平成27年度北方四島交流事業の基本方針

平成27年度北方四島交流事業の基本方針
平成27年2月26日
内閣府北方対策本部・外務省欧州局
政府としては、平成27年度北方四島交流事業の基本方針を下記のように定める。下記
の基本方針に基づき、北対協及び道推進委員会の両実施団体が中心となって、内閣府、外
務省、北海道及びオブザーバーとしての千島連盟(以下,
「北方四島交流事業活性化検討委
員会」)との間で協議を行い、平成27年度の北方四島交流事業の目標を決定されたい。
記
平成27年度北方四島交流事業の実施に際しては、平成25年3月29日に取りまとめ
た「北方四島交流事業の見直しについて」に基づき、平成28年度目途の全般的な見直し
に向けて、引き続き見直しを実施する。平成27年度においては、両実施団体が共催する
訪問事業の拡大を始め、特に次に掲げる事項を必ず実施するよう努めることとする。
1
実施体制の強化
・北対協が中心となる方向で検討を進める実施団体の一元化も含め、一体的な運営につ
いて検討を行い、平成27年2月13日に公表した工程表を着実に実施するものとす
る。
・平成27年度の事業開始に先立ち、両実施団体間で企画会議を行い、平成28年度の
全事業の共催化も見据え,平成27年度の実施テーマ、四島側との連絡役を決定の上,
北対協と道推進委員会の事務局職員が共同で作業を進める。
・通訳の選定基準については、北方四島交流事業の特殊性を踏まえ、事業の円滑な実施
に配慮すると同時に、透明性、公平性を確保するものとする。また,通訳の役割の徹
底及び通訳と事務局の協力体制の在り方についても十分留意することとする。
・北対協及び道推進委員会のロシア語ができる職員を,四島交流事業における四島側と
の連絡窓口等の業務に従事させ,四島側との調整をよりスムーズに行う。
2 参加者
・各界各層の幅広い参加、特に若い世代の参加を促すために、既存の選考方法を見直し、
内閣府及び外務省が策定した別添のガイドラインを踏まえつつ、新規参加者、大学生
等の参加を優先し、元島民の「語り部」等を除き、平成27年度内の複数回の事業へ
の参加を認めないことを原則とする。また、平成26年度事業に参加した者の参加を
認めないことを原則とする。
・両実施団体が同一テーマで実施することを前提に,各訪問事業において、北海道と青
森県以南の参加者を一緒に参加させることとするように努める。
・国際法学者等の学識経験者及び同学者のゼミナール生を訪問事業のうち最低3回参加
させるよう努める。
・受け入れ事業に参加した大学生等を参加させるよう努める。
・北対協及び北方同盟主催中学生・高校生弁論大会等の入賞者を必ず参加させるよう努
める。
・別添のガイドラインを踏まえつつ、元島民の後継者を積極的に参加させるよう努める。
・ロシア語を専攻し、コミュニケーション能力のある大学院生、大学生等を、各訪問事
業ともに最低1名は参加させるとともに,通訳業務の補助としても協力を得る。
・更に各界各層の幅広い参加を得るための方策について検討を進める。
・各界各層の幅広い参加を促すため、事前研修は各回ともに長くて半日程度とし、可能
な限り、時間的に余裕のある船内や事前の自宅学習で行うことを徹底する。
3 プログラム
(1)訪問事業
・代表者間協議に先立つ四島側への事前の申入れの際において、視察中心から対話中
心のプログラムに改善し,対話による相互理解をより効果的に進められるよう、多
くの四島側住民が参加できるような魅力のあるプログラムを盛り込むこと、可能な
限り新規の家庭がホームビジットに参加することなどについて、強く要請する。
・上記の他、相互理解を増進し、領土問題解決に寄与するプログラムとなるよう、訪
問時期など工夫する。
(2)受入事業
・青少年の受入事業は、大都市(東京、大阪、札幌等)にて行うこととする。
・北対協及び道推進委員会のすべての事業に、元島民の講話(又は映画「ジョバンニ
の島」の上映)を研修に組み入れる。
・視察中心から対話重視とするため、合宿形式、スポーツ親善試合、学校訪問等によ
る青少年交流を検討する。
・上記の他、相互理解を増進し、領土問題解決に寄与するプログラムとなるよう工夫
する。
4 その他
・代表者間協議に先立つ四島側への事前の申入れの際に、夏休み、連休等の活用による
短期訪問の事業実施を検討する。このため、代表者間協議において、出入域手続を土
日に実施することを要請する。
・港における乗降、島内における移動について、事前に安全確保について四島側と十分
な意思疎通を図る。その際、我が国の法的立場を損なうことのないよう留意する。
・平成27年度事業の終了後、その成果及び課題を北対協及び道推進委員会において取
りまとめ、内閣府及び外務省に報告する。また、平成25年度以前の事業の成果につ
いて、引き続き、北対協及び道推進委員会において追跡調査を行い、データベース化
する。
・平成27年度事業については、各回終了後、速やかにその結果について、両実施団体
のホームページに掲載する。
・両実施団体間及び関係団体(千島連盟、県民会議、北連協)との間の情報共有体制を
構築する。
・平成26年度の実績を踏まえ、参加者同士のネットワーク作成のため、OB会の結成
に努める。
・両実施団体は、平成27年末までに、平成25年度から平成27年度までに実施・検
討した事業の見直し結果を取りまとめ北方四島交流事業活性化検討委員会へ報告する
ものとする。