千葉市感染症発生動向調査情報 2010年 第37週 (9/13-9/19) の発生は? 1 定点報告対象疾患(五類感染症) 報告のあった定点数 37週 36週 35週 34週 小児科 13 18 16 17 眼科 3 4 4 4 上段:患者数 インフルエンザ 18 24 22 23 下段:定点あたり患者数 基幹定点 1 1 1 1 9/13-9/19 葉 9/6-9/12 8/30-9/5 市 8/23-8/29 千葉県 9/6-9/12 34週 36週 定 点 千 感 染 症 名 注意報 0.00 5 0.38 0.85 4 伝染性紅斑 0.31 0.62 0 百日咳 0.00 ○ ヘルパンギーナ 10 流行性耳下腺炎 0.77 イン インフルエンザ(高病原性鳥インフ フル ルエンザを除く) ○ 14 0.78 0.00 0.33 細菌性髄膜炎 (髄膜炎菌性髄膜炎を除く) 0.00 1.00 クラミジア肺炎 (オウム病を除く) 0 0 0 1 1.00 2 0.22 0.00 0 1 0.11 0.00 0.00 0.00 0 0 2 1 1.00 26 0.81 0.00 0.00 2.00 0 0 0 1 マイコプラズマ肺炎 2 0.06 0.00 0.00 0.00 0 4 0 0 無菌性髄膜炎 15 0.07 0.00 1.00 0.00 2 0 3 0 0.00 124 0.94 0.09 0.00 0.75 94 0.71 10 0 0.00 0 1 流行性角結膜炎 12 0.59 2 0.00 8 0.06 0.71 1.06 0.08 1 17 20 0 急性出血性結膜炎 0.63 1.11 87 0.66 0.06 10 13 79 0.60 22 0 0.00 0.72 7 1.29 0 11 0.85 136 1.03 0.41 1.00 0.00 26 16 13 70 0.53 1.53 0.81 0.72 20 13 6 8 突発性発しん 0.69 0.33 432 3.27 1.18 11 18 117 0.89 39 7 0.44 1.00 13 2.29 15 11 手足口病 2.63 0.83 28 0.21 0.76 42 70 3.89 2 8 0.50 3 0.02 0.12 10 44 水痘 3 0.19 0.56 0 0.00 2 7 3.38 0 0.00 0.11 0.54 感染性胃腸炎 基 幹 定 点 0.00 0.38 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 眼 科 0 5 咽頭結膜熱 35週 36週 0 RSウイルス感染症 小 児 科 37週 2 0.22 1 1.00 0 0.00 ★★:流行中 ★:やや流行中 ◎:増加 ○:やや増加 →:変化なし ↓:やや減少 ↓↓:減少 2 全数報告対象疾患(4件) 病名 性 年齢層 結核 男性 40歳代 結核 男性 90歳代 診断(検査)方法 病名 性 放出インターフェロンγ 試験 腸管出血性大腸菌感染症 女性 病原体等の検出 腸管出血性大腸菌感染症 女性 年齢層 診断(検査)方法 20歳代 病原体の検出及び毒素の確認 20歳代 病原体の検出及び毒素の確認 (第37週受理) ・結核2件(197)、腸管出血性大腸菌感染症2件(12)の報告があった。 ()内は2010年累積件数 定点辺り報告数 第37週のコメント <ヘルパンギーナ>前週から増加して0.85となった。 <インフルエンザ>前週から連続して増加し0.78となった。過去5年間の同時期としては、昨年に次いで多い。 トピック <ヘルパンギーナ> 2010年は第25週から第31週まで全国的に流行がありました。第36週現在、警報レベルではないものの東北地方で発生 が多く見られます。千葉市では第27週にピークを迎えた後は減少を続けていましたが、第36週から増加に転じ、第37週で は0.85となっています。 ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜の水疱性発しんを特徴とした夏期に流行する小児の急性ウイルス性咽頭炎で、夏 かぜの代表的な疾患です。 6~7月にかけて流行のピーク を形成し、8月に減少、9~10月にかけて殆ど見られなくなりま す。2~4 日の潜伏期の後、突然の発熱に続いて咽頭粘膜の発赤が顕著となり、口腔内に直径1~5mmほどの小水疱が 出現します。2 ~4 日間程度で解熱し、やや遅れて粘膜しんも消失します。発熱時に熱性けいれんを伴うことや、口腔内 の疼痛のため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症などを呈することがありますが、殆どは予後良好です。患者の 年齢構成としては一般的に4歳以下が殆どで、1歳代がもっとも多く、次いで2、3、4、0歳代の順となります。 接触感染、糞口感染、飛沫感染を防止するため、感染者との密接な接触を避け、うがいや手洗いを励行しましょう。 <インフルエンザ> 2010年の春以降、インドやニュージーランドでのA/H1N1の流行が報告されており、9月になって更にタイでの流行が報 告されています。また、アフリカ、中国及び香港ではH3N2(香港株)の流行があり、香港ではA/H1N1とH3N2の混合流行 が発生しています。日本では、第36週現在、昨年のパンデミックほどではないものの、沖縄県での発生が多くなっていま す。千葉市では第3週に小さなピークを認めた後、散発的に発生報告がありました。第37週は前週に引き続き増加し0.78 となり、過去5年間の同時期としては昨年に次いで多くなっています。区別の状況では、中央区、若葉区、緑区で発生して おり、緑区での増加が目立っています。2010年第35週から第37週までの累積数によると、年齢階級別では、10~14歳が 最も多くなっています。また、型別迅速診断結果では殆どがA型となっています。 これから気温が次第に低下することから、感染防止に注意してください。 予防として、家庭内のみならず、外出先においてもこまめに手を洗うなど基本的な予防の励行のほか、充分な栄養と睡 眠をとるなど普段から免疫力を高めておくことも大事です。また、感染した場合は、周囲へ感染を広げないよう、外出を控 える他、マスクを着用する等の咳エチケットを守ることが重要です。
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