PowerPoint プレゼンテーション

2015年3月2日(No.3765)
お客様用資料
岡三証券 グローバル金融調査部
鈴木 誠
Okasan
Bond
Report
~10年国債入札見通し~
<様子見姿勢強くもみ合いが続く>
先週末の債券相場は、前日の欧州市場の債券高や、日銀の国債買入れオペに支
えられてしっかりした動きが続いた。ただ、今週の10年国債、30年国債入札への
警戒感や、株式相場も底堅く推移したことで、上値を追う動きは限られた。10年
国債利回りは0.330%(前日比-0.010%)で取引を終えた。
OKASAN SECURITIES CO.,LTD Global Monetary Research Dept.
<米10年国債利回りは低下、独は上昇>
先週末の米債券相場は、昨年10-12月期の実質GDP改定値が下方修正され、早
期の利上げ観測が後退したことで買いが優勢になった。米株式相場の下落も債券
買いの要因となり、米10年国債利回りは1.99%(前日比-0.04%)に低下した。
欧州債券市場では、前日までの利回り低下を受けて、高格付け国債は利益確定売
りに押されたが、イタリア、スペインの10年国債利回りは低下が続いた。独10年
国債利回りは0.328%(前日比+0.030%)で取引を終えた。
<今週は上値の重い展開となろう>
日銀の国債買入れが続くことや、国債の大量償還を控えて投資家の押し目買い
が見込まれることから、相場の下値不安は小さいと思われる。ただ、今週は10年、
30年国債と国債入札が続くことや、週末には米雇用統計の発表を控えており、積
極的に上値を追う動きは限られよう。国内株式相場の堅調地合いや、米利上げ観
測を背景に円安への警戒感が続くことも、相場の上値を抑える要因となろう。
先週末に発表された1月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、前年同月
比で2.2%の上昇となった。原油価格下落の影響で、しばらく物価上昇率の鈍化基
調は続こう。一方、1月の鉱工業生産(速報値)は前月比で2ヵ月連続で上昇し、
市場の予想通り生産活動は持ち直しの動きが続いた。政府の経済対策もあり、来
年度に向けて緩やかな景気回復が見込まれることも大幅な利回り低下を抑えよう。
今週の国内市場には、特に注目される経済指標は見当たらない。14年度の最終
月に入ることで、投資家も積極的には動きづらい状況となろう。ECBの追加緩和
決定以降、主要国株式相場の上昇基調が強まっているが、景気回復期待を背景に
国内株式相場も底堅い動きを続けよう。為替市場では、米利上げ観測から米ドル
高の流れが続いているが、しばらく円安、株高基調に変化はないだろう。
日銀の国債買入れオペは、引き続き需給面から相場の下値を支えよう。先週は
長期、超長期国債に投資家の押し目買いが続き、各年限で利回りは予想以上に低
下した。下値での投資家の国債需要に変化はないと思われることから、10年国債、
30年国債の入札はいずれも無難な入札結果が見込めよう。欧州市場では国債利回
りの低下基調が続いており、外国人の日本国債買いが強まる可能性もあろう。た
だ、景気回復期待も続くなかで、国内投資家は上値追いには慎重と思われる。
最後に重要な注意事項が記載されていますので、十分にお読みください。
1
OKASAN SECURITIES CO.,LTD Global Monetary Research Dept.
米国市場では、2日に発表される個人消費支出価格指数(PCE)、4日の地区連
銀経済報告(ベージュブック)などが注目されるが、週末には2月の米雇用統計の
発表を控えており、雇用統計の内容を確認するまでは金融市場の方向感は定まり
づらいだろう。米国経済の拡大期待がやや優勢となり、米10年国債利回りの低下
は限られよう。欧州市場では、高利回り国債を中心に債券相場の底堅い動きが予
想され、引き続き国内債券相場を支える要因となろう。
本日の債券相場は、先週末の米債券相場の上昇を受けて底堅く推移しようが、
明日の10年国債入札に向けた持ち高調整売りで上値の重い展開となろう。
今週の予想レンジ:2015/3月限月
147.40~148.10円
新発10年国債利回り 0.310~0.380%
本日の予想レンジ:2015/3月限月
147.70~148.00円
新発10年国債利回り 0.320~0.350%
Chart
(%)
新発10年国債利回り一目均衡表(日足)
0.60
作成:岡三証券
2015年2月27日まで
0.50
0.40
0.30
0.20
0.10
14年8月1日
基準線
転換線
遅行スパン
先行スパン上限
先行スパン下限
14年10月1日
14年12月2日
15年2月4日
2
10年利付国債入札見通し
~下値での押し目買い需要は期待できよう~
(2015年3月3日実施、償還日:2025年3月20日)
◇投資戦略
2月は相場の調整局面が続いたが、日銀の国債買入れオペや投資家の押し目買い
に支えられて、下値はほぼ固まってきたと思われる。円安、株高への警戒感が大幅
OKASAN SECURITIES CO.,LTD Global Monetary Research Dept.
な利回り低下を抑えようが、良好な需給環境に支えられて利回りの上昇も限られよ
う。ただ、他の年限と比較した10年国債の割高感は続いており、今回も必要に応じ
て押し目買いを検討する程度にとどめたい。
◇今回の入札環境
・良好な需給環境は再確認され、相場の下値不安は後退したと思われる。ただ、景気
回復期待を背景に株式相場の上昇基調が続いていることや、相場調整の後でもあり、
積極的に上値を追う動きは限られよう。
・欧州債券市場では、国債購入による量的金融緩和が始まることで、各国国債利回り
の低下が続いている。外国人の日本国債買いや、国内投資家の押し目買いが見込ま
れることから、10年国債利回りの大幅な上昇は見込みづらいだろう。
・今回の新発債は、残存期間が3ヵ月伸びることで新規銘柄になる。クーポンは0.3%
に据え置かれるか、0.4%に引き上げられるか微妙な水準だが、相場も落ち着きを
取り戻しており、無難な消化が見込めよう。
10年国債の過去の入札結果
クーポン
応札額
落札額
%
億円
億円
平均落札利回り 最高落札利回り 応札倍率
テール
入札日
回号
2014年9月2日
335
0.5
78,824
21,999
0.517
0.521
3.58
3
2014年10月2日
335R
0.5
76,402
21,967
0.516
0.517
3.48
1
2014年11月5日
335R
0.5
77,415
22,120
0.439
0.441
3.50
2
2014年12月2日
336
0.5
66,093
21,974
0.473
0.484
3.01
10
2015年1月6日
337
0.3
74,971
21,893
0.295
0.298
3.42
3
2015年2月3日
337R
0.3
58,822
21,912
0.313
0.360
2.68
45
%
%
倍
銭
出所:財務省、R:リオープン
3
◇下値では押し目買いが強まろう
貸出約定平均金利と10年国債利回り
(%)
OKASAN SECURITIES CO.,LTD Global Monetary Research Dept.
・銀行の貸出金利が大きく上昇する可能性はまだ
低いだろう。銀行の資金余剰感は強く、国債利
回りが上昇すれば、銀行を中心に投資家の押し
目買いは強まろう。
2.5
10年国債利回り
貸出約定平均金利
2.0
(国内銀行、長期、新規)
1.5
・日銀の国債買入れオペが続くことで、良好な需 1.0
給環境が相場を支える状況に変化はないだろう。0.5
出所:日本銀行
根強い追加緩和期待も残っており、目先の利回
直近は2014年12月分、10年国債利回りは15年2月27日まで
0.0
り上昇は限られよう。
00年 02年 04年 06年 08年 10年 12年 14年
◇引き続き外国人の買いは見込めよう
・ECBによる国債購入が始まることで、欧州債券
市場では各国国債利回りの低下が続いている。
日本国債の利回りを下回る国も目立ち始めてお
り、外国人の日本国債買いはしばらく続こう。
(兆円)
3
2
1
0
-1
-2
・利回り水準への警戒感もあり、国内投資家は長 -3
期債投資にはやや慎重な姿勢を続けよう。ただ、-4
-5
中短期国債利回りの低下が進んだことで、一部 -6
の資金は長期債投資に回されよう。
◇10年国債の割高感は続いている
2014年度の国債投資家別売買差額
(長期国債)
出所:日本証券業協会「国債投資家別売買高」
14年4月~15年1月の累計
都市銀行 地方銀行 信託銀行
(%)
農林系
第二地銀 信用金庫
生損保
外国人
国債利回り差の推移(10年-2年)
1.3
・10年国債と2年国債の利回り差は、0.3%を上
1.1
回っている。一時に比べれば利回り差は拡大し
たが、依然として10年国債は割高な状態だろう。0.9
・量的・質的金融緩和による需給面からの支えは
続くが、10年国債への投資魅力は薄れている。
10年国債と2年国債の利回り差が、さらに縮小
する可能性は低いだろう。
作成:岡三証券
2015年2月27日まで
0.7
0.5
0.3
0.1
09年4月
10年4月
11年4月
12年4月
13年4月
14年4月
15年4月
◇10年国債の利回り低下は限定的に
(%)
・10年国債利回りは、1月には一時0.1%台にまで
低下した。外部環境次第では再び利回り低下が
進む局面もあろうが、利回り低下が進めば高値
警戒感は強まろう。
・下値での押し目買いは続こうが、投資家の資金
はより利回りの高い米国債券などへ流れよう。
利回りがさらに低下すれば、投資家の10年国債
への需要は減少しよう。
10年利付国債のクーポン推移
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
出所:財務省
2015年2月債まで
02年
04年
06年
08年
10年
12年
14年
4
手数料およびリスクについての重要な注意事項
<有価証券や金銭のお預りについて>
株式、優先出資証券等を当社の口座へお預けになる場合は、1年間に3,240円(税込み)の口座管理料を
いただきます。加えて外国証券をお預けの場合には、1年間に3,240円(税込み)の口座管理料をいただき
ます。ただし、当社が定める条件を満たした場合は当該口座管理料を無料といたします。
なお、上記以外の有価証券や金銭のお預りについては料金をいただきません。さらに、証券保管振替機
構を通じて他社へ株式等を口座振替する場合には、口座振替する数量に応じて、1銘柄あたり6,480円(税
込み)を上限として口座振替手続料をいただきます。
お取引にあたっては「金銭・有価証券の預託、記帳及び振替に関する契約のご説明」の内容を十分にお
読みいただき、ご理解いただいたうえでご契約ください。
<株 式>
株式の売買取引には、約定代金(単価×数量)に対し、最大1.242%(税込み)(手数料金額が2,700円を
下回った場合は2,700円(税込み))の売買手数料をいただきます。ただし、株式累積投資は一律1.242%
(税込み)の売買手数料となります。国内株式を募集等により購入いただく場合は、購入対価のみをお支
払いいただきます。
外国株式の海外委託取引には、約定代金に対し、最大1.35%(税込み)の売買手数料をいただきます。外
国株式の国内店頭(仕切り)取引では、お客様の購入および売却の単価を当社が提示します。この場合、
約定代金に対し、別途の手数料および諸費用はかかりません。
※外国証券の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における売買手数料および公租公課その他の賦
課金が発生します(外国取引に係る現地諸費用の額は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定
されますので、その合計金額等をあらかじめ記載することはできません)。外国株式を募集等により購
入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
・株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による株価の変動によって
損失が生じるおそれがあります。
・株式は、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により、
株価が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
・また、外国株式については、為替相場の変動によって、売却後に円換算した場合の額が下落することに
よって損失が生じるおそれがあります。
<債 券>
債券を募集・売出し等により、または当社との相対取引により購入いただく場合は、購入対価のみを
お支払いいただきます。
・債券は、金利水準、株式相場、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による債券価格の変動によっ
て損失が生じるおそれがあります。
・債券は、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により、
債券価格が変動することによって損失が発生するおそれがあり、また、元本や利子の支払いの停滞もし
くは支払い不能の発生または特約による元本の削減等のおそれがあります。
・金融機関が発行する債券は、信用状況の悪化により本拠所在地国の破綻処理制度が適用され、債権順位
に従って元本や利子の削減や株式への転換等が行われる可能性があります。ただし、適用される制度は
発行体の本拠所在地国により異なり、また今後変更される可能性があります。
<個人向け国債>
個人向け国債を募集により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。個人向け国債
を中途換金する際は、次の計算によって算出される中途換金調整額が、売却される額面金額に経過利子を
加えた金額より差し引かれます(直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685)。
・個人向け国債は、安全性の高い金融商品でありますが、発行体である日本国政府の信用状況の悪化等に
より、元本や利子の支払いが滞ったり、支払い不能が生じるおそれがあります。
<転換社債型新株予約権付社債(転換社債)>
国内市場上場転換社債の売買取引には、約定代金に対し、最大1.08%(税込み)(手数料金額が2,700円
を下回った場合は2,700円(税込み))の売買手数料をいただきます。転換社債を募集等によりご購入い
ただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。転換社債は転換もしくは新株予約権の行使対象株
式の価格下落や金利変動等による転換社債価格の下落により損失が生じるおそれがあります。また、外貨
建て転換社債は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
<投資信託>
投資信託のお申込みにあたっては、銘柄ごとに設定された費用をご負担いただきます。
・お申込時に直接ご負担いただく費用:お申込手数料(お申込金額に対して最大3.78%(税込み))
・保有期間中に間接的にご負担いただく費用:信託報酬(信託財産の純資産総額に対して最大年率
2.2312%(税込み))
・換金時に直接ご負担いただく費用:信託財産留保金(換金時に適用される基準価額に対して最大0.5%)
・その他の費用:監査報酬、有価証券等の売買にかかる手数料、資産を外国で保管する場合の費用等が必
要となり、商品ごとに費用は異なります。お客様にご負担いただく費用の総額は、投資信託を保有され
る期間等に応じて異なりますので、記載することができません(外国投資信託の場合も同様です)。
・投資信託は、国内外の株式や債券等の金融商品に投資する商品ですので、株式相場、金利水準、為替相
場、不動産相場、商品相場等の変動による、対象組入れ有価証券の価格の変動によって基準価額が下落
することにより、損失が生じるおそれがあります。
・投資信託は、組入れた有価証券の発行者(或いは、受益証券に対する保証が付いている場合はその保証会
社)の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等による、対象組入れ有価証券の価格
の変動によって基準価額が変動することにより、損失が生じるおそれがあります。
・上記記載の手数料等の費用の最大値は今後変更される場合があります。
<信用取引>
信用取引には、約定代金に対し、最大1.242%(税込み)(手数料金額が2,700円を下回った場合は2,700円
(税込み))の売買手数料、管理費および権利処理手数料をいただきます。また、買付けの場合、買付代
金に対する金利を、売付けの場合、売付株券等に対する貸株料および品貸料をいただきます。委託証拠金
は、売買代金の30%以上で、かつ300万円以上の額が必要です。信用取引では、委託証拠金の約3.3倍まで
のお取引を行うことができるため、株価の変動により委託証拠金の額を上回る損失が生じるおそれがあり
ます。
○平成49年12月までの間、復興特別所得税として、源泉徴収に係る所得税額に対して2.1%の付加税が課税
されます。
○金融商品は、個別の金融商品ごとに、ご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なりま
す。当該金融商品の取引契約をされる場合、その金融商品の「契約締結前交付書面」(もしくは目論見
書)または「上場有価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、ご理解いただいたうえでご契約く
ださい。
○この資料は岡三証券が信頼できると判断した情報に基づいて作成されたものですがその情報の正確性、
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○自然災害等不測の事態により金融商品取引市場が取引を行えない場合は売買執行が行えないことがあり
ます。
岡三証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第53号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
(平成26年10月改訂)