物 生 解答 はす べ て 各問題 の指示 にしたが つて解答用紙 の該 当欄 に記入せ よ。 と ”0 4. は必須問題である。 はどちらか 1つ を選び解答せよ。どちらを選択したか を示すため に,解 答用紙 の問題選択欄の中の問題番号 をOで 囲み解答 せよ。 次 の文章 を読み ,以 下の間 に答 えよ。 動物 の体 はさまざまな細胞 ,組 織 ,器 官 か らな り,非 常 に複雑 である。 この複 雑な体 の形成は,た つた 1つ の細胞である受精卵か ら始 まる。両生類 のカエルを 例 に受精 とその後 の発生をみ ていこう。カエルの精子は卵 (図 lA)の 動物半球 か ' a b ら卵細胞質 に進入する。精子が入る と,卵 細胞表面 の表層部分がそれよ り内部の 細胞質 に対 して約 30度 回転する。 この回転 にともない,卵 の植物極表層 に存在 したデ ィシェベル ドとよばれる母性因子が図 lBの ように移動する。 この母性因 C 子が移動 した領域 は将来背側 とな り,こ こで初めて背腹軸が形成 される。受精卵 は 0 によつて細胞 の数 を増や し,桑 実胚 を経て胞胚 となる。胞胚期 には 背側に移動 した母性因子の効果により,予 定内歴塞理型≧ 」 艶量生互整塑墜 主二 d =型 ノーダルとよばれるタンパク質の濃度勾配が生まれる(図 lC)。 この濃度勾配 は,形 成体 を含 む背側 中胚葉 の形 成 に重 要な役割 を もつ。 と,予 定中胚葉 と予定内胚葉細胞が け) レ) 0 期 にな る よ り陥入 し,胚 内部 へ移動す る。 期 の終わ りには外胚葉 ,中 胚葉 ,内 胚葉 の 3つ の胚葉がそれぞれの位 置 に配置 され ,神 経胚期 ,尾 芽胚期 にか けて ,さ まざまな組織や器官が形成 され る。組織や器官が つ くられる しくみを知 るため,こ れまで に多 くの実験が行われ てきた。以下 に両生類 を用 いた背側 中胚葉の形成 に関す る実験 を述 べ る。 く実験 1> 胞胚から動物極を含む部分 (図 lD① )と 植物極を含む部分 (図 lD ②)を 切り出し,そ の細胞塊をそれぞれ単独で培養 した。その結果 , 図 lD① は表皮様の外胚葉組織に,図 lD② は内胚葉組織にそれぞれ 分化 した。この実験の結果から,図 lD① の領域を予定外胚葉域,図 lD② の領域を予定内胚葉域 とよぶ。 -20- ◇Mll(188-120) く実験 2> 胞胚か ら予定外胚葉域 と予定内胚葉域 を切 り出 し,そ れぞれの胞胚 腔側が接す るよ うに両者 を重ね合わせて培養 した。その結果 ,予 定外 胚葉は血球 ,脊 索な どの中胚 葉組織 に,予 定内胚葉は内胚葉組織 に分 化 した。 く実験 3> 胞胚 の予定 内胚葉域 にお ける背側 と腹側 の領域 を切 り出 し,そ れぞ れに予定外胚葉域の細胞塊 と重ね合わせ 培養 した。その結果 ,背 側 の 予定内胚葉 と培養 した予定外胚葉 は脊索な どの背側 中胚葉組織 に,腹 側の予定内胚葉 と培養 した予 定外胚葉 は血 球な どの腹側 中胚葉組織 に 分化 した。 く実験 4> 実験 2と 同様の重ね合わせ実験 を,次 の操作 を加 えて行 つた。予定 外胚葉 と予定内胚葉の 間 に小さな孔 のあいたフ ィルター,あ るいは孔 のな いガラス板 をはさみ培養 した。 フィルター をはさんだ培養片 の予 定外胚葉 は血 球 ,脊 索な どの中胚葉組織 に,ガ ラス板 をはさんだ培養 片 の予 定外胚葉 は外胚葉 組織 に分化 した。 (A)卵 (B)受 精卵 動物極 精子進入点 腹 表層部分 背 ディシェベルド ディシエベルド 植物極 (D)EE j1fifi (C)胞 胚 胞胚腔 腹 背 腹 ノーダルの 濃度勾配 図 背 檀物極 1 -21- ◇ Mll(188-121) 問 1 文 中の 問 2 下線部 aと bに 関す る記述 として ,次 のω ∼(Dの 中か ら適切な ものをす べ 0 ⑦ に適切な語句を入れよ。 て選 び,記 号で答えよ。 ω 精母細胞 と卵母細胞では,減 数分裂 の第一分裂 において相同染色体が対 合す る。 ③ 精母細胞 と卵母細胞 では,減 数分裂 の第 二分裂 において二価染色体 が 2 つに分 かれ る。 C)1つ の一 次精母細胞か ら, 4つ の精細胞 が形成 され る。 ①)1つ の一 次卵母細胞 か ら, 2つ の卵 と 2つ の極体 が形成 される。 ●)精 細胞か ら精子 へ変形す る過程にお いて ,鞭 毛が形成 され る。 問 3 下線部 cに 関係 して ,次 の文章はシ ョウジ ョウバエにお け る胚の前後軸形 成 について述 べ たものである。文 中の 0 0 に適切な語句 を入れよ。 シ ョウ ジ ョウバ エ の 卵 は,ビ コ イ ドとよ.ば れ る母性 効果 遺 伝 子 の伝 令 RNA(mRNA)を 前端部 に蓄積す る。受精後 に この mRNAか らタ ンパ ク質が 合成 され ,胚 の前方か ら後方 に濃度勾配 をつ くる。 この濃度勾配が胚 に前方 の位置情報 を与 える。その後 ,位 置情報 に したが い 14の 化 される。それぞれの ② 0 0 が 区画 に特有 の形態 をつ くらせ る調 節遺伝 子 を 遺伝子群 とよぶ。 ω 遺伝子 の発現 が異常 にな つた胚は , 頭部 か ら脚がはえるな どの奇形 をもつ個体 となる ことが ある。 問 4 実験 1と 実験 2の 結果か ら,予 定外胚葉 が中胚葉組織 に分化 す る条件 を 25字 以内 (句 読点 を含む)で 説明せよ。 問 5 実 験 1∼ 実験 4の 結果 か ら,予 定外 胚 葉 が脊 素 に分化 す る し くみ を 50字 以 内 (句 読 点 を含 む )で 説 明 せ よ。 -22- ◇Mll(188-122) 問 6 下線部 dに ついて ,次 の実験 を行 つた。予定内胚葉域 の腹側 にお いて ノー ダル の濃度 を背側 と同程度 に高 くした。その結果 ,腹 側 にお いて も脊索 を含 む背側 中胚葉組織 が形成 された。実験 1∼ 実験 4の 結果 に基づき, この実験 で腹側 に脊索が形成 され た理 由を次 のキ ー ワー ドをそれぞ れ 1回 用 い,60 字以内 (句 読点 を含 む)で 述 べ よ。 キー ワー ド 問 7 予定内胚葉域 位置情報 下線部 eに ついて,外 胚葉か ら形成 される組織・器官 を次のω ∼(I)の なか か らすべて選び,記 号で答えよ。 Q 0 脳 胃 ③ 骨格筋 (G)水 晶体 0 0 脊椎骨 ぼうこう - 23 - ⑪)眼 杯 (D 腎臓 (1)角 膜 ◇ Mll(188-123) りι 次 の I∼ Ⅱの文章 を読み,そ れぞれの間 に答 えよ。 I 1囮■│ 合成生物であると考えられている。シアノパクテリアは 1囮 ││ シア ノバ クテ リア (ラ ン藻)は地球 上で最初 に出現 した 発生型の光 a ことで 0 ⑦ を分解す る を発 生 させ る。 シア ノバ クテ リアは,海 水 な どの環 境 中 に を放出す ることで ,地 球環境 に大 きな影響 を与えた。 シアノバ クテ リアと葉緑体 の光合成 の しくみは多 くの点で共通 して いる。 シ アノパ クテ リアの多 くは緑色植物 の葉緑体 と同様 に 0 とよばれる膜 を 有 してお り,シ アノバ クテ リアや葉緑体の光化学系は この膜 に存在 す る。 この 膜 にはさ らに ATP合 成酵素 も存在 し,光 合成 の過程で生 じた ③ の濃 度勾配 を使 って ATPを 合成す る。 また,シ ア ノバ クテ リア と葉緑体 は,ク ロ ロフィル aや 0 とい う光合成色素 を用 いて 光 を吸収 して い る,と い う点で も共通 して いる。 このよ うなシア ノバ クテ リア と葉緑体 の光合成 の類似 b 性は,細 胞 内共生説によって説明 されている。 問 1 文 中の 問 2 下線部 aに ついて,地 球 上にはシアノバクテ リアが出現す る以前か ら 0 ② に適切な語句 を入れよ。 , 光合成細菌 とよばれ る生物が存在 した。 光合成細菌 に関す る以下のω ∼①) の記述 について,正 しい記述 に○を,誤 つた記述 に ×を記せ。 ω 大部分 の光合成細菌 は有機物 を主な炭素源 として い る。 ③ 光合成細菌の大部分 はシア ノバクテ リア出現以降 に絶滅 して しまい , 現代では熱水噴出 日の付近な どにわずかに見 つかるだけである。 0 光合成細菌はパ クテ リオク ロロフィルを用いて光合成を行 つている。 (D)光 合成細菌はカル ビン・ ベ ンソン回路をもたない。 - 24 - ◇ Mll(188-124) 下線部 bに つ いて以下 の(1)∼ (2)に 答えよ。 問 3 細胞内共生説 とは,あ る生物が別の生物の細胞内に取 り込 まれて共生 (1) す るうちに細胞小器官 とな った という仮説である。細胞内共生 に由来す ると考え られて いる細胞小器官 と,そ のもととな つた と考え られる生物 の組 合せ の うち,葉 緑体 とシア ノパ クテ リア以外 の組 合せ を記せ。 ,上 記の(1)で 答えた組合せ に関 して,細 胞 内共生説 の証拠 となる事実 を (2) 1つ あげよ。 Ⅱ シアノパクテ リアは現代でも海洋や湖沼な どさまざまな環境に広 く分布 して いる。 シアノパクテ リアがさまざまな環境で生育できる理由の一つは,シ アノ バ クテ リアがもつ光合成色素 の多様性 にあると考えられている。 シアノバクテ リアはク ロロフ ィル aや ω だけでなく,さ まざまな色の色素を用 い て光合成に必要な光 を吸収することができる。 光合成色素の違 いが光合成およびシアノパ クテ リアの増殖に与える影響 につ いて調べ るため, 2種 類 のシアノパクテ リア X,Yを 用 いて実験 1お よび実験 2を 行 つた。 シアノパクテ リア X,Yは ともにク ロロフィル aを もつが,さ ら にそれぞれ別 の光合成色素 をもつ。そのためにシアノバ クテ リア Xは 太陽光 C のもとで緑色に見 えるが ,シ ア ノパ クテ リア Yは 太 陽光 の も とで赤色 に見 え る。シアノパクテリア X,Yそ れぞれの吸収スペクトル (光 吸収曲線)を 調べた ところ,図 1の 2種 類 の曲線が得 られた。 - 25 - ◇ Mll(188-125) ■ ′ 吸 光 度 相 対 値 400 500 600 700 波長 (nm) 図1 く実験 1> 同 じ細胞 数 の シア ノパ クテ リア Xと Yを 別 々 の培 養 び ん に入 れ,600 nm∼ 660 nmの 波長 の赤色光 (以 下 ,単 に赤色 光 とよぶ), または 500 nm∼ 560 nmの 緑色光 (以 下 ,単 に緑色光 とよぶ)を あて て培養 したところ,図 2の グラフ 1∼ グラフ4の いずれかの増殖曲 線が得られた。 ●●●●oシ アノパ クテリアX 00。 。0シ アノパ クテリアY グ ラ フ2 細 胞 10 数 ↑ 0 5 107 5 侵 / ml 10 20 30 0 10 20 n︶ ^ ● n︶ O個/l 細 胞 数 Tl m︶ グラフ 1 培養 日数 培養 日数 10 グ ラフ4 n ︶ ´ 0 細 胞 散 ↑ n ︶ ”0 債 / 稀 │ n︶ l 細 胞 数 →0 1個/m︶ グラ フ3 lo 20 30 10 20 30 培養 日敗 培養 日数 図2 - 26 - ◇ Mll(188-126) く実験 2> 同 じ細胞数の シア ノパ クテ リア Xと Yを 同 じ培養 びん に入れ , 3種 類 の光条件 で 培養 した ところ,図 3の グラフ 5∼ グラフ 7の い ずれかの増殖曲線が得られた。 ●●●●● シアノパ クテリアX 。。。00シ アノパ クテリアY lo ..... 20 30 .● 0● 0● ● 。 ● 。 。 。 .● n︶ n︶ ● 3・・・・・ グ ラフ6 n ︶ 一 〇 細 胞 数 →0 1個/前︶ n ︶ ″ ● lo 2o .. 30 培養 日数 培養 日数 グラ フア n ︶ ¨ ● 0個/l 細 胞 数 →1 m︶ 細 胞 数 →0 1日/嗣︶ グラフ5 3。 lo 20 n︶ ■︶ n︶ ..。 。° ・ 二 ‐ 培養 日数 図 3 実験 1お よび実験 2に おいて,培 養 を開始 した時点 では,培 養びんの中はほ ぼ透明であ つたが,培 養開始後 30日 目では,増 殖 したシアノパ クテ リアで培 養びんの中がに ごつてお り,培 養 びんを通 して反対側がまった く見えなか つ た。 なお,図 2お よび図 3に お いて シア ノパ クテ リア Xの 増殖曲線は黒丸で , シア ノパクテ リア Yの 増殖曲線は,自 丸で示 している。また,シ アノバ クテ リア X,Yの 細胞あた りのク ロロフィル aお よびそれ以外の光合成色素の量 と 組成 は実験 1お よび実験 2の 期間中,変 動 しな いものとする。 また,い ずれの 実験にお いて も,照 射光 の強度 は同 じ程度 とする。 27 ◇ Mll(188-127) 間 4 下線部 cに ついて,図 1の 実線は,シ アノバ クテ リア Xま たはシアノ パ クテ リア Yの どちらの吸収スペ ク トルに相当するか答えよ。 問 5 図 2の グラフ 1∼ グラフ 4に ついて,赤 色光 と緑色光のどちらの光 をあ てたと考え られるか。それぞれの グラフについて,赤 色光 または緑色光の いずれかを記せ。 問 6 図 3の グラフ 5∼ グラフ 7の 実験に用いた光条件を以下のω ∼①のなか から選び,記 号で記せ。ただし,帆 )∼ (Dの 照射光の強度は同じ程度 とす る。 問 ω 白色光 (D 赤外 光 7 G)赤 色光 0 緑 色光 に)暗 黒 (光 照射 しな い) 実験 2の 結果について,以 下 の(1)∼ (2)に 答えよ。ただ し,こ の実験 の期 間中,シ アノパ クテ リアは独立栄養的に増殖 してお り,増 殖 に必要な栄養 塩類および二酸化炭素は枯渇 していな いものとする。 (1)図 3の グラフ 5の 実験では,シ ア ノパ クテ リア Xは ほとん ど増殖 し ていないのはなぜか。理由を述べ よ。 (2)図 3の グラフ 7の 実験では,シ アノバ クテ リア X,Yと もに増殖 して いるのはなぜか。理由を述 べよ。 - 28 - ◇ Mll(188-128) Qυ 次 の文章を読み,以 下の間に答えよ。なお本間中では,ア デニ ンを A,グ アニ ンを G,シ トンンを C,ウ ラシルを Uと 記す。 T4フ ァージは大腸菌 に感染す るウイルスであ り,感 染 した 大腸菌 内で 100個 ほどのウイルス粒子 を産生 した後 に,大 腸菌 の細胞壁 を溶解 して (溶 菌),ウ イル ス粒子 を周囲に放 出させ る。T4フ ァー ジのゲ ノムには 288個 の遺伝子 が 存在す る。その うち 江B遺 伝子で突然変異が生 じ,正 常な rHBタ ンパ ク質が つ くられ な くなると,感 染後 の溶菌が早ま つて しまう。 1955年 にク リック とブ レナ ー は,こ の T4フ ァー ジの 江B遺 伝 子 に着 目 し て ,伝 令 RNA(mRNA)の 塩基配列 とタ ンパ ク質 のアミノ酸配列 との対応 関係 を 調べ始 めた。T4フ ァージが感染 している大腸菌 に突然変異 を誘発す るプ ロフラ ビンとい う物質 を作用 させ る と,″〃B遺 伝 子 の どこか の領域 で 1塩 基 の 挿入 も しくは欠失 をも つた変具体 を作 ることができる。 ある 1か 所で 1塩 基 の挿入 をも つ変異体では,溶 菌が早ま つた。 また,異 なる 2か 所で 1塩 基 の挿入 をもつ変異 体で も,溶 菌が早 まつた。一 方 ,溶 菌 が 早 ま った変異体で 生 じた 1塩 基挿入 と a 1塩 基欠失 を同時にもつ,あ る変具体では,溶 菌が早ま らなか つた。 同様 に,異 なる 3か 所で 1塩 基挿入をもつ,あ る変具体 でも,溶 菌が早まらなか つた。以上 の結果 によ り,タ ンパク質 のアミノ酸配列は,重 な らな い連続 した 3個 の RNA 塩基か らなるコ ドンによ り指定 されることが判明した。 続 く研究課題は, どのコ ドンが どのアミノ酸等を指定するかの遺伝暗号を明 ら かにすることであつた。1961年 にニー レンパー グとマ ッセイは,大 腸菌 をす り つぶ して得た抽出液にウラシル (Dだ けか らなる人工 RNA ωUttUU… うと放射 性同位元素の 14Cを 含むフェニル アラニ ンを加えて反応 させたところ,放 射性 を 示すポ リペ プチ ド鎖が合成 されたことか ら,uJUと い うコ ドンはフェニルアラ ニ ンを指定 していることを示 した。同様 にコラーナは,図 1の ように,14Cを 含 む ロイ シン,セ リン,フ ェニ ル アラニ ンを,そ れぞ れ LUCの 繰 り返 しの人工 RNA(LUCIttCUUC… うとともに大腸菌の抽出液中で反応 させたところ,い ずれ も放射性を示すポ リペ プチ ド鎖が合成 され ることを示 した。一方,GUAAの 繰 ⊇ _返_し の 人 工 RNA(GUAAGUAA… b うか ら は ,必 要 な 成 分 を す べ て 加 え 適 当 な 条 - 29 - ◇ Mll(188-129) 件 で反応させても,最 長でも3つ のアミノ酸からなるペプチ ド鎖 しか合成[菫」 ヒ L二 か つた。 さらに 1965年 に,ニ ー レンバー グとリー ダー は,た つた 3塩 基か らな る人工 RNAを 大腸菌 の抽出液 に加えた場合,ポ リペ プチ ド鎖は合成 されな い も のの,人 工 RNAは リボソー ム中で運搬 RNA(tRNA)を 介 して特定のアミノ酸 と 結合する ことを見出 した。たとえば,CUUの 人工 RNAは 大腸菌 の抽出液中で ロ イシンと結合する ことか ら,CUUと い うコ ドンは ロイシンを指定 して いること が証明された。 4C の ポ リ ペ プ チ ド 餞 への 取 り 込 み hil [pmol/mll uucuuc… Ⅲ 14c_ロ のポ リ ペ プ チ ド 饉 への 取 り 込 み 3 イシン 2 n︶ 10 20 30 反応時間 [分 l σ 20 30 反応時間 I分 ] uucuuc¨ ¨ +14c_フ ェニ ル ア ラニ ン 2 ^U 4C の ポ リ ベ プ チ ド 饉 へ の 取 り 込 み [pmol/mll 3 uucuuc¨ ¨+14c_セ リン 10 20 30 反応時間 I分 l 図 -30- 1 ◇ Mll(188-130) 問 1 下線部 aは ,同 一遺伝子中に 1塩 基挿入 と 1塩 基欠失を同時にもつ変具体 が野生型の表現型を示す場合があることを示 している。そのよ うな変異体が 野生型 の表現型 を示す理 由を,50字 以内 (句 読点 を含む)で 説明せよ。ただ し,そ の変異体にお いて, 1塩 基の挿入 と欠失以外の塩基配列は,野 生型の ものと同じとする。 また.同 一遺伝子中に 1塩 基挿入 と 1塩 基欠失を同時にもつていて も,必 ず しも野生型の表現型を示す とは限 らない。では, どのような場合,野 生型 の表現型を示す のか。その条件を 2つ あげ,簡 潔 に記せ。 問 2 コ ラーナは,大 腸菌の抽出液に以下の① ∼(C)を 加えて反応 させて,図 2の 結果を得た。図 2の 曲線(1)∼ (3)の 結果が得 られるものを以下 の帆)∼ C)の なか か らそれぞれ 1つ 選び,記 号で答えよ。 (A)14Cを 含む ロイシン (D UCの 繰 り返 しの人工 RNA(UCUCUC_う と 14Cを 含む ロイシン (O UCの 繰 り返 しの人工 RNA(UCUCUC_う と 14Cを 含 む ロイ シ ン と 14Cを 含 まな いセ リ ン LInoiノ mi〕 ´L 14 ←{1) 20 10 ●ι ら● ↑ ↑ のポ リペプ チド 麟 への取 り 込み 3 30 反 応 時 間 I分 ] 図 2 -31- ◇ Mll(188-131) 問 3 問 2の 実験結果 として適切なものを以下 のω ∼0)の なかか らすべて選び , 記号で答えよ。 A)UCの 繰 り返 しの人工 RNA(UCUCUC_)か ら,ロ イシンのみか らなる ポ リペ プチ ド鎖が合成される。 C)UCの 繰 り返 しの人工 RNA(UCUCUC_)か ら,セ リンのみか らなるポ リペ プチ ド鎖が合成 される。 O UCの 繰 り返 しの人工 RNA(UCUCUC_)か ら,ロ イ シンとセ リンか ら なるポ リペ プチ ド鎖 が合成される。 ①)UCの 繰 り返 し の 人 工 RNA(UCUCUC_)か ら ,ロ イ シ ン と セ リ ン を 含 まないポリペプチ ド鎖が合成される。 間 4 下線部 bに ついて ,最 長で も 3つ のアミノ酸 か らなるペ プチ ド鎖 しか合成 されないのはなぜか。その理 由を簡潔 に記せ。 間 5 文章 中 と問 3で 得 られ た情報 か ら,UCU,CUC,uJCが 指定 して いる ア ミノ酸 を決定す る ことができる。それぞれの コ ドンが指定 して い るアミノ酸 を答 えよ。 -32- ◇ Mll(188-132) ●4 以下の は選択問題である。 どちらか 1つ を選び解答 せよ。 どちらを選択 と したか示すために,解 答用紙の問題選択欄の中の問題番号をOで 囲んでから解答する こと。 “4 次 の I∼ ■の文章 を読み ,そ れぞれの間に答 えよ。 I a 進化が生 じるためには,個 体間に形質の変異が存在 し,そ の変異が次世代 に する必要がある。変異に応じて生存率や繁殖率に個体差があると ⑦ , がはた らく。その場合 ,生 存率 と繁殖率 を高める変異が世 ") 代 を経 るにつれて集 団中に広が る。 そ こには 一 方 ,遺 伝 子 突 然変 異 の 多 くは生存 率や 繁殖 率 に影 響 を与 えな いた め を受 けな い。分子 レベ ルで み られる変異のほ とん どは,生 存 にとつ ) “ て有利で も不利で もな いとす る考 えを,分 子進化の に と つて 0 0 説 という。生存 な対立遺伝子の頻度 も,偶 然の効果 によ り世代間で変化 し うる。 このような偶然 による遺 伝子頻度 の変化 プ ロセス を 0 , ③ とよぶ。 の影響は,集 団サイズが小 さい場合 に特 に大 き くなる。 問 1 文 中の 問 2 下線部 aに ついて,次 に示 すω ∼(F)の 事象の うち進化 といえるものには ⑦ 0 に適切な語句 を入れよ。 ○を,進 化 とはいえないものには ×を記入せよ。 ω 恐竜 の一部 の グル ー プか ら鳥類が出現 した。 ③ 高密度 で 数世代飼 育 した トノサ マバ ッタが,単 独相 か ら群 生相 に変 わ つた。 (C)オ タマジ ヤクシがカエルにな り,尾 が消失 した。 ①)洞 窟 に生 息す る生物種で 目が退化 した。 (E)集 団中の対立遺伝子 の頻度が世代間 で変化 した。 (F)島 の小集団 で,生 存率や繁殖率 をわずか に下 げる遺伝子突然変異 が蓄 積 した。 -33- ◇Mll(188-133) Ⅱ 図 1は , リポソー ム RNA塩 基配列 に基づ いて推定 した, 日本産 クワガタム シ 5種 の 類縁 関係 を示 して いる。 このよ うな,生 物 の 類縁 関係 を表 す 図 を 0 とよぶ。 図の中で,ク ワガタムシ5種 の学名は,い ずれも 2つ の語で記されている。 種の学名の最初の語は属名,あ との語 は れる 0 ω である。分類学の父といわ によって確立 された この学名 のつ け方 は (ク ) , とよばれ る。 和 +* 名 オオクワガタ Dorcua hopei コクヮガタ Dorcus rectus ヒラタクワガタ Dorcus titanus ノコギ リクワガタ Pro sopoc oilu s inc lin atu s ミヤマクワガタ iu"o nu, m ac uliJemora t us 図1 間 3 文中の 問 4 図 2の A∼ Eの うち 1つ は,図 1の 5種 とは別のクワガ タムシで あるチ 0 ② に適切な語句 を入れよ。 ビクワガタ fな ″′ 溶 bj″ 0グ ″ι ぉ の類縁的な位置 づ けを示 している。チ ビク ワガタの類縁的な位置 づ けは,こ のクワガ タムシの リボソーム RNA塩 基 配列に基づいて推定 されている。一方,A∼ Eの 中には,塩 基配列情報な どが無 くてもチ ビクワガタの類縁的位置づ けと して不適当とみなされるも のが ある。本間中の情報に基 づいて,チ ビクヮガタの位置づ けとして不適 当と判断できるものをすべて選び,記 号で答えよ。 また,選 んだ理由を述 べ よ。 - 34 - ◇ Mll(188-134) オオクヮガタ コクワガタ Dorcus hopei Dorcus rectus A ヒラタクワガタ Dorcus titanus B ノコギリクワガタ C Prosopocoilu s inc linatu s ミ D l? ,, ,t t Luconus maculiJemoratue E 図 2 問 5 表 1は ,図 1に 示 されたクワガタムシ 5種 間 の,リ ボ ソーム RNAの 塩 基配列 の違 いの割合 (%)を 示 した ものである。V∼ Zは 5種 の クワガタ ム シいずれかに対応している。図と表を見て,(1)∼ (2)に 答えよ。なお,い ず れの場合も分子時計が成り立つているものとする。 表 1 V 0 W 18.5 0 X 22.2 23.2 0 Y 19.6 15.6 23.1 0 Z 17.9 6.7 22.7 15.2 0 V W X Y Z (1)ヒ ラタクワガタは表 1の V∼ Zの どれに該 当す るか。1つ を選 び,記 号で答えよ。 また,選 んだ理 由を述 べ よ。 (2)図 2の Aに 位置 づ け られ るクワガタムシの リポソーム RNA塩 基配列 は, ミヤ マ クワガタのそれ と約何 %違 うと予想 され るか。予想 される値 の範囲を,小 数点以下 を切 り捨てて答 えよ。 また,そ のように予想 した 理 由を述 べ よ。 -35- ◇Mll(188-135) rO 次 の文章 を読み .以 下 の間に答 えよ。 生態系はある一定 の区域 に分布す る生物 とそれをとりまく大気 ,水 ,土 壊な ど の非生物的環境 によ り構成 される。陸上の生態系を構成す る主 要な 生物は植物 動物 ,菌 類 ・細菌であ り,そ れぞれ生態系にお いて主に 0 ⑦ , に) として機能 を果た して いる。生態系にお いて, これ らの生物は直接・ a 間接的 に関係 し合 って生きている。 また ,生 態系ではさまざまな物質が循環 して いる。そのなかの炭素循環系 と窒素循環系では,大 気か ら生物 へ の物質の取 り込 み過程および生物か ら大気 へ の物質 の放出過程が大き く異なる。 b 陸上生態系 を最 もよ く特徴づけているのは植物であ り,陸 域 に見 られ る植物群 集 (植 生型)は その主要な構成種 の特徴か ら,い くつかのタイ プに分 け られる。図 1は シベ リアか ら東南アジアに至る地域 にみ られる植生型 を示 したものである。 この 図 に示 されて いるよ うに,各 植生型の成立は要因 1と 要因 2に よ り説明され る (要 因 1と 要因 2の 単位 は設 間 に関わ るので示 して いな い。 また,植 生型 A, B, C,D以 外 は植 生型 名を記 していな い )。 要因 1 植生型C 植 生型B 植 生型 D 植生型A 要因2 図1 - 36 - ◇ Mll(188-136) 問 1 文中の 問 2 下線部 aに 関 し,異 なる生物種間 の直接的な関係 (相 互作用)を 2つ あげ 0 0 に適切な語句を入れよ。 , その関係 にある ヒ ト以外 の陸 上生物 の組合せの例 を,そ れぞれ 1つ 記 せ (生 物名は一般名でよい)。 問 3 下線部 bに 関 し,炭 素循環系と窒素循環系 にお ける大気へ の物質 の放出過 程をそれぞれ何 とよぶか。 また。窒素循環系 において大気へ の物質 の放出 を 担 う生物名を答えよ。 問 4 図 1の 要因 1と 要因 2は 何か。それぞれ漢字 4∼ 6字 で答えよ。 問 5 図 1の 植 生型 A, せ。 また植生型 A, B,C,Dを 特徴 づ ける植 物 につ いて ,そ の特徴 を記 B, Cを 特徴 づ ける植物 につ いて ,そ の名前をそ れぞれ 1つ あげよ。 問 6 陸 上の水は川ある いは地下水 とな って流出す る以外 に,蒸 散 によ って も失 われ る。植生型間で比較する と,単 位面積あた り 1年 間 に植物 が 固定す る二 酸化炭素量 と単位面積 あた り 1年 間 に蒸散 に よ り失 われ る水分量 との相 関 は,植 物 の二 酸化炭素固定量 と図 1に 示 した要因 1あ るいは要因 2と の相関 よ りも高 い。以下 の(1)∼ (2)に 答えよ。 (1)蒸 散量 の多 い地域は どのよ うな環境的特徴 をもつか。 20字 以内 (句 読点 を含む)で 述 べ よ。 (2)植 物 の二 酸化炭 素固定量 と蒸散量が高い相 関を示す のはなぜか。(1)の 答 えを踏 まえ,80字 以内 (句 読点 を含む)で 説明せ よ。 - 37 - ◇ Mll(188-137)
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