TRENDS 2015 デザインとイノベーションの鍵を握るトレンド 1 TRENDS 2015 フィヨルド(Fjord)チームは社会、組織、サービス、テク ノロジー、及びユーザーの視点において、取り組むべき論 点を 2015 年のトレンドとしてまとめました。 今回は 9 つ のトレンドを厳選しましたが、これらがアクセンチュアのお 客様をはじめ、私たちがサービスデザインを実施する際の 有益な情報源になるものと期待しています。 9つのトレンド 01 オムニ・コリーグ(同僚) デジタル時代の新ヒーローたち 02 ギャップに注意 03 サービスの集約が始まる 04 デジタル・ダイエット 05 感情あるインターフェース コマンドから会話へ 06 デジタルの創造的破壊がリアルの世界へ 07 金がものを言う 08 さりげなく オンラインでつながるインタラクション 09 第六感 2 概説 デジタルがリアルな世界に与える 影響が明確に 個々のトレンドをご紹介する前に、全体の流れを見ていきたい と思います。 今日、私たちを取り巻くハードウェアに対し、そこに組み込ま れるソフトウェアの急速な革新が進み、機能やユーザーイン ターフェースの改良をもたらしました。これに合わせて、再び 「人」がインターフェースの最前線へと戻ろうとする動きがあ ります。 「魔法」が期待される インターネット/PHS/携帯電話の普及により、コミュニケー ションツールやサービスの拡充を青年期に経験した「Y 世代 *」 は滅多なことでは驚きません。彼らは当然のことのように魔法 のようなサービスを期待しています。それはユーザーの意図を 推測したり、煩雑な定型入力や処理をなくしたりするサービス でもあり、他社との差別化を狙えるポイントともなります。 今年は、サービス/デバイス/場所を「つなぐ」ことが成功 の鍵となるでしょう。これら 3 つの異なる要素のやりとりにより 発生する大量のデータを処理し、シームレスなユーザー体験を 提供することで、新たな付加価値が生み出されていきます。 既存のサービスにとらわれずに視座を高く持ち、あたかも魔法 のような顧客体験を提供できる企業こそが 2015 年の立役者 *1975 年から1989年の間に生まれた、10代のときにインターネットの普及を経験した世代。 となるでしょう。 3 01 「顧客体験を考慮したサービスを提供 してきたが、同様に従業員体験も考慮 する必要があった」 マーク・レビー、 エアービーアンドビー (Airbnb) 従業員体験部門グローバル統括 真のデジタル化を目指し、企業は「人」をインターフェー スに組み込もうとしています。複数のチャネルをまたぎ、 シー ムレスな体験を提供する仕組みをオムニ・チャネルと呼びま すが、このオムニ・チャネルに、「人」という要素が取り戻 されつつあります。「人」がサービスの成功には欠かせな い存在だと再認識され始めているのです。これまでのオム ニ・チャネル化への取り組みは、企業と顧客の接点(タッチ ポイント)から「人」を排除し、自動化/機械化を推し進 めてきました。しかし、真のデジタル化を成功させるために は、再び企業が提供するサービスへ人間的な要素を組み込 オムニ・コリーグ(同僚) デジタル時代の新ヒーローたち む必要があります。企業はコストメリットを鑑み機械による 提供が適するサービスなのか、それとも人間的なインタラ クション(交流/つながり)が必要なサービスなのかを戦略 的に見極めなければなりません。 4 現在の動向 企業はこれまでの 20 年間、チャネルの充実と効率化、すな 社のキンドル(Kindle & Fire)タブレットに搭載しています。 わち自動化を推し進めてきました。しかし、顧客へ提供するす ユーザーはメーデーボタンを押す事で 24 時間 365 日、顔 べてのタッチポイントを機械化する事で成功はできません。な の見える従業員からサポートを受けることができます。 ぜならば、タッチポイントは顧客と直接的に交流し、顧客イン サイトを得て、さらに良いサービスを提供するための要点であ るためです。 また、オンライン・サービス評価からも同様の傾向を見ること ができます。昨今のオンライン評価は、サービスを提供する 企業や提供されるサービスだけではなく、サービスを提供した 今や経営者にとっての従業員は「スタッフ」や「作業者」では 従業員も評価される対象となりました。この動きは、ソーシャ なく、「コリーグ(同僚)」ともみなされます。この仲間意識の ルメディアの発達により可能となった、モノ、お金、サービス もと、経営者と従業員が一丸となって顧客と交わる動きがあり 等の交換/共有により成り立つ仕組みを持った、シェアリング・ ます。それは、従業員と顧客のインタラクションが企業に与え エコノミー型の企業で顕著に見られます。例えば、相乗りサー る影響が大きいためです。この傾向は、デジタル世界に深く根 ビスを提供するリフト(Lyft)では、顧客が乗車体験をフィー ざした企業にも見られる動きです。例えばオンライン小売業の ドバックし、その体験が期待通りでなかった場合はドライバー アマゾン(Amazon)は、メーデー(救難信号)ボタンを自 と直接料金を交渉できる仕組みを提供しています。 5 今後の展望 企業はこれまで隠していた 「 最も重要な資産 」 を表に出して ここで重要なのは、顧客データを詰め込んだタブレットを従 きています。その資産とは、自社の従業員です。 業員に与えることだけではありません。単なる情報を提供す デジタル社会の拡大と多様化が続くなかで、従業員のタッチ ポイントへの返り咲きは全盛を迎えます。オーストラリアの 通信企業テルストラ(Telstra)は、従業員が顧客と交流す る時間を最大化するため、顧客に接しない反復的な定型業 るのではなく、個々の従業員が率先して、顧客とふれあえるよ うなマインド、スキルを備えていくことも大事だという事です。 旧来のオムニ・チャネルにはオムニ・コリーグの能力が求めら れているのです。 務をデジタル化しています。眼鏡販売の新興企業であるワー ビー・パーカー(Warby Parker)は、従来の機械化された 電話応答ではなく、人間的なふれあいを重視した電話応答 サービスを強化しています。 6 フィヨルドからの提案 私たちは、人を介した顧客サービスを模倣しきれず、利用者が • 従業員にデジタルツールや顧客データを提供するだけでな 違和感を覚えるようなデジタルサービスから脱却する必要があ く、多様な顧客層に対応できるコミュニケーションスキルの ります。そのためには、個々の従業員がデジタルツールを操り 向上を図れるようなトレーニングの実施を検討する。 つつ、自らが顧客との関係性の強化に励むことが重要です。 • 新しい従業員評価制度を検討する。 顧客とのコミュニケー ションを時間だけで評価するのではなく、コミュニケーション の質も評価の対象として検討する。 • 従業員の顧客応対インセンティブの導入を検討する。 例え ば、顧客からの評価がリンクトイン(LinkedIn)のようなプ ロフェッショナルソーシャルネットワークに反映され、個々の 従業員の意欲を高めるような仕組みも検討する。 7 02 物理チャネル・デジタルチャネル間や デバイスとのギャップを埋める、 顧客体験をデザインする 私たちは、環境が変わるたびに多種多様なデバイスを素早 く切り換えて利用しています。それに対し企業は、データや コンテンツといったサービスの内容を考慮するだけでは なく、サービスを利用する環境をも考慮しなければなりま せん。しかし、すべての利用環境を想定したサービス提供 は容易ではありません。結果、絶えず変化する環境でサー ビスを利用する顧客は、その体験の連続性を遮断される可 能性があります。例えば、飛行機の機内で見ることができ る映画が着陸時に中断されたり、オンラインショッピングの 購入履歴や登録された好みのコーディネーションが店頭で の商品提案に活かされていなかったりします。また、私た ギャップに注意 ちはさまざまなデバイスを用いるがためにサービスのギャッ プに直面しています。 例えば、 接続が切断された場合、 デバイスを切り換える場合、異なるサービスへ転送された 場合、デバイスに登録された情報を更新する必要がある場 合に生じるギャップです。企業は、これらのギャップを考慮 したサービスをデザインする必要があります。 8 現在の動向 リアルの世界とオンラインの世界で生じるギャップは、銀行、 英国では、オンラインで商品を注文し、店頭で商品を受け取 新聞社、スーパーマーケットなど、これまで自社がテクノロジー る 「 クリック・アンド・コレクト 」 サービスが急成長しています。 とは無縁であると考えていた業界にとっては、新たな課題と このサービスは、ユーザーにオンラインショッピングでの多 なっています。サービスを利用するユーザーはいかなるデジタ 様な選択肢と合わせ、身近な店舗で商品を受け取れる利便性 ルタッチポイントでも同一のサービス体験を期待し、不安定 を提供します。しかし、フィヨルドの実地調査によると、ある な Wi-Fi 環境下であっても、シームレスで途切れることのな 小売の店舗では注文した商品とは異なる商品を引き渡そうと いサービスの利用を求めています。音楽配信サービスのスポ し、かつ即座の返金対応はできない等の問題が見られました。 ティファイ(Spotify)はワン・タップ(One-tap)オプション また、他の大手小売企業の e コマース責任者によると、クリッ サービスを開始しました。これは、スポティファイの音楽ライ ク・アンド・コレクトを提供しないブランドがあったり、店頭 ブラリーをすべてダウンロードし、たとえオフラインであって 在庫の開示には応じない有名ブランドもあったりするとのこと も、30 日間は自由に音楽を聞く事を可能にするサービスです。 です。 9 今後の展望 このような技術的な障害やビジネス連携の不足によるギャップ フィヨルドは、ある大手自動車会社と共同で、不安定な無線・ もありますが、やはり最も注意しなければならないのはデバイ Wi-Fi 通信がインターネットに接続された自動車(コネクティッ スを切り換える際に起こるギャップです。しかもユーザーが保 ド・カー)に与える影響を調査しました。もちろん移動中の車 有するデバイスの数が増加しており、このギャップに出会う頻 に不安定な通信環境はつきものですが、それでもなおユーザー 度は高まっています。アップル(Apple)がリストバンド型のウェ は車内における更なる安定したサービス利用を期待している事 アラブルデバイス「アップルウォッチ(Apple Watch)」の発 がわかりました。 各企業はさまざまなギャップに留意したサー 売を発表しました。アップルウォッチは、状況に応じてスマート ビスを今年も提供していくでしょう。 フォンから離れた状態で利用されます。しかし、ユーザーはメッ セージング、通話、E メール等のアップルウォッチでしていた ことの続きを、アイフォーン(iPhone)でそのまま再開でき ます。 10 フィヨルドからの提案 すべてのギャップは容易に発見できるわけではありません。何 オンライン接続の種類/規格(及び回線容量)や各機能の 百万人もの顧客の行動を把握し、本当に対応が必要となる 利用時間といった見落としがちなサービス利用環境を必ず考 ギャップを洗い出すことが鍵となります。 慮する。 • 異常値であるとみなされる顧客体験を想定したサービスをデ • 企業、部門、チャネル等の組織間の隔たりがギャップの原因 ザインする、「エッジス・アンド・エクストリームス」などの にもなる。 顧客に提供するサービスの価値を俯瞰し、組織 手法を活用しギャップを見つけ出す。想定外のサービス利用 を横断した顧客体験の提供に責任を持つ者をプロジェクトに は、アーリーアダプター(自発的に早期にサービスを利用す 巻き込む。 る初期採用者)とラガード(保守的に最後にサービスを利用 する遅滞採用者)のいずれからも起こり得ることに注意する。 • サービスを検証、実装、運営するのに必要な俯瞰図である • サービスがユーザーを識別できない場合のデメリットを考慮 する。つまり、ユーザーが利用を重ねるほどその利用履歴 に配慮し、学習するような利便性の高いサービスを提供する。 サービス・ブループリントを用いてサービスデザインを行い、 11 03 新しいサービス提案の火付け役となる カスタマージャーニー(顧客体験プロセス) を考慮する 私たちは、特定の機能のみに特化したアプリケーションや サービスにうんざりし始めています。 なぜならば、私たち はグーグル(Google)検索の情報集約、フェイスブック (Facebook)の人間関係集約、スポティファイ(Spotify) の音楽集約サービスと、その利便性に慣れ親しんできたか らです。そしてユーザーはこのような集約サービスと同じよ うな体験を、他のビジネスプラットフォームにおいても期待 するようになりました。 今年は一点集中型のサービス提供 から視野を広げ、顧客体験プロセス全体に着目した新たな サービスを提供する企業が増えてくるでしょう。これらの企 業は、思いもよらない分野や驚くべき方法で新しい価値を サービスの集約が始まる 提供していくでしょう。 12 現在の動向 業界をけん引する大手企業は、アプリケーションの利用中だけ 享受すること、及びそれらサービスを利用するのに必要な何種 でなく、その前後でユーザーが取っている行動を調査しサービ 類ものアプリケーションに不満を感じているためだと考えられ スを拡充しています。宿泊予約サービスのエアービーアンドビー ます。フランスの国営鉄道 SNCF は、このような不満を解消 (Airbnb)は、現地案内サービスや、ライフスタイル雑誌の するために出発/到着両地点に専用車で送迎するドア・ツー・ 発行なども行っています。これは、ユーザーが旅行において ドア・サービスを提供しています。 移動手段/宿泊先/レジャー手配と分割されたサービスとして 13 今後の展望 分断されたサービスを統合/集約し、わずらわしさを緩和する 約し、シンプルな財務情報レポートを提供するサービスです。 サービスが増えていくでしょう。例えば、イフト(IFTTT)は、 このような、複数のデータソースをまとめ、個人が情報として フェイスブック(Facebook)、 リンクトイン (LinkedIn)、エバー 利用しやすくするサービスも増えていくでしょう。また、プレ ノート(Evernote)などの複数のウェブサービスへのコマン ミアム EV メーカーのテスラ(Tesla)では、自社の保有する ドを集約し、他のウェブサービスへ結果を出力するアプリケー EV 特許を公開しましたし、トヨタ自動車も燃料電池車の特許 ションです。このような複数の操作をまとめるサービスが他に を公開しました。こういった、サービスやプロダクトの規格集 も生まれてくるでしょう。また、ティンク(Tink)はユーザー 約/標準化といった業界全体を活性化するような動きは、さら のために複数の銀行口座やクレジットカードの利用状況を集 に加速していくでしょう。 14 フィヨルドからの提案 まずは単一サービス領域の改善を目指しつつ、次にカスタマー • サービスの集約は、ひとつのサービスで他のすべてを取り込 ジャーニー上の他サービス領域でも顧客の期待に応えられるよ むワンストップ型サービスをつくることではない。つまり、複 うに、ビジネスの視野を拡げることが重要です。 数の関連サービスが共存共栄するエコシステム型サービスを • 顧客体験プロセスを俯瞰するカスタマージャーニーマップを 活用し、顧客体験の全体プロセスを描く。 その上で個々の 構築することで実現できる。そのための、 テクノロジーとデー タを活用したパートナーシップ構築を検討する。 サービスの改善点を導き出す。一見関係性のない個別体験 の最適化が、実は全体体験の最適化をもたらすこともある。 15 サービスとユーザーは意識的に接点を 分かち、スクリーンを超えて共存する 04 私たちのデジタルに対する関心の高さと、リアル世界を重 んじる必要性の対立が大きくなってきました。あるグローバ ル調査結果によると、「スクリーン依存症の自分が嫌だ」と 訴えるユーザーが増えているとのことです。フィヨルドが独 自に行った調査も、人々がスクリーン依存症から脱却する 必要性を指摘しており、上記結果を裏付けています。 デジタル・ダイエット 16 現在の動向 私たちは、常時オンライン環境にいることに負担を感じ、そ 芽生え、スマートフォンに触れない時間が長いほど、その木 のスイッチを切りたいと思っています。また、テクノロジー抜 が成長する仕組みになっています。他にもカーム(Calm)や きの生活を送りたいという願望から、アメリカではデジタルデ ヘッドスペース(Headspace)といったオンラインアプリケー トックス休暇のような旅行企画が登場し、新しい社会マナー ションでは、映像/音声を通じてオンラインでの瞑想へとユー までも生まれようとしています。フォーン・スタッキング(電 ザーを導きます。チェッキー(Checky)というアプリケーショ 話の積み重ね)は、食事中には携帯電話を一ヶ所に集め、応 ンは、1 日に何回スマートフォンを見たかを教えてくれます。 答してしまった参加者が全員分の食事代を払うというゲーム また、プライバシーへの配慮もデジタル・ダイエットの動きを です。また、シンガポールではスマートフォンの使用を控える 後押ししています。最近の調査では、幼少期からインターネッ ことを奨励するスマートフォンのアプリケーション(なんとも トに親しんできたデジタルネイティブ世代の最大の関心事が 皮肉な話ですが)が誕生しました。このアプリケーションで プライバシーであることがわかりました。 は、二人のユーザーがお互いのスマートフォンを重ねると木が 17 今後の展望 非デジタルの要素を取り込んだ、新しいデジタルサービスが生 は、情報漏えいを防ぐために、旧式の(電動)タイプライター まれてきます。 の導入を検討していると言われています。また、総合電機メー 例えば、あたかもノートを取るようにインターネット経由で情 報を記録できるエバーノート(Evernote)は、筆記具メー カーのモレスキン(Moleskin)と協働で紙のエバーノートを 作成しました。ノートに付帯するスマートステッカー(Smart カーのサムスン(Samsung)は、過当なオンライン価格競 争を避け、利益率向上を狙ったオフライン販売網の強化を検討 していると言われています。 フィヨルドは、これまでのデジタル文化が徐々に消えていくと Stickers)によって、紙のノートのデジタル索引付け、オンラ は考えていません。しかし、デジタル化に因って生まれた習慣 イン検索、他者との共有も可能になります。デジタル・ダイエッ やその代償が明らかになった今、デジタルの利用頻度や依存 トはさまざまな形で進んでいきます。ロシア政府とドイツ政府 度合に対しても注意していかなければいけないと考えます。 18 フィヨルドからの提案 スマートフォン・タブレット等のタッチスクリーンに触れながら 育った、世代がデジタルの流れを変えることになるでしょう。 企業は、この世代の特性を考慮しサービスを提供する必要が でてきます。この世代は、他者とのインタラクションがスクリー ンを通じて行われる事、そのインタラクションが彼らにとって魅 力的である事をはじめから期待しています。 • 振動や音声を用いてユーザーがスマートフォンを取り出して 視認しなくてもよいメッセージ伝搬方法を検討する。 • 注意が散漫になってから集中状態に戻るには 20 分もの時 間が必要と言われている。チームワークを伴う作業やクリエ イティブな作業の妨げとなるものは出来るだけ取り除ける、 業務環境の検討をする。 • プッシュアラート等を通じてメッセージを送信する際には、受 け取り手の感情に注意すること。メッセージの受けての感情 は変わりやすく、メッセージの必要性を感じることも、依存 性を感じることも、逆にうっとおしさを感じることもある。 19 05 人間と機械のインタラクションがより 自然になった今、デジタルの個性が 問われる時代へ これまで、人間と機械のインタラクションは「処理」させる 事に力点を置いていました。人間と機械の会話は定型的な 「コマンド」という形で成立し、人間同士の会話に見られる ような幅広い感情表現を伴うことはありませんでした。しか し、この状況が急速に変化しています。今日では、センサー 精度、演算処理能力の向上と合わせて、 グーグル(Google) のマテリアル・デザインのような人間と機械の対話を意識し たユーザーインターフェース指針も登場しています。これ らを背景に、企業は、幅広い感情表現を伴った人間と機械 のインタラクションと、フロントエンドとなるデジタルに個性 を求めるようになってきています。 感情あるインターフェース コマンドから会話へ 20 現在の動向 昨今、感情表現を伴ったヒューマン・インターフェースが続々 機械が人間をより深く理解し始めている一方で、人間同士の と登場しています。エモティエント(Emotient)は、リアル コミュニケーションにおいても新たな感情表現が取り入れられ タイムで人の顔を認識し、その表情/感情を読み取るソフト るようになってきました。例えば、ライン(LINE)はインスタ ウェアを発表しました。アルデバラン(Aldebaran)が開発し ントメッセージングサービスを提供しています。さまざまな感 たヒューマノイド・ロボット(人型ロボット)は、声帯分析と顔 情を表現したキャラクタースタンプを通じてコミュニケーション 認識によって人の感情を読み取ることができます。また、 スマー できることが人気となり、月別の利用者数(Monthly Active トカーディア(Smartcardia)は、感情や生体情報をインプッ User)は 1 億 7000 万人以上にもなります。また、アメリ トとして検知し、インターネット経由で家電等の対象物を操作 カのホワイトハウスが発表した報告書にも絵文字が多用される できるプロダクトを発表しました。その他としては、機械が人 ようになりました。感情や情景を伝搬する方法はイラストレー 間を模倣して人間をテストするチューリング・テストに、スーパー ションだけにとどまりません。スマートフォンで撮影した写真を コンピューターが合格しました。つまりは、機械が人をだまして、 簡単に共有できるインスタグラム(Instagram)は、最も成 人間であると思わせることにも成功したのです。 長速度が速いソーシャルアプリケーションとして位置づけられ ています。 21 今後の展望 近い将来、機械へのインプットに感情表現が利用されるように インターネットに接続された人工の唇を通じてリアルタイムで なるだけではなく、私たちと機械は感情的なつながりを築き上 相手にキスを送るアプリケーション、ロボティクス(Lovotics) げていくでしょう。昨年、コンピューターのオペレーティングシ のキス・メッセンジャーは、2015 年度中の販売が予定されて ステムに恋をする男を描いた映画「Her」(邦題: 「世界でひと います。最近ロボキンド(Robokind)が発売した人間そっくり つの彼女」)が公開されました。この映画が注目を浴びた理由 のヒューマノイド・ロボットは、自閉症患者の治療に使われてい のひとつは、そのリアリティにあります。人間と機械の親密な ます。また、世界初のファミリー向けロボットジボ(Jibo)や 関係は遠い SF の世界の話ではなく、近い将来現実になると感 人の感情を認識するロボット、ペッパー(Pepper)も 2015 じさせられるからでしょう。 年に一般向けに発売される予定です。このように、身振り、顔、 声の認識テクノロジーの発展に合わせて、さらに高度な人と機 械のインタラクションを可能にするサービス・プロダクトの登場 が予測されます。 22 フィヨルドからの提案 多くの新興テクノロジーの出現に際して、トレンドの方向性を • スタンプ/絵文字のようなビジュアル表現の社内活用を検討 把握し、より高度な人と機械のインタラクションの到来に備え し、感情表現の伝搬によるコミュニケーションの円滑化を促 る必要があります。 進する。 • 自社ブランドの個性を把握し、それをデジタルタッチポイント • ロボット導入について一考する。 例えば、バリューチェーン に組み込む。例えば、スタンプ/絵文字のような感情を伝搬 におけるロボットの導入は、労働力の代替だけにとどまらな できる表現をタッチポイントに組み込む。また、顔の表現や いインパクトを企業に与えるかもしれない。多くのロボットは ジェスチャー(身振り)をインプットとして人の感情を汲み取 音声制御機能を備えており、これまで「スクリーン」を経由 り、それに反応するユーザーインターフェースの導入も検討 して実施していた指示は不要となる。また顧客タッチポイン する。 トに配備されたロボットはブランディングに影響を与えるかも しれない。 23 06 リアル世界のサービスやプロダクトが、 データ主導型のデジタルにより変化する 私たちの世界は無数のセンサーやソフトウェアで埋めつ くされ、より幅広い物質のインタラクションが可能になり ました。こうした動きを支えているのは、デジタルとリア ルの世界を融合させた新興企業達です。2010 年には無 名であったモバイルアプリケーションから配車サービスを 可能にしたウーバー(Uber)は、2014 年にはデジタル とリアルの世界を融合させた象徴とうたわれるまでに成 長しました。こうしたデジタルの革命者達は、リアル世界 の対象物(例えば、カーシェアリングの車など)の利用方 法を、デジタルで変化させ、素早く普及させる仕組みを 見出しました。また、こうした新興デジタル企業が大きな 野望を持っていることも注目に値します。ノート作成サー ビスを提供するエバーノート(Evernote)の CEO(最高 デジタルの創造的破壊が リアルの世界へ 経営責任者)は、 「(エバーノートは)利用者の記憶のグロー バル・プラットフォーム」を目指すと述べています。これ らの企業は、既成概 念にとらわれず、ユーザーのあらゆ るニーズに応え、さらにはニーズを先読みしたサービスの 開発を始めています。 24 現在の動向 多くのリアル世界の対象物は、データ主導型のデジタルサービ ことができます。また、ウーバーの著しい成長を下支えしたの スから影響を受けています。テスラ S(Tesla S)に使われ は高性能なデータ主導型サービスモデルです。ウーバーは配 ているシャーシ、シート、タイヤと聞けば、「車」という物理的 車需要を予測し、ドライバーの供給を手配します。また、ウー な対象物が思い浮かびますが、従来の車に似ているのはそこ バーのデータサイエンティストは最終目的地を 75% の確率で までです。テスラの発電装置、駆動装置、サスペンション、室 正しく予想しました。さらに同社は、他の業界にも進出する構 内環境制御システムは、ドライバーからのインプットに反応し、 えです。インフルエンザの予防接種をオン・デマンドで提供し、 また、ネットワークを経由して自身のシステム情報を更新する 医療分野への進出を検討しています。 25 今後の展望 本年度もデジタルによるリアル世界への浸透は進んでいき ドローンの 商 品 配 達 利 用にも進 展があるかもしれませ ん。 ます。あるグローバル企業の CEO がこんな冗談を言っていま また、グーグルカードボード(Google Cardboard)は遊び心 した。「もしかしたら、産業用のプロダクトをつくる会社が、 のあるリアル世界へのデジタル浸透例です。これは、提供され 一夜明けたらソフトウェアとデータ分析の会社になっているかも た小型の段ボール箱にスマートフォンを入れて、画像を投影す しれない」。 企業は、センシングデバイスの更なる精度向上、 ることでバーチャル・リアリティを体験するものです。また、ウー 及び記録される物理的な行動データを糧として、より高度な生産 バーやエアービーアンドビーに続いて、モノを動かす新しい 性向上に取り組む事が予測されます。ある調査によると、2020 サービスの波が打ち寄せています。例えば、ザークス(Zirx) 年までに 500 億台のデバイスが実用的なデータを生み出すと は運転者に代わって駐車を引き受け、シャイプ(Shyp)は低 言われています。また、米連邦航空局(FAA)は、 ドローン(無人 料金で荷物の配送を請負うオン・デマンドサービスを提供して 飛行機)の商用利用を規制/合法化するための声明を発表し います。このように B2B、B2C の領域を問わずに、デジタル ました。これによってアマゾン(Amazon)等が計画している によるリアル世界への浸透は加速していく事が予想されます。 26 フィヨルドからの提案 もはや企業は、自社の資産が有形、大型、あるいは高価だか • 自社を取り巻く市場動向を把握/再定義し、他社に先駆け らという理由でデジタルの創造的な破壊とは無縁だと考えるこ たデジタルの活用を検討する。モバイルや店舗ビーコン等 とはできません。センシング精度が向上し大量のデータがあふ のさまざまなデバイスからのデータも収集/統合/分析し れる時代において、2 種類の企業が頭角を現すことになります。 自社での活用を検討する。 スマートデバイスで市場を先導する企業、そして測定した行動 情報を収集し、分析することで市場を先導する企業です。 • 自社のバリューチェーン、少なくとも顧客タッチポイントに対 して、高度なセンシングが与える影響を検討する。 27 07 決済とソーシャル・メッセージングサービス は、ショッピングのために融合する 今日のユーザーはモバイル機 器やソーシャル・プラット フォームの利用に抵抗を感じません。そのため、 ソーシャル・ メッセージングサービスが e コマースの決済機能を備え、 短く視覚的なメッセージングと素早いインタラクションを 好むユーザーの関心/購入機会を獲得してきました。個人 間の送金サービスを提供するベンモ(Venmo)は現金支 払いを脅かす存在となりました。ベンモのソーシャル・メッ セージング機能を使えば、テキストメッセージで送金依頼 をする事ができ、メッセージを受け取ったユーザーは、暗証 番号を入力するだけで支払いをすることができます。また、 写真/動画を用いたソーシャル・メッセージングサービス を提供するスナップチャット(Snapchat)は、モバイル決 済サービスのスクエア(Square)と連携して、アプリケー 金がものを言う ション /E メール経由で即時に送金できるサービスを開始 しました。このようにソーシャル・メッセージング機能と従 来の決済処理機能を重ねることで、お金を動かす手法が変 わりつつあります。企業は、ソーシャル・メッセージング等 の新興プラットフォームを活用し、旧来からのユーザーとの トランザクション/やりとりを見直す必要があります。 28 現在の動向 このトレンドはアメリカの シリコンバレー 発 祥 で は ありま ゲーム、ショッピング、バンキングプラットフォームとしても進 せん。中国の新興企業がトレンドをけん引しています。インス 化させました。 今では、5 億人ものユーザーが電子マネーの タントメッセージサービスのワッツアップ(WhatsApp)の競 送金やショッピングの決済にこのプラットフォームを利用してい 合であり、中国を本拠地に大成功を収めているウィーチャット ます。このような企業は、従来型のオフライン販売戦略とは一 (WeChat)は、ソーシャル・メッセージングの枠を超えたサー 線を画しています。自社のデジタルに慣れ親しんだ強固なユー ビスに取り組んでいます。設立 3 年目の同社は、モバイル機 ザープラットフォームを軸にして、新しいサービスを流し込むこ 器に特化したソーシャル・メッセージングプラットフォームを、 とでビジネスを拡大しているのです。 29 今後の展望 欧米では、ベンモなどのアプリケーションは、その利便性や 例えば、元来画像共有ソーシャルサービスであるインスタグ ユーザーインターフェースの美しさにおいて評価されています。 ラム(Instagram)を e コマースサイトとして利用する新興 しかし、こうしたアプリケーションが新興市場に進出すれば、 国ユーザーがいます。多くの小規模事業主は、同サービスを 異なるユーザーによって別の目的を与えられて成長していく 友達との画像共有に利用するのではなく、 プロモーションチャ 事が考えられます。 ネルとして広告配信(とくにモバイル)に利用しているのです。 今後も、すでにユーザーが定着した新興プラットフォームを 利用し、よりビジュアル性が高くモバイル重視のプロモーショ ンが展開されていく事でしょう。また、インスタグラムなど のすでに現地化されているサービスは、クーポン発行、発注、 支払いなどの新しい機能を付与され、販売チャネルのひとつ に再変換されていくかもしれません。 30 フィヨルドからの提案 中国、インド、インドネシアなどの新興市場から生まれる、モバ • 他の消費者向けサービスのメッセージングサービスへの組み イル重視のプラットフォーム、及びアイデアの数々を注視する 込み、さらには消費者向けサービス自体の変化と、それによ 必要があります。これらの新興デジタル市場では、確立された る自社組織への影響を一考する。また、ソーシャル・メッセー デジタル市場に影響を与えるような新しい参加者が続々と現れ ジングサービスに慣れ親しんだ世代が労働市場に参加した際 ています。こうした動向を注視し、自社ビジネスの舵取りをし の影響も講ずる。 なければなりません。 • 決済サービス等をメッセージングサービスに組み込む影響を •「タッチポイント・リフレーミング(タッチポイント再編成) 」 等のサービスデザイン手法を試す。既成概念にとらわれず、 再考する。例えば、プラットフォームユーザー同士で価格交 異なるタッチポイントでサービスを提供できないかを検討 渉が可能になる等、今後も決済サービスは発展していくこと し、新しい考えを生み出す。 が考えられる。 31 08 スマートフォンからビーコンに至るまで、 周辺機器とのインタラクションは拡大 しつつ、標準化に向かっている これまでモバイル機器の専門家たちは、携帯電話に「スイ ス・アーミーナイフ」のような多彩な機能を持たせるべきか、 あるいは通話やメッセージングに特化したツールとすべきか を議論してきました。 しかし、 この議論はアイフォン (iPhone) が登場した 2007 年に消え去りました。それ以降、モバイ ル機器は「生活のリモコン」のように位置づけられています。 昨今、市場に参加してきたメガネ型、時計型、カメラ型等 の新しいデバイスは、スマートフォンを経由してネットワーク 接続、データ表示、ソフトウェアの更新等を行います。この 流れはスマートフォンをこれらのペリフェラル(末端)デバ イスの中核へと位置づけました。しかし、これからは個々の ペリフェラルデバイスがスマートフォンを経由せずとも、直 さりげなく 接的に接続されるようになるかもしれません。 オンラインでつながる インタラクション 32 現在の動向 スマートデバイスに旧来の機能を組み込んだ、ニアラブルス というアプリケーション開発者用のソフトウェアフレームワー (Nearables)を随所で目にするようになりました。例えば、 クがあります。この規格が拡がりをみせれば、スマートフォン スターウッド・ホテル・アンド・リゾート(Starwood Hotels 等のデバイスと家電機器の連携が標準化され、異なるメーカー and Resorts)が導入した仮想キーは、スマートフォン経由で の機器、デバイスを標準的なコマンドで動作させる事が可能に ドアの鍵を開けることを可能にしました。ボルボ(Volvo)はス なるかもしれません。他方で、 身に着けて持ち運びが可能なウェ マートフォン経由でドアの施錠/開錠、及びエンジンスタート アラブルデバイスも普及を見せています。計測精度、バッテリ寿 等の一部の車載機能の制御を可能とするテクノロジーを開発し 命等の問題はありますが、医療、健康、フィットネス分野で売 ました。しかし、このようなテクノロジーの利用にはアプリケー り上げを伸ばしています。このようなデバイスが今後も発展/ ションの事前設定や操作が必要であり、従来型のカードキー 成長し続けるかどうか、つまりモバイル、ニアラブル、ウェアラ と比べて、本質的なユーザー体験の向上は実現されていない ブルデバイスがエコシステムを構築し、共存/共生していける かもしれません。アップルが発表したホームキット(HomeKit) かどうかに注目したいところです。 33 今後の展望 ABI リサーチ社の予測によると、2020 年までに少なくとも トの流れを加速していくことも考えられます。スマートフォン 300 億台のデバイスが「モノのインターネット(Internet of とウェアラブルデバイスは私たちが意識せずとも、より多くの Things)」に接続されるようになります。今後もさまざまなデ センサーからインプットを取得し、クラウドサービスに情報を送 バイスの登場が予見されますが、時計型、メガネ型等のデバ 信し、クラウド上でデータを処理したうえでサービスを提供す イスが頭打ちとなれば、ヒアラブルデバイスが市民権を得るか るようになるでしょう。フィヨルドはエネルギー供給企業と協働 もしれません。耳に直接装着するヒアラブルデバイスは、音声 で、電気利用を監視するシステムの開発に取り組んでいます。 認識や生体認証テクノロジーを用いて、より正確な動作の計測 このシステムはユーザーの電気利用パターンを学習し、ユー と監視を可能にします。また、新興国起点のオープンソース・ ザーの利用動向に合わせて利用改善を促すメッセージをスマー ツールを活用した新しいオンライン接続ソリューションも生み トフォンへ発信します。このような、オンラインを通じたデバ 出されるでしょう。オープンツールを持つ企業がエコシステム イス間インタラクションは、今後も加速していくでしょう。 に参加している企業の相互交流役を務め、モノのインターネッ 34 フィヨルドからの提案 制御と自動化は、エンドユーザーが抱える問題を解決して初め • ユーザーメリットを一義とし、思うがままにサービスが接 て意味を成します。 そのためにも独自プロトコルの枠を飛び 続できるプロトコルを検討する。もしくはオープンリモート 越え、オープンプロトコルに対応できる柔軟さが求められてい (OpenRemote) や IFTTT(If This Then That) と 統 ます。ウェアラブルデバイスにおいては、技術的な側面を隠し、 合するなど、オープン・スタンダード利用によるサービス拡 ユーザーが意識しない自然なインタラクションをデザインする 充を検討する。また、すでに標準化されているエコシステム ことが鍵となります。 が存在する場合、それに便乗する事も検討する。 • ユーザーが意識せずとも、さりげないインタラクションが可 能な機能/インターフェースをデザインする。デバイス固有 のセンシング機能、外部通信機能、そしてクラウド上のデー タ処理機能を一体化させたサービスの提供を検討する。 35 09 顧客が欲するもの、顧客の行動を予兆し、 先んじるサービスが増えている IWWIWWIWI(I Want What I Want When I Want It、 私は私が欲しいものを私が欲しい時に欲しい)というユー ザー心理に応えるサービスが見られるようになりました。例 えば、オン・デマンド動画配信サービスのネットフリックス (Netflix)は、ビンジ・ウオッチ(binge watching)サー ビスを開始しユーザーの支持を集めています。このサービ スは連続テレビドラマを、自分の好きな時に好きなだけ鑑 賞したいというユーザーの声に応え、ユーザーの人気が高 いドラマを「まとめ鑑賞」する事を可能にしました。また、 ネットフリックスはユーザーの鑑賞履歴をもとに、次の鑑賞 第六感 候補となるドラマを正確に予測提案する事で利用を拡大し ています。このようなユーザーニーズ予測型のサービスは、 今後も拡がりを見せるでしょう。 36 現在の動向 IWWIWWIWI 世代のユーザーニーズに応えるためには、ユー います。スクエア・オーダー(Square Order)は、ユーザーの ザー要求に瞬時よりも速く対応すること、つまり、的確な予 購入履歴と位置情報に基づき、軽食を予測手配/事前決済 測を持って予め準備することで、その要求を満たしていくこと してくれます。また、家事代行やマンサーバント(男性執事) が求められています。 手配サービスに至るまで、さまざまな企業が予測をもとにし アマゾン(Amazon)は、予測出荷(anticipatory shipping) たサービスモデルを採用しています。 サービスの導入を検討しています。予測出荷サービスとは、 アマ このようなサービスを下支えしているのは、スマートフォンに ゾンの購入履歴等のデータを活用して、配送先住所が確定す 代表されるモバイル機器の普及です。ユーザーが場所を問わ る前に「最終目的地域」に商品を配送しておくサービスです。 ずにサービスの手配を可能としただけではなく、従業員がモ これにより配送納期の短縮が見込めます。実はこのトレンドの バイルアプリケ―ションを駆使して仕事の計画、業務の引き 立役者はウーバーです。前述のとおり、 ウーバーは大規模なデー 受け、行き先地図の表示などに利用できるようになりました。 タ処理を基に、配車需供バランスを予測し、配車希望に対し これによって、予測に必要なデータの収集と迅速なサービス てドライバーが足りない場合には、予めドライバーの乗務要請 の提供が可能となりました。 を実施します。このトレンドは、他の業界にも急速に波及して 37 今後の展望 このトレンドに乗じた、新しい予測型サービスの誕生が見込ま ルアプリケーションにリアルタイム予定表や到着情報を追加し、 れます。オンラインとオフラインの境界が不明瞭になっている オン・デマンドサービスの提供が可能となるツールを販売して 今、ユーザーはオン/オフラインを問わない確実性とパーソナ います。このようなツールを地元の知恵と合わせることで、更 ライズド(個人向け)サービス体験を求めています。企業は、 なるパーソナライズドサービスの提供が可能となるでしょう。 遍在するデータを収集/活用することで、これまでにないパー 例えば、ユーザーの立地を良く知る庭師に即座に仕事を依頼 ソナライズドサービス体験の提供が可能となるでしょう。新興 するといったサービスが可能となるでしょう。 企業のディスパッチ(Dispatch)は、企業のサイトやモバイ 38 フィヨルドからの提案 予測型サービスの提供には、インプットとなるデータが不可欠 • 根拠に乏しい推測や断片的なデータ分析を基にサービス です。これから生まれてくるデータソースやそのデータの利用 提供を図るのをやめる。 代わりに、大量のデータを収集し、 方法を許容する、柔軟なデータ活用案が必要となります。あわ 多角的な視点で分析し、明確なパターンを識別できるデー せて、データ利用に関する倫理的規範を明確にする必要も タサイエンティスト、及びシステムの導入を検討する。 あるでしょう。 • 先端的なクリエイティブツール、例えば、ロールプレイ(Role Play) 、 ジャーニーマッピング (Journey Mapping) 、サービス • 個人データを保有しているが活用できていない組織(とくに 医療関係機関や銀行など)は、新興デジタル企業の参入に 備え、データを活用した新しい価値の創造について検討する。 ブループリンティング (Service Blue Printing) 等を活用し、 オン・デマンドサービス(あるいは予測型サービス)提供の 可能性を検討する。 39 参考文献 オムニ・コリーグ(同僚) アマゾンカスタマーサポート「Mayday: Fire タブレットでカスタマーサポートを 受ける」Amazon.co.jp (2015 年 2 月 5 日 )、 http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display. html?nodeId=201540070 現代ビジネス、 「シェアリング・エコノミーとは?」、講談社 (2015 年 2 月 21 日 ) http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1493 スティーブ・デント、「ウーバー、リフトなど、アプリを使ったカーサービスに ついて知っておくべきこと」、Engadget(2014 年 6 月 27 日)、 http://www.engadget.com/2014/06/27/uber-lyft-explainer/ レオン・スペンサー、「テスラがデジタル第一路線で抜本策を実施」、ZDNet (2014 年 9 月 12 日)、 http://www.zdnet.com/article/telstra-takes-major-step-on-digitalfirst-path/ マックス・チャフキン、「ワービー・パーカーが郊外へ、ナッシュビルで第 2 本社 を開設」、Fast Company(2014 年 9 月 3 日)、 http://www.fastcompany.com/3035163/most-innovativecompanies/warby-parker-goes-country-opens-second-corporateoffice-in-nashvil ギャップに注意 パトリック・アラン、「あなたが知らないスポティファイのヒントとコツ」、 Lifehacker(2014 年 6 月 23 日)、 http://lifehacker.com/the-best-spotify-tips-and-tricks-you-reprobably-not-us-1594729019 サラ・バトラー、「小売各社、クリスマス商戦に向けクリック・アンド・コレクト・ 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詳細は、www.fjordnet.com をご覧ください。 アクセンチュアは、経営コンサルティング、テクノロジー・サービス、 アウトソーシング・サービスを提供するグローバル企業です。約 31 万 9,000 人の社員を擁し、世界 120 カ国以上のお客様にサービスを提 供しています。豊富な経験、あらゆる業界や業務に対応できる能力、 世界で最も成功を収めている企業に関する広範囲に及ぶリサーチなど の強みを活かし、民間企業や官公庁のお客様がより高いビジネス・パ フォーマンスを達成できるよう、その実現に向けてお客様とともに取り 組んでいます。2014 年 8 月 31 日を期末とする 2014 年会計年 度の売上高は、300 億 USドルでした(2001 年 7 月 19 日 NYSE 上場、略号:ACN) 。 アクセンチュア・デジタルについて アクセンチュア・デジタルは、アクセンチュア・アナリティクス、アクセ ンチュア・インタラクティブ、アクセンチュア・モビリティからなり、デ ジタル・マーケティング、モビリティ、及び情報分析の全分野に関し、 ビジネスとテクノロジーの両面で包括的なサービスを提供します。その サービスは、デジタル戦略の構築からデジタル技術の導入、さらには デジタルプロセスの実行に至るまで、多岐にわたります。アクセンチュア・ デジタルは、オンライン及びモバイル機器の有効活用、アナリティクス によるデータからの洞察の抽出、エンドカスタマーの体験やインタラク ションの充実などを通じ、お客様がバーチャルな世界から目に見える成 果を生み出し、事業を拡大することを支援しています。アクセンチュア・ デジタルの詳細は、www.accenture.com/jp/digital をご覧ください。 アクセンチュアの詳細は www.accenture.com を、 アクセンチュア株式会社の詳細は www.accenture.com/jp を ご覧ください。 Copyright © 2015 Accenture All rights reserved. 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