「大気汚染測定機保守点検業務」仕様書

「大気汚染測定機保守点検業務」仕様書
○業務名称
大気汚染測定機保守点検業務
○業務目的
本業務は、大気汚染防止法による大気汚染状況の常時監視を目的とする大気汚染常
時測定局(以下、「測定局」という。)等に設置する大気汚染自動測定機、気象観測機
器、集合管等(以下「機器」という。)を正常に稼働させ適正な測定値を得るため、機
器の点検、精度管理、消耗品の交換、吸収液の作成交換及びボンベ類の運搬交換等の
保守点検を目的とする。
○履行期間
平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日まで
○履行場所
三宝局外 16 か所
○業務内容
Ⅰ 保守点検業務関する一般事項
1
保守点検内容
別紙 1「平成 27 年度測定局及び機器一覧表」に掲げる機器及び並行測定の用に供す
る機器の保守点検並びに空調機及び換気扇等の測定局舎設備の点検を行うものとする。
(1) 項目及び頻度等
受注者は、機器が常に正常に稼働できるよう細心の注意を払いながら保守管理を行
うこと。
機器の保守点検は、機器を正常に連続運転させることを目的とする「通常点検」、
機器性能の維持と故障の予防を目的とする「定期点検」、機器の異常あるいは故障発
生時において正常な状態への迅速な復帰を目的とする「臨時点検」とする。
① 測定局の所在地及び測定局に設置している機器については、別紙 1「平成 27 年度
測定局及び機器一覧表」のとおりとする。なお、機器の品番については、履行期間
中に機器の入替により、変更がある場合もある。
② 通常点検及び定期点検の内容は、別紙 2「測定機器等点検整備項目表」によるもの
とする。
ただし、機器の運転状況により項目及び頻度を変更する場合がある。また、更新
等により機種の変更がある場合は、保守点検の内容を変更する場合がある。
③ 臨時点検は、堺市が特に指示するときに実施する。なお、臨時点検は、原則とし
てその当日に実施すること。
④ 受注者は、保守点検業務について改善の指示を受けた場合は、速やかに改善する
こと。
(2) 保守点検の方法
機器の保守点検は、別紙 2「測定機器点検整備項目表」、当該機器の取扱説明書、
「環
境大気常時監視マニュアル(環境省作成)」
(以下、
「マニュアル」)及び技術資料に準
拠して実施すること。
(3) 保守点検の記録
保守点検を行うときは、保守点検簿を常時携行し、それに結果を記録するとともに、
測定機のチャート紙あるいはプリンター紙に保守点検の年月日時刻、保守点検者名 、
点検結果の要点、欠測時間等必要事項を記入すること。
(4) その他
保守点検を行った際に交換した部品等については、全て阪和泉北局(南区小代
153-12)内の所定の位置に保管すること。
2
連絡内容
(1) 日常の連絡内容
① 日常の連絡は、午前 9 時 30 分までに大阪府ホームページにおいてデータ確認を行
い電子メールにより、当日点検局を連絡し、臨時点検その他連絡事項の有無を堺市
に確認すること。
② 点検時において、測定局舎、機器、テレメータ子局の異常がある場合は、異常の
内容、原因、措置、経過等を速やかに堺市に電話連絡し、指示に従うこと。
③ 従事者は、緊急連絡が可能となるよう所要の措置を講じるものとする。
(2) 高濃度時の連絡内容
下記物質の指示濃度が、保守判断濃度を超えている時は当該機器の保守点検の可否
を堺市に確認し、報告書に記載すること。
なお、光化学スモッグ発令、微小粒子状物質注意喚起が出ている場合、その測定機
の保守は行わない。
測定物質
保守判断濃度
オキシダント
0.08ppm
浮遊粒子状物質
100 ㎍/㎝
微小粒子状物質
70 ㎍/㎝
二酸化硫黄
3
3
0.05ppm
(3) 月例会議
保守点検の状況、実施予定、測定値の評価、機器の技術的な課題等について毎月 1
回定期的に堺市と打合せを行う。この打合せの際、測定機の稼働状況、測定局舎の状
況等についての報告書を提出すること。
3
施設の立ち入り
施設への立ち入りの際は、当該施設の規則等(立ち入り時の挨拶、立ち入り者の記
帳、車輌の置き場所、門扉の開閉、腕章着用等)を遵守することはもちろん作業時の
安全確保、清潔の保持、設備の破損防止等に最大限考慮して作業を行うこと。また、
実施計画以外で施設に立入る必要が生じた場合は、事前に堺市に連絡をするとともに、
当該施設の了承を得ること。
4
実施計画
(1) 実施計画書の作成
① 受注者は、通常点検について「月間実施計画」を毎月堺市に提出し、事前に了承
を得ること。また、定期点検について「年間実施計画」を契約締結後、速やかに堺
市に提出し、事前に了承を得ること。なお、作成については次の事項に留意するこ
と。
② 受注者は、「年間実施計画書」に緊急連絡体制図を記載すること。
③ 実施計画の作成は、測定局を設置する施設(以下、「施設」という。)の創立記念
日、振替休日等の臨時閉鎖日を考慮すること。
④ 作業時間は、緊急時を除き午前 9 時から午後 5 時までとし、また施設の閉鎖時間
での作業は行わないこと。
⑤ 受注者は、「年間実施計画書」の提出の際、「業務責任者届」及び「保守点検従事
者名簿」を提出すること。
(2) 保守点検従事者
① 受注者は、測定局の保守点検業務を実施する従事者(以下、「従事者」という。)
の氏名、経歴等を記載した「保守点検従事者名簿」を堺市に提出し承認を得るもの
とする。堺市は、承認された従事者に対し、大気汚染測定機等の保守点検業務担当
者であることを証明する証明書を発行する。
② 保守点検時において、従事者は前項の証明書を常時携帯し、施設の関係者等から
提示を求められたときは提示しなければならない。
③ 受注者は、証明書の発行を受けた従事者以外の者を保守点検業務に従事させては
ならない。
(3) 実施計画の変更
① 実施計画に変更がある場合は、事前に堺市の了承を得ること。
② 堺市が実施計画の変更を指示したときは、これにより実施すること。
5
報告書等の提出
(1) 通常点検及び定期点検の結果
通常点検及び定期点検の結果は、翌月末日までに前月の業務行動実績、保守点検内
容、延べ日数、延べ人数等必要事項を記載した報告書を堺市に提出する。ただし、3
月分については 3 月 31 日までに提出すること。
(2) 臨時点検の結果
臨時点検の結果は、必要な事項(異常等)をまとめた報告書(状況がわかる記録紙
コピーの添付)を作成し、堺市に提出すること。
(3) 測定記録
測定値を記録したチャート紙及びプリンター紙は、測定局ごとに束ね、測定年月、
測定局名、測定項目名及び特記事項を記載したラベルを添付して第 1 項の報告書に
添付して提出すること。
赤坂台測定室の窒素酸化物測定値については、データ収録装置の測定値を電子媒体
等に月 1 回収集し提出すること。
微小粒子状物質測定値については、測定装置から電子媒体にデータを月単位で写し
取り毎月報告すること。
(4) その他
精度管理で実施した点検結果については各測定局をまとめた一覧表を作成し報告
すること。
Ⅱ
1
精度管理及び測定の維持等
精度管理
測定値の信頼性を確保するには、各機器の精度管理を適正に行うことが最も重要で
ある。
受注者は、マニュアル、機器の取扱説明書及び技術資料に基づき精度管理を的確に
実施すること。
(1) 感度校正
① 測定機の感度校正(ゼロベース、直線性、応答性等の確認)は、原則として湿式
SOx 測定機については、標準液により 3 か月に 1 回以上、また乾式測定機(NOx、Ox、
CO、HC、SPM 及び PM2.5)については、別紙 2「測定機器等点検整備項目表」に基づ
き実施すること。
② 感度校正には、測定レンジを十分に補足できる各濃度の校正値の記録計出力指示
値及びテレメータ用出力指示値を記録し、所定の感度が確保できない場合は必要な
校正を行うこと。
(2) 目盛校正
① 測定機の目盛校正及び確認は、等価液、スパンガス、ゼロガスを用いて 別紙 2「測
定機器等点検整備項目表」に基づき実施すること。
② 測定レンジ内で十分に捕捉できる範囲で必要な校正を行い、校正前後の記録計出
力値及びテレメータ用出力値を目盛校正結果として記録すること。
(3) 流量計の校正
各装置の流量計の校正は、受注者がマニュアルに基づく基準流量計を用意し校正す
ること。
(4) オキシダント計の動的校正
受注者は、大阪府の三次基準器設置場所に四次基準器を持ち込み、四次基準器を校
正し、オキシダント計の動的校正を年 2 回(概ね 11 月、3 月)実施する。なお、四
次基準器は、受注者が用意し校正に伴う費用が発生した場合は受注者が負担するも
のとする。
(5) 等価液校正
① 受注者は、SOx 測定機の所定濃度に等価液を調整作成すること。
② 原則として、等価液調整に必要な吸光光度計、導電率計等の機器は受注者が用意
するものとする。
③ 調整した等価液は等価液精度管理表を作成し報告すること。
(6) 空試験
受注者は、浮遊粒子状物質測定機・微小粒子状物質測定機の精度管理のため、年 1 回
所定の方法で空試験を実施し、精度維持の確認を行い報告すること。なお、空試験に
必要な機材は、受注者で準備すること。
(7) コンバータ効率試験
受注者は、美原丹上局で窒素酸化物計の希釈装置として使用している希釈装置
(AFC-127
1 式)を用いて各測定局の窒素酸化物計のコンバータ効率試験を年 1 回
実施すること。
(8) 温度湿度確認
受注者は、アスマン通風乾湿計を用いて 6 月、12 月に確認すること。なお、アス
マン通風乾湿計は、受注者で準備すること。
(9) 校正等の報告
受注者は、実施した確認、校正等の結果について、速やかに堺市に報告すること。
2
並行測定
① 受注者は、測定機の更新、特異な測定値が継続して発生したとき等測定機の性能
を試験するため並行測定する場合、堺市の指示により機器の搬入、搬出、開始作業、
保守管理及び停止作業を実施するものとする。
② 並行測定機の保守管理は、別紙 2「測定機器等点検整備項目表」に準じて実施する
こと。
③ 並行測定に必要な機器及び消耗品は、堺市が準備する。
3
測定の維持
(1) 吸収液等の調製及び薬品の補給
受注者は、測定機の稼働に必要な吸収液・標準液等の薬品を用意し、機器の取扱説
明に基づき調製し、測定局への運搬、搬入、補給するものとする。
(別紙 3「薬品等リ
スト」参照)
吸収液用等の容器については、受注者が用意すること。
調製した吸収液は吸収液精度管理表を作成し毎月報告すること。
(2) 部品等の交換、消耗品の補給
① 受注者は、測定機が正常に稼働するため、 別紙 2「測定機器等点検整備項目表」 に
基づく保守点検を行うほか、必要に応じ部品の交換、消耗品の補給を行うとともに
標準ガス、キャリアガス等のボンベの取り替えを実施する。
② 堺市は、前項に必要な交換部品、消耗品、標準ガス等ガス、局舎の維持管理に必
要な用品を支給する。ただし、機器清掃用ペーパ等軽微な消耗品、手袋等保護具、
工具等作業に必要な用品は受注者で用意すること。
③ 受注者は、支給された交換部品等を堺市が指定する所要の場 所に運搬し、適正に
保管を行い、標準ガス及び窒素ガスについては、保管指定場所(阪和深井畑山局)
から使用各測定局への運搬及び保管指定場所への空容器の返却を行うこと。
④ 受注者は、年度当初に交換部品等の使用量、使用時期について使用計画を作成し
堺市と協議すること。
⑤ 受注者は、毎月交換部品等の使用状況及び必要量、在庫量を報告すること。
(3) テレメータ収集データとチャート記録データの比較
各測定局のすべての項目について、任意の 1 時間値に対し、毎週テレメータ収集
データとチャート記録データとのデータチェックを行う こと。
また、高濃度指示等の異常値が発見された場合は、隣接局等とのデータ比較を行い
堺市に連絡すること。
(4) 信頼性の保持
測定データが異常である場合は、堺市と協議し、測定値の信頼性保持のための必要
な措置を迅速に実施すること。
4
機器の補修
① 受注者は、機器の動作不良が発生したときは、速やかに堺市に連絡するとともに、
機器の取扱説明書、技術資料等により機器の補修に努めること。また、堺市は、受
注者に対し当該機器の製造会社に対し、技術的な要件の問い合わせを指示する場合
がある。
② 堺市は、上記の補修作業において部品交換の必要が生じた場合、これを支給する。
③ 堺市が故障の内容により機器製造会社等に直接修理、点検を依頼する場合、必要
に応じ受注者は修理、点検の立会等を行うものとする。
④ 受注者は、予備機からの部品調達の指示があった場合、指示された予備機から必
要な部品を取り外し、必要な補修を行い部品の交換を実施すること。
⑤ 受注者が実施する簡易な補修に必要な部品・消耗品は受注者が用意すること。
⑥ 瑕疵及び経年劣化による障害以外(例:定期点検及び消耗品交換の作業において
発生した障害)については、受注者がその修理等の費用を持つものとする。
5
有効測定率の確保
各測定機の年間有効測定時間率は 90%以上とするように努めること。また、通常点
検、定期点検に伴う欠測時間はできるだけ短くし、安易に 1 日 4 時間を超過させない
こと。
6
保守点検講習会参加等
従事者は、環境省が後援する「環境大気常時監視測定機器維持管理講習会」、測定機
器製造会社が開催する技術研修会等への参加、
(社)日本環境技術協会の「環境大気常
時監視技術者試験制度」による資格認定を受け、技術の維持、向上に努めなければな
らない。受注者は、資格認定等を受けた場合、修了証、認定証書の写しを堺市に提出
すること。
Ⅲ
1
安全管理
一般事項
作業にあたっては、作業従事者はもとより関係者、通行人等第三者に対しても十分な
安全対策を講じ事故防止を図る。特に、高所における作業にあたっては、落下防止対
策を講じること。
2
高圧ガスの取り扱い
機器の保守点検に使用する高圧ガス・危険物等の取り扱いにあたっては、関係法令を
遵守し十分な注意を払い事故防止を図ること。
○その他
① この業務の実施にあたっては、環境への負荷の少ない消耗品の使用及び低公害車
の利用等環境負荷の低減に努めるものとする。
② この仕様書に定めのない事項又はこの仕様書に関して疑義が生じたときは、堺市
と受注者との協議の上、決定するものとする。
③ 暴力団等の排除について、別記に定めるとおりとする。