アメリカ経済グラフポケット(2015 年 3 月号)

米国経済
2015 年 3 月 11 日 全 8 頁
アメリカ経済グラフポケット(2015 年 3 月号)
2015 年 3 月 9 日発表分までの主要経済指標
ニューヨークリサーチセンター 上野 まな美
シニアエコノミスト 土屋 貴裕
実質GDPの推移
(前期比年率、%、%pt)
6
政府支出
純輸出
4
在庫投資
2
住宅投資
0
設備投資
-2
個人消費
実質GDP成長率
-4
11
12
13
14
(年)
(前期比年率、%、%pt)
国内総生産
個人消費
設備投資
住宅投資
政府支出
輸出
輸入
寄与度
個人消費
設備投資
住宅投資
在庫投資
政府支出
輸出
輸入
2013
4-6
7-9
1-3
10-12
1-3
2014
4-6
7-9
10-12
2.7
3.6
1.5
7.8
-3.9
-0.8
-0.3
1.8
1.8
1.6
19.0
0.2
6.3
8.5
4.5
2.0
5.5
11.2
0.2
5.1
0.6
3.5
3.7
10.4
-8.5
-3.8
10.0
1.3
-2.1
1.2
1.6
-5.3
-0.8
-9.2
2.2
4.6
2.5
9.7
8.8
1.7
11.1
11.3
5.0
3.2
8.9
3.2
4.4
4.5
-0.9
2.2
4.2
4.8
3.4
-1.8
3.2
10.1
2.5
0.2
0.2
0.7
-0.8
-0.1
0.0
1.2
0.2
0.5
0.3
0.0
0.8
-1.4
1.4
0.7
0.3
1.5
0.0
0.7
-0.1
2.5
1.2
-0.3
-0.3
-0.7
1.3
-0.2
0.8
0.2
-0.2
-1.2
-0.2
-1.3
-0.4
1.8
1.2
0.3
1.4
0.3
1.4
-1.8
2.2
1.1
0.1
0.0
0.8
0.6
0.2
2.8
0.6
0.1
0.1
-0.3
0.4
-1.6
(出所)BEA,Haver Analyticsより大和総研作成
株式会社大和総研 丸の内オフィス
〒100-6756 東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 1 号 グラントウキョウ ノースタワー
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2/8
雇用環境 1
◆ 2 月の失業率は 5.5%と前月から 0.2%ポイント低下し、2008 年 5 月以来の低水準を記録し
た。
◆ 非農業雇用者数の前月差は 29.5 万人、非農業雇用者数の前月差の 6 ヵ月平均は 29.3 万人増
となり、雇用者数の増勢が回復していることを示した。
非農業雇用者数と失業率
労働参加率と就業率
(前月差、万人)
60
(%)
12
非農業雇用者数
(%)
68
(%)
66
労働参加率
就業率(右軸)
失業率(右軸)
65
40
10
67
8
66
6
65
64
20
0
63
62
-20
61
-40
4
64
2
63
60
-60
59
-80
58
-100
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
400
再び職を探している
57
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
(万人)
1,200
(%)
18
300
U-5+経済的理由のパート労働者(U-6)
失業者+潜在的失業者(U-5)
新たに職を探している
350
(年)
定義別失業率
理由別失業者数
(万人)
62
16
自己都合
1,000
14
会社都合(右軸)
800
250
12
失業者+就職を諦めた人(U-4)
失業率(U-3)
U-6
非自発的離職者(U-2)
15週以上の失業率(U-1)
10
200
600
8
150
400
100
4
U-1
200
50
2
0
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
1
6
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
大和総研 ニューヨークリサーチセンター 土屋貴裕「市場変動の影響を受けた時給と労働時間」(2015 年 3
月 9 日)参照。http://www.dir.co.jp/research/report/overseas/usa/20150309_009530.html
3/8
個人消費
◆ 1 月の小売売上高は前月比 0.8%減で、
2 ヵ月連続で減少した。コア小売売上高は前月比 0.1%
増と前月から増加に転じたが、軟調であった。
◆ 2 月のロイター/ミシガン大消費者センチメントは、2004 年 1 月以来の高水準となった前月
の 98.1 から 95.4 に低下した。北東部や中西部における例年にない厳冬が影響したものと見
られる。
◆ 2 月の自動車販売台数は前月比 2.6%減で、年率換算では 1,623 万台であった。北東部や中
西部での厳冬により販売台数が減少し、3 ヵ月連続の減少となった。
小売売上高の推移
消費と株価
(億ドル)
(億ドル)
5,000
3,000
小売売上高
(3ヵ月前比、%)
6
コア小売売上高(右軸)
20
2
10
2,400
0
0
2,200
-2
-10
2,000
-4
-20
1,800
-6
-30
1,600
-8
-40
1,400
-10
4,500
2,600
3,500
(3ヵ月前比、%)
30
4
2,800
4,000
小売売上高
株価(右軸)
3,000
2,500
(注)コア小売売上高は自動車ディーラー、ガソリンスタンド、
建材・園芸、飲食サービスを除く。
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
-50
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(年)
(注)株価はWilshire5000。
(出所)Census,Dow Jones,Haver Analyticsより大和総研作成
消費者マインド
自動車販売台数
(年率換算、万台)
160
消費者信頼感指数(1985=100)
2,200
ロイター/ミシガン大消費者センチメント(1966Q1=100)
140
2,000
120
1,800
100
1,600
80
1,400
60
40
1,200
20
1,000
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)ロイター/ミシガン大,Conference Board,Haver
Analyticsより大和総研作成
(年)
800
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Autodata,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
4/8
住宅市場
◆ 1 月の新築住宅着工(一戸建てと集合住宅を含む)は前月比 2.0%減少し、年率換算で 106.5
万戸であった。前月比で減少したものの、5 ヵ月連続で年率換算 100 万戸超の水準を維持し
ている。
◆ 1 月の中古住宅販売(一戸建て)も前月から減少に転じ、前月比 5.1%減の年率換算 427.0
万戸であった。中古住宅の物件不足やインフレ率以上に住宅価格が上昇していることなどが
影響し、2014 年 4 月以来の低水準となった。
◆ 1 月の新築住宅販売(一戸建て)は大幅に増加した前月から減少に転じ、前月比 0.2%減、
年率換算では 48.1 万戸であった。
◆ 2014 年 12 月のケースシラー住宅価格指数(20 都市)は前月比で 0.9%上昇し、4 ヵ月連続
の上昇となった。
住宅販売(一戸建て)
住宅ローン申請件数
(年率換算、万戸)
(年率換算、万戸)
700
140
(2005=100)
450
新規申請
中古住宅販売
650
借換申請
400
新築住宅販売(右軸)
住宅ローン申請件数
120
350
600
100
550
300
250
500
80
200
450
60
400
150
100
40
350
50
20
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)Census,NAR,Haver Analyticsより大和総研作成
(出所)MBA,Haver Analyticsより大和総研作成
住宅着工と建設業者の景況感
住宅価格
300
(最大=100)
(年率換算、万戸)
80
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(2000/01=100)
240
建設業者の景況感
70
220
新築住宅着工(右軸)
210
(年)
(1991/01=100)
ケースシラー住宅価格指数
(20都市)
FHFA住宅価格指数(右軸)
230
200
190
60
180
50
160
40
170
190
140
120
30
100
20
210
150
170
130
80
10
60
0
40
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Census,NAHB,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
110
90
150
130
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)S&P,FHFA,Haver Analyticsより大和総研作成
5/8
企業動向
◆ 1 月の鉱工業生産指数は前月比 0.2%上昇となった。指数全体の約 7 割を占める製造業も同
0.2%上昇した。
◆ 1 月の国防・民間航空機を除く資本財受注は前月比 0.5%増加し、5 ヵ月ぶりの増加となっ
た。
◆ 2 月の ISM 製造業指数は、前月比 0.6%ポイント低下の 52.9%であった。4 ヵ月連続で低下
し、2014 年 1 月以来の低水準となった。一方、非製造業指数は、同 0.2%ポイント上昇の
56.9%であった。両指標ともに景気の拡大・縮小の分岐点である 50%を上回る水準を維持
している。
鉱工業生産と設備稼働率
(%)
(2007=100)
110
企業の景況感
鉱工業生産
85
設備稼働率(右軸)
83
105
(%)
65
ISM製造業
ISM非製造業
60
81
79
100
77
95
55
50
75
73
90
71
45
40
69
85
35
67
80
30
65
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)FRB,Haver Analyticsより大和総研作成
(出所)ISM,Haver Analyticsより大和総研作成
製造業の出荷・在庫
耐久財受注
(前年比、%)
(億ドル)
20
15
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
3,200
在庫
出荷
3,000
10
(億ドル)
耐久財受注
750
資本財受注(国防・民間航空機除く、右軸)
700
2,800
650
5
2,600
0
2,400
600
2,200
550
-5
-10
2,000
-15
500
-20
1,800
-25
1,600
-30
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
450
1,400
400
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
6/8
物価動向
◆ 1 月の CPI(消費者物価指数)は前年比 0.1%低下し、コア CPI は同 1.6%上昇した。ドル高
などからインフレ率の上昇が抑制されており、インフレ率が FRB の長期目標である 2%を下
回っている。
◆ 2 月の 2 年先及び 5 年先期待インフレ率は低下した。原油価格の下落やドル高などにより、
期待インフレ率が低下傾向にある。
◆ 2 月末の WTI 原油先物価格は 49.76 ドル/バレルと、1 月末の 48.24 ドル/バレルから若干上
昇した。世界的な原油の供給過多及び需要低下が予測され、原油先物価格の安値が続いてい
る。
消費者物価指数
期待インフレ率
(%)
(前年比、%)
6
4.0
コアCPI
CPI
5
2年先・期待インフレ率
5年先・期待インフレ率
3.5
4
3.0
3
2.5
2
2.0
1
1.5
0
1.0
-1
0.5
-2
-3
0.0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(注)コアCPIは食品、エネルギーを除く。
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(1973=100)
実効為替レート(ブロード)
(年)
(出所)Cleveland Fed,Haver Analyticsより大和総研作成
(ドル/バレル)
コモディティ価格
(1967=100)
140
実質実効ドル(1973年3月=100)
名目実効ドル(1997年1月=100)
130
500
450
RJ/CRB先物指数
(ドル/バレル)
160
WTI原油先物価格(直近限月、右軸)
140
400
120
120
350
110
100
300
100
250
90
200
80
60
150
80
40
100
70
60
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)FRB,Haver Analyticsより大和総研作成
20
50
0
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Wall Street Journal,CRB,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
7/8
輸出入・経常収支
◆ 1 月の貿易収支(財・サービス)は、輸出が前月比 2.9%減少し、輸入も前月比 3.9%減少
した。輸出は、工業製品・原料などが減少し、輸入においても、原油を主とする工業製品・
原料が減少した。貿易収支の赤字は、2012 年 11 月以来最大の赤字となった前月から縮小し、
前月比 8.4%減の約 418 億ドルとなった。
◆ 地域別(財)では、欧州向けの輸出が前年比 1.2%増加したが、中国向けが同 7.8%減、日
本向けも同 7.7%減であった。
輸入は、
欧州からの輸入が前年比 1.7%増、
日本からも同 0.1%
増であった一方、中国からの輸入は同 0.1%減であった。中国からの輸入が前年比で減少し
たのは 2014 年 2 月以来である。
貿易収支動向
経常収支の推移
(億ドル)
(億ドル)
(%)
0
0
3,000
(億ドル)
0
貿易収支(右軸)
経常収支(右軸)
輸出
経常収支/GDP
-100
-1
-200
-2
-300
-3
-400
-4
-500
-5
-600
-6
-700
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
-7
(出所)BEA,Haver Analyticsより大和総研作成
国・地域別輸出動向
国・地域別輸入動向
(前年比、%)
(前年比、%)
輸入
2,500
-500
2,000
-1,000
1,500
-1,500
1,000
-2,000
500
0
30
欧州
中国
50
日本
25
-2,500
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
欧州
中国
(年)
日本
40
20
30
15
10
20
5
10
0
-5
0
-10
-10
-15
-20
-20
12
13
14
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
15
(年)
12
13
14
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
15
(年)
8/8
金融・財政
◆ 2 月の長期金利(10 年債利回り)の平均値は 1.98%であった。1 月より上昇したが、イエレ
ン FRB(連邦準備制度理事会)議長のコメント後、利上げ時期のずれ込む見通しや、他の主
要国に比べて高めの長期金利であることなどから国債価格が上昇し、長期金利が低下傾向に
ある。
◆ 1 月の FOMC(連邦公開市場委員会)において、事実上のゼロ金利政策の据え置きと、保有す
る資産規模の維持が決定された。FRB の資産残高は、直近の 3 月 4 日の週平均が約 4 兆 5,300
億ドルであった。
◆ 連邦政府の財政収支(12 ヵ月平均)は、トレンドとして赤字幅が縮小している。
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