる上で,それぞれの店の特徴や良さについて,児童に比較させ,消費者側にとっての利
点を考えさせていくことが大切である。
3 改善事例
「はたらく人とわたしたちのくらし(店ではたらく人)」
1 指導のねらい
それぞれの店の特徴を理解し,消費者側における利点について説明できるようにする。
2 具体例(活動や指導)
・それぞれの店の特徴をまとめ,目的に合った店を考える。
スーパーマーケット
近くの専門店や小売店
○駐車場が広い。
○売り手の顔が見えるので,
○いろいろな品物がそろっ
要望について相談しなが
ている。
ら買うことができる。
○生産地などが書いてあっ
○必要な量だけ買うことが
て,安心して買い物ができ
できる。
る。
○顔見知りになると,サービ
○広告等が出るため,目玉商
スしてもらえることもあ
品が分かりやすい。
る。
○カートや多目的トイレな
○自転車や歩いて買い物を
どがあるため,小さい子供
しに行けるので便利。
連れも安心。
など
など
コンビニエンスストア
○生活の中で,必要な物がそ
ろっているため,ちょっと
した買い物に便利。
○24 時間営業なので,遅い
時間や早朝にも買い物が
できる。
○宅配便を送ったり,電気代
や電話代を支払ったりす
ることもできる。
○お金を引き出せる機械な
どもある。
など
今度の遠足のお弁当の材料を買いに行くとしたら,皆さんはど
のお店に買い物に行きますか?
お弁当の材料だけ
じゃなくて,家族の
食事の材料も買える
ようにスーパーに行
きます。
ぼくは,自分のお
弁当の材料分だけだ
ったら,少ない量で
も買える近くの小売
店に行きます。
問題解決的な学習を展開させる際,目的や場面を変えながら,できるだけ具体的に児童がイメージで
きるような学習活動を設定したい。
本単元において,児童は,日常生活における自らの買い物体験や見学活動などを基に,それぞれの店
の特徴を考えるものと思われる。そのため,児童が体験したことや獲得している知識などを把握した上
で,どの店を選ぶかをシミュレーションさせていくことが大切である。また,授業で扱う際には,「な
ぜ,その店を選択したのか」などと問い,得た知識を活用しながら説明できる場面を設定していくこと
も必要である。
【小学校5年生 社会】
全体的な傾向<4年生の内容別の正答率のグラフ>
目標値 67.6%
市平均正答率 71.9%
安全なくらし-火事
安全なくらし-交通事故や事件
くらしをささえる水
ごみの処理と利用
地域の発展につくした人々
地図の見方
県の様子
0
10
20
30
40
仙台市平均正答率
50
60
目標値
70
80
90
100
(%)
内容別の正答率をみると,全ての内容で目標値を上回っている。また,観点別の正答率についても,「社
会的な思考・判断・表現」と「観察・資料活用の技能」において目標値を5ポイント以上上回っており,お
おむね良好である。ただし,「社会的事象への関心・意欲・態度」と「社会的事象についての知識・理解」
は,目標値とほぼ同程度であった。さらに,設問ごとにみると「知識・理解」を問う問題において,目標値
を5ポイント以上下回るものが2問あった。
指導改善のポイント
<事例1>
1 問題と解答状況
設問番号
領域
出題のねらい
1
安全を守る活動
消防団について理解している。
(3)
問題 1(3)
わたしたちのまちには,次のような活動をする人たちがいます。このような人たちのそしき(集まり)
を何というか,書きましょう。
わたしたちは,ふだんは自分の仕事をしながら,
火事にそなえた活動をしています。火事がおきたと
きは,消防しょの人と協力して消火活動をします。
正答(目標値 55.0% 正答率 46.8 %)
消防団
誤答(誤答率 34.6 % 無解答率 18.4 %)
解答を記述する問題である。誤字があった準正答率は,0.3%
であり,誤答率と無解答率を合わせると 50%を超えることから,
知識として定着していないものと考えられる。
2 指導改善に向けて
この設問では,地域の人たちで構成され,火事などの災害時に消防署と協力して活動する消防団について
問われている。誤答率の高さから考えると,安全なくらしを守るための地域の取組について,知識として確
実に定着していないことが考えられる。
指導に当たっては,火事などの災害に備えるための地域の取組について具体的に調べさせたい。その際,
消防団について,構成している人や活動の内容,思いや願いなどを具体的にまとめさせる必要がある。
3 改善事例
「くらしを守る(火事からくらしを守る)」
1 指導のねらい
地域の人々のくらしを守る消防団について,正しく理解できるようにする。
2 具体例(活動や指導)
○ 火災から地域の人々のくらしを守るための取組について調べ,まとめる。
・消防団の人から話を聞き,どんな人たちが
団員なのか,どんな活動をしているのかな
どについて知る。
消防団は,地域に住んでいる人た
sh
ちが中心になってつくられていま
す。普段は,それぞれ自分の仕事を
していて,火事などの災害が起きた
ときは,消防署の人と協力して活動
をします。
※出典「わたしたちのまち仙台」
普段は,それぞれ別の仕
事をしていることが分かっ
たね。他に消防士の仕事と
どんな違いがあるのかな。
・消防士と消防団の仕事を比べてまとめ
る。
【消防士と違うところ】
・地域の人たちでつくられている。
・普段はそれぞれが別の仕事をしている。
【消防士と同じところ】
・器具の点検や訓練をしている。
・防火を呼び掛けている。
【火事などの災害が発生したら】
・お互いに協力して,消火や救助の活動を
行う。
・火災からくらしを守るための地域の活動
や取組について,自分の言葉でまとめ
る。
地域に住んでいる人た
ちがつくる消防団は,火事
からぼくたちの生活を守
るために活動している。
家の近くに消防団の倉
庫があるよ。中に何があ
るか調べてみたいな。
<事例2>
1 問題と解答状況
設問番号
領域
出題のねらい
7
(4)
県の様子
都道府県の名称と位置について理解している。
問題 7(4)
まさひろさんは,宮城県のほかにも,国から伝統的工芸品としてみとめられた人形がつくられている
都道府県がないか調べました。すると,宮城県以外に,次の5つの都府県でつくられていることがわか
・東京都(江戸節句人形など)
りました。
・京都府(京人形)
・埼玉県(岩槻人形など)
・静岡県(駿河雛人形)
・福岡県(博多人形)
(2013年現在)
上の5つの都府県の位置を,地図に正しくしめしたものを,次の1~4
の印(はんれい)から1つ選んで,その番号を書きましょう。
正答(目標値 70.0% 正答率 61.0 %)
2
誤答(誤答率 30 % 無解答率 8.8 %)
1…6.8%
3…13.5%
4…9.7%
その他…0.2%
日本の首都である東京都を示す凡例が,
一つしかないにもかか
わらず,誤答率が高かったのは,出題された都府県の位置に関す
る理解が,十分でなかったためであると考えられる。
2 指導改善に向けて
この設問では,日本地図の凡例の中から,問題の条件に該当する都府県の位置を正しく選ぶために必要な
知識が問われている。本設問は,目標値を9ポイント下回っており,このことから,47 都道府県の名称や位
置についての知識が確実に定着していないことが考えられる。
指導に当たっては,まず,地図帳や白地図を活用しながら,自分たちが住んでいる県の位置を確認したり,
隣接している県や児童が過去に訪れたことのある県の位置を確認したりと,少しずつ範囲を広げていきた
い。次に,それぞれの都道府県について紹介するカードを作成し,クイズ形式で出題するなど,児童が興味
を持って学習できるように工夫しながら知識の定着を図りたい。さらに,47 都道府県の名称と位置について
の指導は,4年生の2学期だけで終わらせるものではなく,5年生の日本の国土に関する学習や,6年生の
日本の歴史に関する学習でも機会を捉えて取り上げるなど,継続した指導を行う必要がある。
3 改善事例
「県の様子(都道府県の名称と位置)」
1 指導のねらい
47 都道府県の名称と位置について,正しく理解できるようにする。
2 具体例(活動や指導)
○ 東北6県について紹介するカードを作り,東北地方の県の名前と位置を理解する。
わたしたちが住んでいる宮城県の位置を地図で確
かめましょう。
また,東北地方にある6県を紹介するカードを作
り,紹介し合いましょう。
紹介カード例①
青森県
紹介カード例②
山形県
カードの書き方
都道府県名
県の白地図
りんご
さくらんぼ
特産品や名所な
ど
ぼくは,りんごが有名な青森県の紹介カードを作
りました。みんなが持っている白地図で青森県の位
置を指差してください。
他の都道府県を紹介するカードを分担して作っ
て,紹介し合いましょう。
※ 白地図を拡大し,紹介カードを貼ったものを教室に掲示し,いつでも児童の目に触れるようにしておく。
【小学校6年生 社会】
全体的な傾向<5年生の内容別の正答率のグラフ>
目標値 66.4%
市平均正答率 69.1%
世界の中の国土
日本の国土と人々のくらし
日本の農業
日本の食糧生産
自動車をつくる工業
工業生産と工業地域
工業生産と貿易
わたしたちの生活と情報
わたしたちの生活と環境
0
10
20
30
40
仙台市平均正答率
50
60
70
80
90
目標値
100
(%)
問題の内容別正答率は,ほとんどの領域において目標値を上回っている。特に,「日本の農業」「わたし
たちの生活と情報」では,目標値を5ポイント以上上回っており,おおむね良好である。全体的にみると,
基礎的知識の正答率は目標値を 4.3 ポイント上回った。ただし,応用力の正答率は目標値を 3.8 ポイント下
回った。また,資料の読み取りをもとに記述する,思考・判断・表現を問う問題では,目標値を5ポイント
以上下回っていることから,今後,改善が必要であると考える。
指導改善のポイント
<事例1>
1 問題と解答状況
設問番号
4
(3)
領域
農業や水産業
出題のねらい
遠洋漁業の生産量が減少した理由を,複数の資料をもとに考察
し,その内容を表現することができる。
問題 4(3)
次のグラフは,遠洋漁業の生産量の変化を表しています。グラフがこのように変化している理由について,
あとの資料ア・イをもとにして説明しましょう。
正答(目標値 35.0% 正答率 26.0 %)
(例)各国が 200 海里水域を設けたこと
により,とることのできる魚の種類や量
が制限され,外国から魚を輸入すること
が増えたから。
誤答(誤答率 36.2 % 無解答率 18.3 %)
準正答率…19.5%
・水産物の輸入額に関する内容のみの記述
・日本の 200 海里水域に関する内容のみの記述
2 指導改善に向けて
この設問では,適切な記述ができなかった要因として,200 海里水域と水産物の輸入との関係について理
解が不十分であることや,資料アと資料イで読み取ったことを遠洋漁業の生産量の変化へと結び付けられて
いないことなどが挙げられる。
指導に当たっては,漁業別の生産量の変化を表すグラフや日本の水産物輸入量の変化を表す資料などを読
み取り,その変化の要因として,200 海里水域の影響があることを押さえることが大切である。
3 改善事例
「水産業のさかんな地域(資料の読み取り)」
1 指導のねらい
日本の漁業の生産量や 200 海里水域などを調べ,日本の漁業生産量が減ってきた理由を考えさせる。
2 具体例(活動や指導)
漁業別生産量の変化について資料から読み取り,その理由を予想させる。児童の予想に合わせた資料を提
示し,日本の漁業生産量が減ってきた理由を説明させる。
<グラフから読み取らせたいこと>
○日本の漁業生産量が減っていること
・沖合漁業の生産量が 1990 年ごろから急激に減
ってきた。
・遠洋漁業の生産量が 1975 年ごろから急に減っ
てきた。
・沿岸漁業の生産量がだんだん減ってきた。
・養殖業の生産量は徐々に増えてきた。
<児童に考えさせたいこと>
○漁業生産量が減っている理由(予想)
・働く人が減った。
・魚をとりすぎた。
・魚より肉を好む人が増えた(食生活の変化)。
・生産量が減った分,輸入が増えた。
予想させた後で,教科書や資料集等で確かめ
させる。
<200 海里水域を示す資料からおさえたいこと>
○漁場が制限され,遠洋漁業の生産量が減ったこと
・沿岸から 200 海里(約 370km)の海では,
外国の船がとる水産物の量が制限された。
・水産物を自由にとることができなくなった。
<表現活動の工夫>
『日本の漁業生産量が減ってきた理由を,資料をもとにして説明しよう。』
「各国の沿岸から 200 海里以内で,自由に魚をとれなくなったため,日本の遠洋
漁業の生産量が減りました。水産物の輸入が増えたり,漁業で働く人が減ったりし
たので,日本の漁業生産量は減ってきています。」
<事例2>
1 問題と解答状況
設問番号
7
(1)
領域
工業生産
知識面
は繰り返
し指導し,
確実な定
着を図る。
自分の考えを
書いたり,説明
したりする活動
などを取り入れ,
理解の定着を図
る。
出題のねらい
日本の輸出について,複数のグラフをもとに判断することができ
る。
問題 7(1)
次のグラフは,1960 年と 2012 年の日本の輸出額
について,それぞれ,輸出品と輸出先の上から5
番目までを示しています。グラフから 読み取れ
ることを,あとの1~4から1つ選んで,その番
号を書きましょう。
1 1960 年と 2012 年の輸出について比べると,
輸出額が最も多い輸出品は変わっているが,輸
出額が最も多い輸出先は同じである。
2 2012 年の機械類の輸出額は,1960 年の3倍
以上になった。一方で,2012 年のアメリカへ
の輸出額は,1960 年より少なくなった。
3 1960 年に輸出額が最も多かった輸出品は,
2012 年には上から5番目までに入っていない。また,2012 年に輸出額が最も多かった輸出先は,1960
年には上から5番目までに入っていない。
4 1960 年には,輸出額が上から5番目までの輸出品に魚介類がみられ,輸出額が上から5番目までの
輸出先にアジアの国がみられたが,2012 年には,どちらもみられない。
正答(目標値 35.0% 正答率 21.4 %)
誤答(誤答率 75.4 % 無解答率 3.1 %)
3
1…7.1%
2…58.3%
4…10.0%
2 指導改善に向けて
この設問では,輸出入を示す資料の読み取りが不十分だったため,誤答が多くみられている。次の設問(貿
易で起こる問題について)においても正答率が目標値を下回っており,工業生産と貿易の学習について改善
が必要と思われる。指導に当たっては,日本の輸出入の特色について資料を使って調べさせることや,貿易
で起こる様々な問題点について考えさせていくことが大切である。
3 改善事例
「工業生産と貿易(資料の読み取り)」
1 指導のねらい
日本の貿易額の変化について調べ,輸出と輸入のつりあいのとれた貿易の大切さについて考えさせる。
2 具体例(活動や指導)
日本の輸出額,輸入額が増えていることを資料から読み取り,輸出額と輸入額に差があるときの問題点を
考えさせる。
<貿易額の変化について読み取らせたいこと>
・輸出額,輸入額が大きく増えている。
・近年は 60~80 兆円くらい輸出入している。
・約 50 年前と比べると 60 倍以上増えている
<貿易の問題点について考えさせたいこと>
『日本製品が外国にいっぱい売れて,日本ばか
りがもうけると,輸入相手国で問題になること
は何だろう。』
「自国の製品が売れな
くなって,産業が衰えた
り仕事を失ったりす
る。」
児童に気付かせ
たり,説明させた
りすることが大切
である。その後,
解決策について調
べさせる。