「文化ってなに?」第51号

特集:子どものために大人も学ぶ ∼ 文化芸術によるまちづくり ∼
みんなで成長する活動の場
「おはなしマルシェ」は、佐世保の文化振興の特徴であ
る「人材育成」を意識しながら活動しています。たとえば、
絵本づくりのワークショップや講演会など参加者が楽しみ
ながら児童文化の分野で向上することがそれにあたると思
います。また私たち「おはなしマルシェ」のメンバーも活
動を通して成長していると実感しています。「絵本が好き」
ということで集まった 10 人ほどのメンバーです。企画・
選書・制作・展示・読み語り・朗読などを経験を積み重ね
ることと、「朗読が好き」「手作りが好き」「絵が好き」と
いうそれぞれの個性が合わさることで、よりよいものに
なっていく過程が楽しくてたまりません。毎年「させぼ文
化ウィーク」を終える度に「自分たちでここまでできた」
という何とも言えない達成感を感じています。また私たち
は、児童・生徒の母親世代が中心ということもあり、ちょ
うど文化の中継役としての立場にいると考えています。今
年度は佐世保空襲を題材にした朗読劇「夏の少年」を行い
ました。歴史や文化を現代の子どもたちにいかにわかりや
すく伝えていくか、伝え手としての役割を担っています。
「させぼふるさと紙芝居」描かせてもらってよかったです
「させぼ文化ウィーク」でのすべての紙芝居の絵を担当しました。「さ
せぼふるさと紙芝居」は、少ないものでも 6 画面、多いものでは 11 画面
もあるのでたいへんでした。苦労もありましたが、この機会がなければ
自分はここまで絵に没頭することはなかったんじゃないか、描かせても
らってよかった、と感謝しています。また昔話が中心ですので、服装や
生活様式などできるだけうそのないように図書館で資料を研究しました。
それぞれの作品が独自の世界観を持っています。
「じんねみどん」はユー
モラス、「三川内の化け猫騒動」は不思議さに加え猫と主人公の情も描き
たいと思い、「崎辺の暴れ馬鬼鹿毛」では迫力や躍動感のある馬の姿を描
石橋由子さん
くため黒沢明監督の映画を何度も見て参考にしました。
紙芝居は絵本と異なり多くの人が同時に見るものです。そのため遠くからでもよく見えるよ
うに 輪郭をはっきり 色彩あざやかに描くように工夫をこらしています。私は埼玉の出身ですが
佐世保の昔話に触れることで、地元の歴史にも興味をもつようになりました。させぼふるさと
紙芝居を見た方々にも郷土についてさらに興味を持ってもらえたらと思います。
文化ってなに? vol.51
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