アルバータ州におけるシェールガス下流事業への外国投資に関する法的

Legal Considerations of Foreign Investment in
Alberta Downstream Shale Gas Business
アルバータ州におけるシェールガスダウンストリーム事業への
外国投資に関する法的考察
February, 2015
Davis LLP/Davis & Takahashi
Tony McArthur, Managing Partner, Tokyo
高橋&デイビス法律事務所・外国法共同事業
トニー・マッカーサー 東京オフィス代表弁護士
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プレゼンテーション概要
1. カナダ投資法
2. 競争法
3. 労働力の利用可能性
4. 労働許可
5. 温室効果ガス (GHG)規制
6. フラッキング
7. 環境法
8. 先住民
カナダ投資法 (ICA)
1. ICAの目的は、経済成長と経済的な機会に貢
献しうる、カナダ人または非カナダ人によるカナ
ダへの投資を促進することである
2. WTO加盟国からの投資家に適用される、事前
審査対象取引の基準額 :
(a) 直接投資の2014年度基準額は3億5千4百万
カナダドル
(b) 徐々に、6億カナダドル、次に10億カナダドル
に増額
カナダ投資法 (ICA)
(c) WTO加盟国の投資家による間接的取得は、事
前審理の対象にはならないが、通知を要する
(d) 文化的事業の基準額は、直接取得に関し5百
万カナダドル、間接取得に関し5千万カナダドル
(e) カナダにとっての純便益がなければならない
カナダ投資法 (ICA) - 続き
- 国有企業(SOE)はカナダ投資法により制限される。
- SOEとは、外国政府により、直接的または間接的に
保有され、支配され、または影響を受けている法人を
いう。
競争法
1. 競争法は、独占禁止と取引慣行に関するカナダの連邦法
である
(a) 法人合併規制と刑事犯(価格協定など)
(b) 取引委員会は、競争を大きく縮小したり妨げる、または
その可能性のあるいかなる合併にも、異議を申し立て得る
(c) 競争審判所は合併を中止また解消させることができる
競争法 - 続き
合併通知に関する2つの財務的基準額
(a) 当事者規模の基準額: 当事者(及び関連会社)の有する
カナダの総資産、又はカナダでの、カナダからの若しくはカナ
ダに対する取引から生じる粗利益が、4億カナダドルを超え
る場合
(b) 取引規模の基準額: 一般的に、(i) 合併対象のカナダ国
内における資産が8千万カナダドル、または(ii)カナダへの又
はカナダからの取引から生じる粗利益の合算額が8千万カナ
ダドルを超える場合
労働力の利用可能性
- オイルサンドとパイプラインの急速な発展は労働力不足
を引き起こす
- 現在、原油価格が低いことにより上記の状況が変わりつ
つある。将来においては再び労働力不足が生じることが予
想される
-連邦政府は臨時的外国人労働者(TWF)の雇用を認めて
いる
- 臨時的外国人労働者の利用は議論をよんでいる
カナダにおけるTFWの労働許可
1.企業間移動の労働許可
2.労働力マーケットインパクトの査定
3.ビジネスビジターとしての許可
温室効果ガス (GHG) 規制
 カナダは京都とコペンハーゲンにて、温室効果
ガスの削減に合意している
 カナダ連邦政府は炭素の規制と価格設定に関
しほとんど何もしていない
 カナダの首相は、エネルギー価格の状況のた
め、温室効果ガスの規制には適した時期でない
と述べている
温室効果ガス (GHG) 規制
 アルバータ州は、2007年の炭素税の導入をはじ
め、温室効果ガス規制の先導的存在の一つであ
る
 炭素ガスを大量に放出している企業は、放出量
を削減するか、アルバータ州内のクレジットを購
入するか、基金に支払いをしなければならない
 基金は、温室効果ガスの革新的研究プロジェク
トのため使用される
先住民法問題
 先住民法は、土地と資源の開発に影響する。
 最近の最高裁の判断 (Tsilhqot’in decision)で
は、土地に関する「先住民土地所有権」に係るル
ールが定められた。一定の規制に服する、集合的
「所有権」(collective “fee simple”)と同様の、独
占的利用権である。 通常は、「先住民土地所有権
」の土地の開発を始める前に同意が必要となる。
先住民法問題
 不動産に係る「先住民土地所有権」(“aboriginal
title”)は、土地に関する「先住民権」(“aboriginal
rights”)とは異なる。双方とも、予定された土地の使用
について、誠意をもって協議する義務がある
 「先住民権」の対象である土地は、協議が不可欠であ
るが、同意は必須ではない
 便益の影響に関する契約(benefit impact
agreement)では、先住民と産業との間で、先住民の
雇用や収入補償などの、開発に伴う便益に関する規定
が合意される
環境法/フラッキング
 連邦法、州法、地方自治法
 アルバータ州の原油ガス産業は環境問題のため
に厳しく規制されている
 プロジェクトの開発前には環境査定が必須とされ
ている
 環境法または土壌汚染に関する法令の不順守に
より責任が生じうる
フラッキング
 シェールオイル及びガスプロジェクトはフラッキン
グ(水圧破砕)に依存する
 アルバータ州はフラッキングの情報の開示または
許可を必須としない。現在は基本的には規制され
ていない
 いくつかの州において、資源が希薄な州では特に
、フラッキングに対する大衆からの圧力が続く
 フラッキング規制への圧力は一般に今後も増加し
続ける
シェールガスダウンストリーム事業 - まとめ
- カナダ投資法と競争法を考慮する
- 労働力の利用可能性と労働許可
- 先住民問題
- 環境法問題
DAVIS&TAKAHASHI / Davis LLP
高橋&デイビス法律事務所・外国法共同事業
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ご清聴ありがとうございました!
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 Ph: (03) 6234-1241
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