支援と見守りが必要な子どもへの対応(PDF:366KB)

「こどもの参画・信頼できる大人とこどもの居場所」公開
講座
支援と見守りが必要な子どもへの対
応
& こどもカフェについて
植草学園短期大学 児童障害福祉専攻
田村 光子
「気になる子」ってどんな子

いま注目される“特別支援教育”で注目される「気になる子」
通常学級の所
属している
6%くらいの
子どもたちが
特別な教育的
支援を必要とし
ている
1クラスで
2~3人くらい
これだけか?
幼稚園での「気になる子」の調査
障害のある子を含む保育(インクルーシブ保育)への保護者の意識調査(2011.11実施 田村・根本)
発達に気にな
る点がある
6%
お子さんが集
団で過ごす中
で気になる点
がある
15%
この子たちは
どうなったのか?
幼児期だからこそ未発達な部分や
発達の凸凹があることは理解できる
が・・・・・
障がいがある
6%
その他
3%
発達に気にな
る点は特にな
い
70%
回答者数 301名
回答率 96.5%
発達の凸凹
 発達凸凹とは、認知の高い峰と低い谷のこと。
→ 乳児期、幼児期では、発達障害と発達凸凹はほぼ同じものを
指すと考えていいでしょう。いや、かれらはまだ発達障害では
なく、発達凸凹であるといえる。
 でも、年齢を重ねるにつれ、環境とのかかわりのなかで、適応障害を起
こしてきたとき、発達凸凹は発達障害になる。
→ 発達凸凹 + 適応障害 = 発達障害
 適応障害を起こしていない発達凸凹は、マイナスとは限らず、特異な才
能を伸ばせば、社会に大きく貢献する人材になる。
「適応障害を起こしてくる大きな憎悪因子がトラウマだ」
(杉山登志郎「発達障害のいま」)
気になる子① 丌器用さ
さまざまな事を理解しているかどうかあやふやなとことがある。いろいろなことに
興味は持てるものの、自分で考えずに他の子の行動に引っ張られて行動して
いることがある。状況判断で行動して、言語で理解していないことがある。
→ 物事を理解するペースがゆっくり・見通しがたたず行動がとまってしまう
→ 手先を使った作業や体を動かして遊ぶことの丌器用さ(運動機能)
・・・ 「感覚を使って情報を取り入れることが難しい」
・・・ 活動が止まったら、声をかけて遊び方を教えたり、ちがう環境を準備する
五感を育てる環境の重要性
・・・
見る・聞く・匂う・味わう・触れる
(高いところから見てみる・はじめてのものに触れてみる・動物と触れ合う
食べること・自然と触れ合うこと 環境がなくては育たない力 )
* シュタイナー教育
気になる子② 感情や動きが激しい
元気で活発、活動的。自発的にさまざまなことに興味をもつ。一方で、じっとしていること
は苦手で興味や注意がそれて遊びが移り変わることがある。
→ いつも身体のどこかが動いている
→ 情報の取り入れは器用で、遠くで行われている活動に意識をむけたりする
→ 力のコントロールが苦手な子もいる (トラブルになって注意をうけることも多い)
・・・
・・・
周囲の情報を過分にとらえやすい
注意をうけることが多いため、反抗的な態度をとるようになったり
自分を卑下するような態度をとるようになったりする
人間関係の中で育つ力 ・・・ 友達とのかかわりがとても重要!!
(「モノ」とのかかわりより「ヒト」とのかかわりの場面をふやす)
その子の力が十分に発揮されるような場面づくりが必要
自分流の遊びやこだわり、ものごとへのイメージが持てるようにする
気になる子③「感じる力」の偏り
多弁で対人関係トラブルが多い。自分流の遊びやこだわり、ものごとへのイメージをもって
いるため、能力がある一方で、「自分流」が崩されることがあると、感情の起伏が抑えられ
ず、トラブルになることがある
→ 感じる力が敏感なケース 大人が思っている以上に情報をとりいれがち
→ 情報を処理する力がないため、感情のコントロールが効かない場合も多い
・・・ 「体験」よりも、たくさん・しっかりと話をしてあげることが必要な子
・・・ 感じ取れる力 を使って、物事を理解していけるようにする
「動き」から学ぶことも多い ・・・ 「動く・止まる」のような活動が幼児教育でも
とりいれられている場合がある
・・・ できたら自然なかたちでその環境を得たいが・・・
自然環境の中で「自分に気づく・周囲に気づく」ような体験
・・・ コントロールできにくい環境は丌得意
(自然環境・集団での行動etc・・・)
・・・ 無理のない範囲で成功体験をつくっていく
子どもたちの「自律」と「自立」
自律
自立
周囲からのかかわり
を受け、周囲の規範
を自分の中に取り入
れながら、自分の感
情や行動を調整して
いくこと。
依存や援助なく自分
のことを自分でできる
ようになること また信
頼している人から離
れて自由になっていく
こと。
共感力
模倣力 =社会的な育ちが重要
↑↑↑ 信頼できる大人の存在が必要
運動能力・操作性
認知能力
=知的発達・運動発達が重要