レ ン ズ の 性 質

イメージ 自 由 自 在
被写体を見た時、誰もが思う「かわいいな」
「かっこいいな」といったイメージ。そのイ
メージを写真に表現できれば、シャッターを
切った時の想いが込められた心に残る1枚が
生まれるはず。表現の幅を広げて、写真をも
っと楽しみましょう!
デ ジ カ メ
監修 ● 橘田龍馬 Ryoma Tachibanada
タレント、ミュージシャン、ファッションモデルなど人物
撮影を中心に活躍する写真家。著書に「心に響くカッコ
イイ写真が撮れる!」
(コスミック出版)など。
人気のある被写体だからこそ
ひと味違う写真を撮ろう
鉄道は﹁撮り鉄﹂という呼び名があるほど熱
があり、停車中は重量感にあふれるなど、多彩
烈なファンが多い被写体です。走行中は疾走感
な表情を見せてくれます。今回は、新幹線を例
にテクニックを解説します。
走行中の新幹線を撮る場合、正面と横のアン
グルの違いで、異なる表現方法があります。正
面からは❶﹁広角と望遠の性質の違い﹂を利用
すれば、同じ車両でも、異なるイメージが演出
できます。横からは❷﹁疾走感を表現する﹂のに
有効なアングルです。また、停車中はじっくり
を探してみましょう。誰もがついカメラを向け
と撮る余裕があるので、❸﹁画になるアングル﹂
たくなる新幹線。ひと工夫するだけで、他人と
ちょっと違う写真を撮ることができます。
鉄 道( 新 幹線)
広角レンズと望遠レンズで異なる
遠近感の表現を利用
広角レンズと望遠レンズの違いは、写る範囲だけでなく、
遠近感の表現にも差が出ます。広角レンズは手前の被写
体ほど大きく、奥の被写体ほど小さく写る性質があるの
はその性質が小さく、あまり遠近感が出ません。これを望
遠レンズの圧縮効果と呼びます。前後に長い鉄道は、こ
の違いで大きく印象を変えられる被写体のひとつです。
望遠レンズで撮ると
遠近感が弱まり
スマートな印象になる
向かってくる新幹線の先頭車両を広角レンズで撮影。広角レンズ
の効果で車体の前後の長さが強調されるので、先端部分がぶつか
りそうなくらいに大きく迫り来る、
ダイナミックな写りになりました。
望遠レンズで撮ると、遠近感の
弱い写りになります。車両の長
さが感じられないぶん、
まとまり
のあるスマートな印象です。
を活かして撮る
Variation
レンズの性質
で、遠近感を強調する効果があります。逆に望遠レンズ
走行中の車両を
広角レンズで撮ると車体の長さが強調される
今月の被写体