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資料1
こんどうそうからくら
金銅装唐鞍
つけたり
1 追加指定及び 附 の文化財
(1)追加指定
おもがい
かけ
面繋
一懸
むながい
胸繋
一懸
しりがい
尻繋
一懸
黒漆鞍
面繋
胸繋
尻繋
一背
三懸
三懸
三懸
はい
(2)附
はながわ
鼻革
一枚
したぐら
そう
三双
あおり
障泥
一双
くらしき
二枚
鞍褥
ばせん
四枚
馬氈
ちからがわざんけつ
力 革 残欠
2
二条
所有者 熱田神宮(名古屋市熱田区神宮一丁目1番1号)
3 文化財の概要
しんよとぎょしんじ
これらは、熱田神宮で行なわれる神輿渡御神事注1に用いられた馬具で、こ
れまでに金銅装唐鞍一背と馬面など数点の付属品が重要文化財として、また
黒漆鞍二背、飾鞍図がその附として指定を受けていた。金銅装唐鞍は神馬に
ごうだい
きょうだい
ほだい
ば とうにん
用い、黒漆鞍は同神事に随従する「郷代( 卿 代 )」・「補代」・「馬頭人」注2と
称する所役のうち、前者二名が騎乗する馬に飾り付けたものである。
近年の調査において、これまで確認されていた付属品の他にも該当する付
い
ぎ
属品が見つかり、また所蔵は確認されながらも未指定であった鞍の居木注3裏
はふり
ば とうにん
に「 祝 注4馬頭人」の墨書銘が見つかった。調査の結果、神馬用・騎乗する所
役三名用の鞍、またこれらに伴う付属品が全て揃っていることが判明し、神
馬用の鞍である「金銅装唐鞍」の付属品が追加指定となり、
「馬頭人」用の黒
漆鞍一背と所役三名用の鞍に伴う付属品が附指定を受けた。華やかな馬装の
全容が想像できる貴重な資料である。
なお、附である鞍三背には鞍の保存箱が遺されており、そのうち、郷代・補
代については、それぞれ寛永5年(1628)製作の墨書銘がある。
注
1
神輿渡御神事
5月5日に熱田神宮で執り行われる御神体に関連する神事。神
ちんこう もん
輿を本宮より鎮皇門のあった西門へ移して同所で神事を行う。
しんやくさい
古くは「神約祭」とも称した。
2 郷代(卿代)
・補代・馬頭人
同神事の中心となる所役で、いずれも社家のうちから選ばれた。
選ばれた郷代・補代頭人は一年間に及ぶ厳しい精進潔斎を行っ
た上、神事に臨んだ。
3
居木
鞍の中央に渡す木で、乗り手が腰をおろす所。
4
祝
近世までの当神宮の職掌の一つで「 祝 師」と称する。祝詞奏上
はふり し
を主な職務とした。
今回新たに附指定となった黒漆鞍(熱田神宮提供)
のりと