2007年度 信号処理論 第2回 - 九州工業大学 尾知・黒崎研究室

北九州市立大学
情報メディア技術概論
第11回
九州工業大学
電子情報工学科
尾知 博
N408
[email protected]
授業計画
Content
Date
1
ディジタル信号処理の基礎理論 -畳み込みとディジタルフィルタ―
10/7
2
ディジタル信号処理の基礎理論 -フーリエ変換とスペクトル解析―
10/14
3
音声の圧縮 ―波形符号化
4
シミュレーション演習1 ; PCM, DPCM, ADPCM
5
ノイズ除去
6
シミュレーション演習2; ノイズ除去
7
音源分離 I
4.1
11/4
8
音源分離 II
4.4
12/2
2.1 2.2
10/21 5限
10/21 6限
3.3
10/28 5限
10/28 6限
5.1
9
画像処理の基礎
10
シミュレーション演習3;画像処理(2次元フィルタ)
11
マルチレート信号処理と画像の拡大縮小
1.6 資料
12
2次元DCTと静止画像圧縮の原理(JPEG)
6.1-6.5
13
シミュレーション演習4;画像圧縮
14
離散コサイン変換DCTとMP3
1.5 2.4
15
動画像圧縮の原理(MPEG)
8.1-8.3
16
レポート形式期末試験
12/9 5限
12/9 6限
12/16
1/13 5限
1/13 6限
1/20
1/27
2/4
第12回の概要

レート変換





サンプリング
アップサンプリング
ダウンサンプリング
マルチレートシステム
クイズ
レート変換
F1でサンプリング
t
レート変換
t
F2でサンプリング
t
様々なメディアのサンプリング周波数

サンプリングレート







CD
SACD
DVD-Audio
MP3
WMA
AAC
電話(ISDN)
: 44.1kHz
: 2.8224MHz
: 44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz
: 32/44.1/48kHz
:8/11.025/16/22.05/32/44.1/48/88.2/96kHz
: 8~96kHz
: 8kHz
レート変換システム
D/A
•1度アナログを通す
•D/A, A/Dの非線形性
•量子化誤差
•回路が膨大
A/D
F2でサンプリング
誤りが生じる
レート変換
システム
•フルデジタル処理
レート変換の例-画像の縮小:演習5-
0
n1
n2
0
n1
n2
エリアシング
(折り返し歪み)
レート変換の例-画像の拡大-
3 2 5
8 7 6
10 2 2
3 3 2 2
ゼロ次ホールド
3 3 2 2
8 8 7 7
8 8 7 7
マルチレートシステムの要素
x(n)
↑U
y(m)
U
U-1個のゼロを挿入
•アップサンプラ
x(n)
↓D
y(m)
D
Dごとに1つのデータを
取り出す
•ダウンサンプラ
マルチレートシステムの要素
x(n)
↑U
x(n)
↓D
 
y(m)
 x m m  Un
y m    U
0 Otherwise
y(m)
ym  xDm
周波数特性 -復習-
 S
2
0
S
0
FS
2
S
 [rad/s]
 S
 FS
2
1
 FS
2

0.5
0
0
F [Hz]
2

0.5
FS
2
1
 [rad]
•正規化角周波数

  TS 
FS
f
•正規化周波数
 F
f 

2 FS
アップサンプラとダウンサンプラの周
波数スペクトル
•計算の仕方
yU m, yD m
YU  z , YD  z 
z 変換
YU e
j
,Y e 
j
D
z  e j
アップサンプラの周波数スペクトル
x(n)
↑U
yU(m)
 m
 x  m  Un
yU m     U 
0 Otherwise

YU  z  
m 
U
X Z
z  e j
周波数スペクトル
  
m
y

m

Z
U
 
z変換
YU e j  X e jU


X e j  が 1
に縮まる
U
アップサンプラの周波数スペクトル
 
X e j
 [rad]
 2  
↑2

2
4
Fs
 
YU e j
 [rad]
 2  
2

2
Fs’=2Fs
イメージング成分
4
ダウンサンプラの周波数スペクトル
x(n)
↓D
yD m  xDm 
yD(m)
YD  z  


y D m Z m
m  
z変換
1

D
D 1

k 0
2
j
 D1 k 
X  z WD  , 但しWD  e D


z  e j
周波数スペクトル
1
YD e  
D
j
D 1

k 0
 j  D2k 

X  e



大きさ1/D,k = 0 以外がエリアジングを発生させる成分
ダウンサンプラの周波数スペクトル
 
X e j
 [rad]
 2  
2
↓2

2
4
Fs
 
YU e j
 [rad]
 2  

2
Fs’=1/2Fs
エリアジング成分
4
周波数スペクトル

周波数軸で合わせる
 
X e j
 rad/s
 S
↑2
YU e j 
 S / 2
S / 2
S
2 S
Fs
 rad/s
 S
↓2
YD e j 
 S / 2
S / 2
S
2 S
Fs’
 rad/s
 S
 S / 2
S / 2
Fs’
S
2 S
レート変換

インターポレータ(アップサンプラ+フィルタ)

理想フィルタによるイメージング除去


U


x(n)


U
F e   
0     

U
j
↑U
V(m)
y(m)
f(m)
Fs
Fs’ = Fs/D
U = 2の場合
 
 [rad]
X e j
 [rad]
 2  

 2  

2
2
 [rad]
 2  

2
レート変換

デシメータ(ダウンサンプラ+フィルタ)

理想フィルタによるエリアジング除去


1


x(n)


D
H e   
0     

D
j
U(n)
h(n)
y(m)
↓D
Fs
Fs’ = Fs/D
D = 2の場合
 
X e
 [rad]
j
 [rad]
 2  

 /2
 2  

2
2
 [rad]
Fs
 2  

2
例 インターポレーション

以下のシステムにx(n)を入力したときのV(m)及
び出力y(m)を図示せよ.
V(m)
x(n)
↑3
y(m)
f(m)
Fs
Fs’ = Fs/D
(1)
(2)
0m3
1 f m   
0 4
x(n)
1
1
0
n
1
2
 m
m U
1  f m    3
0 有理数比のレート変換

理想フィルタによるイメージング,エリアジング除
去
x(n)
Fs
↑U
g(n)
↓D
y(m)
Fs’ = UFs/D

  
  min  , 
U D U 
j
G e   
0 min   ,      

D U 
例


1.01倍を達成するためのU,Dを決定せよ.
U,Dの順か、D,Uの順のどちらが適切か?
マルチレートシステムの性質
ノーブル恒等変換
↓D
F z 
H z 
↑U
↑U1
↑U2
↑U
↓D
H z D 
↑U
↓D
F zU 
↑U
↓D
U=U1U2
↑U
UとDが互いに素


これらの性質を用いて様々なシステムを構築
最初の2式は,ノーブル恒等変換と呼ばれる
宿題
1.ノーブル恒等変換において、入
力信号x(n), H(z), F(z)を以下とする。
例として、D=2, U=2と仮定し、恒等
変換が成立することを値で示せ。
x(n)=[1 2 1 2 1 2 1 2 1 2]
H(z)= 1+0.5z-1
F(z)= 1-0.5z-1