グ ラ フ で 見 る 区 の 財 政 状 況( 概 要 )

グ ラ フ で 見 る 区 の 財 政 状 況( 概 要 )
平 成 22 年 4 月
豊
島
区
(1) 一般会計当初予算の規模と財源対策
(億円)
700
1,100
財政規模(最上の値)
財政調整基金繰入金
1,032
1,045
1,030
土地売却等
1,000
600
984
964
基金からの運用
939
920
920
969
960
946
933
907
889
900
500
879
895
896
893
865
861
39
6
0
0
0
11
16
17
18
19
20
21
795
800
400
736
700
300
668
200
600
100
500
27
43
0
63
4
10
22
元
2
3
39
43
40
4
5
6
60
7
76
8
20
40
42
18
26
10
6
11
26
19
11
17
9
10
11
12
13
14
15
14
22
本区の財政規模は、昭和 63 年度以降バブル経済の進行とともに急激に伸びましたが、バブル経済崩壊後も高い行政サービス水準を維持し、その財源不足に対応する
ため、基金の取り崩しのほか、平成5年度からは庁舎等建設基金など特定の目的のために積立てた基金の運用(借用)や用地処分などにより対応を図ってきました。
18 年度以降は、これまでの行財政改革の成果が徐々に表れ、景気回復による歳入の改善もあいまって、3年連続で臨時的な財源対策を一切講じない予算となり、区財
政は着実に健全化に向かいつつありましたが、一昨年秋以降の世界的な景気悪化の影響を受け、21・22 年度と2年連続で臨時的な財源対策を行う結果となっています。
1
(2)投資的経費の推移(決算)
(億円)
400
三芳グラウンド
93 億円
アトリエ村
53 億円
千川つつじ苑・豊寿園等 11 億円
上池袋さくら公園 67 億円
上池袋図書館
13 億円
生活産業プラザ 82 億円
秀山荘
17 億円
341
350
330
市街地再開発1地区 31 億円
市街地再開発2地区 13 億円
あうるすぽっと
13 億円
風かおる里 28 億円
アトリエ村
25 億円
四季の里
22 億円
長崎つつじ苑・豊寿園等 12 億円
市街地再開発2地区
13 億円
居住環境総合整備(染井)7 億円
300
265
255
250
生活産業プラザ 21 億円
目白の森
26 億円
233
新中央図書館
32 億円
区役所別館用地
25 億円
居住環境総合整備(染井) 20 億円
健康プラザとしま 74 億円
菊かおる園
31 億円
17 億円
池袋保健所
200
500
市街地再開発1地区 25 億円
明豊中学校
14 億円
あうるすぽっと
11 億円
177
155
154
154
150
136
124
122
108
103
89
100
88
87
73
72
82
60
50
0
63
元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
区では、これまで福祉施設の建設や公園整備などの施設建設事業に積極的に取り組み、平成となってから、20 年間で合計 3,101 億円の資金を投じてきました。特に、
平成元年度からの5年間では、その 46%にあたる 1,424 億円を支出しました。
2
(3)用地買収の状況(契約ベース)
(億円)
上池袋さくら公園(図書館
含む) 80 億円
331
一般会計での買収
生活産業プラザ用地 72 億円
公社会計での買収
アトリエ村用地 53 億円
三芳グランド
93 億円
300
上池袋旧国鉄用地
87 億円
風かおる里用地
28 億円
小鳥がさえずる公園 14 億円
池袋の森
11 億円
141
目白庭園用地
63 億円
舞台芸術交流センター及び新中央
図書館床取得 70 億円
目白の森 26 億円
区役所別館(旧池袋保健所) 25 億円
200
167 170
114
63
第十中学校 23 億円
長崎公園 9 億円
134
47
池袋本町防災関係用地 25 億円
西巣鴨二丁目特養用地 16 億円
78
100
190
85
104
97
65
122
28
24
36
29
0
10
39
11
37
27
14
63
元
2
3
4
5
6
7
7
26
18
35
28
7
6
3
3
3
1
2
25
8
9
10
11
1
3
1
2
12
48
12
8
10
12
8
1
7
1
13
14
15
9
9
6
8
3
1
16
17
71
18
23
11
5
25
9
3
3
2
19
20
21
施設建設などには用地取得が伴います。20 年度末現在、区が所有している土地は 75 万㎡あり、このうち、11 万㎡については土地価格が高騰した元年度からの7年間
で 930 億円を投じて取得したものです。しかしながら、これらの用地取得の財源は、特別区債や土地開発公社による先行取得などの借入金に大きく依存しており、6年
度以降景気の低迷により税収が大きく落ち込むなかで、この負債にかかる償還が区財政を圧迫する大きな要因となりました。
なお、2ページの「投資的経費の推移」には用地取得費も含まれていますが、本表には土地開発公社の先行取得分も含まれていますので、表間の整合はとれていませ
ん。
3
(4)基金(貯金)と特別区債残高(借金)
(億円)
その他の基金(運用金を除く)
財政調整基金
土地開発公社、としま未来文化財団借入金を含めた残高
特別区債残高
900
872
849
844
816
806
800
757
700
783
794
766
740
705
696
633
657
608
600
554
590
500
607
667
635
646
618
586
615
583
540
567
543
479
341
320
296
300
243
200
財政調整基金
大幅な税収増や剰余金があった場合に積み立て、景気変動等による著
しい財源不足の場合に取崩し財政の健全な運営を図ることを目的と
する基金
451
400
181
383
296
322
180
354
179
249
255
100
74
242
80
276
371
180
78
67
0
63
元
2
3
217
32
4
250
6
5
384
350
234
229
279
411
460
405
117
127
168
478
518
228
6
6
174
6
7
77
48
104
74
23
8
3
9
26
22
10
36
29
6
11
30
30
0.4
12
50
31
19
13
61
30
17
13
14
21
15
6
15
53
7
16
73
45
17
176
176
102
116
64
74
60
18
19
20
150
85
203
124
79
190
125
65
21
22
(見込)(見込)
1 ページのように、恒常的に発生する財源不足を補うため基金の取り崩しや運用を行ってきた結果、かつては 300 億円台にも達していた基金積立金は、15 年度には 21 億
円にまで減少し、ほとんど枯渇寸前の事態にまで陥りました。16 年度に、旧時習小学校跡地の売却益の一部を義務教育施設整備基金に積立てたのを皮切りに、計画的な積立
てを行った結果、21 年度には 203 億円まで回復する見込みです。年度間の調整財源として重要な役割を果たす財政調整基金の残高は、21 年度末では 79 億円となる見込みで
すが、22 年度に 14 億円を取り崩す予定のため、22 年度末残高は 65 億円の見込みです。なお、財政調整基金残高の 23 区平均は 145 億円(22 年度末見込み)となっています。
一方、施設建設や用地買収などの財源を調達するために発行してきた特別区債の残高は、投資事業を抑制してきた結果、着実に減少しているものの 22 年度末で 350 億円
となる見込みであり、区民一人あたりでは 13 万 2 千円となっています。これに、土地開発公社の長期借入金を含めると、本区の実質的な「借金」は 384 億円にのぼり、区
民一人あたりでは 14 万 5 千円という重い負担となります。
(22 年 4 月 1 日現在の人口 264,259 人で算出)
このように、区財政における「貯金」と「借金」の比率は改善しつつありますが、なおアンバランスな状態が続いています。
4
(5)歳出の状況(性質別経費)
人件費
(億円)
1,042
1,006
扶助費
公債費
970
883
849
262
投資的経費
計
874
286
884
947
915
871
303
250
835
863
892
893
264
255
258
881
865
860
302
746
その他
1,013
1,000
800
繰出金
272
271
268
232
252
223
204
219
230
197
953
913
911
198
216
154
136
113
89
80
77
68
68
888
222
212
116
600
293
341
233
400
330
177
265
154
122
255
108
89
48
103
60
73
88
44
39
49
91
88
72
75
64
87
49
46
59
64
36
33
39
37
42
40
125
133
143
149
156
101
106
121
136
113
34
28
72
82
92
94
99
74
64
55
58
140
138
143
147
124
155
96
88
86
63
63
148
158
172
182
195
223
218
21
22
30
23
34
25
94
96
98
222
240
250
256
270
271
271
269
263
282
273
276
209
263
267
198
257
240
233
233
228
63
元
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
30
21
58
66
242
200
0
(予算) (予算)
区の歳出のうち、人件費、扶助費(生活保護費や各種福祉手当など)
、公債費や特別会計への繰出金は、義務的経費として支出を余儀なくされます。このうち、人件費につ
いては職員定数削減の影響により年々減少していますが、扶助費は生活保護費や保育園の民営化に伴う保育所運営費の増加などにより、14 年度以降毎年増え続けています。
なお、この表は、財政規模の実相をより正確に捉えるため、歳入と歳出で重複する部分を控除するなど、いわゆる「普通会計」の手法を用いて分析しています(会計規模
が一般会計より小さくなっています)
。
5
(6)職員の削減状況
年度
6年度
(7)財政健全化に向けた取り組み方針
7年度
8年度
9年度
単位:人、毎年4月1日現在
10年度 11年度 12年度
職員数
3,088
3,062
2,988
2,906
2,836
2,779
増減
△ 16
△ 26
△ 74
△ 82
△ 70
△ 57
年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
2,908
△ 63
(129)
19年度
職員数
2,838
2,771
2,671
2,599
2,491
2,405
2,316
増減
△ 70
△ 67
△ 100
△ 72
△ 108
△ 86
△ 89
これまで見てきたとおり、本区は、バブル経済崩壊後も貯金(基金)を取
崩しながら様々な区民需要(施設建設や各種行政サービス水準の維持・向上)
に可能な限り応えてきましたが、景気低迷による歳入の減少も加わり、区財
政は危機的な状況に陥りました。
平成 13 年度からは4年間の「財政健全化計画」に取り組み、一定の成果を
上げましたが(4年間で 219 億円の財政効果)
、16 年度に臨時的な財源対策無
しの予算を編成し、黒字へ転換するという目標は達成できませんでした。
そのため、第二次財政健全化計画として、17 年度の予算編成に向けた「行
財政改革プラン2004」
、18 年度の予算編成に向けた「行財政改革プラン2
005」を策定し、スリムで効率的な行政運営の確立を目指して、人件費の
年度
20年度
21年度
22年度
職員数
2,216
2,124
2,058
増減
△ 100
△ 92
△ 66
計
削減や投資的経費の見直し、施設の再構築、民営化や指定管理者制度の導入
△ 1,238
などの構造改革を推し進めました。
(△1,046)
年度までは、3年連続して財源対策を講じることのない予算編成となりまし
これらの行財政改革の効果に歳入環境の好転の影響も加わり、平成 18~20
たが、一昨年秋の世界的な金融危機の影響を受け、円高・株安、輸出の急激
区では、平成6年度以降、
「定員管理計画」を立て、行財政改革の一環として、毎
な落ち込みなどによる急激な景気悪化により歳入環境が一変し、21・22 年度
年度、計画的な職員数の削減に取り組んできました。
と2年連続で財源対策を講じる予算となっています。
12 年度は、都区制度改革により清掃事業等が都から移管になり、192 人の清掃職員
このように、区財政は、一時期の危機的な状況を脱し、安定的な運営が可
が区に配属されたため、差引 129 人が増員となりました。
能となるところまで改善してきたのも束の間、再び景気悪化の影響が深刻な
16 年 12 月には、17 年度から5年間で職員数 400 人の削減を目標とする「定員管理
事態に陥っています。加えて、今なお重い負債の解消や、高齢化の進展によ
計画」を策定し、17・18 年度は新規採用を取りやめました。
る将来の医療費や介護給付費の負担増など多くの課題を抱えており、今後も
さらに、18 年1月、定員管理計画を改定し、計画期間を 22 年度までの6年間とす
引き続き財政の構造改革を進める不断の努力が必要です。
るとともに、職員数の削減目標も 600 人に引き上げました。その結果、22 年 4 月 1 日
このたび策定した「未来戦略推進プラン2010」では、今後も行財政改
時点の職員数は 2,058 人となりました。
(計画期間中の達成率 90.2%、△541/△600)
革の姿勢を堅持し、景気変動に左右されない「安定的な財政運営」を確保す
今後は、23 年度から 27 年度までの5年間で職員 200 人の削減を目標とする「新定
るため、経常収支比率、人件費比率等の財政指標や基金積立てなどについて
員管理計画」
(22 年 3 月策定)により、引き続き人件費の削減に取り組んでいきます。
明確な目標を設定し、一層の財政健全化に取り組んでいくこととしています。
6
グラフで見る区の財政状況(概要)
編集・発行
平成 22(2010)年 4 月発行
豊島区政策経営部財政課
〒170-8422 豊島区東池袋1-18-1
電話 (03)3981-1111(代表)