世界経済の回復は勢いを欠くも、 日米の成長ペース

 経済見通し
世界経済の回復は勢いを欠くも、
日米の成長ペースは拡大
─ 日本経済は「トリプルメリット」が追い風に ─
新興国の成長鈍化や資源国の落ち込みはあるも、先進国の持ち直しが世界経済の下支え
となり、世界経済は緩やかな拡大基調を維持することとなろう。原油安は原油輸入国中
心に景気押し上げ要因となる一方、資源国経済の不安定化やクレジットリスクの高まり
など世界経済にとっての不安要素という面もあり、留意が必要である。日本経済は、①追
加金融緩和に伴う円安・株高、②緊急経済対策などの財政面の支援、③4割を超える大幅
な原油安という「トリプルメリット」の下、成長ペースが拡大する見通しである。
2016
年度後半には消費増税前の駆け込み需要も押し上げに寄与する見込みである。
世界経済は先進国を中心に緩やかに拡大
世界経済は緩やかな拡大が続いている。2014 年 10
∼ 12 月期は、米国では前期の高成長からは減速した
ものの、個人消費が高めの成長となるなど底堅い経
済状況を維持した。また、ユーロ圏はドイツの持ち直
しを受けて成長率が高まり、消費増税後にマイナス
成長が続いていた日本は 3 四半期ぶりのプラス成長
となった。新興国はまちまちで、中国は前期並みの成
長率を確保したが経済の減速傾向は変わっていな
い。その他アジアでは、韓国、インドが減速した一方、
韓国以外の NIES 及び ASEAN 諸国は総じて成長が
加速した。2014 年を通じてみると、米国やユーロ圏
を中心に先進国の持ち直しがみられた一方、中国を
中心に新興国の成長が鈍化し、世界全体では 2013 年
並みの成長になったと見込まれる。
2015 年の世界経済成長率(みずほ総合研究所予測
対象の国・地域加重平均ベース)は、前年比+ 3.3%
と2012年以降4年連続で同水準の成長になると予測
した(図表1)。2016年は、先進国は緩やかな成長を続
け、資源国での原油安による下押し圧力が弱まるた
め、世界経済成長率は+ 3.6%に高まる見通しであ
る。米国は前年比+ 3%前後の拡大基調が続き、日本
は円安や原油安による恩恵に加え、2016 年度は消費
増税前の駆け込み需要の影響もあり、同+ 2%前後
の成長が続くと予測している。ユーロ圏は金融緩和
や原油安の効果を下支えに緩やかな成長に復するも
のの、総じて回復の勢いは弱いであろう。新興国は世
界経済に対するけん引力が乏しい状況が続く見込み
である。中国の成長鈍化基調が続くほか、ロシアやブ
ラジルは 2015 年にマイナス成長に転じると予測し
ている。
世界経済にとってのリスク要因は、中国やユーロ
圏の景気下振れ、ギリシャ問題の深刻化、原油安や米
国の利上げなどに伴う金融市場の混乱、地政学的リ
スク、緩和環境長期化によるバブルリスクなどが挙
げられる。
●図表1 海外経済見通し総括表
(単位:前年比、%)
2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
(実績) (実績) (予測) (予測) (予測)
予測対象地域計
3.3
3.3
3.6
3.3
3.3
日米ユーロ圏
1.5
2.2
2.2
1.1
1.1
米国
2.4
3.1
2.8
2.2
2.3
ユーロ圏
0.9
1.3
1.5
▲0.5
▲0.7
日本
0.0
1.2
2.0
1.6
1.8
アジア
6.0
6.0
5.9
6.1
6.2
中国
7.4
7.1
6.8
7.7
7.7
NIES
3.2
3.1
3.1
2.9
2.2
ASEAN5
4.6
5.1
4.9
5.1
6.1
インド(2004 年度基準)
5.2
5.6
5.9
4.7
4.8
(参考:2011年度基準) N.A.
7.2
7.6
7.9
N.A.
オーストラリア
2.7
2.3
2.7
2.0
3.7
ブラジル
0.0
▲0.3
1.0
2.5
1.0
ロシア
0.6
▲4.5
0.5
1.3
3.4
93
54
63
98
94
ドル/バレル)
原油価格(WTI、
暦年
(注)予測対象地域計はIMFによる2012年GDPシェア
(PPP)により計算。
(資料)IMF、各国統計より、みずほ総合研究所作成
3
経済見通し
米国経済が拡大する一方、中国は減速、
ユーロ圏やその他アジアは緩やかな回復
米国は、
2015 年初以降、経済指標の下振れが相次い
でいるが、こうした減速は2014年4∼6月期、
7∼9月期
の高成長からの反動という面が強く、現時点で景気が
腰折れる可能性は大きくないとみている。米国経済は
拡大基調が続き、
2015年は前年比+3.1%、
2016年は同
+2.8%の成長を予測している。ただし、原油安による
収益悪化や人員削減、設備投資計画見直しなどの動き
がみられるエネルギー産業動向には留意が必要であ
る。雇用の改善などを背景に米連邦制度準備理事会
(FRB)の金融政策は出口へ向かう見込みだが、最初
の利上げは2015年6月と予測している。低インフレが
続く中でその後の利上げペースは緩やかなものにと
どまり、グローバルな低金利状況を背景に長期金利の
上昇も抑制された状態が続く見込みであり、利上げに
伴う米国経済への下押し圧力は限定的となろう。
ユーロ圏の 2015・16 年の実質成長率は前年比
+ 1.3%、同+ 1.5%と緩やかな回復が持続する見通
しである。原油安や欧州中央銀行(ECB)が 2015 年 1
月に決定した量的緩和の効果もあり、2014 年後半以
降の減速傾向から回復傾向に復するとみている。米
英の景気回復やユーロ安を受けた輸出増加に加え、
雇用環境改善と原油安による消費増が景気を下支え
することになろう。ただし、昨年来続く新興国経済の
先行き不透明感の残存により、域内企業は新規設備
投資には引き続き慎重であり、景気回復のペースは
緩やかなものにとどまろう。一方、ユーロ圏ではデ
フレリスクが増大しており、原油価格の下落により
2015 年は年間でも物価が前年比マイナスになると
予想される。ただし、2015 年末以降は、エネルギー価
格の下げ止まりと景気回復ペースの加速から、物価
は緩やかな上昇に転じるであろう。
中国経済は資本ストック調整を背景に緩やかな減
速が続く見通しである。2014 年の実質成長率は前年
比+7.4%と「+7.5%前後」の政府の成長率目標は達
成した。政府は生産能力過剰問題、ハイレバレッジ解
消のためには経済の減速が必要との認識を強調して
おり、2015年の成長率目標は「+7.0%前後」に引き下
げられる見通しである。ただし、2015 年に入ってか
らも景気は弱含んでおり、成長率目標達成のために
は 2014 年に引き続き、追加の財政・金融政策による
下支えが必要であろう。こうした政策面での下支え
を受け、中国経済の減速は緩やかなものにとどまる
4
見通しである。
中国以外のアジア経済は、景気拡大基調が続くも
のの、
テンポは緩やかにとどまろう。原油安に伴う物
価下落などから内需が下支える一方、
欧州や中国、資
源国の景気拡大テンポの弱さから輸出の加速は見込
みにくい。
原油安は景気下支え要因となる一方、
不安要素も
2014 年秋口から原油価格が急落しており、2014 年
の高値からの下落率は一時 6 割近い水準に達した。
下落の背景には、世界経済の需要不足に加え、米国の
シェールオイルの生産増など供給要因も強く影響し
ているとみられる。石油輸出国機構(OPEC)が減産
に慎重な姿勢を崩していない中、価格反転の鍵を握
るのは米シェールオイルの生産調整である。米国の
原油掘削装置は、2015 年に入って稼働数が急減して
いるが、米国の原油生産量が減少するまでには至っ
ておらず、生産調整は長期化する可能性が高い。緩和
的な需給環境が続く状況では原油価格は下落が一服
したとしても、その後の反発力は弱いであろう。
原油安は交易条件の改善を通じて原油輸入国の景
気を押し上げる一方、交易条件の悪化によって産油
国の景気の押し下げ要因となる。世界全体でみれば、
原油輸入国に対するプラスの影響が上回り、景気を
押し上げると考えられる。原油安の影響から物価が
低位で推移する中、グローバルに金融緩和が進展し
やすいことも景気を支える要因となる。しかし、急激
な相場変動による波及効果は様々なリスクを伴うた
め、世界経済にとっての不安要素という一面も持つ。
特に、米国のシェール関連企業の破たん懸念などを
背景としたクレジットスプレッドの拡大傾向や一部
資源国のデフォルト懸念の高まりなど、金融面への
波及リスクには警戒が必要である。また、原油貿易額
の縮小からオイルマネーが縮小し、金融市場の不安
定化につながる可能性もあろう。
日本の2014年度成長率は
▲0.9%に落ち込む見込み
日本の2014年10∼12月期の実質GDP成長率(1次
速報)は前期比+ 0.6%(年率+ 2.2%)と、3 四半期ぶ
りのプラスとなった。緩やかながらも個人消費の持
ち直しが続いたほか、IT(情報技術)関連を中心に輸
出が増加し、内外需ともに成長率の押し上げに寄与
が景気の追い風になるだろう。①∼③の「トリプルメ
リット」によって 2015 年度の日本経済は大きく加速
することが見込まれる。
2014 年 10 月末に決定された追加金融緩和がきっ
かけになり、為替相場では 10%以上の円安が進ん
だ。円安は輸出を促すとともに、上場企業の収益改善
を通じた株高によって高所得者層などの消費拡大に
も寄与する。円安・株高による輸出や消費の押し上げ
効果を総合すると、2015年度の成長率は約0.2%ポイ
ント押し上げられると試算される。
2014 年末に策定された緊急経済対策は、公共事業
の規模が抑制される一方、家計向け支援策や企業向
け支援策が多く盛り込まれ、国費ベースで総額約3.5
兆円の規模となった。みずほ総合研究所では今回の
対策による経済効果(実質 GDP 押し上げ効果)は約
0.4%ポイントに上り、そのうち 0.2%ポイント程度
が2015年度中に顕在化すると試算している。
また、原油価格が2014年前半の水準と比べて4割以
上下落したことは、実質的には産油国から日本へ年間
10兆円弱の所得移転(原油・液化天然ガス(LNG)の価
格低下による貿易赤字の削減効果)をもたらすと見込
した。もっとも、個人消費の回復は、消費増税後の大
幅な落ち込みからの持ち直しとしては緩慢なペース
にとどまった。
2015年1∼3月期は、個人消費や設備投資などの民
需を中心に、年率+ 2%台の回復が続くと予測して
いる。公共投資は、2014 年度当初予算分の早期執行
の影響はく落などから減少する見込みだが、個人消
費は雇用・所得環境の改善が支えとなり、緩やかな回
復を維持すると予想される。設備投資も円安や最終
需要の持ち直しによる収益回復を受けて、回復基調
に復すると予測している。
ただし、年度前半のマイナス成長が響くため、
2014年度通年の実質GDP成長率は▲0.9%に落ち込
む見通しである(図表2)
。
「トリプルメリット」による押し上げ効果も
あり、
2015年度の成長率は+2.1%に上昇
2015 年度の日本経済は、①追加金融緩和(2014 年
10月末決定)に伴う円安・株高、②緊急経済対策など
の財政面からの支援、③ 4 割を超える大幅な原油安
●図表2 日本経済見通し総括表
2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
(単位:%)
2016年度
2015年度
2014年度
下期
下期
上期
上期
下期
上期
(実績) (予測) (予測) (予測) (実績) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測)
実質 GDP
国内需要
民間需要
個人消費
住宅投資
設備投資
公的需要
政府消費
公共投資
純輸出
(寄与度)
輸 出
輸 入
名目 GDP
GDP デフレーター
鉱工業生産
完全失業率
経常収支(兆円)
国内企業物価
消費者物価(除く生鮮食品)
2.1
2.5
2.3
2.5
9.3
4.0
3.2
1.6
10.3
▲0.4
4.7
6.7
1.8
▲0.3
3.2
3.9
0.8
1.9
0.8
0.8
消費者物価(同上、除く消費税)
消費者物価(除く食料(酒類除く)
0.2
及びエネルギー、除く消費税)
長期金利(%)
0.69
日経平均株価
(円)
14,424
為替相場(円/ドル)
100.0
原油価格(WTI、
ドル/バレル)
99.0
▲0.9
▲1.4
▲2.0
▲3.0
▲11.9
0.1
0.6
0.4
1.6
0.6
7.1
2.9
1.5
2.4
▲0.4
3.5
7.2
2.7
2.8
0.9
2.1
1.8
2.4
1.9
2.9
3.2
▲0.0
1.0
▲4.2
0.3
6.1
4.1
2.9
0.8
3.3
3.3
15.5
▲1.8
▲0.1
▲0.1
1.9
1.8
2.2
1.8
5.9
3.3
0.5
1.0
▲1.6
0.1
6.3
5.5
1.8
▲0.2
4.3
3.3
13.0
1.1
1.3
1.3
▲2.7
▲4.3
▲5.9
▲7.7
▲23.3
▲4.5
0.8
0.5
1.9
0.9
7.4
▲3.4
1.0
2.1
▲3.3
3.6
2.6
4.2
3.2
1.3
1.1
0.6
0.8
1.4
▲7.6
1.8
0.2
0.7
▲0.8
0.3
8.2
4.5
3.0
2.7
1.8
3.4
11.8
1.2
2.4
0.4
2.5
2.3
3.3
2.3
7.5
3.8
▲0.5
1.2
▲7.4
0.1
5.1
3.8
3.1
1.3
1.5
3.4
14.2
▲2.6
▲0.2
▲0.2
2.1
1.9
2.3
1.6
4.4
3.3
0.7
1.0
▲0.7
0.2
6.0
4.5
2.3
0.3
1.7
3.3
16.8
▲1.0
0.1
0.1
1.7
1.5
1.9
1.1
5.9
3.0
0.3
1.0
▲2.7
0.3
6.2
4.7
0.7
▲0.5
1.9
3.3
11.6
1.1
1.0
1.0
2.1
2.4
2.9
3.3
7.3
3.8
0.8
1.0
▲0.2
▲0.3
6.9
8.1
3.5
0.1
3.0
3.3
14.4
1.2
1.5
1.5
0.5
0.5
0.7
0.6
0.4
0.5
0.5
0.7
0.8
0.50
16,200
110.0
81.0
0.50
18,900
123.0
56.0
0.65
20,200
128.0
65.0
0.56
15,106
103.0
100.0
0.40
17,202
117.0
61.0
0.48
18,500
121.5
53.5
0.55
19,350
125.0
59.0
0.63
19,950
127.5
63.5
0.68
20,400
129.5
67.0
(注)
1.
年度は前年比変化率、
GDPの半期は前期比年率
(GDPデフレーターは前年比変化率)
。
2.
鉱工業生産の半期は前期比。
完全失業率の半期は季調値。
経常収支の半期は季調値・年率換算値。
3.
国内企業物価、
消費者物価の半期は前年比変化率。
4.
原油価格はWTI先物期近、
長期金利は新発10年国債。
(資料)
内閣府
「国民経済計算」
、経済産業省
「生産・出荷・在庫指数」
、総務省
「労働力調査」
「
、 消費者物価指数」
、
日本銀行
「国際収支統計」
、
「国内企業物価指数」
などより、
みずほ総合研究所作成
5
経済見通し
まれる。原油安はガソリン価格・電気料金などの低下
を通じて、中小企業にも大きな収益改善効果(規模別
産業連関表で中小企業のデータが入手可能な業種に
ついて試算すると1兆円強)
が及ぶ。
幅広い企業に原油
安の恩恵が届くことは、賃上げや設備投資拡大の後押
しにもなるだろう。原油安による 2015 年度の成長率
押し上げ効果は、
0.6%ポイント強と試算される。
以上を総合すると、①追加金融緩和後の円安・株
高、②財政面での下支え、③原油安の「トリプルメ
リット」は、2015 年度の実質成長率を 1%ポイント程
度押し上げる計算になる。
「トリプルメリット」の下
で経済の好循環が再び回り始め、2015 年度の成長率
は+2.1%に高まると予測している。
2016 年度は、経済が自律的な回復軌道をたどる中
で、後半にかけて 2017 年 4 月の消費増税を前にした
駆け込み需要の顕在化も見込まれる。個人消費や住
宅投資が高い伸びとなることで、2016 年度の成長率
は+1.9%と2年連続の高成長を予測している。
原油安によってコアCPIはいったん
マイナス圏に。もっとも、
基調的なインフレ率は着実に改善
みずほ総合研究所で試算している GDP ギャップ
は、2014年10∼12月期時点で潜在GDP比▲2.6%
(約
14兆円の供給超過)となっている(図表3)。今回の経
済見通しに基づくと、GDP ギャップは景気の回復と
ともに改善が続くだろう。2016 年度下期には、駆け
込み需要によって経済活動の水準が押し上げられる
●図表3 GDPギャップとインフレ率の推移と予測
(%)
4
見通し
こともあり、GDP ギャップは小幅ながら需要超に転
じると予測している。
コア CPI
(生鮮食品を除く総合消費者物価指数)の
伸びは、消費増税の影響を除くと2014年4月(前年比
+ 1.5%)をピークに縮小しており、
2014 年 12 月時点
では同+ 0.5%となった。円安による押し上げ効果が
一巡するとともに、原油安に伴うガソリン価格の下
落がコア CPI を下押ししている。
1 ∼ 3 月期はガソリ
ン価格の下落幅が拡大することで、
コアCPIの前年比
はゼロ%に近づくだろう。消費税率引き上げの影響
を除く 2014 年度のコア CPI 前年比は+ 0.9%
(消費税
の影響を含むベースでは+2.8%)
と予測している。
2015 年度に入ると、原油価格下落の影響が電気料
金にも波及し、コア CPI 上昇率はいったんマイナス
に転じると見込まれる。年度後半からは原油安によ
る押し下げ効果が徐々に剥落するものの、2015 年度
通年のコア CPI 前年比は▲ 0.1%と小幅なマイナス
になると予測している。2016 年度になると、原油価
格が緩やかながらも上昇に転じることや緩和的な金
融政策を背景とした円安が続くことなどから、コア
CPI には上昇圧力がかかるとみている。2016 年度の
コアCPI前年比は+1.3%に高まると予測している。
以上のように、原油価格の変動や円安に伴いコア
CPI には大きなアップダウンが生じることが予想さ
れる。他方、エネルギー価格などの影響を除く基調的
なインフレ率については、需給ギャップが改善する
中で賃上げの動きも高まり、着実な改善が続く見込
みである。食料(酒類除く)
・エネルギーを除くベー
スのCPI上昇率は、
2014年度と2015年度が+0.5%、
2016年度が+0.7%と、緩やかな上昇傾向が続くと予
測している。
「2 年で 2%」という日銀のインフレ目標
には届かないが、デフレからの脱却は明確になって
くるだろう。
2
みずほ総合研究所
0
市場調査部 主席エコノミスト
▲2
武内浩二
[email protected]
▲4
▲6
GDPギャップ(潜在GDP比)
CPI
(除く生鮮食品)
前年比
▲8
CPI
(除く食料(酒類除く)
及びエネルギー)前年比
経済調査部 主任エコノミスト
徳田秀信
[email protected]
▲10
200203 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17
(年/四半期)
(注)1. CPIはいずれも消費増税を除くベース。
2. GDPギャップはみずほ総合研究所の推計値。
(資料)内閣府
「国民経済計算」、総務省「消費者物価指数」などより、
みずほ総合研究所作成
6
GDPの予測値は、
政府資料の公表等を受けて適宜更新しています。
最新の予測値はみずほ総合研究所ホームページをご参照ください。
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/forecast/