秩父宮記念公園第2期整備事業計画案について(PDF:612KB)

秩父宮記念公園第2期整備事業計画案について
1.はじめに
秩父宮記念公園は、JR御殿場駅から南東約2㎞、東名
高速道路御殿場インターチェンジに程近い箱根外輪山の山
裾に位置した緑豊かな中にある 市内唯一の総合公園です。
平成8年に、昭和天皇の実弟である秩父宮雍仁親王と勢
津子妃両殿下が実際にお住まいになられていた御別邸を妃
殿下の御遺言により御殿場市に遺贈いただき、園内を整備
したのち平成15年4月に供用開始をしました 。
今回、本公園の第2期整備では、平成11年に都市計画
決定を受けた約9.8haのうち未整備となって いる区域
(約2.7ha)を整備し、企画庭園や既存の別荘空間を
保った公園の整備を行うことで、秩父宮両殿下の御殿場市
における事蹟を後世に伝えるとともに、地域の骨格を構成
する枢要な緑地を担保し、加えて庭づくりの場と 情報の提
供を通じて、市民の緑化意識を高めていくことをねらいと
します。
また、本公園が持つブランド性や立地環境の優位性に着
目し、観光客をターゲットとした本市の観光拠点としての
位置づけを高めるよう整備を行います 。
2.上位計画での位置づけ
(1)第3次
御殿場市総合計画
「観光・交流・保養ゾーン 」
富 士 山 山 麓 、箱 根 外 輪 山 山 麓 に お い て 、自 然 資 源 、歴
史 資 源 、レ ク リ ェ ー シ ョ ン 資 源 を 活 か し 観 光 交 流 を 図 る
ゾーン。
(2)御殿場市都市計画マスタープラン
「歴史・文化拠点」
-1-
深 沢 城 跡 周 辺 や 御 殿 場 市 の 地 名 発 祥 の 地 周 辺 を 本 市
の 歴 史 拠 点 と し 、東 山 地 区 の 旧 岸 邸 や 、秩 父 宮 記 念 公 園
な ど が 広 が る 一 帯 を 文 化 拠 点 と 定 め 、本 市 の 成 り 立 ち な
どを感じることができる拠点を目指す。
(3)御殿場市景観計画
「東山・二の岡地区について」
明 治 2 2 年 の 東 海 道 本 線 御 殿 場 駅 の 開 設 以 降 に 発 展
し て き た 、当 該 地 域 の 別 荘 文 化 は 、本 市 に 現 存 す る 歴 史
的 遺 産 の 一 つ で あ り 、( 都 ) 御 東 原 循 環 線 の 桜 並 木 を 始
め 、秩 父 宮 記 念 公 園 や 東 山 旧 岸 邸 、と ら や 工 房 、東 山 湖
等 、本 市 を 代 表 す る 景 観 資 源 が 集 中 す る 地 区 に な っ て お
り、市の個性を内外に発信するための重要 な地 区です 。
そのため、自然景観や歴史・文化的な趣のある良好な
景 観 を 保 全 す る と と も に 、景 観 資 源 と し て 活 用 を 図 っ て
い く こ と が 必 要 と さ れ る こ と か ら 景 観 整 備 重 点 地 区 と
して選定します。
(4)御殿場市緑の基本計画
「秩父宮記念公園周辺地区 」
本 地 区 は 、秩 父 宮 記 念 公 園 な ど が 緑 豊 か な 中 に 位 置 し 、
ま た 、閑 静 な 別 荘 や 住 宅 が 多 く 、本 市 の 原 風 景 と も い え
る 良 好 な 景 観 を 形 成 し て い ま す 。こ の 緑 を ま も り 、ふ や
し 、育 て 、次 世 代 に 引 き 継 ぐ た め に は 、関 係 者 の 理 解 と
協 力 を 得 つ つ 、緑 地 協 定 、建 築 協 定 、風 致 地 区 の 指 定 な
どによる、土地利用の規制誘導を検討します。
また、二の岡神社、平和公園、秩父宮記念公園、東山
湖 か ら 厳 島 神 社 、東 山 観 音 堂 な ど を 結 ぶ 散 策 路 な ど の 整
備 に よ り 、自 然 と 人 と の ふ れ あ う 遊 空 間 づ く り を 推 進 し
ます。
-2-
3.
事業計画
(1)事
業
地
静岡県御殿場市大字東田中字向追出シ
及び字宮ケ崎地内
(2)公園種別
総合公園
(3)整備面積
約 2 . 7 ha
(4)事業期間
平成31年3月31日まで
(5)総事業費
2,357,330千円
(内
一 般 財 源 1 4 0 ,0 3 0 千 円 )
(6)整備区域
: 都 市 計 画 公 園 区 域
開園済エリア
第2期整備エリア
利活用エリア
※ 利 活 用 エ リ ア ・・・ 妃 殿 下 が 散 策 路 と し て 利 用 し て い た エ リ ア で 、
現 在 も 当 時 の 樹 木 が 残 っ て い る 。 今 後 、 来 園 者 に 利 用 し て い た だ
け る よ う 整 備 し ま す 。
4.秩父宮記念公園の基本方針
( 1 )両 殿 下 が 過 ご し た 別 邸 で の 生 活 空 間 や 環 境 を う か が う
ことができる場の形成
( 2 )来 園 者 個 々 の 生 活 で 活 か さ れ る 自 然 と の ふ れ あ い を 提
-3-
供できる場所の形成
( 3 )既 存 施 設 や 現 況 環 境 の 保 全・活 用 に よ る 新 た な 整 備 に
よ っ て 、周 辺 地 域 の 保 全・整 備 の 方 向 性 を 誘 導 し て い
く場の形成
( 4 )地 元 市 民 と の 親 交 を 偲 び 、こ れ を 出 発 点 と し て 広 く 市
民を結ぶ交流の場の形成
5.第2期整備事業内容
ゾ ー ニ ン グ 計 画 図
( 2 ) く つ ろ ぎ の 庭
①
②
( 3 ) も て な し の 庭
(1)育
み
の
③
( 1 ) 育 み の 庭
庭
・ 秩 父 宮 家 が 当 時 農 場 用 地 と し て 利 用 し 、現 在 ヒ ノ キ 林 と
な っ て い る 場 所 を 、秩 父 宮 別 邸 で の 庭 づ く り を 実 践 、体
験 を し な が ら 草 花 の 専 門 的 知 識 を 習 得 す る 場 所 と し て
整備する。
・ 将 来 を 担 う 子 ど も 達 に 身 近 な 自 然 を 学 び 伝 え る 場 所 と
す る こ と に よ り 、後 世 へ 向 け た 自 然 環 境 の 保 全 を 図 っ て
いく。
-4-
・ こ こ で の 技 術 や 情 報 、体 験 が 個 々 の 生 活 の 場 だ け で な く 、
街 づ く り の 修 景 や 演 出 面 で も 活 か せ る よ う な 運 営 プ ロ
グラムと、交流の場を提供していく。
■
庭の構成
①.オープンガーデン
休 憩 所 兼 研 修 室 を 中 心 と し た 園 路 に 囲 わ れ た 区 画
を 住 宅 敷 地 に 見 立 て 、 玄 関 部 や 主 庭 、 テ ラ ス や 中 庭
な ど の 区 画 に 区 分 し 、 個 々 の 庭 づ く り を 通 じ て 草 花
の詳細な作庭技術やアイデアを紹介・展示していく。
 ゾ ー ン : 前 庭 、 芝 生 地 、 テラス、 疎 林 、 中 庭 、 日 向 ・
日 陰 の ボーダーガーデン、 作 業 ヤード、 アルコープ
施
設:休憩所兼研修室(90㎡
5 0 人 規 模 )、
資材倉庫、四阿
②.ナチュラルガーデン
施 設 外 周 の 森 林 景 観 か ら 連 続 す る 既 存 ヒ
活 用 し な が ら 森 林 を ベ ー ス と す る 庭 づ く り
林 の 延 長 に あ る 庭 の 創 作 の 場 と し て 、 こ の
を 活 か し た 自 然 の 景 色 づ く り の 技 術 や ア イ
介・展示する。
ゾ ー ン : 平 地 林 、 湿 地 、 山 地 の コ ー ナ ー
ノ
の
地
デ
キ
場
の
ア
林
、
植
を
を
森
生
紹
③.キッズガーデン
将 来 の 利 用 者 と な る 子 ど も た ち を タ ー ゲ ッ ト と し
て 捉え て 、 課外 授 業の 一 環 とし て 庭づ く り や園 芸活
動を通じて身近な自然を学習する場を確保する。
実 施 に あ た っ て は 、草 花 に 親 し み な が ら 学 ぶ こ と が
で き る 利 用 プ ロ グ ラ ム を 用 意 す る と と も に 、 家 族 が
共 同 で 作 業 で き る よ う な ア イ デ ア を 紹 介 ・ 展 示 し て
い く こ と で 、 親 子 間 の 交 流 の 機 会 と 場 を 提 供 し て い
く。
 ゾ ー ン : 草 摘 み の コーナー、 果 実 の コーナー、 花 畑 の コーナー
施
設:温室、四阿、パーゴラ、アーチ
(2)く
つ
ろ
ぎ
の
庭
・ 多 世 代 が 自 由 に く つ ろ ぎ 、語 り 合 え る 場 所 と し て 樹 林 地
を背景に芝生広場(4,300㎡)を整備する。
・ 広 場 で は 、森 の 音 楽 会 、発 表 会 な ど と し て の 活 用 を 図 る 。
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(3)も
て
な
し
の
庭
・ 来 園 者 へ の 食 文 化 を 発 信 す る 場 所 と し て 交 流 館( 飲 食 提
供 施 設 )を 整 備 し 、本 市 の 観 光 交 流 拠 点 と し て の 機 能 を
高める。
・ 既 存 樹 林 を 活 か し な が ら 修 景 要 素 の 高 い 空 間 と し て 整
備 し 、本 公 園 を 訪 れ た 方 が 季 節 の 移 り 変 わ り を 感 じ 、別
荘地の雰囲気を味わえる場所とする。
・ 樹 木 の 健 康 度 、景 観 構 成 な ど を 考 慮 し 、樹 木 の 間 伐 や 枝
打 ち な ど を 行 い な が ら 大 径 木 を 主 体 と し た 見 通 し の 良
い 明 る い 庭 を 整 備 し 、林 床 に は 低 花 木 や 野 生 草 花 を 植 栽
ま た は 選 択 し て 残 す こ と で も て な し の 庭 と し て の 魅 力
を高める。
施
(4)そ
設:交流館(食事提供施設)
の
他
・ 駐 車 場 5 3 台 ( 内 身 障 者 用 2 台 )、 屋 外 ト イ レ 、
受付・案内所、駐輪場
・ 臨時駐車場
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