様式の作成事例集 - 国土交通省 中国地方整備局

「災害時における中国地方地域建設業の事業継続計画」
作成解説書(案)
第4版
様式の作成事例集
平成27年3月
国土交通省
中国地方整備局
1
様式
指摘内容
対応
・様式B−1−1 自社の地域で懸念されている災害の一覧整理
事業継続計画は、自社関連施設・社員・自社周辺施設(道路、鉄道等)が
被害を受け、人・資材等が制約を受ける条件下を想定して、重要業務を目標
時間内に開始するための計画である。災害規模が小さいと被害を受けないの
で対象外力としてふさわしくない。公表される震度に対し「プラス 0.5 もし
くはプラス1」する等ランクアップして設定することが必要である。
・自社が被害を受けるように、震度分布をランクアップする。
・ランクアップした経緯を様式B−1−1に記載する。
○○断層帯地震は地震の規模が小さく、自社関連施設及び周辺施設にほとんど被害が及ばない
(対応拠点において震度 5 弱)。対象災害は、自社関連施設・社員・自社周辺施設(道路、鉄道
等)が被害を受けるように設定する必要がある。
○○対応拠点
○○代替対応拠点
震度分布のランクアップの例
震度 5 弱では自社がほとんど被害を受けないので、自社関連施設及び周辺施設が被害を受け
るように、震度をランクアップして設定する必要がある。
例:既往の震度分布図に「震度+1」して設定する。震度5弱+1⇒震度6弱
リスクの種類
説明
(対応拠点での被害規
模)
懸念される本社・支
店、現場事務所等
懸念される
被害の種類
被害の概要
及び程度
対応の 事業継続の対象
優先順位
とする災害
地震A
○○断層帯地震
(震度5弱)
屋内散乱
・国道○号通行止
め
・電車停止
別紙震度分布図参
照
1
地震B
○○断層帯地震
(震度4強)
被害無し
・被害無し
別紙震度分布図参照
2
高潮
高潮発生
(水深0m∼0.5m)
本社1階床上浸水
・国道○号通行止め 別紙高潮ハザード
・床上浸水発生
マップ参照
3
大規模水害
○○水系○○川で破堤に
よる洪水はん濫発生
本社1階床上浸水
(水深0m∼0.5m)
・国道○号通行止め 別紙洪水ハザード
・床上浸水発生
マップ参照
5
●
<記載例①>
BCPの対象とす
上記の内、事業継続計画の対象とする災害は「地震A」とする。
る災害の設定
【理由】自社関連施設の受ける被害が大きい。地震の発生は予測が難しく、これに対応できれば他の災害にも対応可能となるため。
ランクアップした経緯を記載する必要がある。
例:上記の内、事業継続計画の対象とする災害は「地震 A」を基本とし、自社が被害を受ける規模にする
ために、公表される震度分布に対して一律「震度+1」して与えた。
1
様式
指摘内容
対応
・B−1−1補足資料1 自社関連施設の位置図
自社関連施設をハザードマップや震度分布図(ゆれやすさマップ含む)など
にプロットせずに一般的な地図上にプロットしている。これでは、自社関連施設
に及ぶ被害を想定することができない。
ハザードマップや震度分布図(ゆれやすさマップ含む)などに、自社関連施
設をプロットする。
○○対応拠点
○○代替対応拠点
ハザードマップや震度分布図(ゆれやすさマップ含む)などに自社関連施設
をプロットしていない。一般的な地図上にプロットしている。これでは、自社
関連施設に及ぶ被害を想定することができない。
震度分布図(ゆれやすさマップ含む)やハザードマップなど
に、自社関連施設をプロットする必要がある。
2
様式
・B−1−1補足資料1 自社関連施設の位置図
・B−1−1 自社の地域で懸念されている災害の一覧整理
・D−1−2代替対応拠点の概要
代替対応拠点は対応拠点と同じかそれ以上に倒壊するリスクを抱えてい
る。両方とも使用不可となり、事業継続できない事態に陥る危険性がある。
代替拠点の選定理由は、「対応拠点に近い」や「設備が揃う」などの理由の
外に、対応拠点が損傷を受けて使用不可になった時、対応拠点よりも使用可能
である理由を記載する(例:震性に優れる。外力が小さい等)
指摘内容
対応
○○対応拠点
●
○○代替対応拠点
●
対応拠点よりも代替拠点の震度が大きい。
※背景図:震度分布図(五日市断層による地震) 出典:広島市HP
www.city.hiroshima.lg.jp
様式B−1−1 補足資料1 自社関連施設の位置図
様式B−1−1 自社の地域で懸念されている災害の一覧整理
外力
(震度、水深等)
リスクの種類
対象施設
地震 A
(五日市断層
帯
地震)
○○対応拠点
(本社ビル)
○○代替対応拠点
・・・
被害想定
懸念される
被害の種類
震度6弱
倒壊
使用不可
震度6強
屋内の散乱
使用可
・・・
・・・
・・・
備考
・・・
対応拠点よりも代替対応拠点の震度が大きいが、使用可になっている。
様式D−1−2 代替対応拠点の概要(作成例)
平時
代替対応拠点(代替連絡拠点)○○○
所在地
○○
電話番号、FAX
TEL:○○ FAX:○○
緊急時
担当者
代替対応拠点の選定理由
社長:○○
・対応拠点から離れた位置に所在し、被害が軽微となるため。
・交通の便が良く、社員の参集に有利なため。また、設備も揃うため。
代替対応拠点の選定理由は、対応拠点よりも震度が小さいことや耐震性に優れる等、対
応拠点よりもリスクが小さいことを記載する必要がある。
3
様式
指摘内容
対応
・B−1−3 ライフラインの被害想定図
ライフラインの停止期間の資料として「中小企業BCP策定運用指針」を添
付している。この数値をどのように解釈して停止期間を設定したのか不明であ
る。
ライフライン停止期間の根拠資料を添付し、算出経緯を記載する。
様式B−1−3 ライフラインの被害想定
リスクの種類:出雲市沖震度 6 強の地震
ライフライン
対応拠点
電力
電話
上水道
ガス
停止期間
2日
1日
7日
30 日
出典・設定根拠
中小企業BCP策定運用指針
中小企業BCP策定運用指針
中小企業BCP策定運用指針
中小企業BCP策定運用指針
「中小企業BCP策定運用指針」のライフライン復旧日数をどの
ように解釈して、被害想定を行っているのか不明である。
ライフライン停止期間の根拠資
料は、対象災害に対応する被害想
定資料を添付する。ただし、被害
想定資料が存在しない場合、大規
模な災害時における被害想定資
料で代替しても良い。
根拠資料の添付と算出経緯の
記載が必要。
電気:添付資料の 2 日を適用。
電話:既往の洪水時の実績よ
り、1日を想定。
水道:既往の洪水時の実績よ
り、7 日を想定。
ガス:添付資料の 30 日を適用。
※中小企業BCP策定運用指針∼緊急事態を生き抜くために∼P8-50∼51 抜粋
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/bcpgl_download.html#pdf
4
様式
・B−3−1 補足資料 重要業務の目標時間の検討表
・C−1−1 安否確認方法一覧表
安否確認の担当者(2 人)が目標時間 2 時間以内に参加できていない。
安否確認の担当者は、目標時間 2 時間以内に参集できる人を任命する。不足
の事態により参集できないことを想定して、3 人任命する。
指摘内容
対応
様式B−3−1補足資料 重要業務の目標時間の検討表
●目標時間算出根拠(安否確認、重要取引先との連絡と調整)
<災害対策本部に直接参集する人員>
参集人員
表中の数値の単位は人数
班
発災∼1時間
1時間∼2時間
2時間∼3時間
3時間∼6時間
6時間∼12時間
12時間∼1日
総務班
0
3
0
1
2
4
対外班
0
0
0
2
2
4
支援班
0
0
0
2
4
5
合計
0
3
0
5
8
13
累加
0
3
安否確認2人
安否確認担当者
C係長、D社員
3
16
29
重要業務の実施に必要
な人数・要員
8
重要取引先との
連絡と調整6人
F課長、G課長
安否確認
目標時間 2時間
C係長、D社員、E社員
重要取引先との連絡と調整
6時間
F課長、G課長、H課長
2 時間以内に、3 人参集できているが、安否確認の担当者は1名しか参集で
きていない。安否確認を実施するためには安否確認の担当者が 2 名必要で
あるが、これでは安否確認を実施することが開始することができない。
●参集時間の集計表
役職
氏名
災害時の役割
A係長
B係長
C係長
D社員
E社員
F課長
G課長
H課長
I社員
J係長
K係長
・・・
○○ ○○
○○ ○○
○○ ○○
○○ ○○
○○ ○○
○○ ○○
○○ ○○
○○ ○○
○○ ○○
○○ ○○
○○ ○○
・・・
建物の点検
建物の点検
安否確認担当者
安否確認担当者
安否確認担当者
重要取引先との連絡と調整
重要取引先との連絡と調整
重要取引先との連絡と調整
・・・
住所
岡山県倉敷市○○1-18
岡山県倉敷市○○○-○
岡山県倉敷市○○○-○
岡山県倉敷市○○○-○
岡山県倉敷市○○○-○
岡山県倉敷市○○○-○
岡山県倉敷市○○○-○
岡山県倉敷市○○○-○
岡山県倉敷市○○○-○
岡山県倉敷市○○○-○
岡山県倉敷市○○○-○
・・・
所属班
業務班
業務班
総務班
総務班
総務班
対外班
総務班
支援班
対外班
支援班
業務班
・・・
自宅⇒本社・支社への参集
距離
移動時間
参集場所
(km) (時間)
自宅
本社
2.9
1.0
自宅
本社
4.1
1.4
自宅
本社
6.0
2.0
自宅
本社
8.0
2.7
自宅
本社
10.0
3.3
自宅
本社
14.0
4.7
自宅
本社
16.0
5.3
自宅
本社
16.5
5.5
自宅
本社
17.0
5.7
自宅
本社
17.5
5.8
自宅
本社
17.8
5.9
・・・
・・・
・・・
・・・
出発地
安否確認の担当者が 2 時間以内に1名しか参集できていな
い。2時間以内に参集できる人を任命する必要がある。
様式C−1−1 安否確認方法一覧表
安否確認の責任者
安否確認の担当体制
(確認順位)
責任者:○○
代理者:○○
担当者:C係長、D社員、E社員
安否確認の担当者が 2 時間以内に 1 名しか参集できていな
い。2 時間以内に参集できる人を任命する必要がある。
5
様式
指摘内容
対応
様式
指摘内容
対応
・C−1−1 安否確認方法一覧表
安否確認の具体的な記載が無い(「誰が」、「誰に」、「どこで」等が明確
でない)
安否確認方法・手順の具体的な記載内容として、「誰が」、「誰に」、「ど
こで」等を明確に記載する。
・C−1−1 安否確認方法一覧表
連絡がとれない社員に対する安否確認の具体的な記載が無い。
連絡がとれない社員の安否確認について、災害時に速やかに行動できるよう
に、地域別にグループ化を行い、来社した社員に実地確認の指示を出す等の具
体的な方法・手順を記載する。
安否確認の方法・手順について、「誰が」、「誰に」、「どこで」等が明確でない。
具体的な方法・手順を記載する必要がある。
【例】
① 安否確認の担当者が対応拠点(もしくは代替対応拠点)に参集する。
② 最初に対応拠点に参集した安否確認の担当者が、全社員に安否確認のメールを一斉
送信する。
③ 社員は、自身と家族等の安否を確認し、安否確認の担当者に返信する。
④ メール返信の無い社員に対して、連絡体制表に従って、安否確認の担当者が、様々
な通信手段を利用して安否を確認する。
※ 安否確認システムの概要を記載しているのみで、「誰が」、「誰に」、「どこで」
等が明確でない事例も見られる。具体的な方法・手順を記載する必要がある。
様式C−1−1 安否確認方法一覧表
安否確認の責任者
責任者:○○
代理者:○○
安否確認の担当体制
担当者:○○、○○、○○(複数名記述)
安否確認の実施場所
本社:○○部(○階)
代替実施場所:○○
安否確認の方法・手順
携帯電話、固定電話で連絡をとる。
安否確認の発動条件
①○○県○○地域で震度6強の地震が発生した場合
②災害対策本部長または事務局長が安否確認を必要と判断した場合。
連絡が取れない場合の対応 実地確認をする。
「実地確認をする」のみの記載では、災害時に迅速な行動が
できない。地域別にグループ化を行い、来社した社員に実地
確認の指示を出す等の具体的な方法・手順が必要である。
6
様式
指摘内容
対応
・C−2−1 対応体制・対応拠点の概要
BCP の発動基準が、上司(災害対策本部長等)の判断のみになることは望
ましくない。大規模な災害時は上司から社員への連絡が困難であることが想定
されるので、自動参集による発動基準を入れるべきである。
BCP の発動基準は、上司(災害対策本部長等)の判断が入る発動基準に加
えて、自動参集による発動基準も記載する。
BCP の発動基準が、上司(災害対策本部長等)の判断のみになるこ
とは望ましくない。自動参集による発動基準も記載する必要がある。
7
様式
・C−2−1 対応体制・対応拠点の概要
・D−1−2 代替対応拠点の概要(作成例)
ライフラインの停止期間に対し、その対策が具体的に記載されていない。
ライフラインの停止期間に対し、その対策を具体的に記載する。具体的な記
載として、発電機の調達方法、備蓄燃料の有無、備蓄燃料による稼働時間、燃
料が無くなった時の対応を記載する。
指摘内容
対応
項目
内容
1.代替対応拠点名
2.場所(住所)
当社○○
〒○○ ○○○
固定電話:○○−○○○○
FAX:○○−○○○○
3.連絡先
PC メール:○○@○○
携帯電話:○○−○○−○○
携帯メール:○○@○○
○○社長・○○専務・○○部長・総務部員
4.代替対応拠点への直接の
責任者:○○社長
緊急参集者及び代表者
代理責任者:○○専務
5.代替対応拠点設置の判断 判断基準∼本社が被災して使用不能の場合。
基準
選定理由∼関連企業で、代替設備として稼動性に富む。耐震性に優れる。
6.代替対応拠点及びその近 固定電話:2 回線、FAX:1 台、ホワイトボード:1 台、パソコン 4 台、プリンター1
くに備える設備
台、コピー機 1 台、発電機と燃料
7.代替対応拠点への移動手
本社から徒歩で移動
段
発電機の調達方法、備蓄燃料の量、備蓄燃料による稼働時間、
燃料が無くなった時の対応が記載されていない。
項目
1.代替対応拠点名
2.場所(住所)
3.選定理由
様式D−1−2 代替対応拠点の概要
内容
本社隣のガレージ
〒○○ ○○○
本社施設より耐震性に優れる為
○○に位置し、社員の参集や設備の確保、情報の収集に有利な為
○○
4.連絡先
5.代替対応拠点への直接の
様式C−2−2のとおり
緊急参集者及び代表者
6.代替対応拠点設置の判断
本社ビルが使用不能な場合。
基準
7.代替対応拠点のライフラ
様式B−1−3よりライフライン(電気)の停止期間 最大1日
イン
8.代替対応拠点及びその近 ・停電時は既設の発電機を使用(2.0KVA)
くに備える設備
・既設の発電機を稼動する燃料を備蓄している。12 時間稼動。
燃料の備蓄量、燃料が無くなった時の対応を記載する必要がある。
例:燃料の備蓄量:軽油○L、燃料が無くなったときは○○石油もしくは△△
商事より調達する。
8
様式
・様式D−1−1 拠点候補リスト
・様式D−1−2 代替対応拠点の概要
全ての代替対応拠点に対して、様式 D-1-2 が作成されていない。
様式 D-1-2 は、全ての代替対応拠点について検討し作成する。
指摘内容
対応
様式D−1−1 拠点候補リスト
優先順位
拠点施設
電話番号
FAX番号
1
本社ビル 3 階総務部
○○−○○○○
○○−○○○○
2
○○営業所
○○−○○○○
○○−○○○○
3
○○建設事務所
○○−○○○○
○○−○○○○
携帯電話
担当者:○○
○○−○○−○○
担当者:○○
○○−○○−○○
担当者:○○
○○−○○−○○
代替拠点「○○営業所」しか様式 D-1-2 を作成していない。「○○
建設事務所」についても検討し、様式 D-1-2 を作成する必要がある。
様式D−1−2 代替対応拠点の概要
項目
1.代替対応拠点名
内容
8.代替対応拠点及びその近く
に備える設備
当社○○営業所
○○営業所
住所 〒○○ ○○○
・対応拠点よりも震度が小さいため。
・対応拠点に遠いが、設備の確保や一部社員の参集に有利なため。
固定電話:○○−○○○○
FAX:○○−○○○○
電子メール:○○@○○
携帯電話:○○−○○−○○
○○○、○○○○、○○○○ 全○名
責任者(所属、氏名):営業所長 ○○○○
代理責任者(所属、氏名):営業部 ○○○○
・発動基準と同じ。
・本社の対応拠点が被災して使用不能の恐れがある場合。
【ライフライン(電気)の停止期間】24時間(様式 B-1-3 より)
<電気の確保方法>
・発動・発電機 2.0KVA 設置済み
・燃料の備蓄は無し。
・発動・発電機の燃料調達(燃料調達先の連絡先は様式 F-2-1)
固定電話 2 回線、FAX1 台、ホワイトボード 1 台、パソコン 2 台、プリンター1
台、コピー機 1 台、テレビ 1 台、ラジオ 1 台、軽トラック 2 台
9.代替対応拠点への移動手段
自宅から徒歩で移動
2.場所(住所)
3.選定理由
4.連絡先
5.代替対応拠点への直接の緊
急参集者及び代表者
6.代替対応拠点設置の判断基
準
7.代替対応拠点の電源設備
9