2.地域の現状 (1)上位関連計画での位置づけ 以下の各種計画等において、対象地域は、「新道の駅構想、近隣商業施設との連携強化」「交通 利便施設の整備を検討」等として方向づけられている。 上位・関連計画 位置づけ、関連する記述等 ■魅力ある資源を活かした誇りのもてるまち ○地域産業の活性化 ・地域経済活性化基本計画に基づき、観光と商業の連携による新しい商業 活動を推進する。 加東市総合計画 後期基本計画 ・地域の農業と連携し、生産・加工・販売を一本化した施策を展開する。 など (計画期間:H25~29 ○農業の活性化(地域共生型農業の育成) 年度) ・山田錦の販路拡大やブランド力の向上 ・地元農産物の直売所を活用した育成 ・6 次産業化を目指した特産加工品の開発 ・観光との連携や道の駅・イベントなどを活用した農産物の消費拡大 など ○商業の衰退に歯止めをかける 加東市地域経済活性化 基本計画 (H24 年 3 月策定) ・国道 175・372 号の交差部付近の活用検討(新道の駅構想、近隣商業施 設との連携強化) ・交流人口増加策(食や文化の活用、広域観光) ・農商工連携、6 次産業の推進 ・山田錦の PR 強化 など ○まちづくりの基本理念『産業振興』 加東市都市計画 ・農業・商業・観光産業の有機的な連携による産業の振興 マスタープラン ○都市施設整備の方針 (H21 年 11 月策定) ・国道 175 号と 372 号バイパスの交差部周辺には、交通利便施設の整備を 検討する。 国道 175 号と国道 372 号の交差部周辺に建設が検討されている「情報・ 国道 372 号沿線「情報 利便施設」についての整備基本構想を策定している。 利便施設」整備基本構 場所:国道 175 号と国道 372 号の交差部の南西街区 想検討業務委託報告書 コンセプト:加東市らしさを感じる、ふれあいの場づくり (H22 年 3 月策定) 施設イメージ:一体型道の駅 導入機能:休憩機能、情報発信機能、地域連携機能など 2 (2)人口の動向 加東市の人口の動向の特徴は以下のとおりである。 ①これまでの人口増加から人口減少局面へと移行 本市の人口は、これまでの人口増加から人口減少局面へと移行し、平成 26 年 3 月末日現在、 39,761 人(住民基本台帳人口)となっている。今後、平成 32 年には平成 22 年人口の 2.0%、 平成 42 年には 6.0%の減少が見込まれている。 ②高齢者人口の割合が高まり、年少人口の割合は低下 高齢者人口の割合は年々増加し、平成 42 年には、全体の 28.9%を占めると見込まれてい る。一方、年少人口の割合は、全体の 11.6%にまで減少すると予測されている。 総人口の減少に加え、このような人口構成の変化は、社会保障や経済活動、地域の暮らし など幅広い分野で影響を及ぼすことが考えられる。 ③社地域に人口の 5 割強が集中 人口分布は、社地域 52%、滝野地域 30%、東条地域 18%となっており、社地域に人口の 5 割強が集中している。 ④昼間人口の割合が高く、市内で従業・通学する人が多い 加東市の昼夜間人口比率は 110.4 で、県平均の 95.7 をかなり上まわっており、工場や兵庫 教育大学等の立地により、近隣市町からの従業・通学者が流入していることがうかがえる。 年齢階層別人口推移・将来推計人口 実績値 (単位:人) 推計値 45,000 40,000 38,270 39,743 40,688 26,071 26,591 40,181 39,970 39,920 39,388 38,647 37,780 23,126 22,473 35,000 30,000 25,000 25,137 25,455 25,515 24,533 23,771 9,988 10,633 10,846 10,923 20,000 15,000 10,000 5,000 8,104 8,861 7,145 7,448 5,598 6,527 6,628 6,255 5,805 5,399 4,984 4,675 4,384 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 7,531 0 総人口 年少人口 生産年齢人口 老年人口 注:年齢不詳により年齢階層別人口の合計と総人口は一致しない 資料:平成 22 年までは国勢調査人口。平成 27 年以降は、国立社会保障・人口問題研究所「日本 の地域別将来推計人口」 (平成 25 年3月推計) 。 年少人口:14 歳未満、生産年齢人口:15~64 歳、老年人口:65 歳以上 3 地域別人口(平成 22 年国勢調査) 地 域 社地域 滝野地域 東条地域 加東市計 人口 (人) 20,875 (52%) 12,020 (30%) 7,286 (18%) 40,181 (100%) 年少人口 人 口 構 成(人) 生産年齢人口 2,915 (14%) 13,603(65%) 4,357(21%) 7,436 1,950(16%) 7,555(63%) 2,515(21%) 4,197 940(13%) 4,357(60%) 1,989(27%) 2,500 5,805(14%) 25,515(64%) 8,861(22%) 14,133 昼間人口、夜間人口、昼夜間人口比率(平成 22 年国勢調査) 昼間人口 加東市 北播磨地域 兵庫県 44,378 283,795 5,347,839 世帯数 (世帯) 老年人口 夜間人口 昼夜間人口の差 40,181 284,769 5,588,133 (単位:人) 昼夜間人口比率 4,197 △974 △240,294 110.4% 99.7% 95.7% (3)商業の動向 加東市の商業の動向の特徴は以下のとおりである。 ①平成 19 年以降、大幅に商業機能が低下 本市商業は、商店数、従業員数、販売額ともに大 100 商業機能の推移 (平成 14 年を 100 とした伸び率) 100 95.8 94.1 幅な減少となっている。平成 14 年を 100 とした平 成 24 年の指数は、商店数で 62.4、従業員数で 62.5、 90 94.1 商店数 年間販売額で 68.3 といずれも低い状況となってい 年間販売額 80 る。 ②小売中心性指数が 0.93 と買物客の市外流出 70 従業員数 本市小売業の顧客吸引力を示す小売中心性指数 は、平成 19 年に 1.08 であったものが、平成 24 年 60 68.3 62.5 62.4 には 0.93 となり、市外への流出傾向を示している。 一方、加西市は平成 19 年の 0.77 から平成 24 年 には 1.04 となっている。これは平成 20 年 11 月開 50 平成14年 平成19年 平成24年 資料:商業統計調査、経済センサス(平成 24 年) 店のイオンモール加西北条の集客効果とみられる。 ③大型小売店は、国道 175 号沿いに立地し周辺都市との激しい商業競合 本市においては、国道 175・372 号交差部周辺地区に「やしろショッピングパーク Bio(イオ ン社店)」(以下「Bio」という。)をはじめ大型小売店5店が立地している。また、近隣市町に おいても国道 175 号沿いに大型スーパーが立地している。播磨地域はモータリゼーションが進 んでおり、市民の生活行動圏も広域化しているため、周辺市の大型商業施設との間で商圏争い が激しくなっている。 さらに、大型商業施設自体も変化を続けており、比較的大型の食品スーパー(SSM)や専門店 街が充実したモール型ショッピングセンターが人気を集める一方で、旧来型の総合スーパー 4 (GMS)は苦戦を強いられている。Bio も総合スーパー形態であり、継続的なテコ入れがなけれ ば客離れに拍車がかかる可能性もある。また、周辺での新たな商業施設の進出など環境変化に よっては撤退という最悪のシナリオも考えられる。 一方、小売中心性指数が加東市、北播磨地域とも1を下回っており、需要の取り込みをロー リスクで実現できれば、オーバーストアといわれる中でも、集客の可能性があると考えられる。 小売業の近隣市町との指数比較 平成 19 年 人口 (人) 加東市 北播磨地域 西脇市 三木市 小野市 加西市 多可町 神戸市 姫路市 兵庫県 39,877 288,364 43,175 83,370 49,599 48,486 23,857 1,530,168 536,256 5,594,249 年間商品 販売額 (千万円) 4,225 27,222 5,007 9,042 3,976 3,659 1,312 179,640 59,517 548,730 平成 24 年 売場面積 (㎡) 51,258 367,322 76,445 111,929 60,150 48,306 19,234 1,850,551 739,342 6,255,288 小売 中心性 指数 1.08 0.96 1.18 1.11 0.82 0.77 0.56 1.20 1.13 - 人口 (人) 40,171 281,009 42,042 79,896 49,515 46,959 22,426 1,542,128 536,300 5,571,096 年間商品 販売額 (千万円) 2,916 21,161 3,849 6,826 2,717 3,820 1,032 144,456 44,908 436,116 売場面積 (㎡) 39,828 340,119 72,856 104.140 43,148 65,174 14,973 1,593,086 650,813 5,675,725 小売 中心性 指数 0.93 0.96 1.17 1.09 0.70 1.04 0.59 1.20 1.07 - 資料:平成 19 年商業統計調査、平成 24 年経済センサス-活動調査(卸売業・小売業)、兵庫県推計人口(各年 10 月値) 加東市の年間商品販売額 小売中心性指数 = 加東市の人口 兵庫県の年間商品販売額 ÷ 兵庫県の人口 本市及び近隣市町の大型小売店 国道372号 西脇ショッピングセンター (イズミヤ西脇店) (19,420 ㎡) ※平成 25 年9月閉店 ジュンテンドー社店(2,045 ㎡) イオンモール加西北条 (29,000 ㎡) マックスバリュ社店(2,017 ㎡) 中国自動車道 やしろショッピングパーク Bio (イオン社店) (22,270 ㎡) 国道175号 神戸タンス(2,354 ㎡) ボンマルシェ社店(2,598 ㎡) イオン小野店(21,745 ㎡) イオン三木店(17,291 ㎡) 5 資料:東洋経済「全国大型小売店総覧 2013」 (4)対象地域の法的位置づけ 対象地域である国道 175・372 号交差部周辺は、北東の Bio 周辺と南西の社工業団地を除く部分 は市街化調整区域である。 さらに、交差部の北東部は集落があるが、他のエリアはほ場整備された優良農地であり、農業 振興地域の整備に関する法律の農用地区域に指定されている。 なお、Bio は旧国道 372 号に面しており、周辺には警察署や総合庁舎などの公共施設のほか、 家電量販店等の小売店も立地している。用途地域は第二種住居地域となっている。 都市計画による位置づけ(用途地域) 国道 175 号 Bio 社工業団地 国道 372 号 6
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