Market Report 国REIT市場の動きについて

2015年3⽉
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Q1
⽶国REIT市場の動きについて
Shinko Asset Management Co., Ltd.
⽶国REITが最近下落した要因はなんですか?
2015年に⼊り最⾼値を更新していた⽶国REITは、1⽉下旬以降⼤きく下落し
ました。その要因としては主に以下の3つが考えられます。
1)雇⽤統計などの良好な経済指標を背景とした⾦利上昇懸念の強まり
2)市場の需給バランスの変化
3)投資家による利益確定の動き
⽶国REIT指数の推移
⽶国REIT過去最⾼値を更新
(2015年1⽉26⽇)
16,000
⽶国REIT指数
15,000
14,000
⽶国2⽉雇⽤統計の発表
(2015年3⽉6⽇)
FRBが当⾯の間
⾦利を据え置くことを⽰唆
(2014年12⽉17⽇)
13,000
12,000
2014/9
2014/11
2015/1
2015/3(年/⽉)
※ 当資料では、⽶国REIT指数は、特別な断りがない限り、 FTSE NAREIT All Equity REITs インデックス(配当込み)
を指します。また、同指数を⽶国REIT市場、⽶国REITと表⽰する場合があります。
※ FRB:⽶連邦準備制度理事会
期間:2014年9⽉9⽇〜2015年3⽉9⽇(⽇次)
出所:ブルームバーグのデータを基に新光投信作成
※ 上記の図表は過去の実績を⽰したものであり、将来の動向やファンドの運⽤実績を⽰唆あるいは保証するものではありません。
当資料は新光投信が作成したものであり、⾦融商品取引法に基づく開⽰書類あるいは販売⽤資料のいずれでもありません。当資料は証券投資の参
考となる情報の提供を⽬的とし、投資の勧誘を⽬的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、
その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。当資料は事前の通知なしに内容を変更することがあります。特定ファンドの購⼊のお申し込
みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付⽬論⾒書)および契約締結前交付書⾯など(⽬論⾒書補完書⾯含む)をあらかじめお受け取り
のうえ、詳細をよくお読みいただき、投資に関する最終決定は、ご⾃⾝の判断でなさるようお願いします。
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cn16413
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⽶国REIT市場の動きについて
Shinko Asset Management Co., Ltd.
1)雇⽤統計などの良好な経済指標を背景とした⾦利上昇懸念の強まり
1⽉と2⽉の雇⽤統計で市場予想を⼤きく上回る雇⽤者数の伸びが⽰され、FRBによる早期の利上げ観測が
強まりました。2⽉下旬に⾏われた議会証⾔では、イエレンFRB議⻑が「利上げを検討する前にフォワードガイダン
ス(⾦融政策に関する将来の政策指針)の変更を⾏うが その後数回の会合で利上げを⾏うとは限らない」と
ス(⾦融政策に関する将来の政策指針)の変更を⾏うが、その後数回の会合で利上げを⾏うとは限らない」と
述べ、利上げにやや慎重な姿勢が⽰されたものの、利上げ開始時期に対する不透明感を払拭させるまでには⾄
りませんでした。
こうした早期の利上げ観測の⾼まりを受けて、1⽉下旬以降⽶国10年国債利回りが⼤きく上昇した為、⽶国
REITの資⾦調達コストの増加や⾼利回り商品としての投資妙味の低下が懸念されました。
⽶国雇⽤統計の結果
経済指標
実績
⽶国の⾮農業部⾨雇⽤者数と失業率の推移
1⽉⾮農業部⾨雇⽤者数
(万⼈/前⽉⽐)
+25.7
+22.8
1⽉の失業率(%)
5.7
5.6
2⽉⾮農業部⾨雇⽤者数
(万⼈/前⽉⽐)
+29.5
+23.5
2⽉の失業率(%)
(%)
12
予想
⾮農業部⾨雇⽤者数(前⽉⽐)(右軸) (万⼈)
60
失業率(左軸)
10
40
8
20
6
0
4
5.5
2010/2
5.6
-20
2011/2
2012/2
2013/2
2014/2
2015/2(年/⽉)
期間:2010年2⽉〜2015年2⽉(⽉次)
出所:ブルームバーグのデータを基に新光投信作成
⽶国REIT配当利回りと⽶国10年国債利回りの推移
(%)
5
利回りスプレッド
⽶国10年国債利回り
⽶国REIT配当利回り
4
3
2
1
0
-1
/
2010/3
2011/3
/
2012/3
/
2013/3
/
2014/3
/
2015/3
/(
(年/⽉)
/ )
※利回りスプレッド=⽶国REIT配当利回り ー ⽶国10年国債利回り
期間:2010年3⽉9⽇〜2015年3⽉9⽇(⽇次)
出所:ブルームバーグ、NAREIT(全⽶不動産投資信託協会)のデータを基に新光投信作成
※ 上記の図表は過去の実績を⽰したものであり、将来の動向やファンドの運⽤実績を⽰唆あるいは保証するものではありません。
当資料における注意点は、1ページをご覧ください。
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⽶国REIT市場の動きについて
Shinko Asset Management Co., Ltd.
2)市場の需給バランスの変化
医療施設REITのヘルスケアREITやインフラストラクチャーREITのアメリカン・タワーが債務の返済や新たな資産
の買収を⽬的として⼤規模な公募増資を⾏うなど、⽶国REIT各社による増資が増加しています。こうした増資に
よって、⼀時的に需給の悪化が懸念されました。
⽶国REIT資⾦調達の推移
(億⽶ドル)
90
公募・売り出し
公募・売り出し
(優先株)
(普通株)
新規公開
60
30
0
2013/5
2013/8
2013/11
期間:2013年5⽉〜2015年2⽉(⽉次)
出所:NAREITのデータを基に新光投信作成
2014/2
2014/5
2014/8
2014/11
2015/2
(年/⽉)
3)投資家による利益確定の動き
⽶国REIT指数は、過去半年間の最安値である2014年9⽉25⽇から過去最⾼値を更新した2015年1⽉26
⽇にかけて+23.8%上昇し、⽶国株式の代表的な指数であるS&P500指数の+5.3%を⼤きく上回るパフォーマ
ンスとなりました。2015年2⽉2⽇時点のREIT価格のバリュエーションは、NAV(注)に対して10%程度のプレミアム
となり、⻑期平均+3.2%を上回る⽔準となっていたことから、投資家の間では⼀旦利益確定の動きが広がりました。
(%)
40
⽶国REIT価格のプレミアム/ディスカウント
20
0
-20
-40
プレミアム/ディスカウント
期間内平均
-60
1990/3
1993/3
1996/3
1999/3
2002/3
2005/3
2008/3
2011/3
2014/3(年/⽉)
(注)NAV(Net Asset Value:正味資産価値)とは、保有する不動産の時価から負債などを引いたもので、不動産市場から⾒た価値
の⾯で評価するための指標です。
期間:1990年3⽉〜2015年3⽉(⽉次)
出所:グリーン・ストリート・アドバイザーズのデータを基に新光投信作成
※ 上記の図表は過去の実績を⽰したものであり、将来の動向やファンドの運⽤実績を⽰唆あるいは保証するものではありません。
当資料における注意点は、1ページをご覧ください。
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⽶国REIT市場の動きについて
Shinko Asset Management Co., Ltd.
⽶国REITの今後の⾒通しはどうですか?
主に以下の2つのポイントに着⽬します。
1)⽶国REIT の堅調なファンダメンタルズ
2)好調な⽶国経済
1)⽶国REIT の堅調なファンダメンタルズ
商業⽤不動産市場では、⼀部の地域やセクターで新規の物件供給が増えているものの、景気の拡⼤に伴い
需要が伸びており、需給環境は良好な状況にあります。その結果、賃貸料や稼働率といった不動産ファンダメンタ
ルズが改善し 2014年10 12⽉期の⽶国REITの決算は概ね市場予想通り または予想を上回る良好な結
ルズが改善し、2014年10-12⽉期の⽶国REITの決算は概ね市場予想通り、または予想を上回る良好な結
果となっています。また、多くのREITは収益の拡⼤に伴い、四半期配当額の増配を発表しています。⽶国REIT
は⾮中核資産の売却や不動産の再開発によって保有資産の質を⾼める⼀⽅で、新たな不動産や同業他社の
買収にも積極的であり、今後も⾼い収益の伸びが期待されています。
商業⽤不動産の主要セクター別稼働率の推移
(%)
100
住居
産業施設
商業・⼩売
オフィス
95
90
85
80
(年 四半期)
(年-四半期)
2000-1Q
2000
1Q
2003 1Q
2003-1Q
2006 1Q
2006-1Q
2009 1Q
2009-1Q
2012 1Q
2012-1Q
※セクターはNCREIF(全⽶不動産投資受託者協議会)の分類に基づくものです。
期間:2000年第1四半期〜2014年第4四半期(四半期ベース)
出所: NCREIFのデータを基に新光投信作成
※ 上記の図表は過去の実績を⽰したものであり、将来の動向やファンドの運⽤実績を⽰唆あるいは保証するものではありません。
当資料における注意点は、1ページをご覧ください。
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2)好調な⽶国経済
2014年10⽉29⽇にFOMC(⽶連邦公開市場委員会)は量的緩和の終了を決定しました。⾦融政策に
ついては「⾟抱強く」⾏うとし、慎重なスタンスを継続しています。3⽉のFOMCでは、それらが継続されるかどうかが
注⽬されています。
注⽬されています
⼀⽅で、⾜もとでは個⼈消費の伸びの加速や、雇⽤者数の増加に加え、物価の落ち着きが確認されており、
⽶国経済は今後も個⼈消費中⼼に拡⼤基調が継続すると考えられます。それらに伴い、オフィスや賃貸集合住
宅、商業・⼩売施設など、⽶国REITが投資している多くの商業⽤不動産はその恩恵を受けると考えています。
2014年第4四半期の決算発表においても、商業⽤不動産に対する堅調な需要を背景に⾼い収益の伸びが
確認されており、2015年以降の業績についても総じて明るい⾒通しが⽰されています。市場では⾦利上昇懸
念がくすぶっていますが、それによるマイナスの影響は軽減されると⾒ています。
⾦利上昇時における⽶国REITと⽶国株式の推移
(%)
12
1,800
②
①
1,500
⽶国REIT指数(左軸)
1,200
④
③
⽶国株式(左軸)
10
⽶国10年国債利回り(右軸)
8
900
6
600
4
300
2
※ ⽶国REIT指数と⽶国株式は1994年12⽉末を100として指数化
0
1994/12
1998/12
2002/12
2006/12
0
2010/12
2014/12
(年/⽉)
①
②
③
④
⾦利上昇期間
1998年10⽉末〜
2000年1⽉末
2003年6⽉末〜
2006年6⽉末
2008年12⽉末〜
2010年4⽉末
2013年4⽉末〜
2013年12⽉末
⽶国REIT
の収益率
-5.3%
100.7%
50.6%
-10.5%
⽶国10年国債
利回り変動幅
2.1%
1.6%
1.4%
1.4%
⽶国株式
の収益率
29.0%
37.6%
35.4%
17.4%
・ITバブル懸念で政策⾦利が⼀転引き締めへ
・ブッシュ政権による住宅取得⽀援策を発端とし
(FFレート5.00%→4.75%→5.50%)
⽶国REIT市場
・⽶国REITなどの⾼配当セクターからITセクター た不動産市場の活況
が⼤きく
・景気回復に伴う商業⽤不動産の稼働率と価
へのシフト
変動した要因
・⽶国REITのPO(公募増資)ブーム(1997 格の上昇
年〜1998年)の反動
・FRBによる量的緩和第1弾の実施
・FRBの量的緩和策縮⼩観測の⾼まり
・サブプライムローン問題をきっかけとした賃貸住
・⽶国REITなどの⾼利回りセクターから景気敏
宅への需要拡⼤
感セクターへのシフト
・商業⽤不動産価格の回復
期間:1994年12⽉末〜2015年2⽉末(⽉次)
出所:ブルームバーグのデータを基に新光投信作成
※ 上記の図表は過去の実績を⽰したものであり、将来の動向やファンドの運⽤実績を⽰唆あるいは保証するものではありません。
当資料における注意点は、1ページをご覧ください。
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ことから リスクの内容や性質が異なり 費⽤もそれぞれの投資信託により異なりますので ご投資をされる際には
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商
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:
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