千葉市債権管理に関する基本方針(案)及び千葉市債権管理条例(案)の概要について ■ 財政健全化と市民負担の公平性を確保するため、「千葉市債権管理に関する基本方針」を策定します。また、基本方針に基づく適正な債権管理を実現するために、 「千葉市債権管理条例」を制定します。 ■ 現状と課題 ■ 基本方針と条例に基づく適正な債権管理の推進 (1)千葉市には市税や国民健康保険料をはじめ、多種多様で多額の債権があり、債権の分類(表1)に応じた適正な 管理を行い、確実に徴収することが重要です。 (2)滞納となった債権についても、適切な対応を図っていく必要があります。自主財源の根幹を占める市税が大きく 減少しているため、千葉市全体の滞納額は減少していますが、市税を除くと増加傾向にあります。(表2) (3)現状の債権管理には、次のような課題があります。 ①各所管課が独自に対策を行っているため、処理基準が統一されていない。 ②債権管理を行う専任職員が丌十分である。 ③債権回収に関するノウハウが丌十分である。 (1)基本方針により債権管理に関する基本的な考え方を示 します。 (2)基本方針に、台帳の整備等の日常管理、滞納債権への 対応など、具体的な取組みを示し、それに基づいて実施 します。 (3)条例に債権管理に関する事務を規定し、基本方針に基 づく適正な債権管理を確実に実行します。 千葉市債権管理に関する基本方針(案) 強制徴収公債権 公債権 例:市税、国民健康保険料 ↓ 非強制徴収公債権 例:中央卸売市場使用料 (単位:百万) 滞納額全体 (台帳の整備) ↓ 例:市営住宅使用料 市税 市税以外 H20 23,250 13,582 9,668 H21 22,651 12,625 10,026 H22 22,570 12,016 10,554 2 対象債権 日常管理 非強制徴収債権 私債権 2 具体的な取組み この条例は、市の債権の管理に関する事務処理について必要な事項 を定めることにより、市の債権の管理の適正を期するため制定します。 発生 表2 滞納額の推移(H20~H22) (1)債権の適正な管理 債権を適正に分類し(表1)、各債権に適用される法令を正確に 把握した上で法令に基づいて行います。 台帳の整備、納期内納付の促進等を行い、日常管理を適切に行い ます。 (2)滞納債権の回収 納期内に納付されない場合は、早期に対応し、納付資力を見極め たうえで必要な措置を行います。 (3)債権管理のための環境整備 担当職員のスキルの向上を図るため、債権管理事務マニュアルを 整備し、研修の充実を図ります。 組織として対応することを改めて徹底します。 (4)債権管理の継続的な改善 債権管理に関する執行状況や債権の収入状況等を確実に把握し、 その管理方法等について継続的に評価見直しを行います。 1 目的 強制徴収債権 債権 (金銭債権) 千葉市債権管理条例(案)概要 【参考】 債権管理の流れ 表1 債権の分類 1 基本的事項 (1)趣旨 財政健全化と市民負担の公平性を確保するため、適正な債権管理 の推進と滞納額の縮減が必要であり、それを実現するため、千葉市 債権管理に関する基本方針を策定します。 (2)対象債権 市の保有する全ての金銭債権を対象とします。(表1) (3)基本的な考え方 各債権に適用される法令の規定に従い、適正な債権管理を行いま す。また、滞納債権については、効率的・効果的な債権回収を行い ます。 課題解決 のために 納 期 内 納 付 ↓ 回収 (督促、滞納処分、 強制執行等) ↓ 消滅 (債権の放棄) 25,000 20,000 全体 15,000 市税 ■ 効果 ・財政健全化 ・市民負担の 公平性の確保 市の保有する全ての金銭債権を対象とします。 なお、本条例では、債権を強制徴収債権と非強制徴収債権に分類し ています。(表1) (1)強制徴収債権 市税及び国税又は地方税の滞納処分の例により徴収できる債権 (2)非強制徴収債権 債権のうち、強制徴収債権以外の債権 3 台帳の整備 市の債権を適正に管理するため、債権管理に必要な事項を記載した 台帳を整備します。 4 督促 市の債権について、履行期限までに履行しないときは、法令に従い、 督促を行います。 5 滞納処分、強制執行等 10,000 督促をしてもなお履行されない場合は、法令に基づき、納付資力を見極めた上で次のような措置を行います。 (1)強制徴収債権 徴収猶予、財産の差押、滞納処分の執行停止など (2)非強制徴収債権 履行延期の特約等、強制執行など 市税以外 5,000 6 債権の放棄 0 H20 H21 H22 3 千葉市債権管理対策本部 これまで市税を中心に徴収に関する取組みを強化してきましたが、依然として徴収率は低い状況です。全ての債権につ いて適正な債権管理を推進するため、全庁横断的な組織「千葉市債権管理対策本部」を設置し、検討を開始しています。 [構成員]本部長:副市長(財政局所管)、副本部長:副市長、本部員:局長、区長 非強制徴収債権について、あらゆる手段を尽くしてもなお徴収の見込みがなく、以下の事項に該当する 場合は、債権を放棄できるものとします。 (1)消滅時効に係る時効期間が満了したとき(私債権のみ)。 (2)債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合において、市に弁済がないと見込まれるとき。 (3)破産法等の規定により債務者が市の債権について免責されたとき。 (4)地方自治法施行令に基づく強制執行の措置をとってもなお完全に回収できず、債務者が無資力であるとき。 (5)地方自治法施行令に基づく徴収停止の措置をとった後、相当の期間を経過しても履行される見込みのない とき。
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