【生活クラブ連合会の意見】 1 2 3 該当箇所 意見内容 全体および Ⅰ-1.(1) パブコメ案における再生可能エネルギー接 続可能量の算定は、電力会社が廃炉を検 討している老朽化した原子力発電所(原 発)や建設中のものも含むすべての原発が 稼働している前提で計算されており、かか る規則改訂案は是認できない。早急に見 直すべきである。 再生可能エネルギー接続可能量の算定は、政府 が2014年4月に閣議決定した「エネルギー基本計 画」で明記した“原子力発電所(原発)依存度を可 能な限り低減する”という基本方針に基づいて行う べきである。 パブコメ案は、2014年秋に表面化した「一 部電力会社による再生可能エネルギーの 系統への接続回答保留問題」を解決する ための方策であるが、出力抑制に偏り過ぎ である。 日本よりもはるかに多い再生可能エネルギーを導 入している欧米でも、実際に「出力抑制」が発動さ れる割合はわずかである。例えば、風力が総発電 量の20%を占めるスペインでは、2010年に出力抑 制されたのは0.46%に留まっている。 気象データを活用した発電量予測や連系 線の活用など、他の方法も盛り込むべきで ある。 理由は、気象データを活用して再生可能エネルギ ーの発電量を予測したり、また連系線や電力取引 市場の活用などを優先することを通じて、出力抑制 を最後の手段にしたりしているからであり、後発国 である日本も見習うべきである。 「指定電気事業者」の指定については、そ の運用が恣意的に行われないことを担保 するため、情報公開を徹底するとともに客 観的な検証機関を設けるべきである。 無制限無補償で買取抑制される「指定電気事業 者」制度を500kW未満にも拡大することは、今後、 再生可能エネルギーでの発電を企業したい中小規 模の事業者にとって事業計画の構築が困難にな り、新規参入を大きく阻害することになる。 全体および Ⅰ Ⅰ-5.指定 電気事業者 制度 理由 パブコメ案のとおり実施された場合には、国内にお ける再生可能エネルギーの導入余地を極めて過小 に評価することになり、原子力依存・化石資源依存 から脱却する機運を大きく損なうことになる。 とりわけ、電力業界の不透明性は、原発事故後の “やらせ問題”に象徴されるように国民的な不信をも たらしたことをわきまえるべきである。 従って、買取抑制の恣意的運用を防止するために も情報公開を徹底すると共に第三者機関による検 証制度を導入すべきである。 4 Ⅰ-5.指定 電気事業者 制度 指定電気事業者制度は、住宅用太陽光発 電に適用すべきではない。 無制限無補償で買取抑制される指定電気事業者 制度に問題がある中で、住宅用太陽光発電(10kW 未満)も対象とするのは大きな問題がある。パブコメ 案では住宅用を優先的に取り扱うとしているが、電 力会社ごとに違う運用になる懸念がある。 また、余剰電力を10年間購入するという小規模な仕 組みに抑制が入るとすれば、再生可能エネルギー を普及しようとする国民的な機運を大きく損なうこと になる。
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