【報告事項4-2】分科会を通じた分析の手段、方法(PDF/164KB)

報告事項 4-2
1-4
分科会を通じた分析・議論の手順、方法
本分科会では、2013 年 1 月から 2014 年 8 月にかけ、電子媒体によるアンケート調査と対面での聞
き取り調査を実施した。草の根技術協力事業の実施目的1を鑑み、調査は全て以下の 3 点を柱に設計さ
れた。
1) 途上国へのインパクト :開発への貢献(草の根技術協力ならではの開発効果)
2) 国内へのインパクト
:国際協力への支持の拡大
3) 連携による双方の学び、効果、影響
各調査の目的、手法は以下の通りである:
(1) アンケート調査
1.調査目的:
草の根技術協力(支援型/パートナー型)の成果と課題を振り返る際の基礎資料を得ること
2.調査実施方法:
インターネット調査(電子メール)
3.調査対象:
調査開始時点で
【NGO 側】 草の根技術協力(支援型/パートナー型)を活用した/している NGO: 全 164 団体
【JICA 側】各国内、在外拠点の本事業担当者および関係者(含 過去担当者) : 全 84 件2
4.実施スケジュール:
2013 年 1 月~3 月 調査枠組み、仮説、調査設問の検討
2013 年 4 月~5 月 調査
2013 年 6 月~7 月 アンケート結果分析
(2)聞き取り調査
1.調査目的:
アンケート結果の分析作業を通して、より検討を深めるべきと判断された項目/視点(詳細以下)に
ついて追加情報を得ること
2.調査実施方法:
訪問面接調査(NGO-JICA 双方の事務局より 2 名が当該案件に詳しい団体/JICA 担当者を訪問)
3.調査視点および調査対象:
大項目
開発への
視点
調査対象
JICA の重点分野に合致し、技術協力プロジェクト等と
(特活)シェア=国際保健協力市民の会
相互補完している事例
カンボジア事務所担当者
貢献
現地政府が機能していない国や地域(独立直後・内戦
1
2
/ JICA 地球ひろば担当者(当時) / JICA
(特活)シェア=国際保健協力市民の会
詳細は第 1 章-1(p.● )を参照
在外事務所については、国により草の根技協の実施体制が異なるため、1 事務所につき 1 配布とし、回答者およ
び回答数については各事務所の判断に委ねた
等)の課題に取り組んでいる事例
/ JICA 東ティモール事務所担当者(当
時)
政府間協力では対象としにくいが、現地ニーズが高い
開発への
(特活)DPI 日本会議
重要な課題に取り組んでいる事例
貢献
現地政府の要請に基づく事業では対応が困難な課題に
(特活)ACC・希望
貢献している事例
草の根技術協力事業で取り上げた課題が、相手国政府
(公社)シャンティ国際ボランティア会
の施策に影響を与えている事例
/ JICA 地球ひろば担当者(当時) / JICA
カンボジア事務所担当者
JICA との連携によって相手国行政や政府により強いイ
(公社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャ
ンパクトを与えている事例
パン / JICA 地球ひろば担当者(当時) /
ネパール事務所担当者(当時)
草の根技術協力事業実施を通じて、
(更に開発への貢献
(特活)IVY
に資することのできる)組織体制強化に繋がった事例
団体の組織強化・ステップアップに貢献した事例
(特活)エイズ孤児支援 NGO PLAS / JICA
地球ひろば担当者(当時)
国際協力
草の根技術協力事業実施を通じて、国際協力の支持者
への
拡大に繋がった事例
支持の拡大
草の根技術協力事業の経験をその後の国内活動に活用
光の音符
(特活)TICO
している事例
日本の知見や技術を活用している事例
(特活)アジア砒素ネットワーク
4.実施スケジュール:
2013 年 7 月~8 月
調査の視点、適切な調査対象案件の検討
2013 年 8 月~2014 年 8 月
調査(随時、委員間結果共有)
(3) 公開シンポジウムを通じた議論の場の設置
1.シンポジウムタイトル:
NGO と JICA の連携がもたらしたもの‐草の根技術協力事業 10 年の成果と学び‐
2.目的:
草の根技術協力事業を通じた NGO と JICA の連携による途上国への開発効果、国内へのインパクトを
検証し、今後の NGO と JICA のより良い連携の在り方を議論すること
3.対象者:
NGO 関係者、国際協力に関心を持つ市民
4.プログラム概要
第1部
シンポジウム趣旨説明
第2部
草の根技術協力事業
NGO と JICA 担当者による事例紹介(聞き取り調査対象事例から)
-
DPI 日本会議
-
シャンティ国際ボランティア会
-
光の音符
第3部
パネルディスカッション
(4) 分科会における議論ポイント
以上 3 件の調査分析・議論結果、および平成 26 年度行政事業レビューで指摘された以下 2 点を踏ま
え、分科会では設置期間後半、主に以下の点について議論を行った。

平成 26 年度行政事業レビューでの指摘(外務省ホームページより抜粋)
① NGO の育成のため、草の根技術協力の第三者評価を実施して検証を行い、その結果を踏まえて、NGO
側の持続性及び他のスキームとの重複にも留意しながら、より多くの NGO が参加できるよう、制度
的な改善を図るべき。
② NGO による国内での事業展開への支援については、国内の他の施策、これまでの事業の効果の検証
を十分に行った上で、考え方を整理する必要がある。

分科会における主な議論ポイント
・ 草の根技協の実施意義(連携意義)を高めるためにどうすべきか
・ 一定水準の質を担保するためにどうすべきか
・ 草の根技術協力事業として実施団体のすそ野(特に中小規模団体)を拡大するためにどうすべきか
・ 1 号業務への参画促進の方法論
・ 適正規模と事業の持続性確保(提案上限金額に係る検討)
・ 政府全体の NGO 支援・補助との重複に係る検討
・ 草の根技術協力事業の今後の発展の可能性
以上