学校評価集計結果のお知らせについて Ⅰ 本年度の

平成27年3月10日
保 護 者 様
長崎大学教育学部附属小学校
校 長 安 部 和 隆
学校評価集計結果のお知らせについて
春暖の候,皆様におかれましては,御健勝のことと拝察いたします。
さて,学校評価アンケートの集計結果と,職員による考察を下記のように取りまとめましたので,お知らせいたします。
今年度は,年度当初にグランドデザインを配付し,様々な場で学校の方針や取組の周知を図ってまいりました。集計結果は,その成果を考察する際の客観的情報
として,活用させていただきました。全ての保護者の皆様に,御提出いただいたことを,誠に感謝いたします。
皆様からいただいた御意見を参考にし,今後の学校運営に生かしていきたいと考えています。
アンケート回収…566名中566名(100%)
A:よくしている。よくできている。 B:している。できている。 C:もう少ししてほしい。もう少しできてほしい。 D:もっとしてほしい。もっとできてほしい。
Ⅰ 本年度の努力項目
1 学力向上
評価内容
A
B
C
D
①
よく聴き,よく書き,よく話す子どもを育てる授業の充実 73.6%
23.5%
2.5%
0.4%
②
授業や各タイム,家庭学習における基礎・基本や活用力の定着 ※ 各タイム:毎朝の「定着タイム」,火曜日の「パワーアップタイム」
53.1%
38.7%
7.6%
0.5%
①
A
B
C
②
A
B
C D
日々の授業では,表現の場面を大切にしました。子どもは考えを,「話す」こと
で確かにしたり,「書く」ことで整理したり,「聴く」ことで深めたりする姿が定着し
てきました。また,その効果が全国学力・学習状況調査にも表れています。子ど
もの姿やデータをとおして,そのよさを理解していただいていることが分かりま
す。
また,昨年度までの考察に基づき,基礎・基本の定着については,「定着タイ
ム」を,活用力の向上については,新たな「パワーアップタイム」の設定を行い,
その充実を図ってまいりました。これらの取組についてある程度の御理解をい
ただいているようですが,保護者の皆様がさらなる定着・向上を望まれているこ
とが分かります。新たな取組については,一年間掛けてやっと蓄積できたところ
です。次年度は,充実期にできるよう努力するとともに,御家庭との連携を密に
して,子どもの学力の定着を図ってまいります。
(※ 家庭学習についてはⅢ-①に記載)
2 研究
評価内容
A
B
C
D
①
他者とかかわりながら問題解決を図る学び方の追究 ※ 適宜,グループでの話合いなど,少人数活動を取り入れた学び
72.5%
25.5%
1.4%
0.5%
②
小中連携や「協働」の学びの意義に関する情報発信 ※ 研究発表会,HP(機関誌「ほくと」や掲示板内容のアップ),学校だより,週報など
61.4%
32.9%
5.6%
0.2%
①
A
B
C
②
A
B
C
本年度は,初の附属小・中学校合同の研究発表会の開催に向けて,「小中
連携」「協働」を柱とした研究を進めてきました。各教科等の学びにおいて,他
者とかかわりながら学ぶよさを,全国の先生方に提案できたと考えています。研
究紀要を購入して本校の研究について知ろうとされる熱心な保護者の方の姿
からも,この意義が浸透しているものととらえています。
一方,情報発信については,更なる努力が必要だと感じています。今後は,
育友会や学校公開日などでの授業参観において,子どもの姿を通して「小中
連携」「協働」のよさが伝わるような授業を行っていきます。また,育友会などの
直接お話をできる機会に,日ごろの子どもの学びの姿を伝えることで,研究に
ついての理解をより得られるようにしていきます。
3 自主・実践
評価内容
A
B
C
D
①
夢と希望を広げ,知性・感性を磨く諸活動の推進 ※ 北斗祭などの行事・集会,読書や学級タイム
75.5%
22.9%
1.4%
0.2%
②
郷土や国際社会に学んだり貢献したりする活動の促進 ※ 北斗の子体夢や生活科などの授業,平和・人権などの集会,6年朝掃除や清掃時間
67.0%
30.7%
2.2%
0.2%
①
A
B
CD
②
A
B
CD
本年度は,北斗祭を,子どもが企画したものに加え教師が企画したものを行う
など,行事や集会への取組を通して,子どもが新たなものを作り出す喜びや楽
しさを見いだせるよう工夫しました。教師の手が行き届かないところを,家庭の
協力や声掛けなど,御支援いただくことである程度の成果を収めていると考え
ます。今後も継続することで,更に保護者の皆様にも子どもにも本校の学校とし
ての価値を理解していただけると考えます。
地域に対して,何かできることをと考え,北斗の子体夢や生活科,朝掃除など
で,学年に応じた実践に取り組みました。まだ,継続性や密着度の点で課題が
あるととらえています。地域や保護者の皆様にも参画していただくなど,創造的
に取り組んでいくようにします。
4 心の醸成
評価内容
A
B
C
D
①
他者を思いやり,進んでかかわるための礼節指導 ※ 校内外でのあいさつ,通学路でのルールやマナー
50.3%
35.9%
11.9%
2.0%
②
いじめを「しない」「させない」取組の徹底 ※ 育友会と共同作成の「いじめ防止基本方針」に基づき,毎月の対策委員会による職員間の共通理解
41.3%
44.0%
11.6%
3.1%
学習指導と同様に,「人」を大切にする心を醸成させる取組を大切にしてきま
した。あいさつや登下校のマナーの指導は,形だけでなく,時と場を考え「相手
意識」をもつよう何度も指導をしてきました。その割には,地域の方からバスの
中や歩道で度々注意を受けています。「いじめ」については,職員が「いじめ防
止連絡会」を毎月開くなど,子どもと共に暮らす中で小さな変化も見逃さない,
いじめを許さない風土づくりに取り組みました。しかし,これらはまだまだ工夫や
努力が必要のようです。
今後は,指導を継続するのはもちろんですが,具体的に問題場面を把握し,
その解決策を教師だけが取り組むのではなく,保護者の方に提示していくな
ど,保護者の方と共に子どもたちを育てていきたいと考えています。
①
A
B
C
②
A
B
C
5 健康・安全
評価内容
A
B
C
D
①
健康で安全に過ごすための環境整備や生活習慣の定着 ※ 体育館トイレの新設やアスファルト整備,手洗いうがい励行やはさみ歩きの指導
68.7%
27.9%
3.0%
0.4%
②
危機管理意識を高め,自らの命を守る登下校指導の実施 ※ メール配信や登下校安全システム,荒天時の集団下校や避難訓練
71.6%
23.1%
4.8%
0.5%
①
A
B
CD
B
C D
②
A
今年度は,手洗いうがいの徹底に加え,歯磨き指導の充実を図りました。病
害虫等による被害も防ぐため樹木の剪定,事故やけがを未然に防ぐための正
門付近のアスファルト整備など,環境整備も進めました。しかし,病気やけがの
予防については,子ども一人一人の意識をもっと高める必要性を感じていま
す。
登下校については,毎日の下校指導や定期的な立哨指導を行うなど,不審
者対策,安全指導に取り組んできました。また,火災・不審者・震災による津波
などに対応した避難訓練を実施しました。緊急の連絡にメール配信によるお知
らせが有効だったこともうかがえます。今後も,高い危機管理意識をもって,指
導に取り組んでまいります。
6 体づくり
評価内容
A
B
C
D
①
子どもと教師が共に遊び,体を動かすことによる運動の習慣化
84.5%
14.1%
1.3%
0.2%
②
粘り強く行事等へ取り組むための意図的・計画的かかわり
71.9%
25.8%
2.2%
0.2%
①
A
B
C
②
A
B
CD
職員は,毎日の朝や昼休みの遊び時間を子どもとともに過ごしています。これ
は,本校のこだわりでもあります。遊びを通して体を動かすことは,基礎的な体
づくりを進めるためにも有効だと考えているからです。体力テストの結果は良好
で,ほぼすべての学年,種目において,県の平均値を上回っております。ただ
し,内容の固定化を指摘する声があります。これらを改善し,運動への意欲や
習慣化を一層高めていく必要があると考えています。
運動会,なわとび大会,持久走大会へ向けては,チャレンジタイムを設定する
ことで,計画的に体力や技能などを高めています。これらの取組が,家庭での
練習につながっていくよう,かかわり方を工夫していきます。
Ⅱ 他機関との連携
1 実習
評価内容
①
質の高い教育実習(教師としての資質や実践力の習得の保障)
①
A
B
CD
A
B
C
D
76.4%
21.8%
1.5%
0.2%
実習では,教科の特性を踏まえた学習展開案検討を繰り返し行ったり,示範
授業によって効果的な教材提示の大切さに気付かせたりと,実習生が授業づく
りの基本を実感をもって理解できるよう努めました。また,日常のくらしの中での
子どもとのかかわりがいかに大切かを,実体験をとおして理解できるよう工夫し
ました。実習生の姿や事後アンケートなどから,それぞれの実習生が,教師に
必要な資質やそのための実践力の根幹を養うことができたととらえています。今
後は,更に大学との連携を密にし,さらに実習指導の質を高めていきます。
2 研究
評価内容
A
B
C
D
66.3%
30.3%
3.0%
0.4%
教育委員会・大学等との連携による研究(先進的な研究及び未来型の授業の創造)
①
※ 各教科等における,県教委・改善委員会との理論・指導案検討,中学校との協議,大学での勉強会や打合せ
①
A
B
C
本年度は,大学や教育委員会へ何度も足を運び,共通理解検討を重ねるこ
とで,研究を深めてきました。また,各教科のエキスパートの集まりである改善委
員会等と検討を重ね,授業のあり方を模索してきました。そうして行った秋の研
究発表会や小中合同による研究発表会では,「小中連携」の新たな形や「協
働」による学びの必要性について,全国や県下の先生方に十分御理解いただ
いたと自負しております。今後は,保護者の皆様に更に御理解いただけるよう
に,日常化に励んでいきます。
3 交流
評価内容
A
B
C
D
53.9%
40.5%
4.7%
0.8%
附属4校園間の積極的な交流(豊かな人格形成に向けたかかわりの充実)
①
※ 小中合同の育友会親睦ソフトボール大会,生活科学習における幼小交流
①
A
B
C
特別支援学校の子どもとは年間2回のふれあい交流で,幼稚園とは年間4回
の生活科学習で一緒に活動するなど,様々な年間行事において附属4校園の
交流を行いました。しかし,その回数の少なさや行事が突発的な印象を受ける
ことから,このような評価をいただいたととらえます。今後,交流回数の見直しや
継続性などを視野に入れ,より積極的な交流を行うようにしていきたいと思いま
す。
Ⅲ 地域・家庭との連携
1 啓発
評価内容
①
学力向上のための学習習慣づくり(家庭学習力の育成に関する保護者への啓発)
①
A
B
C D
A
B
C
D
54.7%
37.2%
7.6%
0.5%
今年度は,各家庭が主体的に内容や時間をマネジメントする学習に取り組み
ました。目先の学力ではなく,未来の社会を生き抜く力は何か,どのような学習
を行えばよいのかを検討した上での取組です。学校からの文書によるお知ら
せ,育友会での説明や情報交換などを通して,多くの方に御理解いただきなが
らスタートを切れたと考えております。課題は,これを継続させていくところだとと
らえています。北斗ファイルの充実や授業後の示唆を頻繁に行うことで,今の
勢いを維持できるように努めていきます。
2 育友会
評価内容
①
信頼される学校づくり(学校の応援団としての育友会等との協働)
①
A
B
CD
A
B
C
D
64.9%
32.6%
2.2%
0.4%
学校が主導で行う取組については,保護者の皆様からの深い御理解・御協
力をいただけているととらえております。また,本部の方を中心に,育友会行事
が活性化するよう御尽力いただいていることに感謝しております。しかし,一部
の方においては,地域と家庭が主体的に行うべき取組についてまで,学校へ
求めてくるケースがあったように思います。本校は,いわゆる「地域」と呼ばれる
ものの存在が不明確です。組織やシステムづくりだけでなく,保護者の方とのコ
ミュニケーションの場を多く設け,応援団が活躍できる環境をつくっていこうと考
えています。