実験用筋電スペアナで ジェスチャ検出に挑戦

第2部
第
13 章 神経系ダイレクト・コントローラの可能性を探る
実験用筋電スペアナで
ジェスチャ検出に挑戦
長嶋 洋一
チャネル2より大きく出ている
チャネル1
4
8
16
32
63
125
250Hz
32
63
125
250Hz
減った
チャネル1
4
8
16
32
63
125
250Hz
16
32
63
125
250Hz
チャネル2
増えた
(a)内側の筋に力を入れる
本章では,Nucleo F401RE にごく簡単な FFT アル
ゴリズムを実装します.腕に取り付けた 2 チャネル筋
電信号から,それぞれのチャネルの筋電情報の周波数
成分をリアルタイムに取得し,手のジェスチャを認識
できるかどうかを検討します.
(b)外側の筋に力を入れる
チャネル1
(b)と比べて少し増えた
実験したこと
本稿では手の筋電信号(2 チャネル)の周波数スペク
トラムからジェスチャの識別を行ってみます.写真 1
に実験のようすを示します.
写真 1(a)は手首を内側に曲げたところで,チャネ
ル 1 の 32,65Hz が強く出ています.手首を外側に曲
げた写真 1(b)では,チャネル 2 の 32,65Hz が強く出
ています.(c)は(b)から手を開いた状態で,チャネ
ル 1 の 32,65Hz の成分が増えました.
リサジュー解析と同様に,Nucleo F401RE は,筋
電情報から変換した結果を XBee に送信しているだけ
で,画面はそれを表示しているだけです.
・手首を内側に曲げる
・手首を外側に曲げる
という異なるジェスチャを識別できそうです.
2015 年 4 月号
チャネル2
チャネル2
(c)(b)の状態から手の形を変化させた
写真 1 実験したこと…手のジェスチャによって筋電信号のスペ
クトラムが変化することを確認した
グラフは七つあり,左から 4,8,16,32,63,125,250Hz を中心と
する筋電の強さを表す
FFT プログラムを作る
● mbed.org に提供されているFFT 処理を実装し
てみる
前章と同じように,腕に貼り付けた電極から取得し
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