2015/3/11 震災4年目を迎えて 日本基督教団 東日本大震災救援対策

2015/3/11
震災4年目を迎えて
日本基督教団 東日本大震災救援対策本部
担当幹事 飯島
信
1. はじめに
【会堂・牧師館復興・再建支援について】(資金はすべて国内募金)
3・11によって被災した教会数は 81 に達した。その内訳は、奥羽教区 10 教会、東北
教区 43 教会、関東教区 27 教会、東京教区 1 教会である。2015/2/25 現在、教団からの支援
を受けた教会は 29 教会、これから支援を受ける予定の教会は 4 教会、合わせて 33 教会が
支援対象となっている。そして、すでに 4 億 4,614 万 8,429 円が国内募金によって執行さ
れ、さらに約 1 億 5 千万円の支援金支出が見込まれる。支援とは別に貸付を受けた教会は
20 教会あり、その他に幼稚園が 2 園、施設が 1 施設で、貸付総額は 2 億 5,550 万 5,500 円
である。貸付は、今後 4 教会で約 1 億円が予定され、合わせると約 3 億 5 千万円の貸し出
しとなり、今後 20 年にわたって返済される。
2. エ マ オ 仙台 と 石巻 (活 動 資金 は 、国 内 募金 以 外に 海 外 の UMCOR/2012-2016 ・
EMS/2015-2016・RCA/2015-2016 から提供されている。)
【歴史】
2011 年 3 月 11 日から間もなく、
東北教区に被災者支援センター委員会が立ち上げられ、
教区事務所のあるエマオを拠点として、被災地復興・被災者支援の働きが始まった。
この活動には、全国から学生・青年を中心としたボランティアが集まり、初期ワークとし
て、支援物資の配布、津波に襲われた家の床下の泥のかき出し、廃材の処理などを行った。
そして、2013 年度以降の中長期のワークとして、エマオ仙台では畑の土に混ざりこんだ不
純物の取り除きや畑の復興、被災者の引っ越しの手伝い、畑の種まきや収穫の手伝い、子ど
もたちのためのプログラム「ささっこクラブ」などが行われている。
一方石巻では、牡蠣の種はさみやワカメの芯抜き作業などの他、子どもたちのためのプロ
グラムである「いしのまきっこ広場」などが行われている。
ワークに参加したボランティア登録者数は、1 月 31 日現在、6,669 名に達した。
【2015 年度の働き】
活動の中心は、仮設住宅集会室を利用して、被災者に交わりの場を提供する「お茶っこサ
ロン」に移りつつある。心身ともに疲れを覚えている被災した方々に寄り添うことは、仮設
がある限り大切な働きとなる。
3.ハートフル釜石(活動資金は、国内募金以外に海外の EMS/2013-2016・UMCOR/20132016・Mission21/2015-2016 から提供されている。
)
【歴史】
2012 年 2 月、岩手県遠野市に置かれた日本基督教団遠野センターを拠点として、釜石市
内 4 ヶ所の仮設住宅で「お茶っこサロン」が始まる。その後、次々に活動の場が広がり、現
在は 12 ヶ所の仮設住宅と 1 ヶ所の復興住宅、及びセンターと、計 14 ヶ所で活動が行われ
ている。昨年 7 月、遠野市から釜石市にセンターを移す。
【2015 年度の働き】
「お茶っこサロン」を始めた当初、常勤スタッフは一人だった。しかし、昨年 11 月から
は教団派遣専従者が加わり、さらに、パートタイムスタッフが与えられた。
震災から 4 年、スタッフの人員が強化されたハートフル釜石では、手芸を中心とした「お
茶っこサロン」に加えて、仮設住宅周囲の草取り・落ち葉掃きなどの環境整備、個別訪問、
さらにはセンターを開放して行う「おらほのお茶っこ ― ねまってサロン」が新たに始まっ
た。後者の、おらほ=私たち、ねまって=座って、と名付けたこのプロジェクトは、毎週水
曜日にセンターを開放して行っている。その日は、
「お茶っこ」をしても良い、
「持ち込み手
芸」をしても良い、
「炊き出し」をしても良い、あるいは他の誰かのための「ボランティア
活動」をしても良いのである。
「お茶っこサロン」を利用した仮設の方々は、2 月 28 日現在、延べにして 9,105 名(2/28)
である。
4.
「こひつじキャンプ」
(活動資金は、国内募金以外に海外の UMCOR/2013-2016・EMS/2015-2016・RCA/20152016 から提供されている。)
【歴史】
震災翌年の 2012 年 1 月、第 1 回の「こひつじキャンプ」が、YMCA との共催で山中湖
で行われた。原発事故による放射能汚染より逃れ、短期間でも保養を求める 6 家族 20 名が
参加した。それ以降、キャンプは回を重ね、2013 年 1 月からは、新たに台湾基督長老教会
からの招待も加わり、これまでで 16 回(内 3 回は台湾)を開催するに至っている。
開催地は、国内では主に山中湖、妙高高原、国外では台湾である。
【2015 年度の働き】
国内で 4 回、台湾で 2 回、計 6 回のキャンプが予定されている。定員は各回 25 名前後、
初めての方の参加を優先している。
5.被災地支援演奏会(活動資金は、国内募金以外に、海外のスイスの教会やスイス在住の
個人、又 RCA2015-2016 から提供されている。)
【歴史】
2013 年 1 月、第1回演奏会を石巻で行ったのを皮切りに、2013/12、2014/2、5、6、10
月と、これまで 6 回にわたって行った。訪れた被災地は、石巻、仙台、名取、いわき、釜
石、遠野で、演奏場所は教会・スーパーの催し物広場・仮設住宅・幼稚園・保育園・個人
宅・など多彩である。新日本フィルとその仲間たち(ヴァイオリン、ピアノ、コントラバ
ス、ファゴット)によって始められた演奏会だが、その後、釜石在住のピアニストやチェ
ロ奏者による演奏も新たに始まっている。
【2015 年度の働き】
春夏秋冬 4 回にわたる演奏旅行を企画している。
報告の最後にぜひとも触れておかなければならないことがある。これらの働きを理解し、
資金面で支えている海外 4 団体、UMCOR・EMS・Mission21・RCA についてである。
UMCOR は、当初はエマオ石巻に限っての支援であったが、2013 年 10 月からは 3 年間に
わたって教団が展開する全ての被災地支援活動への資金提供を行った。EMS は、2013 年度
からハートフルへ釜石の働きを支え始め、2014 年度も続き、さらに 2015 年度・2016 年度
は、教団が展開する全ての活動を支え始めた。それに加えて、新たに Mission21 と RCA か
らも資金が提供されている。
このように、UMCOR と EMS を初め、海外からの支援が無ければ、私たちは現在の活動
を生み出すことは出来なかった。そのことを思うと、これら海外諸団体への感謝の思いは尽
きることがない。