御意見概要

様式第3号
福
井
県
『 新たな 水産計画 (案) 』に関す る
県 民パブリ ックコ メント意 見募集 の結果
平成27年3月12日
福井県農林水産部水産課
今回、「新たな水産計画(案)」について、県民の皆様から御意見を募集したとこ
ろ、次のような御意見をいただきました。
県では、いただいた御意見を「新たな水産計画」の策定および今後の施策の参考に
させていただきます。
1
募集期間
平成26年11月28日(金)~12月11日(木)
2
提出件数
58件(26名)
3
提出された御意見の概要および県の考え方
別添資料のとおり
4
問い合わせ先
福井県農林水産部水産課
T E L : 0776-20-0435
F A X : 0776-20-0653
E-Mail : [email protected]
別添資料
新たな水産計画(案)に関する
県民パブリックコメント意見の概要および県の考え方
◎計画全体について
No.
御意見の概要
県の考え方
1
5 年後だけでなく、10 年、それ以降
近年は社会情勢の変化が大きいことから、国は水産
を見据えた計画を立ててほしい。
基本計画を 5 年ごとに見直すこととしており、本計
画の期間も 5 年としました。
2
漁業者が、漁業で生計を立てられる
今回の計画は「漁業で生計を立てる」ことを主眼に
施策を行ってほしい。
置き、漁業を儲かる産業に転換していくことを基本
理念にしています。
◎戦略1:「生産量の増大」について
No.
御意見の概要
県の考え方
3
福井の海のような冬場の低水温でも
全国的にニーズがあり、低水温でも成長するトラウ
成長する養殖魚を導入してほしい。
トサーモン(ニジマス)の養殖を開始します。
サーモン養殖が他の海域へ拡大でき
福井市沖合の実証試験で得られた飼育技術等を他の
ることを期待しています。
海域へ普及し、県下全域での展開を考えています。
トラウトサーモンは福井県民にとっ
採卵から成魚飼育までを一貫して県内で行い、福井
てなじみの少ない魚なので、浸透す
生まれ・福井育ちの「越前のサーモン(仮称)」とし
るよう PR が必要ではないか。
て PR していきます。
海藻は単価が安いが、
「アカモク」や
アカモクを加工・商品化している漁協から、原料を
「ムカデノリ」を養殖してビジネス
安定確保するため、養殖の要望があります。ムカデ
になるのか。
ノリは海藻サラダなどでの需要が見込まれます。
他県では柑橘類などを活用したブラ
餌に福井梅を混ぜて養殖したトラフグを、
「若狭梅ふ
ンド魚があるが、本県でも特産品を
ぐ」として PR していきます。
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活用した養殖を進めてはどうか。
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カレイ漁場と重複するため、稚ガニ
水産試験場が「越前がに」のサイズ別分布状況を調
の保護は困難ではないか。
査しており、稚ガニが高密度に生息する場所のみを
保護区に設定することを検討します。
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「越前がに」がこれ以上減少しない
水産試験場の調査で稚ガニが多く生息する場所を特
ように、セイコガニの保護など資源
定し、その海域を保護区にするなど、これまで以上
を増やす努力をしてほしい。
に効果的な資源保護対策を進めていきます。
稚ガニの保護については、漁業者に
県の漁業取締船による監視に併せ、海上保安庁との
対する取締りも徹底すること。
連携により、取締りを強化していきます。
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磯根資源の放流効果についてどう考
アワビやサザエなどの磯根資源は、定着性が高く効
えているのか。種苗放流後の管理は
果が現れやすいことから、放流に対する強い要望が
しなくてよいのか。
あります。放流効果が高まるよう、放流手法(サイ
サザエやアワビなどの密漁につい
ズ、場所など)や放流後の管理手法(禁漁、漁獲サ
て、関係機関と密に連絡を取り合う
イズ規制)を向上させるとともに、密漁対策を強化
など、徹底した対策を採るべき。
していきます。
底曳網漁場の海底耕耘は、カレイが
漁業者や市町と共動し、今後も引き続き実施したい
増えていることからも良い施策だ。
と考えています。
放流や魚礁設置以外に、資源を増や
資源増殖を図るため、海底耕耘や藻場造成などによ
す方法はないのか。
り漁場環境の保全を進めていきます。
定置網や養殖生簀枠、養殖網などの
新たな魚種を養殖する場合等に資材費を補助する事
購入費に対する助成を検討すべき。
業や、融資制度の利活用により、漁業者の負担を軽
減していきます。
◎戦略2:「浜値の向上」について
No.
御意見の概要
県の考え方
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水産物の流通経路や市場価格の形成
市場機能の効率化や直接取引などを進め、浜値を向
動向を分析し、どうすれば生産者の
上させていきます。
利益が上がるかを考えるべき。
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魚価向上のために、大手仲買人を誘
市場機能の効率化を進める中で、市場関係者等と協
致することはできないか。
議しながら、仲買人の新規参入を検討していきます。
活〆や神経抜きなどの品質向上対策
直接取引では、漁業者が価格決定に参画することが
は良いことだが、船上では時間と手
可能なので、手間に見合うだけの魚価向上が期待で
間がかかり、負担が大きくなるので
き、漁業者の意欲も向上すると考えています。
はないか。
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直出荷すると漁業者は配送や代金回
収など、負担が増加するのではない
か。
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県内に出荷せず隣府県の市場に出荷
水産物の消費拡大は、地産地消が主流であるべきで
することもあるが、まずは県内消費
す。地元での流通・消費を拡大させた上で、首都圏
を追及すべきではないか。
等への直接取引など、販売チャンネルの拡大を進め
ていきます。
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福井県から営業に来られるが、県の
首都圏等への営業の際は、本県地魚の良さを PR する
方だけだと価格交渉ができないの
だけでなく、価格交渉をスムーズに行うために、関
で、価格決定権を持った方と一緒に
係団体と一体になって進めていきます。
来られるほうが良いと思う。
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「福井の魚 PR 活動推進店」を県が認
県内では「ふくいの地魚情報館」により、地魚の旬
定するなど、福井県産の水産物を積
や食べ方に関する情報を発信するとともに、試食会
極的に PR してほしい。
やイベントを開催し、地魚を PR します。
水産物を含む県産品のアピール度は
県外では首都圏や関西など都市部の料亭・飲食店と
まだまだ弱いと感じる。
の直接取引を開始するとともに、アンテナショップ
越前がに、へしこ、若狭ぐじ等、福
や福井ゆかりの店と連携しながら、知名度の向上を
井にはいいものがたくさんあるの
図っていきます。
で、
「福井特産」を県外にアピールし
てほしい。
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サゴシやツバスなどが大量に継続し
敦賀市内に水産加工施設を整備し、大漁時に値段が
て水揚げされるときに、単価を上げ
大幅に下がらないよう買い支えすることにより、魚
る努力をする必要がある。
価の向上を図っていきます。
すぐに調理できるような商品開発を
「地魚お手軽惣菜パック」の製造を支援し、地域の
積極的に行い、県内外で PR してはど
需要や特徴に応じた販売方法を進めます。また、食
うか。
品加工研究所に設置した「6次産業化サポートセン
ター」を活用し、消費者ニーズに合致した商品開発
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「地魚お手軽惣菜パック」など、食
を支援していきます。
べやすく加工して販売するのはいい
ことだと思う。
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全国平均より低い消費量を、全国平
農産物直売所での地魚販売や「地魚お手軽惣菜パッ
均以上に改善する必要がある。
ク」の開発などにより、地魚の県内流通量・消費量
スーパーなど身近なところで魚が買
を増加させていきます。
えるようにしてほしい。
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学校給食など小さい時から魚を食べ
学校給食への地魚の提供や、小中学生を対象とした
る習慣づけが必要ではないか。
「魚のさばき方講習会」の開催により、子供が魚に
学校給食で地魚を使ったり、魚のさ
触れ、食べる機会を増加させていきます。
ばき方教室を継続することで、魚離
れが抑えられるのではないか。
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魚は栄養の宝庫であり、健康のため
魚は栄養が豊富で、健康にも良いということを「ふ
に魚は不可欠だということをアピー
くいの地魚情報館」などで積極的に PR し、本県地魚
ルしてはどうか。
の消費拡大に繋げていきます。
認証取得による差別化促進は、効果
各種認証の取得や首都圏でのイベント開催などを総
はあるのか。
合的に行い、他県産との差別化や知名度の向上を進
めていきます。
◎戦略3:「操業・経営の合理化」について
No.
御意見の概要
県の考え方
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海況情報がリアルタイムで提供して
今後はリアルタイム情報に加え、1週間先までの予
もらえるのは大変ありがたい。
測情報を提供し、計画的な操業を支援していきます。
「定置網漁業の最適化技術の開発」
水産試験場で網内の魚群の行動を分析し、漁獲効率
は簡単なことではない。現在、県に
を向上させる技術を開発しています。今後、漁業者
どの程度の経験や知識があるのか。
と共動し、定置網の調査研究を強化していきます。
代船建造や機関換装などに活用でき
漁船建造や機関換装については、国の補助事業を活
る制度資金の充実など、資金面のバ
用するとともに、融資制度の償還期間延長など、漁
ックアップをお願したい。
業者が活用しやすい仕組みを検討していきます。
燃油費や資材費が高騰し、運転資金
運転資金に対する利子補給を行い、漁業者の負担を
が切迫しているので、対策をお願い
軽減していきます。
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したい。
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「浜の活力再生プラン」の策定が進
漁業者や市町で構成される地域水産業再生員会に、
むよう、地域水産業再生委員会への
県の水産業普及指導員も積極的に参画し、地域の実
後押しをお願いしたい。
情に応じたプランの策定を進めていきます。
「浜の活力再生プラン」は、他県の
実践事例を参考にしながら、真剣に
議論し、中身のある内容にすべき。
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省エネ操業の推進は重要だが、これ
燃油代を補てんするセーフティネット事業の活用に
だけ燃油価格が高騰していると、燃
加え、低速航行や船底清掃などの省燃油活動を支援
油費削減は難しい。
します。また、漁場の潮流や水温などの海況情報を
燃油消費量の削減対策はすでに実施
提供し、無駄な出漁を回避するなど、計画的な操業
しているが、燃油価格が高く漁業者
を推進していきます。
の経営は厳しい。燃油への手厚い助
成をお願いしたい。
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後継者対策として、漁船の最新機器
基本的な操船方法を学ぶ実習から経営力を強化する
類の操作等、漁船漁業のノウハウを
ための座学まで、幅広な研修を行う「水産カレッジ」
学べる環境作りが必要ではないか。
を開設します。
研修や資金援助など、若手漁業者の
「水産カレッジ」で、若手漁業者を対象にした研修
育成にも力を入れてほしい。
を開催します。また、新規就業者を対象とした給付
金や貸付金を活用し、着業を促進していきます。
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閉鎖的な漁業集落の慣習の改善や、
市町や漁業協同組合と連携し、水産カレッジの卒業
漁協への指導がないと、新規就業者
生を受け入れる体制を整備していきます。
対策は困難ではないか。
◎戦略4:「新たな里海湖ビジネスの展開」について
No.
御意見の概要
県の考え方
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遊覧船やレストランなど、多くの人
釣り大会の開催やクルーズ漁船の就航、加工品作り
が楽しめる場所を作ることで誘客を
体験などの誘客メニューを開発し、幅広い年齢層が
進め、福井の海の良さを分かっても
楽しめる場づくりを進め、漁村地域への誘客を促進
らいたい。
します。
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若狭町の「青い洞窟」や「渓流の里」
など、穴場スポットを活用した誘客
を進めるべき。
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プレジャーボートが使用できる漁港
を増やすなど、家族連れや釣り人な
どが浜辺に集うような漁港施設の活
用方法を検討してはどうか。
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観光客が減少し、漁家民宿の経営が
圧迫されている。地元消費を増やし、
魚価を向上させるためにも、観光客
増加に取組んでほしい。
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食での誘客には魚が一番であり、漁
「夏の若狭ふぐ」や「若狭梅ふぐ」、マハタやアオリ
家民宿の料理メニューや手軽な惣菜
イカ、カワハギなどの養殖を開始し、新たな漁家民
の開発を積極的に実施してほしい。
宿メニューを開発して誘客を進めていきます。
観光客に好評を得ている、嶺南の食
嶺南地域だけではなく嶺北地域、さらには内水面も
を楽しむ観光バスツアーを、嶺北に
含めた県下全域への誘客を促進していきます。
も拡大してはどうか。
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今回の計画策定の背景として、
「内水
本法律は、内水面における漁業生産力の発展を目的
面漁業の振興に関する法律」を位置
に、平成 26 年 6 月に施行されました。計画の「新た
付ける必要があるのではないか。
な計画の必要性」の中で、情勢の変化の一つとして
同法律の制定を記載します。
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内水面の漁場環境保全による内水面
内水面に関する施策については、ご提言の内容を含
生産量の増大について、戦略 1-3(漁
め、戦略 4 にまとめて記載します。
場環境の保全)に記載すべき。
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産卵場となる礫底の造成など、水産
生物のすみやすい川づくりに係る河
川環境再生対策を記載すべき。
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漁協や環境保全団体、流域住民が一
河川環境の保全など、内水面が持っている多面的機
体となって河川環境を保全する事業
能を発揮するために、地域住民などが実施する共同
が実施できないか。
活動に対して支援していきます。
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数値目標に、
「天然アユの遡上量」を
天然アユの遡上量を正確に推定する技術は確立して
加えられないか。
いないため、数値目標の設定は困難です。
九頭竜川沿いの施設で、気軽にその
内水面への誘客メニューの一つとして、川魚や地域
産物を使った食事ができるといい。
の伝統食などが食べられる場づくりを進めます。
たたき網で獲れる鯉や鮒は相当おい
しいが、食べる場がない。
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沿海地域と内水面地域を連携させる
内水面を訪れた観光客に漁家民宿を紹介するなど、
ことで、一層の誘客効果が得られる
海と内水面を合わせ、本県の里海湖資源を活用した
のではないか。
誘客を図り、漁家収入の増加に繋げていきます。