九地整社会資本整備審議会道路分科会の平成26年度第5回九州地方小委員会 九州横断自動車道延岡線(蘇陽~高千穂)ルート案に、別線整備2案と現道改良案を提示 社会資本整備審議会道路分科会の平成26年度第5回九州地方小委員会(福岡市の東福第2ビル) 九州地方整備局の社会資本整備審議会道路分科会九州地方小委員会(委員長:溝上章志熊 本大学大学院教授)は10日、福岡市の東福第2ビルで平成26年度第5回委員会を開き、 計画段階評価として①九州横断自動車道延岡線(蘇陽~高千穂) 、②国道10号住吉道路の審 議を行い、対応方針案をそれぞれ了承した。この中で、九州横断自動車道延岡線(蘇陽~高 千穂)の対応方針案としてルート帯選定について①集落間を結ぶ別線整備案A(南ルート)、 ②山側の最短で拠点間を結ぶ別線整備B案(北ルート)、③現道改良案Cが示された。また、 国道10号住吉道路は、評価対象地域が宮崎市北部に位置し、宮崎北バイパス(4車線)と 新富バイパス(4車線)間の渋滞区間が対象となっており、地域特性と周辺環境の説明や意 見聴取方法などについて審議した。 九州自動車道延岡線(蘇陽~高千穂)は、九州横断軸の一部を担う九州横断自動車道延岡 線(延長約95kmのうち開通済み10.3km、事業中30.9km)の一部で、沿線に 熊本県大都町、宮崎県五ケ瀬町、高千穂町がある。計画段階評価として平成25年10月1 1日に第1回九州小委員会、平成25年11月~12月にかけて沿線地域の意見聴取が行わ れ、今回の第2回小委員会で政策目標の設定、複数案の対応方針案、地域の意見聴取方法な どを審議。政策目標では①災害時に機能する信頼性の高いネットワークの確保、②熊本市・ 延岡市の第3次救急医療施設への速達性・走行性の向上、③中心市の延岡市への移動の速達 性・安全性の向上による安心した暮らしの支援、④歴史・文化的資源を活かした回遊性の向 上による広域的な観光振興の支援、⑤走行性、速達性向上による産業活動の支援が設定され た。 対応方針(案)のルート帯案として3案が示されたが、案Aの別線整備案(南ルート)は 集落へのアクセス性と高速性、定時性を確保したルートで、延長約22kmの自動車専用道 路タイプ(設計速度80km/h) 、救急搬送時間や生活拠点から市街地まで、産業拠点間の 移動時間の短縮が大きく、道路整備では生活環境に影響を与える可能性が大で、家屋への影 響も多い、沿線利用がインターチェンジに限定されるなどの特徴があり、整備費用で約90 0億~950億円が見込まれる。 案Bの別線整備案(北ルート)は、山側を最短で拠点間を結び、高速性、定時性を確保し たルートで、延長約21kmの自動車専用道路タイプ、移動時間の短縮は観光地間で大きい が、救急搬送や生活拠点から市街地までと産業拠点間が小さい。生活環境や家屋への影響も 小さいが、自然環境に影響を与える可能性が最も大きい、インターチェンジに限定され、五 ケ瀬町からのアクセス性は最も低いなどの特徴があり、整備費で約950億~1,000億 円が見込まれる。 案Cの現道改良案は、沿道からの利用のしやすさに配慮し、全線において既存の現道を改 良し活用するルートで、延長約26kmの一般道路タイプ。沿道からのアクセスや整備の発 現時期の早期効果が見込まれるが、災害時の代替路が確保されず、救急搬送、観光地間、産 業拠点間の移動時間の短縮も小さい、生活環境や自然環境への影響も大きく、家屋への影響 が最も多いなどの特徴がある。整備費はルート案で最も安い約800億円~850億円が見 込まれている。 九州横断自動車道延岡線(蘇陽~高千穂) 対応方針(案)の検討<ルート帯案の概要> 国道10号住吉道路(宮崎県)は評価対象地域の地域特性や周辺環境を説明 一方、国道10号住吉道路は、第1回の説明会で、①評価対象地域、②計画段階評価手続 き、③地域特性と周辺環境、④沿線自治体等への意見聴取方法などについて審議。対象地域 は宮崎市北部の国道10号と県中央部を横断する国道219号が分岐・合流する道路交通網 の結節点を有する地域(現道延長約10.6km)で、国道10号の原口交差点~新名爪交 差点間(約5km)が唯一の2車線区間、混雑度が1.5を超えており、主要渋滞区間に選 定されているほか、宮崎テクノリサーチパーク、佐土原中央工業団地、石崎工業団地が立地 し、宮崎市の物流・工業拠点で、海岸沿い等に観光施設が点在し、一ツ葉地区が世界に開か れた観光・リゾート拠点としても位置付けられている。また、東海岸沿いは東南海・南海沖 地震発生時の津波想定浸水地域で、防災機能への緊急避難、後方支援機能の強化を図る地域、 道路ネットワークを活用した復旧支援活動なども予想されている。 今後、沿線自治体(宮崎県、宮崎市、西都市、新富町)や地域住民への意見聴取では、評 価対象地域におけるまちづくりビジョンに対する意見を伺うことにしている。 国道10号住吉道路の評価対象地域 地域特性と周辺環境(評価対象地域周辺のネットワーク)
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