航空貨物の需要予測 需要推移 日本発着航空貨物量の推移、 日本の貿易額の推移 日本の貿易と航空貨物量をどう予測するか? ボーイング社の予 測 需要予測の方法・考え方 世界の航空貨物量の伸び率推移 今後20年間の年平均伸び率5.2%を予測 アジアの高い伸び率を予測 予測のベース エアバス社の予測 今後20年間の年平均伸び率4.8%を予測 アジア地域の年平均伸び率5.5%を予測 定性的な見方 需要の見通し − 荷主の視点から 1 日本出入航空貨物量の推移 出国 入国 2 合計 東日本大震災 400 IT不況 350 リーマン ショック アジア危機 単位:万トン 300 円急落 250 200 150 100 バブル崩壊 円高で 輸出入逆転 プラザ合意 0 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 50 国際航空貨物量は世界の経済動向に密接に関連している。2001年はITバブルの崩壊、2008,2009年 はリーマンショックによる不況、2011年は東日本大震災の影響で航空貨物量が減少した。 貨物量拡大の背景 : ①貿易の拡大 ②航空機の発達 ③航空運賃の低下 出所 : 国土交通省 3 (兆円) 輸出額 輸入額 バブル崩壊 85-90 バブル経済 50 プラザ合意 60 85 91 航空・輸入 01 ITバブル崩壊 97-98 80 70 アジア通貨危機 90 航空・輸出 リーマンショック 08 11 東日本大震災 日本の貿易額の推移 40 30 20 10 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 0 貿易額はリーマンショックで大幅に減少し、未だそれ以前のレベルまで回復していない。 航空輸送による輸出入額も2008, 2009年に大幅に減少し、回復が遅れている。 出所 : 財務省貿易統計 航空貨物の輸送量 -- 前年同月比 日本発着の航空貨物量は輸出混載・輸入ともに前年同月の実績を上回れない状 態が続いてきたが、直近では増勢に転じている。 輸出混載 20.0 15.0 10.0 5.0 パ 0.0 セ -5.0 ン テ -10.0 -15.0 ジ -20.0 -25.0 -30.0 -35.0 輸入 ー ︶ 2012年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2013年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2014年1月 2月 3月 ︵ ー 前 年 同 月 比 2013年の輸出混載 : 約84万トン(前年比10%減) 出所 : JAFA統計 輸入:約97万トン(前年比6%減) http://www.jafa.or.jp/result/001_result.html 4 5 日本の輸出入額 -- 前年同月比 輸入額は増加が続いている。輸出額は低調だった2012年に比べると増加してい る。 輸出 輸入 30.0% ︵ ー 前 年 25.0% 同 月 20.0% 比 15.0% -15.0% 2013年の輸出額:69.8兆円(前年比9%増) 輸入額:81.2兆円(前年比15%増) 出所 : 財務省貿易統計 リンク :http://www.customs.go.jp/toukei/index.htm 3月 2月 2014年1月 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 2013年1月 -10.0% 4月 ︶ ジ -5.0% 3月 ー セ 5.0% ン テ 0.0% 2月 10.0% 2012年1月 パ 日本の貿易と航空貨物の予測 航空貨物量は貿易額に相関している。日本の将来の貿易額とその中身はどのよう に変わるだろうか? Q. 貿易の自由化が進んで貿易量が拡大するか? Q. 世界のどこの国・地域との貿易が増えるか?減るか? Q. どんな商品が強い国際競争力を持てるか?持てないか? Q. 産業の空洞化が進んで、日本からの 輸出は減るか?日本の輸入は増えるか? Q. 円安によって、製造業が国内に回帰するか? しないか? Q. 商品の高付加価値化・ハイテク化が進んで、 航空利用率が高まるか? Q. 航空輸送から海上輸送へのシフトが起こり、 航空利用率が下がるか? 出所:国土交通省 参考 : IMF(International Monetary Fund)のWorld Economic Outlookによると、2017年までの 世界のGDPの伸びは年約4%、貿易額の伸びは年約6%となっている。 日本のGDPの伸びは年1%未満と予測されている。 6 Boeing社の需要予測の方法・考え方(1) 輸入国における輸入商品に対する需要が輸送の必要性を作りだす。 輸入商品に対する需要の大きさは、国・地域のGDPの大きさに関連している。 出所: ボーイング社 7 Boeing社の需要予測の方法・考え方(2) 需要へのプラス要因とマイナス要因 <プラス要因> 新製品、貿易自由化、 航空サービス拡充、 JITの普及 <マイナス要因> 貿易保護主義、 片荷現象、空港カフュー、 航空協定の制約、 テロ問題 出所: ボーイング社 8 世界の航空貨物量の伸び率の推移 出所: ボーイング社 9 ボーイング社の予測 : 年5.2%の伸び 出所: ボーイング社 10 11 アジアが比較的高い伸び率(ボーイング社の予測 ) 出所: ボーイング社 世界の航空貨物輸送産業の伸びをアジアが牽引 出所: ボーイング社 12 エアバス社の予測 のベース 世界のGDPの伸び率と航空貨物輸送量は密接に関連している。 世界のGDPは今後20年で現在の2倍以上に拡大する。 出所: エアバス社 13 エアバス社の予測:年平均4.8%の伸び 4.8%/year 出所: エアバス社 14 エアバス社の予測 アジア太平洋地域の伸びが年平均5.5%と、最も大きい。 出所: エアバス社 15 需要の見通し − 荷主の視点から 航空貨物輸送の特徴と荷主の利用動機から、需要の見通しを考える 特徴 航空は早いが高い? 安全=低事故率 精密機械、貴重品 迅速=時間価値 生鮮食品、新製品、高付加価値商品 定時性=確実な引渡し Just In Time、組立部品(半導体) 利用動機 クレーム、納期遅れをカバー 修理部品を早く届けたい 長時間輸送では価値がなくなる 振動、衝撃を避ける必要がある 盗難、毀損の可能性が少ない 需要が急激に伸びて供給が追い付かない 積極的利用 新製品の初期市場を押さえたい 在庫を減らしたい(値崩れ回避、保管費削減、資金回転の促進) トータルの費用では安い 16
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