GUM改正進捗状況 【PDF:83KB】

<測定における不確かさの表現のガイド(GUM)改正に関する進捗状況>(JCGM-WG1)
*改正の概要(現行GUM (GUM1)との違い)
➣タイトルを「Guide to Uncertainty in Measurement」に変更(略称のGUMは同一)。
➣確率密度関数(probability density function)の概念を導入(ベイズ統計の理論を採用)
➣タイプA及びタイプBの定義を削除。しかし、現行との乖離を避けるために概念は維持。
➣標準測定不確かさ(standard measurement uncertainty)の定義を変更。確率密度関
数の標準偏差として定義(“合成標準不確かさ”及び“拡張不確かさ”を削除)。
➣有効自由度の概念を排除:包含係数から包含確率・包含区間へ。
➣Nominal property(名義的性質)と Ordinal quantity(順序尺度量)に関しては扱わない。
➣測定のモデル化(Modelling the measurement)の章を新たに設ける。その中で、その他のモデルの
節を設置して、観測方程式(Observation equation)や統計モデル(Statistical model)を取り上
げる。なおここでは、ANOVA(Analysis of variance、分散分析)についても記述する方向で検討中。
⇒GUMの改正原案(WG1案)が、2014年12月末に8加盟組織及びメートル条約に加盟のNMIに回付され
て、2015年4月3日までのコメント提出が求められているところである。
このように,基本路線は現行のGUMを踏襲するものの,測定結果の表現方法などに,従来との差異を生
じて混乱を招く恐れもあるので,ILAC内や国内での啓発活動が必須であろう。実際に新しいGUMが発行さ
れるまでに1年以上を要すると思われるが,早い時期からの移行のための準備が必要である。
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<国際計量計測用語-基本及び一般概念並びに関連用語(VIM)改正に関する進捗状況>
(JCGM-WG2)
*改正の概要(現行VIM (VIM3)との違い)
○注釈(Annotation)の追加(Annotated VIM3)
VIM3の中で難解な用語、追加的解説が必要な用語に関する注釈文書を作成中。
(例:nominal property, measurement model, measurand, calibration)
※現在、html版にてBIPMホームページ上に一部分を公開中。
(http://jcgm.bipm.org/vim/en/index.html)
○Annotated VIM3を基にVIM4を編集作業中
➣タイトルを「International Vocabulary of Metrology」に変更予定(副題なし)
➣よりユーザーフレンドリーな記述を検討(理解のしやすさ)
➣一般的(generic)と個別(specific)の概念の導入を検討。
➣名義的性質(nominal property/qualitative property)をいかに導入するかは検討中。
改訂作業においては、これまでの“量”を中心とする測定対象量に加え、“性質”の評価を必要とす
る分野(臨床科学、標準物質分野等)における計量計測トレーサビリティや測定不確かさの扱い方を念
頭に置いた検討がなされている。加えて、注釈版の発行やより解釈が容易な方向の検討も進められてお
り、ユーザーにとってはより使いやすくなるものと期待される。
<構成概要案の作成:2016年末まで、WG原案の作成:2018年末まで>
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