微小粒子状物質成分分析業務の一般競争入札に係る仕様書

微小粒子状物質(PM2.5)の成分分析に関する仕様書
○業務名称
微小粒子状物質成分分析業務
○業務目的
本業務は、大気汚染防止法第 22 条の規定に基づき、微小粒子状物質の大気汚染状況を把
握することを目的とする。
○履行場所
履行場所は、中環石原局(堺市東区石原町 1 丁 102
クリーンセンター東工場敷地内)
とする。
○履行期間
平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日まで
○業務内容
1.
試料採取方法及び分析方法
測定方法及び分析方法については、「環境大気常時監視マニュアル第 6 版」(平成 22 年
3 月、環境省)、「大気中微小粒子状物質(PM2.5)成分測定マニュアル」(平成 25 年 6 月
改訂、環境省)、
「大気中微小粒子状物質(PM2.5)成分測定マニュアルにおける測定方法
の追加について」(平成 26 年 7 月通知、環境省)に準拠するものとする。
なお、新たに分析に係るマニュアル等が発表された場合は、そのマニュアル等に基づ
く方法に準拠するものとする。
(1) 測定項目
測定項目については下表のとおりとする。
測定成分
質量濃度
イオン成分
無機元素成
分
炭素成分
測定項目
硫酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、ナトリウムイオン、カリウ
ムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイ
オン
計 8 項目
ナトリウム、アルミニウム、ケイ素、カリウム、カルシウム、スカン
ジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、銅、亜鉛、ヒ素、セレン、ルビジウム、モリブデン、アンチ
モン、セシウム、バリウム、ランタン、セリウム、サマリウム、ハフ
ニウム、タングステン、タンタル、トリウム、鉛
計 30 項目
有機炭素(OC1,OC2,OC3,OC4)、元素状炭素(EC1,EC2,EC3)、炭化補正
値(OCpyro)
計 3 項目
(2) 試料採取方法
① 試料採取期間は以下のとおり各季連続する 14 日間とする。ただし、天候等により変更
する場合がある。
② 試料採取時間は 10 時から 9 時とし、ろ紙交換は 9 時から 10 時の間に毎日行う。
(土日
含む)
季節
日程
春季
平成 27 年 5 月 8 日(金)~5 月 22 日(金)
夏季
平成 27 年 7 月 22 日(水)~8 月 5 日(水)
秋季
平成 27 年 10 月 21 日(水)~11 月 4 日(水)
冬季
平成 28 年 1 月 20 日(水)~2 月 3 日(水)
試料採取回数
14 日×4 季節
*測定試料数:14 日×4 季節=56 試料
③ 環境省のマニュアルに基づく採取容器機器等を用いて行うこと。
④ 受注者は試料採取時確認チェックシートを作成すること。
⑤ 試料採取に際し必要があると認めた場合、堺市職員が立ち会う。
⑥ 受注者は、捕集装置設置場所について、堺市と協議するものとする。
⑦ 捕集装置は、屋外設置型で 2 台使用し、1 台はフィルタの材質を PTFE とし、もう 1 台
はフィルタの材質を石英とする。なお、強風などにより転倒しないように処置を講ずる
こと。
⑧ 炭素成分分析用試料採取フィルタには石英繊維製フィルタを用いること。
⑨ 測定に必要な測定機器は、受注者が用意するものとする。
⑩ 補修装置の搬入、設置、測定期間中の保守管理、質量濃度測定、成分分析、測定デー
タ処理及び測定後の撤去等についても、全て受注者が行うものとする。
(3) 分析方法
① 分析は、試料採取後可能な限り速やかに行うこと。
② 前処理、器具洗浄、試料採取、希釈及び分析の各操作において、外部からの汚染を防
止する措置を講じること。
(4) 試料の保存について
採取した試料については、清潔なペトリスライド等の容器に保存し、ポリエチレン製
の袋等で密閉する。また、ガス状成分の透過による汚染を防ぐため、さらにアルミホイ
ルで覆うか、アルミフィルム製の保存袋で密閉し、冷凍保存すること。なお、冷凍保存
する際には、結露に留意し、解凍時には乾燥状態を保つこと。
(5) 精度管理について
① トラベルブランク・二重測定・操作ブランクについて
分析項目
トラベルブランク
操作ブランク
質 量 濃 度
イ オ ン 成 分 各季節において、1 回(3 マ ニ ュ ア ル に 応
無 機 元 素 成 分 試料)行う。(全項目)
じて行う。
炭 素 成 分
二重測定
各季節において、2
日間行う。
(全項目)
*二重測定については、試料採取期間にできない場合は、試料採取期間の前に行う
ものとする。
*操作ブランク、トラベルブランク、二重測定は、精度管理上必須であるので委託
業務の検体数に含まない。
② 装置の感度変動を把握するため、受注者は毎日ろ紙交換の際に測定開始状態と測
定終了状態の確認を行い報告するものとする。
③ 受注者は、ガイドラインに基づいて精度管理を徹底すること。操作ブランクにつ
いては必要に応じてデータが提示できるようにしておくこと。なお、 堺市は、受注
者に対し、分析業務に係る精度管理方法や精度管理に係る必要な資料の提供を求め
ることができる。
④ 受注者は、自らの負担により外部精度管理調査に積極的に参加するものとする。
なお、参加した場合、結果を堺市に報告し、その結果に基づいた分析業務の改善を
行うことにより、分析精度の向上を図るものとする。
⑤ 発注者への報告担当者を定め、担当者は、現場調査、分析、報告の一連の作業 を
一貫して把握し、常に総合的な判断・報告ができるように、組織体制を保持するこ
と。
⑥ 試料採取に異常があった場合、早急に堺市に連絡するとともに、今後の方針等につい
て、協議すること。なお、再度の試料採取を依頼する場合もあるものとする。
⑦ 測定結果に疑義が生じた時は再分析を依頼する場合があるので、 受注者は試料を
測定終了後も一定期間保存するものとする。なお、分析に必要な大きさに切り取っ
た後のろ紙も保管するものとする。また、試料の廃棄や分析残渣については、適正
に処理するものとする。
⑧ 受注者は当業務について SOP を作成し、同手順書に基づき試料捕集、試料の輪送、
前処理及び機器分析等のそれぞれの工程並びに機器の監理等を適切に実施するもの
とする。また、精度管理が十分に施されていたかどうかを、分析終了後も、記録を
基に確認できるものとする。
2.
業務内容に基づく実施計画書の作成等
受注者は、業務開始前に堺市と協議し別紙 1 に示す内容を含む実施計画書を提出するも
のとするとともに、業務責任者届及び分析に係る責任者の環境計量士(濃度関係)を証す
る資格証の写しを提出するものとする。
3.
報告書の作成
結果報告は速報、季報告書、年間報告書の 3 種類とする。
(1) 速報値
受注者は、試料を分析した後、速やかに分析結果を報告するものとする(電子メール
等)。なお、極端に高い若しくは低いと考えられる測定値が得られた場合には、一連の工
程確認表等と併せて堺市に提出するものとする。
(2) 季報告書
① 受注者は、堺市が速報値を確認した後 2 週間以内に測定結果を文書及び電子媒体で報
告するものとする。
内容:気象データ(温度、風向、風速に関しては常時監視局のデータ、気圧は 局舎内に
設置している簡易気圧計の目盛の読み取り値)、試料採取時確認チェックシート、
分析結果、トラベルブランク値、操作ブランク値、分析手順及び検出下限値、定
量下限値の算出方法と算出結果等
資料:使用機器、分析条件、分析チャート、検量線等
② その他、堺市が求めるもの
(3) 年間報告書
① 受注者は測定結果(分析結果一覧表、季節別結果、年平均値、最大値、最小値等)1
部、精度管理情報を記載した年間報告書1部及び電子媒体1部(環境省報告事項を含む。)
を平成 28 年 3 月 31 日までに提出するものとする。記載事項及び内容等詳細は、別途、
堺市が指示するものとする。
② 測定値は 20℃、1 気圧に換算し、有効数字 2 桁で記入すること。
③ 年間報告書は A4 版とし、原則両面印刷、再生紙を利用すること。
④ 受注者は環境省からの通知があった場合、環境省の指定する様式により報告するもの
とする。
⑤ 受注者は年間報告書の提出にあたって、事前に堺市と打ち合わせを行い、承諾を得る
ものとする。また、内容によりワード形式、エクセル形式のファイルに収めるものとす
る。
⑥ その他、堺市が求めるもの。
4. その他
(1) 本委託業務のうち、分析に係る業務については一括再委託を認めない。
(2) 施設へ立ち入りの際は、当該施設の規則等(立ち入り時の挨拶、立ち入り者の記帳、
車輌の置き場所、門扉の開閉、腕章着用等)を遵守することはもちろん作業時の安全確
保、清潔の保持、設備の破損防止等に最大限配慮して作業を行うこと。また、実施計画
以外で施設に立入る必要が生じた場合は、事前に堺市に連絡をするとともに、当該施設
の了承を得ること。
(3) 本業務を行うについて要する費用は、受注者の負担とする。
(4) 受注者の責に帰する人身及び物損事故等の賠償を要する費用については、 受注者の負
担とする。
(5) 本業務により知り得た業務上の機密及び調査結果を、第三者に漏洩してはならない。
(6) この業務の実施にあたり、疑義が生じた場合、もしくは本仕様書に定めのない事項に
ついては、その都度、堺市と協議すること。
(7) 業務の実施にあたっては、環境への負荷の少ない消耗品の使用、低公害車の利用など
環境負荷の低減に努めるものとする。
(8) 暴力団等の排除について、別記に定めるとおりとする。
別
記
暴力団等の排除について
1.入札参加除外者を再委託先等とすることの禁止
(1)受注者は、堺市契約関係暴力団排除措置要綱に基づく入札参加除外を受けた者又は
同要綱別表に掲げる措置要件に該当する者を、再委託先並びに受注者及び再委託先の
資材、原材料の購入契約その他の契約の相手方(以下「再委託先等」という。)として
はならない。
(2)これらの事実が確認された場合、本市は受注者に対し、当該再委託先等との再委託
契約等の解除を求めることができる。
2.再委託契約等の締結について
受注者は、再委託先等との再委託契約等の締結にあたっては、再委託契約締結時には本
市の契約約款に準じた暴力団排除条項を加えることとする。
3.誓約書の提出について
(1)受注者は、堺市暴力団排除条例第8条第2項に規定する暴力団員又は暴力団密接関
係者でない旨の誓約書を提出しなければならない。ただし契約金額(税込)が500
万円未満の場合はこの限りでない。
(2)受注者は、契約金額(税込)が500万円以上となる再委託先等がある場合には、
これらの者から堺市暴力団排除条例第8条第2項に規定する暴力団員又は暴力団密接
関係者でない旨の誓約書を徴収して、本市へ提出しなければならない。
(3)受注者及び再委託先等が当該誓約書を提出しない場合は、入札参加停止を行うもの
とする。
4.不当介入に対する措置
(1)受注者は、この契約の履行にあたり、暴力団員又は暴力団密接関係者から、暴力団
を利することとなるような社会通念上不当な要求又は契約の適正な履行を妨げる行為
(以下「不当介入」という。)を受けたときは、直ちに本市に報告するとともに、警察
に届け出なければならない。
(2)受注者は、再委託先等が暴力団員又は暴力団密接関係者から不当介入を受けたとき
は、直ちに本市に報告するとともに、当該再委託先等に対して、警察に届け出るよう
指導しなければならない。
(3)本市は、受注者が本市に対し、(1)及び(2)に定める報告をしなかったときは、
堺市暴力団排除条例に基づく公表及び入札参加停止を行うことができる。
(4)本市は、受注者又は再委託先等が不当介入を受けたことによりこの契約の履行につ
いて遅延等が発生するおそれがあると認めるときは、受注者が(1)に定める報告及
び届け出又は(2)に定める報告及び指導を行った場合に限り、必要に応じて履行期
間の延長等の措置をとるものとする。
別紙1
実施計画書等について
受注者は、下記に示す事項を実施計画書に記載し、堺市の承認を受けるものとする。
① 測定項目、測定方法(採取方法、採取量、運搬・保存方法など含む)、
② 測定分析及び測定値の妥当性を評価する品質管理に係る組織図
③ 責任者、品質管理者、試料採取者、分析担当者、担当業務、経験年数、資格(環境計
量士(濃度関係)、技術士(環境部門)、環境測定分析士)を記載している従事者名簿
④ 分析室の所在地
⑤ 媒体・測定項目ごとに採取、前処理、測定に使用する各機器の名称
⑥ 精度管理計画
⑦ 緊急連絡体制図
⑧ 測定スケジュール
⑨ 設備、機器、試薬等の管理等について以下の内容を含むこと
・コンタミネーション対策
・必要な機器の確保
・機器の適切な管理と校正、装置検出限界
・測定に必要なレベル(グレード)の試薬や溶媒の使用、使用期限を定めた保管・管
理、標準試薬のトレーサビリティの確保