(案)の逐条説明【資料3】[PDFファイル/61KB

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資料3
袖ケ浦市空き家等の適正な管理に関する条例(案)の逐条解説
第1条(目的)
(目的)
第1条
この条例は、適正に管理されていない空き家等が防災、防犯、衛
生等の観点から周辺の生活環境に影響を及ぼしていることに鑑み、空き
家等が管理不全な状態となることを防止すること及び管理不全な状態を
解消することにより、市民等の生命、身体及び財産を保護するとともに
良好な生活環境の保全を図ることを目的とする。
【解説】
少子高齢化や核家族化等の社会情勢の変化を背景に、近年、空き家等が
増加してきています。中でも、適正に管理されていない空き家等が放置さ
れることにより、防災、防犯、衛生、景観、地域活力の低下といった様々
な観点から周辺の生活環境に深刻な影響を及ぼしています。
この条例は、管理不全な状態となった空き家等により生じる課題を所有
者等、市及び市民等で共有し、空き家等の適正な管理に関するそれぞれの
責務や役割を明確にした上で、空き家等の適正な管理に向けた取組みを行
い、市民等の生命、身体及び財産を保護するとともに良好な生活環境の保
全を図ることを目的としています。
第2条(定義)
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に
定めるところによる。
(1) 空 き 家 等
市内に所在する建築物その他の工作物(既に倒壊したも
の を 含 む 。 以 下 「 建 築 物 」 と い う 。) で 、 常 時 無 人 の 状 態 又 は こ れ に
類する状態にあるもの及びその敷地をいう。
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(2) 所 有 者 等
(3) 市 民 等
資料3
空き家等を所有し、又は管理する者をいう。
市 内 に 居 住 し 、若 し く は 在 勤 す る 者 又 は 市 内 の 土 地 若 し く
は建築物の所有者若しくは権原に基づく占有者をいう。
(4) 管 理 不 全 な 状 態
ア
次のいずれかに該当する空き家等の状態をいう。
建築物の倒壊、建築資材の剥落若しくは飛散又は敷地内に存する
樹木の倒木により、人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれ
のある状態
イ
容易に不特定の者が侵入することができ、火災及び犯罪を誘発す
るおそれのある状態
ウ
敷地内に存する樹木若しくは雑草の繁茂又は資材等の散乱等によ
り、周辺の生活環境の保全に支障を及ぼす状態
【趣旨】
本 条 は 、こ の 条 例 で 使 用 さ れ て い る 用 語 の 定 義 に つ い て 規 定 し て い ま す 。
【解説】
<第1項関係>
この条例に使用する用語で、具体的に説明する必要があるものの定義を
規定しています。
<第1号関係>
「空き家等」とは、以下に該当する場合をいいます。
①市内に所在する建築物その他の工作物(既に倒壊したものを含
む 。) で 常 時 無 人 の 状 態 又 は こ れ に 類 す る 状 態 に あ る も の
②「上記①」の存する敷地
「建築物その他の工作物」とは、住宅、店舗、倉庫、塀、看板、鉄塔
等です。
「 常 時 無 人 の 状 態 又 は こ れ に 類 す る 状 態 に あ る も の 」と は 、長 期
間にわたり人の居住や出入りがない状態をいい、所有者等や近隣住民か
らの聞き取り、水道の閉栓状況や電気の通電状況等により調査します。
「 常 時 無 人 な 状 態 」の 判 断 を 明 確 に す る こ と は 難 し い こ と か ら 、
「これに
類する状態」を定義に含めます。
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<第2号関係>
「 所 有 者 等 」 の 定 義 を 規 定 し て い ま す 。「 所 有 者 等 」 に は 、 空 き 家 等
の所有者のほか相続人、管理者が含まれます。
<第3号関係>
「市民等」の定義を規定しています。空き家等の隣に居住する人をは
じめ、空き家等が管理不全な状態であることにより、被害を受けるおそ
れのある市内の建築物等の所有者等を含みます。
<第4号関係>
「 管 理 不 全 な 状 態 」と は 、
「 空 き 家 等 」が 次 の い ず れ か に 該 当 す る 状 態
をいい、所有者等の義務違反の状態となります。
ア
建築物の倒壊、建築物に用いられた資材の剥落や飛散又は敷地内
の樹木の敷地外への倒木の危険があり、敷地外の市民等の生命、身
体又は財産に危害を及ぼすおそれのある状態をいいます。
被害を及ぼす前の段階から所有者等に対し、行政指導を行い、空
き家等の適正な管理を促すこととしています。
イ
空き家等に不特定の者が侵入することにより、火災や犯罪が誘発
されるおそれのある状態をいいます。具体的には、ドアや窓が未施
錠であったり、大きく破損していて所有者等以外の者が容易に空き
家等に侵入できる状態をいいます。
ウ
空き家等の敷地内の樹木や雑草が繁茂した状態で放置されたり、
敷地内に資材等が散乱して、当該敷地周辺の生活環境の保全に支障
を及ぼす状態をいいます。具体的には、樹木や雑草が繁茂したまま
放置され、ゴミの不法投棄場所となるおそれがある状態や前面道路
や隣地に樹木が張り出すことによって、通行上の障害や生活環境が
悪化している状況をいいます。
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第3条(相互の連携)
(相互の連携)
第3条
所有者等、市及び市民等は、相互に連携して空き家等の適正な管
理を推進するものとする。
【趣旨】
本条は、管理不全な空き家等の対策を推進する上で、関係者が相互に連
携して取り組むことについて規定しています。
【解説】
空き家等が原因で生じた問題は、当事者間で解決を図ることが基本とな
りますが、所有者等が不明な場合や不特定多数の地域住民に影響を及ぼす
場合等、当事者間による解決が非常に困難なケースが生じており、今後も
このようなケースが増えていくことが予想されます。
このため、所有者等をはじめ、市及び市民等は、相互に連携して空き家
等の適正な管理を推進していくこととしています。
第4条(所有者等の責務)
(所有者等の責務)
第4条
所有者等は、その所有し、又は管理する空き家等が管理不全な状
態とならないよう自己の責任において適正に管理しなければならない。
【趣旨】
本条は、所有者等の責務について規定しています。
【解説】
所有者等は、周辺の生活環境に配慮し、その所有し、又は管理する空き
家等が管理不全な状態とならないよう、自己の所有財産である空き家等を
常に適正に管理する責任と義務があることを規定しています。
空き家等の適正な管理を行うためには、所有者等が自らの責任と負担に
おいて管理不全な状態を解消するための措置を講ずる必要があります。ま
た、管理不全な状態となる要因である空き家等の放置を防ぐために、建築
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物の管理や権利の継承を適切に行い、建築物をしっかりと次世代に引き継
いでいくことが重要になります。
第5条(市の責務)
(市の責務)
第5条
市は、空き家等の適正な管理に関する必要な施策を実施するもの
とする。
2
市は、自治会その他関係団体と連携し、市民等に空き家等の適正な管
理に関する意識の啓発を行うものとする。
【趣旨】
本条は、市の責務について規定しています。
【解説】
<第1項関係>
市は、空き家等が管理不全な状態となることを防止するため及び管理不
全な状態の解消を促すために有効な施策を総合的に実施していくことを規
定しています。
<第2項関係>
空き家等が管理不全な状態となることを防止するためには、市民等が空
き家等の問題に対する理解を深め、自発的に行動を起こすことが重要とな
ります。このため、市は自治会その他の関係団体と連携し、意識の啓発を
行うことを規定しています。
第6条(市民等の役割)
(市民等の役割)
第6条
市民等は、空き家等が管理不全な状態にあると認めるときは、市
長に対し、当該空き家等に関する情報を提供することができる。
2
市民等は、地域の良好な生活環境の保全に努めるとともに、市が前
条第1項の規定により実施する施策に協力するものとする。
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【趣旨】
本条は、市民等の役割について規定しています。
【解説】
<第1項関係>
空き家等が管理不全な状態にあると認めるときは、市長に対して当該空
き家等に関する情報を提供することができることを規定しています。
<第2項関係>
市民等は、自己の所有する建築物を適正に管理するとともに、入院等で
しばらく家を空ける場合は、緊急時の連絡先を近隣住民に伝える等、普段
から地域内のコミュニケーションを図り、空き家等の放置がされにくい地
域づくりを心掛けることが重要となります。また、前条第1項の規定に基
づき市が実施する施策に協力することを市民等の役割として規定していま
す。
第7条(実態調査)
(実態調査)
第7条
市 長 は 、空 き 家 等 が 管 理 不 全 な 状 態 に あ る と 認 め る と き 又 は 前 条
の 規 定 に よ る 情 報 の 提 供 が あ っ た と き は 、当 該 空 き 家 等 の 状 態 、所 有 者
等の情報その他必要な事項について調査することができる。
【趣旨】
本条は、空き家等が管理不全な状態にあると認めるとき又は市民等から
情報の提供があったときは、空き家等の実態調査を行うことができる旨を
規定しています。
【解説】
空き家等が第2条に規定している管理不全な状態にあると市長が認め
るとき又は前条の規定による情報の提供があった場合には、実態調査を行
うことができる旨を規定しています。
実態調査では、市の職員が、空き家等の現地調査を行い、必要に応じて
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土地・建物の所有者等の調査を行います。
現地調査は、土地・建物が個人の財産であること等を考慮し、原則とし
て敷地外からの外観調査となりますが、外観調査だけでは状況が判断でき
ない場合、又は勧告や命令等を行う際に空き家等の詳細な状況を調査する
必要がある場合には、次条で規定する立入調査を行います。
所有者等の調査は、これまでと同様に登記情報による調査を行い、登記
情報だけでは所有者等の連絡先が不明な場合には、袖ケ浦市個人情報保護
条例(平成8年条例第15号)第10条の規定により「目的外利用」がで
きる範囲内において、市が保有している個人情報(戸籍又は住民票等)に
より、所有者等の連絡先の調査を行います。ただし、土地・建物の課税情
報等、他法令により厳格に目的外利用が制限されている情報を利用できる
ものではありません。
また、所有者等が他の自治体に転居している場合で、当該自治体に所有
者等の戸籍や住民票の照会を行う際には、その根拠となる条例が必要であ
るため、本条を根拠に照会を行い、所有者等の連絡先の調査を行います。
【参考】
袖ケ浦市個人情報保護条例(抜粋)
(利用及び提供の制限)
第10条
実 施 機 関 は 、次 に 掲 げ る 場 合 を 除 き 、個 人 情 報 を 収 集 し た と き
の事務の目的の範囲を超えた当該個人情報を利用(以下「目的外利用」
と い う 。) し 、 又 は 実 施 機 関 以 外 の も の に 提 供 ( 以 下 「 外 部 提 供 」 と い
う 。) し て は な ら な い 。
(1) あ ら か じ め 本 人 の 同 意 が あ る と き 。
(2) 法 令 等 に 特 別 の 定 め が あ る と き 。
(3) 出 版 、 報 道 等 に よ り 公 に さ れ て い る 個 人 情 報 で あ る と き 。
(4) 個 人 の 生 命 、身 体 又 は 財 産 の 安 全 を 守 る た め 、緊 急 か つ や む を 得 な
いと認められるとき。
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(5) 当 該 実 施 機 関 の 内 部 で 利 用 し 、又 は 他 の 実 施 機 関 若 し く は 実 施 機 関
以 外 の 市 の 機 関 が 利 用 す る 場 合 で あ っ て 、当 該 個 人 情 報 を 利 用 す る こ
とに相当の理由があると認めるとき。
(6) 国 等 に 提 供 す る 場 合 で あ っ て 、提 供 を 受 け る も の の 所 掌 す る 事 務 の
遂 行 に 当 該 個 人 情 報 が 必 要 不 可 欠 で あ り 、か つ 、当 該 個 人 情 報 を 利 用
することにやむを得ない理由があると認めるとき。
(7) 前 各 号 に 掲 げ る 場 合 の ほ か 、 実 施 機 関 が 、 適 正 な 事 務 の 執 行 又 は
住民の福祉向上のため特に必要があると認めたとき。
2
実 施 機 関 は 、前 項 第 7 号 の 規 定 に よ り 、外 部 提 供 し よ う と す る と き は
あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
3
実 施 機 関 は 、前 項 の 規 定 に よ り 、外 部 提 供 を 行 っ た と き は 、規 則 で 定
めるところにより、速やかに市長にその旨を届け出なければならない。
第8条(立入調査等)
(立入調査等)
第8条
市 長 は 、こ の 条 例 の 施 行 に 必 要 な 限 度 に お い て 、当 該 職 員 に 、空
き 家 等 に 立 ち 入 ら せ 、そ の 状 況 を 調 査 さ せ 、又 は 所 有 者 等 若 し く は 関 係
者に対し質問させることができる。
2
前項の規定により立入調査又は所有者等若しくは関係者への質問をす
る 職 員 は 、そ の 身 分 を 示 す 証 明 書 を 携 帯 し 、所 有 者 等 若 し く は 関 係 者 の
請求があったときは、これを提示しなければならない。
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第 1 項 の 規 定 に よ る 立 入 調 査 又 は 質 問 の 権 限 は 、犯 罪 捜 査 の た め に 認
められたものと解釈してはならない。
【趣旨】
本条は、条例の施行に必要な限度において、空き家等に立ち入り、その
状況を調査できる旨を規定しています。
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【解説】
<第1項関係>
敷地外からの調査では現状を確認できない場合や倒壊の危険等を判断す
るために詳細な調査が必要である場合、空き家等への立入調査ができるこ
とを規定しています。また、当該空き家等の所有者等若しくは近隣住民を
はじめとした関係者に当該空き家等に関する情報を質問し、調査すること
ができる旨を規定しています。
<第2項関係>
前項の規定による立入調査や所有者等若しくは関係者への質問をする職
員は施行規則で定める身分証明書を常に携帯し、所有者等若しくは関係者
から提示するよう求められたときは、これを提示しなければならない旨を
規定しています。
<第3項関係>
立入調査や関係者への質問は、条例を円滑に執行すること及び行政権限
の濫用・逸脱を抑止することを目的に規定しているものであり、犯罪捜査
のために認められたものではないことを明らかにしています。
第9条(指導又は助言)
(指導又は助言)
第9条
市 長 は 、第 7 条 及 び 前 条 の 規 定 に よ る 調 査 に よ り 、空 き 家 等 が 管
理不全な状態にあると認めるときは、その所有者等に対し、その適正
な 管 理 を 行 う た め の 必 要 な 措 置 に つ い て 、指 導 又 は 助 言 を す る こ と が で
きる。
【趣旨】
本条は、実態調査及び立入調査等の結果を受け、必要があると認めると
きは、所有者等に対し、必要な措置について指導又は助言を行うことがで
きる旨を規定しています。
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資料3
【解説】
空き家等が管理不全な状態にあると認めるときに、所有者等に対し、市
長が行う指導や助言といった行政指導に関する規定です。
「必要な措置」の内容は、危険個所の修繕又は除却、建築物の解体、敷
地内の除草や樹木の伐採等になりますが、建築物の立地状況、周囲へ及ぼ
す 危 害 の 度 合 い に よ っ て 異 な り ま す 。な お 、指 導 は 原 則 と し て 文 書 で 行 い 、
その後求められた助言は、口頭で行います。
第10条(勧告)
(勧告)
第10条
市 長 は 、前 条 に 規 定 す る 指 導 又 は 助 言 を 行 っ た に も か か わ ら ず 、
な お 当 該 空 き 家 等 が 管 理 不 全 な 状 態 に あ る と 認 め る と き は 、当 該 所 有 者
等 に 対 し 、期 限 を 定 め て 、適 正 な 管 理 に 必 要 な 措 置 を 講 ず る よ う 勧 告 す
ることができる。
【趣旨】
本条は、指導又は助言を行ったにもかかわらず、なお空き家等が管理不
全な状態にあるときは、所有者等に対し、必要な措置を講ずるよう勧告す
ることができる旨を規定しています。
【解説】
前条に規定する指導又は助言を行ったにもかかわらず、当該空き家等の
管理不全な状態が改善されないとき、所有者等に対して市が行うことがで
きる勧告という行政指導に関する規定です。
指導や助言を行い、所有者等がそれに従わない、又は十分な対応がなさ
れていないことを市長が認めたとき、期限を定めて勧告を行います。
勧告を行うに当たっては、規則で定める勧告書により行うこととなりま
す。
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資料3
第11条(命令)
(命令)
第11条
市長は、前条の規定による勧告を受けた所有者等が当該勧告に
従わず、かつ空き家等が著しく管理不全な状態にあると認めるときは、
所有者等に対し、期限を定めて、管理不全な状態を解消するために必要
な措置を講ずるよう命ずることができる。
【趣旨】
本条は、前条の規定による勧告を行ったにもかかわらず、勧告に基づく
措置を履行しない所有者等に対し、期限を定めて、行政処分として命令処
分を行うことができる旨を規定しています。
【解説】
前条の規定による勧告に所有者等が応じないとき、市長が所有者等に対
して行うことができる命令に関する規定です。所有者等が勧告に従わず、
空き家等が著しく管理不全な状態にあるときは、当該空き家等の所有者等
に対し、期限を定めて命令を行うことができる旨を規定しています。
命令を行うに当たっては、規則で定める命令書により、行うこととなり
ます。
第12条(代行措置)
(代行措置)
第12条
市長は、前条の規定による命令を受けた所有者等からやむを得
ず当該命令に係る措置を履行することができない旨の申出があった場合
において、当該措置を緊急に講じる必要があると認めるときは、所有者
等の同意を得て、当該措置を自ら行うことができる。
2
市長は、前項の措置を講じたときは、所有者等から当該措置に係る費
用を徴収するものとする。
【趣旨】
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資料3
本条は、所有者等に代わり、前条の規定による命令の措置を市長が行う
ことができる旨を規定しています。
【解説】
<第1項関係>
命令を受けた所有者等が入院中であったり、施設に入所中である等、や
むを得ず命令に係る措置ができない旨の申し出があったときで、空き家等
の倒壊等により緊急に周囲に危害が及ぶことを避けるために必要があると
認めるときは、費用負担を含め所有者等の同意を得た上で、命令に係る措
置を所有者等に代わり市長が行うことができる旨を規定しています。
<第2項関係>
前項の規定に係る代行措置を講じた際は、所有者等から命令に係る措置
を履行するのに要した費用を徴収することを規定しています。
第13条(公表)
(公表)
第13条
市 長 は 、第 1 1 条 の 規 定 に よ る 命 令 を 受 け た 所 有 者 等 が 正 当 な
理 由 な く 当 該 命 令 に 従 わ な い と き は 、次 に 掲 げ る 事 項 を 公 表 す る こ と が
できる。
(1) 命 令 に 従 わ な い 者 の 住 所 及 び 氏 名( 法 人 に あ っ て は 、主 た る 事 務 所
の所在地並びに名称及び代表者の氏名)
(2) 命 令 の 対 象 と な っ た 空 き 家 等 の 所 在 地
(3) 命 令 の 内 容
2
市 長 は 、前 項 の 規 定 に よ り 公 表 し よ う と す る と き は 、あ ら か じ め 、当
該公表の対象となる者に、意見を述べる機会を与えなければならない。
【趣旨】
本条は、第11条の規定による命令を受けた所有者等が命令に従わない
場 合 、従 わ な い 者 の 氏 名 等 の 公 表 を 行 う こ と が で き る 旨 を 規 定 し て い ま す 。
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パブリックコメント
資料3
【解説】
<第1項関係>
第11条の命令を受けた所有者等が正当な理由なく当該命令に従わない
ときは、従わない者の住所、氏名、空き家等の所在地、命令の内容を公表
できることを規定しています。
公表の規定は、管理不全な空き家等に係る措置について、市民等への情
報提供として実態を明らかにするとともに、制裁的な措置として定めるも
のであり、これにより命令の実行性を担保する効果を期待するものです。
<第2項関係>
公表を行うときは、公表の対象となる者に袖ケ浦市行政手続条例第13
条の規定により弁明の機会を付与することを規定しています。
【参考】
袖ケ浦市行政手続条例(抜粋)
(不利益処分を行おうとする場合の手続)
第13条
行 政 庁 は 、不 利 益 処 分 を 行 お う と す る 場 合 に は 、次 の 各 号 の 区
分 に 従 い 、こ の 章 の 定 め る と こ ろ に よ り 、当 該 不 利 益 処 分 の 名 あ て 人 と
な る べ き 者 に つ い て 、当 該 各 号 に 定 め る 意 見 陳 述 の た め の 手 続 を 執 ら な
ければならない。
(1) 次 の い ず れ か に 該 当 す る と き
ア
聴聞
許認可等を取り消す不利益処分を行おうとするとき。
イ
ア に 規 定 す る も の の ほ か 、名 あ て 人 の 資 格 又 は 地 位 を 直 接 に
はく奪する不利益処分を行おうとするとき。
ウ
ア及びイに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認め
るとき。
(2) 前 号 ア か ら ウ ま で の い ず れ か に も 該 当 し な い と き
付与
2
(略)
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弁明の機会の
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資料3
(不利益処分の理由の提示)
第14条
行 政 庁 は 、不 利 益 処 分 を 行 う 場 合 に は 、当 該 不 利 益 処 分 の 名 あ
て人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。
た だ し 、当 該 理 由 を 示 さ な い で 処 分 を 行 う べ き 差 し 迫 っ た 必 要 が あ る 場
合は、この限りでない。
2
行 政 庁 は 、前 項 た だ し 書 き の 場 合 に お い て 、名 あ て 人 の 所 在 が 判 明 し
なくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情が
あ る と き を 除 き 、処 分 後 相 当 の 期 間 内 に 、同 項 の 理 由 を 示 さ な け れ ば な
らない。
3
不 利 益 処 分 を 書 面 で 行 う と き は 、前 2 項 の 理 由 は 、書 面 よ り 示 さ な
ければならない。
(弁明の機会の付与の方式)
第27条
弁 明 は 、行 政 庁 が 口 頭 で 行 う こ と を 認 め た と き を 除 き 、弁 明 を
記 載 し た 書 面 ( 以 下 「 弁 明 書 」 と い う 。) を 提 出 し て 行 う も の と す る 。
2
弁明を行うときは、証拠書類等を提出することができる。
(弁明の機会の付与の通知の方法)
第28条
行 政 庁 は 、弁 明 書 の 提 出 期 限( 口 頭 に よ る 弁 明 の 機 会 の 付 与 を
行 う 場 合 に は 、出 頭 す べ き 日 時 )ま で に 相 当 な 期 間 を お い て 、不 利 益 処
分 の 名 あ て 人 と な る べ き 者 に 対 し 、次 の 各 号 に 掲 げ る 事 項 を 書 面 に よ り
通知しなければならない。
(1) 予 定 さ れ て い る 不 利 益 処 分 の 内 容 及 び 根 拠 と な る 条 例 等 の 条 項
(2) 不 利 益 処 分 の 原 因 と な る 事 実
(3) 弁 明 書 の 提 出 先 及 び 提 出 期 限( 口 頭 に よ る 弁 明 の 機 会 の 付 与 を 行 う
場合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)
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パブリックコメント
資料3
第14条(代執行)
(代執行)
第14条
市 長 は 、第 1 1 条 の 規 定 に よ る 命 令 を 受 け た 所 有 者 等 が 当 該 命
令 に 係 る 措 置 を 履 行 し な い 場 合 に お い て 、他 の 手 段 に よ っ て そ の 履 行 を
確 保 す る こ と が 困 難 で あ り 、か つ 、そ の 不 履 行 を 放 置 す る こ と が 著 し く
公 益 に 反 す る と 認 め ら れ る と き は 、行 政 代 執 行 法( 昭 和 2 3 年 法 律 第 4
3 号 )の 定 め る と こ ろ に よ り 自 ら 必 要 な 措 置 を 行 い 、又 は 第 三 者 に こ れ
を行わせ、その費用を当該所有者等から徴収することができる。
【趣旨】
本 条 は 、命 令 処 分 、氏 名 等 の 公 表 を 行 っ て も 、当 該 命 令 に 従 わ な い 場 合 、
行政代執行法に基づく代執行を行うことができる旨を規定しています。
【解説】
命令処分、氏名等の公表を行っても、当該命令に従わない場合の最終手
段として、行政代執行法に基づく代執行を行うことができる旨を規定して
います。管理不全な状態にある空き家等に対し、最終的には代執行も辞さ
な い こ と を 条 例 上 明 示 す る こ と で 、市 の 姿 勢 を 明 確 に 示 す も の で す 。ま た 、
代執行にかかる費用については、行政代執行法の規定により命令を受けた
者から徴収することを規定しています。
代 執 行 の 適 用 に 関 し て は 、個 人 の 財 産 に 対 し 、市 が 直 接 措 置 を 行 う た め 、
慎重に取り扱う必要があります。
このため、関係機関との協議や有識者等で構成する空き家等対策審議会
での審議結果を踏まえ対応することとしています。
【参考】
行政代執行法(全文)
第1条
行政上の義務の履行確保に関しては、別に法律で定めるものを除
いては、この法律の定めるところによる。
第2条
法 律( 法 律 の 委 任 に 基 づ く 命 令 、規 則 及 び 条 例 を 含 む 。以 下 同 じ 。)
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資料3
に よ り 直 接 に 命 ぜ ら れ 、又 は 法 律 に 基 き 行 政 庁 に よ り 命 ぜ ら れ た 行 為( 他
人 が 代 っ て な す こ と の で き る 行 為 に 限 る 。)に つ い て 義 務 者 が こ れ を 履 行
しない場合、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、
且つその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるとき
は、当該行政庁は、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をし
てこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができる。
第3条
前条の規定による処分(代執行)をなすには、相当の履行期限を
定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨を
予め文書で戒告しなければならない。
2
義務者が、前項の戒告を受けて、指定の期限までにその義務を履行し
ないときは、当該行政庁は、代執行令書をもって、代執行をなすべき時
期、代執行のために派遣する執行責任者の氏名及び代執行に要する費用
の概算による見積額を義務者に通知する。
3
非常の場合又は危険切迫の場合において、当該行為の急速な実施に
つ い て 緊 急 の 必 要 が あ り 、前 2 項 に 規 定 す る 手 続 を と る 暇 が な い と き は 、
その手続を経ないで代執行をすることができる。
第4条
代執行のために現場に派遣される執行責任者は、その者が執行責
任者たる本人であることを示すべき証票を携帯し、要求があるときは、
何時でもこれを呈示しなければならない。
第5条
代執行に要した費用の徴収については、実際に要した費用の額
及びその納期日を定め、義務者に対し、文書をもってその納付を命じな
ければならない。
第6条
代執行に要した費用は、国税滞納処分の例により、これを徴収す
ることができる。
2
代執行に要した費用については、行政庁は、国税及び地方税に次ぐ順
位の先取特権を有する。
3
代執行に要した費用を徴収したときは、その徴収金は、事務費の所属
に従い、国庫又は地方公共団体の経済の収入となる。
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パブリックコメント
資料3
第15条(空き家等対策審議会)
(空き家等対策審議会)
第15条
管理不全な状態にある空き家等に対する措置に関する事項その
他空き家等の適正な管理に必要な事項を審議するため、袖ケ浦市空き家
等 対 策 審 議 会 ( 以 下 「 審 議 会 」 と い う 。) を 置 く 。
2
審議会は、市長の諮問に応じ次に掲げる事項について調査審議する
ものとする。
(1) 第 1 1 条 に 規 定 す る 命 令 に 関 す る こ と 。
(2) 第 1 3 条 に 規 定 す る 公 表 に 関 す る こ と 。
(3) 前 条 に 規 定 す る 代 執 行 に 関 す る こ と 。
(4) そ の 他 空 き 家 等 の 適 正 な 管 理 に 必 要 な 事 項 に 関 し て 、 市 長 が 必 要 と
認めること。
3
審議会は、委員5人以内で組織する。
4
委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。
(1) 学 識 経 験 の あ る 者
(2) 関 係 行 政 機 関 の 職 員
(3) そ の 他 市 長 が 必 要 と 認 め る 者
5
委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期
は前任者の在任期間とする。
6
委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた
後も同様とする。
【趣旨】
本条は、管理不全な状態となった空き家等に対する措置に関する事項そ
の他空き家等の適正な管理に関する事項を調査審議するため、袖ケ浦市空
き家等対策審議会を設置することを規定しています。
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資料3
【解説】
<第1項関係>
この条例を運用する上で、市民等の財産に不利益となる処分をする場合
があり、その対応は慎重に行う必要があります。このことから、実態調査
や立入調査の結果等を基に、専門的な見地から調査審議するため、市長の
諮問機関として袖ケ浦市空き家等対策審議会を設置することを定めていま
す。
<第2項関係>
空き家等対策審議会において、調査審議する内容を規定しています。
<第3項関係>
空き家等対策審議会の組織体制について定めています。
<第4項関係>
空き家等対策審議会の委員の構成について定めています。
<第5項関係>
空き家等対策審議会の委員の任期について定めています。
<第6項関係>
空き家等対策審議会の委員は、審議会での審議内容その他、職務上知り
得た秘密を漏らしてはならないこととし、その職を退いた後も同様である
ことを規定しています。
第16条(民事による解決との関係)
(民事による解決との関係)
第16条
この条例の規定は、管理不全な状態にある空き家等を所有し、
又は管理する者と当該空き家等が管理不全な状態にあることにより被害
を受けるおそれがある者との間で、民事による解決を図ることを妨げる
ものではない。
【趣旨】
本条は、空き家等が原因で生じた紛争について、民事による解決との関
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パブリックコメント
資料3
係を規定しています。
【解説】
管理不全な状態にある空き家等が原因で生じた紛争については、当該紛
争の当事者間で民事による解決を図ることを本条例が妨げるものではない
ことを規定しています。
第17条(協力要請)
(協力要請)
第17条
市 長 は 、空 き 家 等 の 管 理 不 全 な 状 態 を 解 消 す る た め 必 要 が あ る
と 認 め る と き は 、本 市 の 区 域 を 管 轄 す る 警 察 そ の 他 の 関 係 機 関 に 必 要 な
措置等について協力を求めることができる。
2
市 長 は 、前 項 の 規 定 に よ る 協 力 要 請 に 際 し 、必 要 な 範 囲 の 情 報 を 関 係
機関に提供することができる。
【趣旨】
本条は、市だけでは対応が困難な場合に警察や消防等の関係機関に必要
な協力を求め、必要に応じ、情報提供を行うことができることについて規
定しています。
【解説】
<第1項関係>
管理不全な状態にある空き家等が原因で、災害や犯罪が誘発されるおそ
れがある場合や、市だけでは対応が困難な場合に警察、消防等の関係機関
に必要な措置について協力を求め、連携した対応をすることを規定してい
ます。
<第2項関係>
第1項に規定する関係機関への協力要請を行う際、関係機関が行う措置
に必要な情報を提供することができることを規定しています。
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パブリックコメント
資料3
第18条(委任)
(委任)
第18条
こ の 条 例 に 定 め る も の の ほ か 、こ の 条 例 の 施 行 に 関 し 、必 要 な
事項は、規則で定める。
【趣旨】
本条は、この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事
項は、袖ケ浦市空き家等の適正な管理に関する条例施行規則で定めること
を規定しています。
附
則
附
則
(施行期日)
1
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
(袖ケ浦市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条
例の一部改正)
2
袖ケ浦市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関す
る条例(昭和46年条例第26号)の一部を次のように改正する。
別表中
「
景観審議会
会長
7 ,5 0 0
委員
6 ,5 0 0
」を
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資料3
「
景観審議会
会長
7 ,5 0 0
委員
6 ,5 0 0
空 き 家 等 対
会長
7 ,5 0 0
策審議会
委員
6 ,5 0 0
」に改める。
【趣旨】
条例の施行期日を規定するものです。
また、空き家等対策審議会の委員を非常勤特別職とし、その委員の報酬
を定めるため「袖ケ浦市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償
に関する条例(昭和46年条例第26号)」の一部を改正するものです。
【解説】
<第1項関係>
この条例の施行期日を規定するものであり、本条例の施行を平成27年
4月1日とするものです。
<第2項関係>
空き家等対策審議会の設置に伴い、その委員を地方自治法(昭和22年
法律第67号)第203条の2に規定する非常勤の職員にしようとするも
のであり、その委員としての報酬を定めるため、袖ケ浦市特別職の職員で
非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正するものです。
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