第12回日本乳癌学会 東北地方会 「教育セミナー 治療部門」

第12回日本乳癌学会
東北地方会
「教育セミナー 治療部門」
東北大学 腫瘍外科
多 田 寛
症例1-①
37才 閉経前女性 0妊0産
既往歴:なし
家族歴:母が乳癌(55才発症、非TN)
夫と2人暮らし。挙児希望なし。
右乳房腫瘤を自覚し来院
MMG:右カテゴリー4の腫瘤
US:右AC領域 2.5cmの腫瘤
針生検:IDC 乳頭腺管癌
ER陽性(100%)、PgR陽性(50%)、
HER2陰性(score 0)、Ki67=13%
術前Stage:T2N0M0 stage IIA
Q1:術前説明
閉経前の患者さんの術前説明に際して、
気をつけていること及び、
説明しておくべき内容を列挙してください。
症例1-②:切除断端
Bp+SN施行
病理:IDC、乳頭腺管癌、浸潤径2.3cm
HG3、n0、 ly1、 v1
ER陽性(100%)、PgR陽性(30%)
HER2陰性(score 0)、Ki67=25%
マージンより3mmにDCISあり
(範囲は3mm程度)
Q2:切除断端
本症例に対して追加切除を行いますか?
1. 行う
2. 行わない
症例1-③:妊孕性
乳房に対しては、追加切除は行わず、
温存乳房に対して術後照射(50Gy+
boost10Gy)を施行する予定となった。
術後補助化学療法としてTC4コースを
行うこととなった。
Q3:妊孕性
もしこの患者さんが凍結受精卵保存を希望され
た場合、化学療法開始は術後何週以内を目処
に行いますか?
1. 4週以内
2. 8週以内
3. 12週以内
4. 24週以内
Q4. 閉経前術後内分泌療法
凍結受精卵保存は行わず。
TC4コース後、月経は継続している。
本症例に対する術後補助内分泌療法は?
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
TAM 5年 + LHRHa 2-3年
TAM 5年 + LHRHa 5年
TAM10年 + LHRHa 2-3年
TAM10年 + LHRHa 5年
TAM5年
TAM10年
その他
Q5:妊娠希望による治療中断
TAM+LHRHaを開始して2年後、
どうしても子供を産みたいと希望された場合、
内分泌療法を中止することのリスクを
どのように説明しますか?
症例2-①
・ 55才 閉経後女性
・ 既往歴:なし
・ 3年前 右乳癌T2N1M0 Stage IIBにて
右Bt+Ax施行。
病理:IDC、乳頭腺管癌、浸潤径3cm
HG3、n1(2個)、ly1、 v1
ER陰性(0%)、PgR陰性(0%)
HER2陽性(score 3+)、Ki67=35%
・ Adjuvant:FEC+ドセタキセル
+ trastuzumab 1yの方針とした
症例2-②
・ Adjuvant trastuzumab終了12ヶ月後、
腫瘍マーカー上昇
・ CTにて多発肺転移出現
(径2cm1個、径1cm3個)
・脳MRI:脳転移なし
・PS 0
st
Q1:1
line 治療
どのような治療を選択しますか?
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
T+P+ドセタキセル
T+P+パクリタキセル
T+P+ビノレルビン
T+ other chemo
T-DM1
T-DM1+P
ラパチニブ+カペシタビン
その他
* T: トラツズヅマブ P: ペルツズマブ
症例2-③
1st line 治療として(
)を施行。
7ヶ月後、肺転移PD。
他部位は転移なし。
特に症状なし。
PS 0。
nd
Q2:2
line 治療
どのような治療を選択しますか?
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
T+P+ドセタキセル
T+P+パクリタキセル
T+P+ビノレルビン
T+ other chemo
T-DM1
T-DM1+P
ラパチニブ+カペシタビン
その他
* T: トラツズヅマブ P: ペルツズマブ
Q3:脳転移スクリーニング
2nd line として(
)を施行。
7ヶ月後、肺転移PDにてT-DM1を施行。
5ヶ月後、軽い頭痛の訴えあり。
HER2陽性MBCの患者に対し、脳MRIは
どのような頻度で行いますか?
1.
2.
3.
4.
3ヶ月に1回
6ヶ月に1回
年1回
症状がでたら行う
症例2-④:脳転移
脳MRIにて脳転移指摘(1cm大3個)。
定位照射施行。
頭痛は改善。
CTにて肺転移はSD、新病変なし。
Q4:脳転移と全身治療
脳転移のみが新病変で、他部位はSDを保って
いる場合、全身治療を変更しますか?
1.変更する
2.変更しない
rd
症例2-⑤:3
line
脳転移出現(1cm大3個)に定位照射後、
脳転移出現前から行っていた2nd line 治療を
継続した。
3ヶ月後に多発肝転移出現。
PS 1。
rd
Q5:3
line
どのような治療を選択しますか?
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
T+P+ドセタキセル
T+P+パクリタキセル
T+P+ビノレルビン
T+ other chemo
T-DM1
T-DM1+P
ラパチニブ+カペシタビン
その他
* T: トラツズヅマブ P: ペルツズマブ