アメリカ経済グラフポケット(2015 年 1 月号)

米国経済
2015 年 1 月 15 日
全8頁
アメリカ経済グラフポケット(2015 年 1 月号)
2015 年 1 月 12 日発表分までの主要経済指標
ニューヨークリサーチセンター 上野 まな美
シニアエコノミスト 土屋 貴裕
実質GDPの推移
(前期比年率、%、%pt)
6
政府支出
純輸出
4
在庫投資
2
住宅投資
0
設備投資
-2
個人消費
実質GDP成長率
-4
11
12
13
14
(年)
2012
(前期比年率、%、%pt) 10-12
国内総生産
0.1
個人消費
1.9
設備投資
3.6
住宅投資
20.4
政府支出
-6.0
輸出
1.5
-3.5
輸入
寄与度
個人消費
1.3
設備投資
0.4
住宅投資
0.5
在庫投資
-1.8
政府支出
-1.2
輸出
0.2
0.6
輸入
1-3
2013
4-6
7-9
10-12
1-3
2014
4-6
7-9
2.7
3.6
1.5
7.8
-3.9
-0.8
-0.3
1.8
1.8
1.6
19.0
0.2
6.3
8.5
4.5
2.0
5.5
11.2
0.2
5.1
0.6
3.5
3.7
10.4
-8.5
-3.8
10.0
1.3
-2.1
1.2
1.6
-5.3
-0.8
-9.2
2.2
4.6
2.5
9.7
8.8
1.7
11.1
11.3
5.0
3.2
8.9
3.2
4.4
4.5
-0.9
2.5
0.2
0.2
0.7
-0.8
-0.1
0.0
1.2
0.2
0.5
0.3
0.0
0.8
-1.4
1.4
0.7
0.3
1.5
0.0
0.7
-0.1
2.5
1.2
-0.3
-0.3
-0.7
1.3
-0.2
0.8
0.2
-0.2
-1.2
-0.2
-1.3
-0.4
1.8
1.2
0.3
1.4
0.3
1.4
-1.8
2.2
1.1
0.1
0.0
0.8
0.6
0.2
(出所) BEA,Haver Analytics より大和総研作成
株式会社大和総研 丸の内オフィス
〒100-6756 東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 1 号 グラントウキョウ ノースタワー
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2/8
雇用環境1
◆ 2014 年 12 月の失業率は 5.6%と、前月から 0.2%ポイント低下し、2008 年 6 月以来の低水
準を記録した。
◆ 非農業雇用者数の前月差は 25.2 万人となり、大幅に増加した前月から減少したものの、11
ヵ月連続で 20 万人を超した。雇用者数は着実に増加しているものと見られる。非農業雇用
者数の前月差の 6 ヵ月平均は、26.4 万人増であった。
非農業雇用者数と失業率
労働参加率と就業率
(前月差、万人)
60
(%)
12
非農業雇用者数
(%)
68
(%)
66
労働参加率
就業率(右軸)
失業率(右軸)
65
40
10
67
8
66
6
65
64
20
0
63
62
-20
61
-40
4
64
2
63
60
-60
59
-80
58
-100
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
理由別失業者数
(万人)
400
再び職を探している
57
62
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
定義別失業率
(万人)
1,200
(%)
18
新たに職を探している
350
300
(年)
16
自己都合
1,000
14
会社都合(右軸)
800
250
12
U-5+経済的理由のパート労働者(U-6)
失業者+潜在的失業者(U-5)
失業者+就職を諦めた人(U-4)
失業率(U-3)
U-6
非自発的離職者(U-2)
15週以上の失業率(U-1)
10
600
200
8
150
400
100
4
U-1
200
50
2
0
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
1
6
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
大和総研 ニューヨークリサーチセンター 土屋貴裕「米雇用者数は着実に増加し失業率は低下」(2015 年 1
月 13 日)参照。http://www.dir.co.jp/research/report/overseas/usa/20150113_009335.html
3/8
個人消費
◆ 2014 年 11 月の小売売上高は前月比 0.7%増で、コア小売売上高は前月比 0.6%増であった。
両指標ともに、トレンドとして増加傾向が続いている。
◆ 12 月のロイター/ミシガン大消費者センチメントは、前月の 88.8 から 93.6 に上昇し、5 ヵ
月連続で上昇した。ガソリン価格の下落や雇用見通しの改善などから消費者心理が押し上げ
られ、2007 年 1 月以来の高水準となった。
◆ 12 月の自動車販売台数は前月比 1.7%減で、年率換算では 1,692 万台であった。3 ヵ月ぶり
に減少に転じた。
小売売上高の推移
消費と株価
(億ドル)
(億ドル)
5,000
3,000
小売売上高
コア小売売上高(右軸)
(3ヵ月前比、%)
6
20
2
10
2,400
0
0
2,200
-2
-10
2,000
-4
-20
1,800
-6
-30
1,600
-8
-40
1,400
-10
4,500
2,600
3,500
(3ヵ月前比、%)
30
4
2,800
4,000
小売売上高
株価(右軸)
3,000
2,500
(注)コア小売売上高は自動車ディーラー、ガソリンスタンド、
建材・園芸、飲食サービスを除く。
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
-50
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(年)
(注)株価はWilshire5000。
(出所)Census,Dow Jones,Haver Analyticsより大和総研作成
消費者マインド
自動車販売台数
(年率換算、万台)
160
消費者信頼感指数(1985=100)
2,200
ロイター/ミシガン大消費者センチメント(1966Q1=100)
140
2,000
120
1,800
100
1,600
80
1,400
60
40
1,200
20
1,000
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)ロイター/ミシガン大,Conference Board,Haver
Analyticsより大和総研作成
(年)
800
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Autodata,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
4/8
住宅市場
◆ 2014 年 11 月の新築住宅着工(一戸建てと集合住宅を含む)は、前月比 1.6%減少し、年率
換算で 102.8 万戸であった。集合住宅の着工は増加したものの、一戸建ての着工減が響き、
全体の減少につながった。
◆ 11 月の中古住宅販売(一戸建て)は、前月比 6.3%減、年率換算 433.0 万戸であった。高水
準を記録した前月から 3 ヵ月ぶりに減少し、5 月以来の低水準となった。
◆ 11 月の新築住宅販売(一戸建て)は、前月比 1.6%減、年率換算で 43.8 万戸であった。2
ヵ月連続で減少した。
◆ 10 月のケースシラー住宅価格指数(20 都市)は、前月比で 0.8%上昇し、2 ヵ月連続の上昇
となった。
住宅販売(一戸建て)
住宅ローン申請件数
(年率換算、万戸)
(年率換算、万戸)
700
140
(2005=100)
450
新規申請
中古住宅販売
650
借換申請
400
新築住宅販売(右軸)
住宅ローン申請件数
120
350
600
100
550
300
250
80
500
200
450
60
400
150
100
40
350
50
300
20
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
(年)
(出所)Census,NAR,Haver Analyticsより大和総研作成
住宅着工と建設業者の景況感
住宅価格
(最大=100)
(年率換算、万戸)
80
(2000/01=100)
240
建設業者の景況感
70
(年)
(出所)MBA,Haver Analyticsより大和総研作成
220
新築住宅着工(右軸)
210
(1991/01=100)
ケースシラー住宅価格指数
(20都市)
FHFA住宅価格指数(右軸)
230
200
190
60
180
50
160
40
170
190
140
120
30
100
20
210
150
170
130
80
10
60
40
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Census,NAHB,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
110
150
130
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)S&P,FHFA,Haver Analyticsより大和総研作成
90
5/8
企業動向
◆ 2014 年 11 月の鉱工業生産指数は、前月比 1.3%上昇し、2010 年 5 月以来の大幅な伸びとな
った。指数全体の約 75%を占める製造業も 2 月以来の好調な伸びを示し、
同 1.1%上昇した。
◆ 11 月の国防・民間航空機を除く資本財受注は、前月比 0.5%減で、3 ヵ月連続で減少した。
◆ 12 月の ISM 製造業指数は、前月比 3.2%ポイント低下の 55.5%であった。非製造業指数も
同 3.1%ポイント低下の 56.2%であった。両指標ともに 6 月以来の低水準となったが、景気
の拡大・縮小の分岐点である 50%を上回る水準を維持している。
鉱工業生産と設備稼働率
(%)
(2007=100)
110
企業の景況感
鉱工業生産
85
設備稼働率(右軸)
83
105
(%)
ISM製造業
65
ISM非製造業
60
81
79
100
77
95
55
50
75
73
90
71
45
40
69
85
35
67
80
65
(出所)FRB,Haver Analyticsより大和総研作成
30
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)ISM,Haver Analyticsより大和総研作成
製造業の出荷・在庫
耐久財受注
(前年比、%)
(億ドル)
20
15
在庫
3,200
出荷
3,000
10
(年)
(億ドル)
耐久財受注
750
資本財受注(国防・民間航空機除く、右軸)
700
2,800
650
5
2,600
0
2,400
600
2,200
550
-5
-10
2,000
-15
500
-20
1,800
-25
1,600
-30
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
450
1,400
400
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
6/8
物価動向
◆ 2014 年 11 月の CPI(消費者物価指数)は、前年比 1.3%上昇し、コア CPI も同 1.7%上昇し
た。インフレ率が FRB の長期目標である 2%を下回る水準が続いている。
◆ 12 月の 2 年先及び 5 年先期待インフレ率は低下した。原油価格の下落やドル高などにより、
3 ヵ月連続で期待インフレ率が低下している。
◆ 12 月末の WTI 原油先物価格は 53.27 ドル/バレルと、11 月末の 66.15 ドル/バレルから更に
下落した。世界的な原油の供給過多及び需要低下が予測され、原油先物価格の下落が続いて
いる。WTI 原油先物価格は、月末値で 2009 年 4 月末以来の安値を更新した。 消費者物価指数
期待インフレ率
(%)
(前年比、%)
6
4.0
コアCPI
CPI
5
2年先・期待インフレ率
5年先・期待インフレ率
3.5
4
3.0
3
2.5
2
2.0
1
1.5
0
1.0
-1
0.5
-2
-3
0.0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
(注)コアCPIは食品、エネルギーを除く。
(出所)BLS,Haver Analyticsより大和総研作成
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
(年)
(1973=100)
実効為替レート(ブロード)
(ドル/バレル)
コモディティ価格
(1967=100)
140
実質実効ドル(1973年3月=100)
名目実効ドル(1997年1月=100)
130
(年)
(出所)Cleveland Fed,Haver Analyticsより大和総研作成
500
450
RJ/CRB先物指数
(ドル/バレル)
160
WTI原油先物価格(直近限月、右軸)
140
400
120
120
350
110
100
300
100
250
90
200
80
60
150
80
40
100
70
60
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)FRB,Haver Analyticsより大和総研作成
20
50
0
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(出所)Wall Street Journal,CRB,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)
7/8
輸出入・経常収支
◆ 2014 年 11 月の貿易収支(財・サービス)は、輸出が前月比 1.0%減少し、輸入も前月比 2.2%
減少した。輸出は、民間航空機などの資本財が減少し、輸入においては、原油を主とする工
業製品・原料が減少した。貿易収支の赤字は前月比 7.7%減、約 390 億ドルに縮小し、2013
年 12 月以来の低水準となった。
◆ 地域別(財)では、日本向けの輸出が前年比 13.2%減と大きく減少し、中国向けは同 6.7%
減、欧州向けも同 3.1%減少した。輸入は、中国からの輸入が前年比 5.0%増、欧州からの
輸入も同 1.5%増であったが、日本からの輸入は同 8.7%減となった。減少が続いていた日
本からの輸入は、先月、13 ヵ月ぶりに前年比で増加したが、再び減少に転じた。 貿易収支動向
経常収支の推移
(億ドル)
3,000
貿易収支(右軸)
輸出
輸入
(億ドル)
(%)
0
0
(億ドル)
0
経常収支(右軸)
経常収支/GDP
-100
-1
-200
-2
-300
-3
-400
-4
-500
-5
-600
-6
-700
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
-7
(出所)BEA,Haver Analyticsより大和総研作成
国・地域別輸出動向
国・地域別輸入動向
(前年比、%)
(前年比、%)
2,500
-500
2,000
-1,000
1,500
-1,500
1,000
-2,000
500
0
35
欧州
中国
50
日本
-2,500
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
欧州
中国
(年)
日本
30
40
25
20
30
15
20
10
5
10
0
0
-5
-10
-10
-15
-20
-20
11
12
13
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
11
14
(年)
12
13
(出所)Census,Haver Analyticsより大和総研作成
14
(年)
8/8
金融・財政
◆ 2014 年 12 月の長期金利(10 年債利回り)の平均値は 2.21%となり、2013 年 5 月の平均値
以来の低水準となった。世界経済の成長懸念やロシアの通貨不安、原油価格の下落による期
待インフレ率の低下などから国債価格が上昇し、長期金利が低下傾向にある。
◆ 12 月の FOMC(連邦公開市場委員会)において、事実上のゼロ金利政策の据え置きと、保有
する資産規模の維持が決定された。FRB の資産残高は、直近の 2015 年 1 月 7 日の週平均が
約 4 兆 5,400 億ドルであった。
◆ 連邦政府の財政収支(12 ヵ月平均)は、トレンドとして赤字幅が縮小している。
クレジットスプレッド
政策金利・長期金利
(%)
(%)
7
FFレート誘導目標
7
Baa格社債利回り-10年債利回り
Aaa格社債利回り-10年債利回り
10年債利回り
6
6
5
5
4
4
3
3
2
2
1
1
0
0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)FRB,Haver Analyticsより大和総研作成
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(出所)FRB,Haver Analyticsより大和総研作成
FRBの資産構成
連邦政府の財政収支
(兆ドル)
(億ドル)
5.00
400
4.50
200
4.00
その他
(億ドル)
財政収支
歳入(右軸)
歳出(右軸)
3,500
3,000
0
2,500
3.50
-200
3.00
MBS、政府
機関債
2.50
2.00
国債
-400
2,000
-600
1,500
-800
1,000
1.50
-1,000
1.00
500
-1,200
0.50
0
-1,400
0.00
07
08
09
10
11
12
(出所)FRB,Haver Analyticsより大和総研作成
13
14
(年)
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(注)データは12ヵ月移動平均。
(出所)米財務省,Haver Analyticsより大和総研作成
(年)