3.社会情勢の変化から配慮すべきこと

3.社会情勢の変化から配慮すべきこと
本計画を検討するにあたり、社会情勢の変化から配慮すべきことを以下に示す。
①観光・レクリエーション行動の変化
社会の成熟化が進み、物見遊山的な観光行動から、参加・体験型や学習型、地域の魅力再発
見型など、観光・レクリエーション行動が多様化している。観光等の大きな動機となる「食」
についても、地元産や産地直送など量より質を求める傾向が強まっている。
②地場産業への注目の高まり
経済のグローバル化の進展とともに、地域固有の資源や、地場産業の魅力や可能性が見直さ
れている。農業など第 1 次産業の高度化・多様化、いわゆる「6 次産業化」に注目が集まって
おり、各地で新たな付加価値の創造に向けた挑戦が続いている。
6 次産業化の考え方
加東の特産品の例
(農林水産省資料)
(市資料)
③コンパクトなまちづくりへの要請
本市は、農村から成長してきたまちであり、居住地が市域に広く分散する構造になっている。
将来的な人口減少を見据えて、生活利便機能や居住域がコンパクトにまとまった都市構造への
転換が全国的に求められており、まちの中心部機能の充実や活性化の重要性が高まっている。
「小さな拠点」の考え方
集落など居住地が広く分布する地域において、
「小
さな拠点」として生活機能を集約し、バス交通な
どで各集落とをつなぐことで、住民の暮らしの安
心を確保する考え方(国土交通省資料)
7
④公共交通の重要性の高まり
高齢化が進み、自力で車を運転できない高齢者が増える中、また、車の免許を持たない若年
層が増えるなど、買い物や通院だけでなく、就労支援のためにも公共交通の重要性は今後ます
ます高まっていくと考えられる。ライフスタイルの変化や地域の事情に応じた公共交通体系を
構築していくことが必要である。
公共交通を維持するためには利用促進が重要であること、また公共交通の充実は商業環境ひ
いては市街地の魅力を高める効果が見込まれることから、商業施設や飲食店等との連携により、
一定額以上の買物に対する交通費負担、買物ポイントの付与、パークアンドバスライドなどの
施策を組み合わせ、持続可能な公共交通としていくことが望ましい。
運転免許証保有者数の推移(全国)
(万人)
10 代(16 歳以上)から 30 代までの比較的若
い世代では、運転免許証保有者が減少してい
る。逆に、60 代以上の世代では、増加の傾
向にある。
警察庁「運転免許統計」
⑤ニーズの多様化と変化の早い時代状況における事業実施のプロセスコントロール
量的充足から質的向上へとニーズが変化し、人々の価値観も多様化している。また、人口減
少局面を迎え、経済情勢の先行きが見通しにくい時代においては、従来のように概ね 25 年とい
った将来に向けた計画に固定化するのではなく、将来を見通しつつも状況変化に対応しながら、
事業関係者の相互連携により、全体の調和と魅力づくりを図ることによって、事業を推進する
ことが望ましい。
この考え方に基づく方法として、社会実験や暫定的な利用等を試み、効果を検証しながら、
より望ましい方法を探索する手順管理(プロセス・コントロール)の事例がある。
社会実験により効果の検証や手法の検討を行っている事例
銀座通り歩行者優先道路化社会実験(山口県周南市)
平成 23 年から、メインストリート空間の使い方につい
て検討を開始。毎年段階的に空間を活用したイベント
等を実施し検討を重ねている。
8
中心市街地賑わい再生社会実験(愛媛県松山市)
平成 26 年から中心市街地周辺で、多様な主体が様々な
活動を展開しながら、より効果的な中心市街地の再生
のための効果的・持続的な仕組みを検証している。
⑥子育て層へのアピール
全国的に少子化が進んでおり、本市においても同様の傾向にある。子育て世帯が加東で幸せ
に暮らせるように、親子が集い交流できる場所や学び・体験の場など、子育て層のライフスタ
イル充実のための場や機会が求められている。
加東市での子育て層・ファミリー向け取組の例
社児童館やしろこどものいえ
親子で楽しめる様々なイベント
子どもや子育て層向けの取組が多数展開され、連日子どもや親子でに
ぎわっている
子育て中の親や子どもが交流できる、重要な場として機能している
関係機関と連携し、子育て・ファミ
リー層を中心に体験、交流の機会を
つくりだしている
(市資料)
9